T o p i c s リフォームマーケット リフォーム市場が拡大中 省エネ、高齢者配慮、耐震などワンランク上の住まいへ 性能向上リフォームがトレンドに リフォーム市場が着実に拡大、平成25年の市場は6兆1,000億円とこの20年間で最大となりました。 この拡大を牽引しているのが、省エネやバリアフリー、耐震といった住まいの性能を上げるリフォームです。 住宅リフォームの市場が着実に広 く見てみましょう。 の修繕維持費が大半を占めますが、 がっています。 (一社) 住宅リフォーム推進協議会 増築・改築工事費が同3割近くも伸 (公財) 住宅リフォーム・紛争処理 の「平成25年度 住宅リフォーム びていることが注目されます。 実例調査」によると、住宅の性能向 支援センターの「住宅リフォーム市 さらに、家具などのリフォームに 場規模」によると、平成25年の市 関連する耐久消費財やインテリア関 上を図るリフォームが増えています。 場規模は6兆1,000億円(増築・改 連商品などの購入も加えた「広義の 戸建て住宅リフォームの目的をみる 築工事費+設備等の修繕維持費)と、 リフォーム金額」も7兆4,900億円 と、 「使い勝手の改善、自分の好み 前年から12.3%増、6,700億円の増 と4年連続で増加を続けています。 に変更するため」 (65.9%)や、 「住 加となりました。4年連続でその市 平成26年4月に消費税が8%に引 宅・設備の老朽化や壊れたため」 場が拡大しているだけでなく、平成 き上げられたため、平成25年は駆 (60.6%)が多くなっていますが、 「老 元年の調査開始以来最大の規模とな け込み需要が発生、住宅リフォーム 後に備えたり、同居する高齢者など りました。 需要を大きく後押ししたようです。 が暮らしやすくするため」 (37.6%) 、 内 訳 は、 増 築・ 改 築 工 事 費 が 「省エネルギー化、冷暖房効率の向 性能向上リフォームが増加 窓や断熱強化の動きが進む 5,400億円で同28.6%増。設備等 の修繕維持費が5兆5,600億円で同 上等を図るため」 (36.9%)なども 多くなっています。 リフォームの内容をもう少し細か 11.0%増となっています。設備等 こうした傾向は、リフォーム工事 住宅リフォームの市場規模 兆円 10.00 設備等の修繕維持費 増築・改築工事費 広義のリフォーム金額 9.06 9.00 8.12 8.00 6.75 7.00 5.78 6.00 7.06 7.27 6.93 6.13 5.29 5.00 4.00 3.40 3.59 3.00 2.18 2.33 1.22 1.26 年 元 2 2.00 1.00 0 年 成 平 4.06 4.42 4.18 3.07 2.98 3.32 1.30 1.35 1.20 1.22 年 年 4 年 5 5.74 5.44 4.54 2.76 3 8.06 7.52 年 6 4.11 1.18 年 7 4.53 1.21 年 8 4.42 1.02 年 9 7.49 7.45 5.30 4.95 5.13 4.00 4.28 4.54 0.95 0.85 0.76 年 10 年 11 年 12 7.19 5.23 7.31 5.61 4.48 4.90 0.75 0.71 年 13 年 14 7.01 5.44 4.77 0.67 年 15 7.49 6.56 5.05 6.79 5.29 6.22 5.97 6.06 4.81 4.70 4.76 4.36 4.60 4.11 4.16 4.20 0.69 0.69 0.70 0.54 0.56 年 16 年 17 年 18 年 19 年 20 6.37 5.61 6.50 6.73 6.10 5.25 5.43 4.60 4.82 5.01 0.42 0.43 0.42 5.02 4.40 3.98 0.42 年 21 年 22 年 23 年 24 5.56 0.54 年 25 ※①「広義のリフォーム市場規模」とは、住宅着工統計上「新設住宅」に計上される増築・改築工事と、エアコンや家具等のリフォームに関連する耐久消費財、イン テリア商品等の購入費を含めた金額を言う。 ②推計した市場規模には、分譲マンションの大規模修繕等、共用部分のリフォーム、賃貸住宅所有者による賃貸住宅のリフォーム、外構等のエクステリア工事 は含まれていない。 ③本市場規模は、 「建築着工統計年報」 (国土交通省) 、 「家計調査年報」 (総務省) 、 「全国人口・世帯数・人口動態表」 (総務省) 等により、公益財団法人住宅リフォーム・ 紛争処理支援センターが推計したものである。 出典:(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター 10 CW6_A1149_p10_D04.indd 10 2015/03/13 15:21:15 へ の内容をみても明らかです。 「窓ガ 古住宅・リフォームトータルプラン」 ラス・窓サッシ等の改良」が39.2% をまとめ、平成32年までに中古住 古くなったから修繕しよう、壊れ と4割近くを占めます。また、 「外 宅流通・リフォーム市場を倍増させ たから取替えよう―といった改修を 壁への断熱材の設置工事」は前年の る計画を打ち出しました。そして、 一歩進め、暮らしをより快適にする、 17.2%から19.4%へと増加、 「屋 この目標を達成するため、リフォー 自分らしい住まいとするといった視 根・天井への断熱材の設置工事」も ムを支援するさまざまな新しい施策 点から、性能向上リフォームを検討 14.5%から18.4%へと増加してい を打ち出しています。 してみてはいかがでしょうか。 ます。 変わらせることができます。 これらの制度を上手く使いこなす 性能向上リフォームを さまざまな施策で支援 ことによって、“ わが家 ” を生まれ 国もこうした住宅の性能を高める リフォームの後押しに力を注いでい ます。その大きなキーワードが「省 エネ」 、 「バリアフリー」 、 「耐震」です。 リフォームに対する優遇税制とし て、以前から、省エネ改修、バリア フリー改修、耐震改修という3つに ついて、所得税減税と固定資産税減 税を実施してきています。 また、リフォームを行なうことで 一定の質の向上を図った中古住宅を 取得する場合の登録免許税減税も新 リフォーム契約金額 戸建て住宅 平成21年 9.1 27.4 平成22年 8.7 27.6 14.9 23.7 18.1 24.0 17.6 7.3 100万円超~300万円以下 平成23年 8.7 平成24年 7.9 26.5 24.8 17.9 平成25年 3.9 18.5 0% 16.7 16.0 20% 40% 23.2 20.4 4.5 23.4 22.4 3.7 26.2 31.8 60% 度などでもさまざまな事業が実施さ れます。 300万円超~500万円以下 500万円超~1,000万円以下 1,000万円超 不明 3.5 80% 100% 出典: (一社)住宅リフォーム推進協議会 たにスタートしています。 減税だけではありません。補助制 100万円以下 4.1 17.5 リフォーム工事の内容 戸建て住宅 単位:% 住宅設備の変更 例えば、新たに始まった「省エネ 住宅ポイント」は、断熱改修に対し 72.4 内装の変更(壁紙、床の張り替え等) 72.0 てポイントを発行します。断熱改修 外装の変更 (屋根の葺き替え、外壁の塗り替え等) 46.9 と同時に行うバリアフリー改修や耐 間取りの変更 45.5 震改修もポイント発行の対象になり 窓ガラス・窓サッシ等の改良 39.2 室内建具の変更 38.9 る「長期優良住宅化リフォーム推進 段差の解消、手すりの設置 38.7 事業」は、既存住宅の長寿命化を測 冷暖房設備、給湯設備等の設置・更新 (床暖房含む) 34.4 収納スペースの改善 34.1 ます。 また、昨年度に引き続き実施され ることを目的に、一定の性能向上リ フォームに補助を行います。 「既存住宅・建築物における高性 居室の用途の変更 能建材導入促進事業」は省エネ性の 耐震補強工事 19.5 外壁への断熱材の設置工事 19.4 国の補助だけでなく、県や市町村 屋根・天井への断熱材の設置工事 18.4 などの自治体も、さまざまな支援制 床・基礎への断熱材の設置工事 18.3 高い高性能建材を用いた改修に対し て補助を行う制度です。 度を設けています。 国土交通省は、平成24年に「中 0.0 26.9 20.0 40.0 60.0 80.0 出典: (一社)住宅リフォーム推進協議会 11 CW6_A1149_p10_D04.indd 11 2015/03/13 15:21:16
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