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第7回
JSOPP (日本がん薬剤学会) 学術大会
~ 更なる安全で良質ながん薬物療法の実践にむけて ~
プログラム 及び 講演要旨集
開
催
日 : 平成 27 年
5 月 17 日 [日]
会 場 : 都市センターホテル
主 催 : 一般社団法人 日本がん薬剤学会 (JSOPP)
大 会 会 長 : 国立国際医療研究センター病院
薬剤部長 和泉 啓司郎
実行委員長 : 日本医療研究開発機構
臨床研究課 課長補佐 牧野 好倫
フロアーマップ
3階
コスモス…… A会場
講演会場
エレベーターホール
エレベーターホール
階段
階フロアへ
控室
男子トイレ
倉庫
多目的
トイレ
A会場
コスモス
女子トイレ
パントリー
非常
階段
非常用
非常用
非常
階段
5階
オリオン…… B会場
講演会場
事務局
菊
倉庫
蘭
エレベーターホール
エレベーターホール
喫煙スペース
松…………… E会場
日本BD WS 会場
降り階段
ブース
B会場
機械室
調整室
吹抜
階段
F会場
スバル……… F会場
企業展示会場
多目的
トイレ
非常
階段
非常用
厨房・パントリー
楓
E会場
非常用
男子トイレ 女子トイレ
非常
階段
6階
601会議室… … C会場
講演会場
機械室
G会場
エレベーターホール
エレベーターホール
喫煙スペース
機械室
606会議室… … D会場
ワークショップ会場
C会場
吹抜
機械室
D会場
階段
603会議室… … G会場
指定・一般演題展示会場
コピー機
パントリー
非常
階段
多目的
トイレ
非常用
非常用
男子トイレ 女子トイレ
-2-
非常
階段
大会会長挨拶
「第7回 JSOPP(日本がん薬剤学会)学術大会」
開催にあたって
国立国際医療研究センター 薬剤部長
いずみ
けい し ろう
和泉 啓司郎
この度JSOPP(Japan Society of Oncology Pharmacy Practitioners:日本がん
薬剤学会)では、第7回JSOPP学術大会を平成27年5月17日(日)、東京において開
催することになりました。
平成20年に第1回学術大会を開催してから昨年12月には一般社団法人化して組織体
制も一新し、「新たな一歩」をテーマに第6回JSOPP学術大会を開催して、600名を
超える方にご参加いただきました。
これまで当学会では、NIOSHアラートの翻訳、ISOPPスタンダードの翻訳活動な
どを通し、閉鎖式接続器具の被曝対策に対する有効性の検証と診療保険点数化に協力
してまいりました。がん薬物療法を受ける患者さんの安全性を担保するための高質な
薬学的ケアの実践、即ちSafe Administrationの手助けだけでなく、がん薬物療法に
従事する薬剤師の安全性、即ちSafe Handlingという実践的な研究分野に特化した学
術活動を展開してまいりました。また、がん化学療法に精通した薬剤師の育成という
視点も新たに加え、がん医療に関わる病院薬剤師を中心とした実務家と研究者が一同
に介してがん化学療法に関わる最新情報を交換する場も提供することとしております。
更に、日本医療薬学会との共催セミナーとして「がん専門薬剤師申請時の50症例書
き方セミナー」を行い、がん専門薬剤師の育成にも関与しております。
今回は、「更なる安全で良質ながん薬物療法の実践にむけて」をテーマに、曝露防
止対策のセッションや適正な化学療法を実施するための薬剤師の果たすべき役割等の
セッションを行う予定にしております。また、昨年に引き続き医療薬学会との共催セ
ミナーも開催いたします。
-3-
プログラム
【A会場(3F コスモス)】
◆開会
9:00~9:05
大会長挨拶
大会長:和泉 啓司郎(国立国際医療研究センター病院 薬剤部長)
9:05~9:35
大会長講演
座長:谷村 学(伊勢赤十字病院 薬剤部長)
演者:和泉 啓司郎(国立国際医療研究センター病院 薬剤部長)
◆シンポジウム
9:40~11:10 「がん患者指導管理料3~薬剤師が外来がん患者に対してできること~」
オーガナイザー兼座長:野村 久祥(国立がん研究センター東病院 薬剤部)
輪湖 哲也(日本医科大学付属病院 薬剤部)
シンポジスト
1. 中村 勝之(札幌医科大学附属病院 薬剤部)
2. 上杉 章紀(JR東京総合病院 薬剤部)
3. 吉野 真樹(新潟県立がんセンター新潟病院 薬剤部)
4. 伊與田 友和(一般財団法人慈山会医学研究所付属坪井病院 薬剤部)
5. 組橋 由記(徳島赤十字病院 薬剤部)
クロージングリマークス:野村 久祥
共催:株式会社ヤクルト本社
◆ランチョンセミナー1
11:40~12:30 「高齢者大腸癌における抗がん剤治療の現状と展望」
座長:林 憲一(国立研究開発法人 国立がん研究センター 薬剤部長)
講演:石岡 千加史(東北大学加齢医学研究所 臨床腫瘍学分野 教授)
共催:持田製薬株式会社・ホスピーラ・ジャパン株式会社
◆教育セミナー
13:30~15:30 「医薬品リスク管理計画」
オーガナイザー兼座長:鈴木 賢一(公益財団法人がん研究会有明病院 薬剤部)
高山 慎司(聖路加国際病院 薬剤部)
教育講演:各30分予定(質疑応答含む)
1. 臨床における取組:林 昌洋(虎の門病院 薬剤部長)
2. 行政における取組: 込山 則行(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
(PMDA))
3. 企業における取組:吉田 真(中外製薬株式会社 ファーマコビジランス部)
4. 総括:高山 慎司
共催:中外製薬株式会社
◆閉会の挨拶
16:00~16:10
次回大会長 谷村 学(伊勢赤十字病院 薬剤部長)
-4-
【B会場(5F オリオン)】
◆シンポジウム
9:40~11:10 「一歩進んだ曝露対策」
オーガナイザー:宮澤 真帆(がん・感染症センター都立駒込病院 薬剤科)
牧野 好倫(国立がん研究センター中央病院 薬剤部)
座長:濱 敏弘(公益財団法人がん研究会有明病院 薬剤部長)
杉浦 伸一(名古屋大学大学院 医学研究科)
基調講演:「抗がん薬曝露対策に関する社会の動き」
演者:杉浦 伸一
指定講演:
1)看護師の立場から:朝鍋 美保子(国立がん研究センター中央病院 看護部)
2)薬剤師の立場から:倉橋 基尚(関西電力病院 薬剤部)
3)企業の立場から:中北 香子(テルモ株式会社)
クロージングリマークス:濱 敏弘
共催:テルモ株式会社
◆ランチョンセミナー2
11:40~12:30 「Understanding Biosimilars and their role in Cancer Care」
座長:和泉 啓司郎(国立国際医療研究センター病院 薬剤部長)
講演:Paul Cornes (Oncologist, Clinical Outcome Group, UK)
共催:サンド株式会社
◆日本医療薬学会共催セミナー
13:00~16:00 「がん専門薬剤師になるための50症例書き方」
オーガナイザー:鈴木 賢一(公益財団法人がん研究会有明病院 薬剤部)
清水 久範(昭和大学病院 薬剤部)
座長:吉村 知哲(大垣市民病院 薬剤部)
岩根 裕紀(京都桂病院 薬剤科)
1. 基調講演「がん専門薬剤師認定制度の理念とがん専門薬剤師に期待すること」
講演:谷川原 祐介(慶應義塾大学 医学部臨床薬剤学 教授)
2. 薬学的介入 優秀事例紹介
事例1 症例:膀胱がん
演者:花房 加奈恵(大阪医科大学附属病院 薬剤部)
事例2 症例:乳がん
演者:宮澤 真帆(がん・感染症センター都立駒込病院 薬剤科)
事例3 症例:腎がん
演者:櫛原 秀之(名古屋第一赤十字病院 薬剤部)
事例4 透析中の胃がん
演者:三宅 知宏(伊勢赤十字病院 薬剤部)
3.「症例サマリー書き方のコツ」
がん専門薬剤師認定制度委員会委員長
講演:濱 敏弘(がん研究会有明病院 薬剤部長)
-5-
【C会場(6F 601会議室)】
◆教育講座
10:10~11:10 「がん医療における費用対効果」
座長:清水 久範(昭和大学病院 薬剤部)
講師:池田 俊也(国際医療福祉大学 薬学部教授)
共催:日本ケミファ株式会社
◆ランチョンセミナー3
11:40~12:30 「ハザーダス・ドラッグの安全な取扱い」
座長:橋田 亨(神戸市立医療センター中央市民病院 院長補佐・薬剤部長)
演者:石丸 博雅(聖路加国際病院 薬剤部)
共催:沢井製薬株式会社
【D会場(6F 606会議室)】
◆ワークショップ
13:30~15:30 「腫瘍内科医と学ぶ“がん治療でよくある患者の訴えとその捉え方”」
オーガナイザー兼司会:大橋 養賢(国立病院機構東京医療センター 薬剤部)
深谷 寛(東京女子医科大学病院 薬剤部)
講師:堀之内 秀仁(国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科)
共催:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
【E会場(5F 松)】
◆ワークショップ2
11:10~16:00 「ハザーダス・ドラッグ曝露対策器具CSTDのハンズオン実習
~曝露の危険性から仲間を守るのも薬剤師の使命?!~」
開催時間 11:10、12:45、15:30から約30分(3回とも同じ講演内容です)
共催:日本ベクトン・ディッキンソン株式会社
【F会場(5F スバル)】
◆企業展示
【G会場(6F 603会議室)】
◆指定演題展示
◆一般演題展示
-6-
A会場 大会長講演
JSOPP学術大会長講演:
がん医療において
チーム医療に求められている薬剤師とは
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 薬剤部長 和泉 啓司郎 先生
略歴
1973年 東京薬科大学薬学部薬学科卒
国立療養所、厚生省、ナショナルセンター、国立病院機構本部勤務後、
2009年 独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター薬剤科長
2012年 独立行政法人国立がん研究センター東病院薬剤部長
2015年 独立行政法人国立国際医療研究センター薬剤部長
2017年 現職
い ず み けい し ろう
和泉 啓司郎 先生
1981年から死亡原因の第1位にがんがなったことから、平成19年にがん対策基本法を踏まえたがん対策
推進基本計画が制定され、放射線療法、化学療法、手術療法の更なる充実とこれらを専門的に行う医療従
事者として薬剤師も明記された。
このような背景の中で、平成17年にはがん領域に対する専門的な知識を持ったがん専門薬剤師が誕生
し、平成26年には、専門的な資格を持った薬剤師が医師と協働で薬学的な管理業務を行うことで、がん医
療に従事する医師等の負担軽減や薬物療法の質の向上等に寄与することが評価され診療報酬としても算定
できるようになっている。
昨年、FDAで新たに承認された抗がん薬は10品目で、適応拡大された品目は4品目であった。また、
NIOSHのハザーダスドラッグの抗がん薬のリスト2014年版には、新たに9品目が掲載されている。日本で
は、15品目が新薬として上市されているが、新規作用機序の抗がん薬も発売され、その薬剤の適正使用の
ためのチーム医療による副作用マネジメントや支持療法及び曝露対策等への関与がますます薬剤師に求め
られている。
また、医療費が逼迫する中で、抗がん薬は高薬価の品目も多いことから、アメリカのがん専門薬剤師の
活躍の一端である経済学的な側面からの貢献も今後推進しなければならない業務と考えられる。
-7-
A・G会場 シンポジウム 2 (指定演題)
2 外来がん患者指導のための院内体
制整備
1 がん患者管理指導への取り組み
(小山記念病院の現状報告)
1)
小山記念病院
札幌医科大学附属病院薬剤部
2)
札幌医科大学附属病院第一外科
はなか
じゅんいち
3)
札幌医科大学附属病院腫瘍診療センター
○花香 淳一
なかむら
かつゆき
○中村 勝之 1)、野田 師正 1)、沖田 憲司 2)、瀧本 理修 3)、
( 1)算定件数(平成 26 年 6 月~平成 27 年 2 月=平均 7.2 件/
中田 浩雅 1)、宮本 篤 1)
月)外来化学療法件数(化学療法室ベッド数= 7 床、治療患
者数=平均 4 名/日、診療科=乳腺科・消化器科・泌尿器
科・婦人科・脳神経外科)
【はじめに】がん患者指導管理料 3 の新設に伴い、院内での
(2)初回介入時に文書にて同意を取得。平成 26 年 4 月の外来
指導管理体制を整備し、試行を 3 ヶ月行ったので報告する。
化学療法室改修に合わせて指導室を設置。「がん患者指導」
【方法】がん化学療法を受ける外来患者を対象とし、同意を
の予約枠に医師より事前オーダーが入る。継続的な介入が必
取得後、医師からの依頼により治療開始やレジメン変更時お
要な場合、次回以降の予約は診察日に合わせて薬剤師自身が
よびそのフォローに対して、診察前などに面談室や外来診察
オーダーしている。
室で面談指導した。説明文書は内服レジメンを中心に繁用の
( 3)全がん患者が対象。7 回目以降は管理料を算定せず。
ものを作成し用いた。面談指導の内容は病院情報システム
尚、術後化学療法等での介入患者が時間を経過して再発し、
(HIS)の電子カルテ診療記録にアセスメントを含めて記載
それらの治療適応になった際はこの限りではないと解釈して
いる。
した。
【結果・考察】2015 年 1 月より試行を開始した。指導管理患
(4)薬剤師が医師の診察に同席。診察等の後、指導室にて指
者は 3 ヶ月の試行期間 7 名で、患者の年齢は中央値で 69 歳
導実施。
(38-82 歳)であった。指導・介入内容としては治療レジメン
( 5)担当薬剤師は 1 名(がん薬物療法認定薬剤師かつ外来が
の選択、支持療法に関して、副作用アセスメントと支持療法
ん治療認定薬剤師)、がん化学療法業務に携わる薬剤師は別
薬剤の調節や新規提案であった。副作用のアセスメントは来
に 1 名(外来がん治療認定薬剤師の取得を目指している)。
院の都度行った。自宅療養中には患者状態に応じて電話ある
認定薬剤師不在時は指導/算定せず。
いはメールで適宜情報収集を行いつつ、治療継続できるよう
(6)がん患者指導管理料 1 の算定時は看護師と協同して指
に配慮した。今回は試行的な取り組みであり、業務を評価す
導。地域薬薬連携は 4 年前から開始している。(がん患者専
るまでには至っていないが、3 月末に指導の依頼、記録、医
用の手帳を製作し運用中)在宅中の不明点について、病院代
事算定の機能がHISに実装されたことで、管理運用のための
表番号を通じて薬剤科に繋いでもらう指示をしており、日勤
ツールが整った。今後は院内の要望に応えながら指導管理業
時間帯は担当薬剤師(不在時は上記の別の薬剤師)が症状等
務をおこなうことで、治療成績の維持・向上や副作用症状の
を聞き取り。課題は担当薬剤師の育成/増員。
重篤化回避をめざしていきたいと考えている。また院内のが
ん看護相談業務や院外の保険薬局と情報連携をとっていきた
い。
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A・G会場 シンポジウム 2 (指定演題)
3 当院におけるがん患者管理指導料
3 の算定状況と課題
4 少人数薬剤部でもできる、薬剤師
外来とがん患者指導管理料 3 の算
定
亀田総合病院 薬剤部
やすむろ
一般財団法人慈山会医学研究所付属坪井病院薬剤部
おさむ
い
○安室 修、伊勢崎竜也、高松 宏行、塚田 麻実、
よ
だ ともかず
○伊與田友和、合津 貴志、渡邊 弘枝、渡部 照美、
小倉 宏之、永井 淳子、舟越 亮寛
田崎 政則
(1)1 日あたりの化学療法患者数は約 40 名である。31 台のリ
(1)当院では本年 2 月に消化器外科のがん患者を対象に完全
クライニングチェアおよび 10 台のベッドを有し、10 診療科
予約制の薬剤師外来を開設し、同時にがん患者指導管理料 3
で約 150 のレジメンが運用されている。2014 年度におけるが
ん患者管理指導料 3 の算定件数は 167 件であった。
を算定開始、2 か月間で 39 件算定した。
(2)患者同意取得は化学療法開始時にとる同意書に薬剤師か
(2)算定にあたり口頭での同意取得を行っている。面談には
らの薬剤管理指導があることを明記し、面談は外来診察室近
化学療法センター内の相談室を使用し、必要に応じてベッド
くのがん相談外来個室を利用している。面談ではオーダリン
サイドでの対応も行う。算定とオーダリングシステムのリン
グ上のチェックシートで副作用Grade評価や処方提案をする
クはない。
と同時に、同内容の評価票を出力し紙カルテへ添付する 2 通
(3)対象患者の設定はレジメンの初回導入時とし、算定要件
りの方法で医師と即時の情報共有を可能とした。また終業ま
で定める「6 回に限る」については、1 患者に対して生涯を
通じて 6 回算定可能と解釈している。現在の運用で 7 回目に
でに指導記録も作成し外来カルテへ添付している。
( 3)当初TS-1 服用患者を計画していたが、現在はがん化学
該当する患者は発生していない。
療法行う患者を対象として来院毎に診察前面談を実施し 7 回
(4)おおまかな業務フローは、対象患者が生じた場合、診察
目以降も患者の拒否がない限り継続することとした。
室より薬剤部に指導依頼の電話連絡が入る。患者は相談室に
(4)当薬剤部は薬剤師 5 名、薬剤助手 2 名の少人数で業務を
てレジメン毎に作成した説明書もしくは製薬メーカー作成の
行っているため、院内全職種対象に 2 回、門前薬局に 1 回そ
説明冊子に沿った説明を受ける。指導内容は算定要件にあげ
れぞれ勉強会を行い、運用方法や薬剤師外来・指導管理料 3
られた項目に沿って電子カルテに記載する。
の概要を周知し、看護師、事務の役割も提示・依頼した。
(5)説明を行う薬剤師に資格の有無や経験年数などの制限は
(5)算定はがん薬物療法認定および外来がん治療認定を有す
設けず、専任の薬剤師が担当する。当院では入職後 2 年間は
る薬剤師 1 名が担当しているが、7 回目以降の面談は担当者
部署配属せず、薬剤部内をローテーションし、その間にレジ
が休暇の時など他のスタッフでも可能としている。
メン導入説明を行えるようにしている。
(6)今後人員の確保が急務であるが、福島県ではがんに係る
(6)算定開始当初は、算定のチェックもれなどが散見された
研修施設がないため薬剤部内で育成カリキュラムを検討・作
が、化学療法センター会議で注意喚起を行い解決されてい
成し、まずは外来がん治療認定を育成し対象診療科を拡大し
る。相談室が 1 室のため、対象患者が同時に発生すると待ち
ていく予定である。
時間が生じることもある。
-9-
A・G会場 シンポジウム 2 (指定演題)
5 がん患者指導管理料 3 算定に向け
た取り組みと問題提起
~存続に苦慮している施設からの提言~
6 外来がん患者に貢献する!
新潟県立がんセンター新潟病院 薬剤部
よしの
徳島赤十字病院 薬剤部
まさき
くみはし
ゆ
き
○吉野 真樹、田中 佳美、佐々木奈穂、加藤 克彦
○組橋 由記、福島ゆかり、鈴江 朋子
2014 年 5 月より外来化学療法施行患者に対するがん患者指導
当院の特徴は、経口の抗がん薬や分子標的薬単剤治療におい
管理料 3 算定を目的とした業務体制の整備をすすめ、併せて
ても、点滴を含む患者と同様、初回開始時に必ず説明を行っ
問題点について検討した。
ている。2010 年頃にはカペシタビンやEGFR-TKIなど、高
( 1)外来化学療法室ベッド数は 15 床、1 日平均患者数は 33
頻度に出現する皮膚障害に対応するため継続した面談を開始
件、10 診療科で、約 250 種のレジメンが登録される。乳腺外
し、現在は薬剤を問わず副作用モニタリング、処方提案を
科、消化器外科患者数で全体の約 6 割、指導対象の大半を占
める。昨年度累計で、指導総件数は 455 件、算定患者総数は
82 件(18 %)であった。
行っている。
(1)薬剤師外来(診察前面談)算定件数:平均 40 件/月
外来化学療法室ベッド数:9 床、1 日の点滴治療患者数中央
(2)同意取得後、医師からの依頼等で介入を開始することを
原則とした。算定は電子カルテシステムの汎用入力で医事会
計部門との連携を図った。
値:13 人(4-20)
(2)同意書:がん化学療法開始時に治療の同意書で包括同意
を得る。
( 3)外来化学療法全患者を対象とするが、レジメン初回導
患者面談に利用している場所:診察室やベッドサイドなど
入・変更時対応が主体であった。同一患者に対する複数回介
オーダリング内には、算定時にチェックするチェックボック
入は平均 2 回であった。
スあり
(4)診療場との協議にて、業務規程を策定した。提供文章は
レジメン種別に整備し、薬学的アセスメントを含めた指導記
録を電子カルテ上に保管した。
算定回数は、エクセルで薬剤師が管理
(3)対象患者:がん化学療法開始時(経口抗がん薬、分子標
的薬単剤を含む)
( 5)日本医療薬学会がん専門薬剤師と非認定者各 1 名(各々
がん専門病院での経験年数は 5 年以上)が担当している。
レジメン変更時、副作用対策で時間をかけて関わった時
6 回の解釈:同じ癌種の治療で 6 回まで。7 回目以降も関わる
(6)要件を満たせず、算定は伸び悩んでいる。後進育成に難
渋していることも一因である。人員不足のため、専従職員は
他業務兼務である。また、継続的介入が困難であり、十分な
支援体制とは言い難い。今後は、標準的な薬学的介入と継続
が、算定しない。
(4)算定開始時に、医療業務課や受付事務、診察付き看護師
などと運用について検討
(5)医療薬学会認定がん専門薬剤師とがん専門薬剤師を目指
的なケアの充実を図るため、体制を整備し、患者の問題点を
す2人
解決できる対応を展開したい。
がん専門薬剤師を目指す薬剤師が指導を行う場合、専門薬剤
師の指導のもと実施する
不在時は、調剤室スタッフが指導を行い、算定はしない。
(6)経口薬については副作用チェックシートを用いて保健薬
局薬剤師と連携し、治療継続中の副作用モニタリングに役立
てている。
- 10 -
A・G会場 シンポジウム 2 (指定演題)
7 当院におけるがん患者管理指導料
3 算定への取り組み
8 外来化学療法通院センターにおけ
る服薬指導とがん患者指導管理料
3 の算定状況について
1)
JR東京総合病院 薬剤部
埼玉県済生会栗橋病院薬剤科
2)
埼玉県済生会栗橋病院事務部診療支援科
うえすぎ
あきのり
○上杉 章紀、木内 貴章、水野奈穂子、加藤 良治
3)
平成 26 年診療報酬改定を受け、当院においてがん患者管
○荒川ちづる 1)、木村 篤正 2)、宮崎 真弓 2)、曽我部直美 1)、
埼玉県済生会栗橋病院呼吸器内科
あらかわ
西村 和幸 3)
理指導料 3(以下、指導料)の算定に向けて取り組みを行
い、本年 2 月より算定を開始した。そこで、その取り組みに
ついて報告する。
(1)2015 年 4 月 1 日から算定開始、4 月 21 日時点で算定件数
当院はほぼ 100%院内処方であるが、外来化学療法患者に
は 16 件。化学療法室のベッド数は 15 床、1 日の外来におけ
対する服薬指導はほとんど実施していない状況であった。そ
る治療患者数は 10 件。外来で取り扱う注射レジメン数は
こで今回の診療報酬改定を機に、日本病院薬剤師会 がん薬
33 。経口抗がん剤の採用品目数は 19 種(ホルモン剤と分子
物療法認定薬剤師(以下、認定薬剤師)を担当者とした体制
標的薬も含む)。外来でのがん治療は呼吸器内科、消化器内
を整えた。なお、指導料の算定にあたって当院化学療法委員
科、泌尿器科、外科の 4 科で行っている。外科以外の診療科
会および院内幹部会議の承認を得ている。患者指導は主に主
は初回のみ入院で投与している。
治医の診療後、化学療法室内で点滴化学療法中に行ってい
(2)外来化学療法加算を算定する際に使用する同意書と一緒
る。内服抗がん剤のみの患者や、今後化学療法を導入予定の
にすることで、再度同意書をとる手間を省く。患者面談は空
患者に対しては主治医から連絡を受け、指導を行っている。
いている診察室を利用している。
医師への報告は緊急性または重要度の高い情報はその場で行
(3)初回化学療法時とレジメン変更時、さらに理解力が低下
い、それ以外の場合はカルテに記載し対応している。平成
している患者の再指導を対象に現在は行っている。7 回目以
27 年 2 月、3 月の実績であるが、それぞれ面談人数は 40 件と
53 件、指導料の算定件数は 12 件と 11 件であった。
降も必要時指導はするが算定は行わない。
(4)現在マニュアルの作成はしていないが、秘書課と連携し
当院の問題点としては認定薬剤師不在時の対応がある。当
て対象患者の情報を収集し、医師の診察時に薬剤師へ連絡す
院には認定薬剤師が 1 名しかいないため、不在時は認定薬剤
る流れとなっている。今後は電子カルテを利用した薬剤師外
師資格取得に関わる 3 ヶ月間の研修を受けた薬剤師 2 名が対
来の予約システムを導入する方向で考えていきたい。
応しているが、指導料の算定は行っていない。良質な医療の
( 5)薬剤師歴 9 年のがん認定薬剤師が 8:30 から 12:00 まで
提供および指導料算定のためにも、早急に解決したいと考え
の午前中に外来へ常駐し、対応している。人員不足の関係で
る。
不在時の対応はしていない。
(6)患者説明用のリーフレットの作成に苦労している。メー
カーのパンフレットのみだと情報が不足しているため、病院
独自のリーフレットが必要である。
- 11 -
A・G会場 シンポジウム 2 (指定演題)
9 がん患者指導管理料 3 の算定に向
けて
日本医科大学付属病院薬剤部
つるかわ
ゆ
り
○鶴川 百合、岸田 悦子、田中 弘人、久保村 優、
輪湖 哲也
当院では算定に向けて体制整備を行っている段階。
1)外来化学療法室のベッド数:26 床、1 日の治療患者数:
30 ~ 40 名程度、外来で扱うレジメン数:約 150 。外来化学
療法室では 3 名の薬剤師が常駐し、指導係の 1 名(交代制)
が、初回の患者やレジメン変更があった患者、または副作用
などの介入が必要な患者を中心に毎日指導を実施。
2)治療方針決定時に専用の同意書を取得。患者面談には外
来化学療法室の近くのブースを確保。
3)対象患者はまずは乳腺科から開始する予定(ほとんどが
外来導入であるため)。初回の化学療法施行前、2 回目投与
前、レジメン変更時には算定、それ以外は必要に応じて(指
導自体は継続的に実施)。
4)業務フロー、マニュアルを作成中。
5)基本的には有資格者を想定。認定取得メンバーを増やす
予定。
6)想定ではもっと早く算定を行う予定であったが、他の算
定 1 との関係で開始できず。場所の確保にも半年ほど有し、
薬剤師数の問題で薬剤師外来の設立は延期。この算定につい
て周知してもらう目的で、各科のカンファレンスやキャン
サーボードなどでアナウンスを実施。
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A会場 ランチョン1
ランチョンセミナー1:
高齢者大腸癌における
抗がん剤治療の現状と展望
東北大学加齢医学研究所 臨床腫瘍学分野 石岡 千加史 先生
略歴
1984年
東北大学医学部卒業
1984年
仙台厚生病院消化器科・診療医
1988年
東北大学大学院医学研究科博士課程終了
1992年
ハーバード大学およびマサチューセッツ総合病院研究員
2003年~東北大学加齢医学研究所癌化学療法研究分野(現在、臨床腫
瘍学分野)教授
いしおか
ち
か
し
石岡 千加史 先生
現在、東北大学病院では腫瘍内科科長、化学療法センター長、がんセン
ター長、副病院長を(兼務)。東北大学大学院医学系研究科では東北が
んプロフェッショナル養成プラン統括コーディネーター、地域がん医療
推進センター長を(兼務)
学会理事:日本癌学会、日本臨床腫瘍学会
わが国では世界に先駆けて超高齢化社会を迎え、がん患者数が増加の一途を辿っているが、同時に大腸
がん患者の高齢化も進んでいる。分子標的治療薬の登場により、大腸がん薬物療法は21世紀になって確実
に進歩し、バイオマーカーの導入によりがん治療は個別化治療の時代を迎えている。一般的に、高齢者の
がん薬物療法には、宿主の主要臓器機能が若年者よりも劣っている可能性があることから、その適応にあ
たっては、主要臓器機能の慎重な評価、主要臓器機能障害がある場合の薬剤選択や投与量やスケジュール
の変更などいくつかの注意が必要とされる。また、適応すべき標準治療の基盤となる大腸がんの臨床試験
がどのような適格基準(年齢の上限も含めて)や除外基準で行われたか、さらにサブグループ解析で高齢
者に於ける有効性や安全性に留意すべき点がないかを確認して日常診療の参考にする必要がある。最近で
は高齢者を対象にした臨床試験が実施されることがあり、高齢者に対する標準治療を確立する上で1つの
方向が示されている。しかし、多くの場合、年齢だけで治療効果や副作用が規定されるわけでは無く、高
齢者においても効果や副作用の個人差が大きい。効果や副作用を予測するバイオマーカーやがん治療向け
の高齢者総合的機能評価の開発が進めば、高齢者大腸がんにおける薬物療法をより安全に施行できる可能
性が高い。
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A会場 教育セミナー
教育セミナー 「医薬品リスク管理計画」:
臨床における取り組み
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 薬剤部、治験・臨床試験部 林 昌洋 先生
略歴
薬学博士、医薬品情報専門薬剤師、妊婦・授乳婦専門薬剤師
昭和55年3月 東京薬科大学 薬学部 薬学科卒業
昭和55年4月 虎の門病院 薬剤部 入局
平成 9 年4月 同、薬剤部長
平成10年4月 治験事務局長、兼務
平成24年4月 虎の門病院診療技術部総代
はやし
まさひろ
林 昌洋 先生
日本医療薬学会 代議員、日本薬剤疫学会 評議員、日本癌治療学会 代議員
日本先天異常学会 評議員・学術プログラム委員 日本医薬品情報学会 理事・専門薬剤師制度委員会委員長
医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)は、厚生労働省、PMDAの指導のもと製造
販売元である製薬企業が作成するものである。RMPは作成時点で考えうるリスク管理の取り組みを製薬
企業の立場で医薬品ごとに文書化し、企業や当局のみならず医療現場の医師・薬剤師と共有し、市販後安
全対策の一層の充実強化を図ろうとするものである。
薬剤師にとって、臨床における薬学的患者ケアや院内適正使用策の立案・実践の場面でリスク最小化に
利活用しうる新たな情報源と考えられる。
日本病院薬剤師会では、昨年12月に「病院薬剤師業務への医薬品リスク管理計画の利活用について」と
の文書を発出し、会員の利活用を推進する働きかけをしている。
現時点で、医療現場における活用方法として、①新薬の採用審査時におけるリスク評価とリスク管理の
確認に利用、②副作用発現時の調査資料として利用、③リスク最小化のための患者指導における利活用、
④リスク最小化のための医師制限、施設制限の確認資料としての利活用などの具体事例が考えられる。
また、RMPは企業の視点で作成されたものであり、その表現が医療現場の医師・薬剤師にとって分り
易い記載と、分り難い記載が存在していることも話題となり始めている。
今回のセミナーでは、臨床の立場でRMPを活用していく取り組みを紹介すると共に、RMPの作り手と
RMPの使い手のコミュニケーションを深めるものとしたい。
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A会場 教育セミナー
教育セミナー 「医薬品リスク管理計画」:
医薬品リスク管理計画の安全対策への活用
(独)医薬品医療機器総合機構 安全第二部/新薬審査第五部 込山 則行 先生
略歴
2004年4月~2009年3月 (独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)新
薬審査第一部 審査専門員
2009年4月~2011年11月 同 新薬審査第五部 審査専門員
2011年12月~2013年12月 厚生労働省 医薬食品局 監視指導・麻薬対策
課 GMP指導官/違法ドラッグ監視専門官
2013年12月~現在
PMDA 安全第二部/新薬審査第五部 主任専
門員
こみやま のりゆき
込山 則行 先生
医薬品のベネフィットとリスクを踏まえた適正使用に必要な情報は、一般に治験等によって一定程度は
得られているものの、承認取得時点での当該情報には限界があるため、開発段階に限らず、製造販売後に
わたって有意義な情報収集や分析をし、医療従事者・患者への情報提供や必要な安全対策を遅滞なく行う
ことが、リスクを適切に管理する上で極めて重要である。
医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan: RMP)では、医薬品ごとに重要な検討事項(リス
ク、不足情報)を明らかにした上で、各検討事項に対する情報収集の方策や、医療従事者・患者への情報
提供等の方策が設定される。また、実施された情報収集活動やリスク低減のための活動を踏まえて、ベネ
フィット・リスクバランスが随時評価され、必要に応じて策定内容が改訂されることが、RMPの特徴の
一つである。
本セミナーでは、導入から2年余りが経過したRMPについて、抗悪性腫瘍剤の事例を紹介しながら、製
造販売後の安全対策における役割を概説したい。
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A会場 教育セミナー
教育セミナー 「医薬品リスク管理計画」:
医薬品リスク管理計画を活用した
医薬品の適正使用実現に向けての取組み
~製薬企業の視点~
中外製薬株式会社 医薬安全性本部 ファーマコビジランス部 セイフティ・サイエンス2グループマネジャー 吉田 真 先生
略歴
よし だ
しん
吉田 真 先生
1994年3月
明治薬科大学薬学部 卒業。薬剤師。
同年4月
日本ロシュ株式会社(現:中外製薬株式会社)入社。抗が
ん剤領域における臨床研究を通じたエビデンス創出業務、
中枢神経領域における臨床開発業務を経験。
2001年6月
PMS管理部門へ異動し、GPMSP下の市販後調査業務に従
事する。
2006年4月
ファーマコビジランス部新設に伴い異動、現職。以降、一
貫して抗癌領域薬剤の安全監視、およびリスク最小化業務
を担当。
平 成24年4月 に 厚 生 労 働 省 に よ り 策 定 指 針 が 発 出 さ れ た「 医 薬 品 リ ス ク 管 理 計 画(RMP:Risk
Management Plan)」は、医薬品の安全性監視計画、並びに使用にあたって懸念されるリスク低減のた
めの具体的取組み計画(リスク最小化計画)を記述した文書である。この文書により、医薬品が有する、
もしくは有する可能性のあるリスクが明示されるとともに、そのリスクをどのように監視し、また個々の
リスク発現をどのように最小化するかが、体系的に整理されることとなった。またRMPは、開発段階、
承認審査時から製造販売後の全ての期間において、ベネフィットとリスクの評価・見直しを行うことを求
められたリビングドキュメントであり、最新の知見に基づいた安全対策の、確実な実行を担保することを
期待されている。本セミナーでは、RMPに関する基本的な概念を振り返るとともに、製薬企業の視点か
ら、RMPをどのように捉え、またこれを如何に活用していくことを目指しているかを、抗がん剤領域に
おけるリスク最小化活動の実際の紹介とともに共有したい。RMPの真の目的であるリスクの最小化、ベ
ネフィット・リスクバランスの最適化実現に向けて解決すべき課題を提起し、臨床の現場で活動される諸
先生方と製薬企業が、どのように連携していくべきであるかを考えるきっかけとなれば幸いである。
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B会場 シンポジウム1
シンポジウム 「一歩進んだ曝露対策」:
抗がん薬曝露対策に関する社会の動き
名古屋大学大学院医学系研究科 特任研究部門 医療行政学 准教授 杉浦 伸一 先生
略歴
抗がん剤の職員曝露に関する全国実態調査を実施し、抗がん薬調製ガイ
ドラインの策定やNIOSHアラートおよび国際がん薬剤学会(ISOPP)
スタンダードの翻訳に従事し、日本がん薬剤学会(JSOPP)の立ち上
げに関与し、現在は抗がん剤曝露対策協議会副理事長を努める。所属学
会等は、日本病院薬剤師会、日本医療薬学会、がん治療学会の他、
ISOPPのActive Member、JSOPP理事およびNPO法人 抗がん剤曝露
対策協議会副理事長などを務める。
すぎうら しんいち
杉浦 伸一 先生
抗がん薬の曝露に関する最初の研究は名古屋大学のパイロット研究 (i)であった。この研究は、薬剤師が
安全キャビネット(BSC)で調製している環境(小児科病棟)と、医師がナースステーションの開放区域
で調製をしている環境(成人病棟)とを比較した。この結果、BSCで作業する職員およびその周辺の環境
汚染を抑制できたが、病棟内の曝露および職員の被ばくは守れないことが明らかになった。この結果を受
け、我々は全国7箇所の病院環境及び職員曝露の実態を調査した。その結果、調査した全ての病院環境お
よび職員の尿からシクロフォスファミド(CPA)が検出された (ii)。また、直接調製に携わらなかった職
員の尿からもCPAが検出された。例えば閉鎖式接続器具(CSTD)は、調製環境の曝露を抑制することで
輸液バッグの汚染を防止し、結果としてそれを取り扱う病院職員の曝露を予防できる。CSTDは、汚染の
発生源を減ずる器具であり、結果として曝露対策を安価にすることになる。このことは、1990年代に全米
にBSCを普及させたにもかかわらず、職員の尿から抗がん薬が検出され続けたことや、その後CSTDが全
米に普及したことと一致する。抗がん剤曝露対策協議会は、このような社会背景を受け、正しい情報を提
供するためにNPO法人として発足した。
(i)
Shin-ichi Sugiura, Mika Asano, Kuninori Kinoshita, Manabu Tanimura, Toshitaka Nabeshima. Risks to
Health Professionals from Hazardous Drugs in Japan: A Pilot Study of Environmental and Biological
Monitoring of Occupational Exposure to Cyclophosphamide in Two Departments. J Oncol. Pharm. Pract. 17 1419 2011
(ii)
Sugiura S, Nakanishi H, Asano M, Hashida T, Tanimura M, Hama T, Nabeshima T., Multicenter study for
environmental and biological monitoring of occupational exposure to cyclophosphamide in Japan., J Oncol
Pharm Pract. 2011, 17: 20-8.
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B会場 シンポジウム1
シンポジウム 「一歩進んだ曝露対策」:
抗がん剤の曝露対策:看護師の立場から
国立がん研究センター中央病院看護部 朝鍋 美保子 先生
略歴
平成7年3月 国立国際医療センター付属看護学校 卒業
平成7年4月 国立がんセンター中央病院 就職
平成14年3月 専修大学経済学部 卒業
平成17年7月 がん化学療法看護認定看護師資格取得
あさなべ
み
ほ
こ
朝鍋 美保子先生
がん薬物療法関わる看護師は、様々な場面において抗がん剤の曝露対策を必要とされている。しかし、
その対策の実施についてはまだ十分とは言い難い現状がある。今回、当センターで取り組んでいる「抗が
ん剤の曝露対策」について看護師の立場からご紹介する。
まず職員の教育に関しては、新採用職員合同オリエンテーションの中で「薬剤管理・麻薬/抗がん剤の
取り扱い」というテーマで薬剤師からの講義がある。このほかに院内教育「がん看護専門コース:がん化
学療法看護」において「抗がん剤の安全な取り扱い:講義及び演習」がありこの研修は、希望者が受講す
る。このほかにがん化学療法看護認定看護師が企画した勉強会の中で「抗がん剤の曝露対策」を取りあげ
ることもある。抗がん剤の曝露に関しての知識はだいぶ普及してきてはいるものの、これらの講義を受講
したことのない職員がいることも事実である。
看護師に対する、「抗がん剤の安全な取り扱い(主に投与管理)」については、「看護手順」の中に「抗
がん剤の投与と取り扱い」の項目で抗がん剤の「細胞毒性とは」という説明から、PPEの装着タイミン
グ、廃棄物の処理、スピルキットの使用方法などが記載されており、その手順を順守して抗がん剤を取り
扱っている。
投与時のPPEの使用は数年の経過を経て、ほぼ徹底されてきているが、リネンの取り扱い、患者・家
族への説明については、まだ統一された手順はなく今後の継続課題とされている。
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B会場 シンポジウム1
シンポジウム 「一歩進んだ曝露対策」:
抗がん薬投与患者・家族 (介護者) の
抗がん薬曝露防止の取り組み
関西電力病院 薬剤部 倉橋 基尚 先生
略歴
平成11年3月 名古屋市立大学 薬学部 製薬学科 卒業
平成11年4月 名古屋市立大学院 薬学研究科 入学
平成13年3月 名古屋市立大学院 薬学研究科 修士課程を修了
平成13年4月 大阪大学医学部付属病院 薬剤部 研修生 平成13年8月 国家公務員共済組合連合会 大手前病院 入職
平成22年7月 関西電力病院 薬剤部 入職 現在に至る
くらはし もとなお
倉橋 基尚 先生
抗がん薬には、制がん作用がある反面、変異原性、催奇形性、あるいは発がん性を有するものが多い。
医療者では抗がん剤に対する職業性曝露は一般的となっており、抗がん薬調製時にはガウン、マスク等を
着用し、安全キャビネットを用いて行うのが一般的となっている。日本における抗がん剤取り扱い指針
は、日本病院薬剤師会や看護協会が作成しているが、医療スタッフの曝露防止に主眼が置かれており、曝
露教育は医師、薬剤師、看護師等の医療者に対するものが多い。しかし、抗がん薬曝露の危険性は抗がん
薬投与患者の家族においても同様である。実際、米国や英国の指針は抗がん剤治療患者の家族の安全管理
を含めた内容となっている。
そこで、関西電力病院では患者向けの抗がん剤曝露説明書を作成し、抗がん剤投与患者とその家族に対
し2011年7月より曝露対策の説明を開始した。当院の抗がん剤曝露説明書の項目・内容は看護師を中心と
した医療スタッフに対する曝露防止策やユニバーサルプリコーションを基本にし、患者やその家族が家庭
で無理無く行える内容であるということを一番の目標とし作成した。説明を受けられた患者・ご家族の反
応を紹介し、今後の課題についても考察していきたい。
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B会場 シンポジウム1
シンポジウム 「一歩進んだ曝露対策」:
~企業の立場から~
テルモ株式会社 ホスピタルカンパニー 基盤医療器事業 中北 香子 先生
略歴
1984年3月 武庫川女子大学 薬学部 卒業
1984年4月 清仁会丸茂病院 薬剤部
1985年4月 京都桂病院 薬剤部
1990年6月 テルモ株式会社 京都支店 管理薬剤師
なかきた かおり こ
中北 香子先生
学術担当、MR研修担当、新人研修担当、支店長を経て
現在、ホスピタルカンパニー 基盤医療器事業 ケモセーフプロモーションマネージャー
近年、抗がん薬の飛散による医療従事者の曝露が問題となっている。昨年5月には、厚生労働省労働基
準局より通知文書が出され、各医療機関において抗がん薬取扱いに関する手技や器具・設備等の見直しな
ど、曝露防止対策が急務の課題となってきている。昨年4月には、「抗がん剤曝露対策協議会」が国立がん
センター名誉総長の垣添忠生先生を中心に発足した。多くの企業が賛助会員となり、医療従事者の方々と
共に抗がん剤曝露対策を広げていけるよう取り組んでいる。
そのほか、企業の役割としては、以下の2つが挙げられる。
1)製品の開発と提供:臨床現場からの意見を元に開発し、実際に使う医療従事者の声を受けて改良
を続けて提供すること
2)対策の必要性を呼び掛ける:関連学会でのランチョンセミナー等
テルモでは、開発段階から臨床現場に入り込み、調製・投与の現状をみた上で、簡単な手技で対策がと
れる製品を提供し、また、セミナーなどを通じて必要性を呼び掛ける取り組みをしている。しかし、1)
製品開発・提供、2)必要性の呼びかけだけでは、企業の取り組みとして十分ではないと考えている。テ
ルモではこれらに加え、多くの方が対策を考え・実行できるようにサポートすることも役割だと考え取り
組んでいる。
製品の提供だけでなく、曝露対策教育をサポートすることも企業の使命であると考えている。これから
も、まだまだ、取組むことはある。
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B会場 ランチョン2
ランチョンセミナー2:
Understanding Biosimilars
and their role in Cancer Care
Oncologist, Clinical Outcome Group, UK Paul Cornes 先生
略歴
PAUL CORNES MD is an Oncologist in UK and a life-member of
the Malaysian Oncology Society. He has been a NHS cancer clinical
trial lead, and for more than a decade has lectured on the biennial
London TPI course on clinical trial designs and on improving the
effectiveness of clinical trials. He is part of the Wolfson Institute
Cochrane Group at Bath and the Clinical Outcomes Group.
Paul Cornes 先生
Paul helped to organize the Cambridge Blue-Sky Future Cancer
meeting with the Centre for the Study of Financial Innovation. This
looked at the institutions and culture that would be required to
deliver cancer care 100 years ahead. He was part of the steering
group for the recent European School of Oncology Working Party
on the Access to Innovation in Cancer Treatment.
Paul has spent 5 years as External Examiner to the Clinical
Oncology Training programme for Malaysia at the University of
Malaya and delivered several lectures at the Asia Pacific cancer
Conference. From that he has developed a special interest in
delivering cost-effective care in middle income and high-middle
income countries. In 20 years Cancer will be a predominately Asian
disease with many developing countries facing 8-10 fold increases in
cancer incidence over the next 20 years. With Dr. Gerard Lim, he
designed the recent course on“Value based Oncology”at the
Malaysian National Cancer Centre.
- 21 -
B会場 ランチョン2
Cancer is now the world's most serious illness, with mortality greater than Malaria, TB and HIV
combined. Researchers have responded to this with a surge in scientific papers and discovery of
biologic drugs to treat cancer. Drug developers have transformed this search into a dramatic
increase in novel drug applications.
Despite this success - access to novel cancer therapy is a worldwide problem. Cancer drugs increase
in cost 5 times faster than other classes of medicine. In 2014 the cost of novel drugs per month of
therapy exceeded 20,000 USD for the first time. With the predicted increase in cancer incidence from
the ageing of our populations, and the increasing worldwide cost of cancer treatment, even rich
developed countries such as Japan, the UK and the USA are worried that cancer treatment will
become unaffordable.
To achieve sustainable cancer care - health systems need to achieve the best value for treatments.
Experience from Europe has shown that Biosimilar versions of established cancer drugs can both
save costs and increase access to novel treatment and improve the standards of patient care.
Initial concerns were raised that switching to biosimilar drugs might carry additional risks.
Research since biosimilar introduction in 2008 shows that this has however been safe and effective.
More than 12 thousand patients in 58 clinical trials show that switching to biosimilars has no
additional risk. Despite a lack of international agreement on biosimilar drug naming, the European
Pharmacovigilance programme has >95% accuracy in identifying brands of drugs when biosimilar
versions are available. This suggests that the Government plans to promote biosimilar drug access
in Japan will also be safe and effective.
Pharmacists will have a critically important leadership role in the safe introduction of biosimilar
drugs to Japan. International surveys show repeatedly that the majority of physicians have a very
poor understanding of the issues of this novel class of medicines.
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B会場 がん専門薬剤師になるための50症例書き方
基調講演:
がん専門薬剤師認定制度の理念と
がん専門薬剤師に期待すること
慶應義塾大学・医学部・臨床薬剤学 谷川原 祐介 先生
略歴
1983年 京都大学大学院薬学研究科博士後期課程 修了
1985年 京都大学医学部附属病院薬剤部 助手
1990年 京都大学医学部附属病院薬剤部 講師
1993年 神戸大学医学部附属病院薬剤部 助教授
1998年 慶應義塾大学医学部 教授(薬剤部)・大学病院薬剤部長
2009年 慶應義塾大学医学部 教授(臨床薬剤学)、現在に至る。
たに が わら ゆうすけ
谷川原 祐介 先生
日本医療薬学会理事(2008年度~継続中)・がん専門薬剤師認定制度委
員会 前委員長
日本TDM学会理事長(2005~2011年度)、理事(2002年度~継続中)
国際TDM学会Secretary(2013~2015年度)
日本臨床薬理学会理事(2005~2008年、2011~2014年)、
日本薬学会理事(2007~2008年度)、日本薬剤学会理事(2004~2008年)
日本癌学会評議員、日本癌治療学会代議員、日本臨床腫瘍学会評議員、他
Cancer Science, Associated Editor,
Therapeutic Drug Monitoring, Editorial Board
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B会場 がん専門薬剤師になるための50症例書き方
1. はじめに
がん医療の均てん化が叫ばれて久しいが、地方における深刻な医師不足が障壁のひとつとなっている。
医師不足の状況下ではひとりの医師が全責任を担うのは負担が重くなりすぎるため、チームとして患者の
治療にあたるチーム医療が解決策となりうる。とくに集学的医療を必要とするがん治療はとくにチーム医
療が必要不可欠な領域である。
薬剤師の標準的業務は、従来から、医師の処方箋に基づいて調剤をして患者に薬剤の説明をする、言わ
ば決められた治療方針を忠実に実行する川下の仕事である。しかしながら、特定の疾患領域について高度
な専門性を有する専門薬剤師であれば、そのような普通の薬剤師業務に加えて、患者から直接に副作用や
QOLについてアセスメントし、自らの専門的薬剤知識と臨床経験を踏まえて適切と思われる処方や処置
を医師に提案することができる。医師、看護師に加えて、薬剤師も患者から直接訴えを聞き対処すること
ができるため、複数職種から手厚いケアを受けられる患者の満足度は高い。
がん領域における専門的知識と臨床経験を有し、臨床の最前線でがん治療の一翼を担うことを期待され
ているのが日本医療薬学会認定「がん専門薬剤師」である。日本医療薬学会認定がん専門薬剤師は、薬剤
師資格の中で唯一、医療法上広告可能な専門性資格として厚生労働省医政局により認められている。本日
の日本医療薬学会・日本がん薬剤学会共催セミナーの基調講演として、がん専門薬剤師認定制度の理念
と、がん専門薬剤師に期待する活躍について述べる。
2. がん医療と薬剤師
がん医療における薬剤師の関わりの歴史は、実のところまだ浅い。ほんの十年ほど前までは患者への告
知が十分に為されなかったことから、薬剤師は抗がん薬の説明ができず、もっぱら便秘薬や入眠剤のよう
に差し障りのない薬剤だけの服薬指導にあたっていた。加えて、注射用抗がん薬は病棟で医師や看護師が
混合調製していて、薬剤師はまったく関与しなかった。しかしながら、ここ数年間における薬剤師のがん
医療での活躍はめざましく隔世の感がある。
そのきっかけとなったのは繰り返される抗がん薬投与過誤であった。幾度も報道される投薬過誤に対し
て、安全の番人として薬剤師の貢献を患者および社会が期待し且つ要請したことが原点にある。すべては
そこから始まり、がん医療水準均てん化の推進に関する検討会(2005)やがん対策基本法の国会附帯決議
では、安全な医療のために薬剤師等の専門性の養成が謳われた(2007)。通り一遍の添付文書知識では歯
が立たない複雑な癌治療レジメンを理解するために、薬剤師側も専門的知識と臨床経験を積まなくてはな
らなくなったため、一定の水準に到達した薬剤師を認定するがん専門薬剤師認定制度が発足した(2005)。
2004年当時、慶應義塾大学病院は大学病院クラスでは全国に先駆けて、薬剤師が抗がん薬を含む注射薬混
合調製を担当することになり、同時に全病院的に化学療法レジメン登録制度を開始した。開始時にかなり
の院内調整と薬剤部内の準備を要したことが懐かしく、今では当たり前のシステムは、実は十年前は一般
的ではなかったのである。
今や3人に1人が癌に罹る時代であり、医療人として薬剤師が癌医療に関わらない訳にはいかない。時代
を同じくして、日本の薬剤師教育が6年制へと改革され、従前より臨床志向の薬剤師が養成されることと
なった。抗がん薬処方のチェック、他科処方薬との相互作用チェック、注射用抗がん薬の混合調製、レジ
メン登録や審査、患者への薬剤説明、副作用のモニタリングなど、薬剤師が当然として担うべき業務は多
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B会場 がん専門薬剤師になるための50症例書き方
い。そして、かつては注射薬が主流であった抗がん薬治療は、近年多くの内服薬が開発され普及したこと
により、病院薬剤師のみならず調剤薬局薬剤師もがん医療に正面から向かわねばならない時代となった。
一方で、がん薬物療法は他領域と比べて特殊性が高く、治療の考え方、副作用の対応など独特の面が多
い。加えて、臨床医学の進歩と新薬開発スピードが速く、且つ治療レジメンが複雑なため、薬剤師側も相
当に勉強しないと対応できない。そのような状況が、多くの薬剤師にがん領域を勉強する動機づけとな
り、一定の水準に到達した者はがん専門薬剤師として標榜できることとなった。がん治療の専門的知識と
技能・臨床経験を有すると認定された日本医療薬学会がん専門薬剤師は2015年時点で全国437名である。
その育成と認定を担う日本医療薬学会は1万人超の会員を擁し、薬剤師を母体とするなかで日本最大の学
会である。一方で、認定基準のゆるやかながん薬物療法認定薬剤師は職能団体である日本病院薬剤師会が
認定しており、現時点で857人が認定されている。
日本医療薬学会がん専門薬剤師の認定には専門的知識と臨床能力を求めるが、研究実績は求めない。理
由は、患者・国民が必要とするのはがん診療に直接貢献してくれる臨床経験豊富な薬剤師であって研究の
できる薬剤師ではないためである。その臨床経験を推し量る要素として、がん患者への薬学的介入の実績
50症例の要約を提出し審査を受ける。これは、過去5年間に自身が担当したがん患者50症例(3臓器・領域
以上の癌種)のサマリであり、消化器・呼吸器・乳房・造血器悪性疾患のうち2領域以上を含むこと、そ
れぞれの臓器・領域について5症例以上含めることと明記されている。さらに、がん治療への関わりとし
て抗がん剤治療、支持療法、緩和ケアを経験し、がん薬物療法全般にわたる実績を含まねばならないとし
ている。
3. がん医療における薬剤師の活躍
がんのチーム医療に参画する薬剤師は、薬剤師独自の論理ではなく、患者目線・他職種からの評価を得
るように努めなければならない。医療チーム内での薬剤師の役割・立ち位置をよく理解し、医師、看護
師、他の医療従事者と良好な意思疎通を図って、患者の治療に貢献することが目標である。薬剤師という
専門的視点からの提案、薬学的ケア、薬学的介入の実践が期待される。併せて、投薬安全に関しては医師
と対等に協議し、患者と向き合うことが求められる。例えば、がん専門薬剤師が従事する施設で抗がん剤
の誤投与や不適正使用による事故が起きた場合には、従来に増して薬剤師の責任も問われることになろ
う。
いま薬剤師の働きに期待する動きとして日本版CDTM(Collaborative drug therapy management)
がある。CDTMとは「医師と薬剤師による協働薬物治療管理」であり、1970 年代に米国ワシントン州で
始まった取り組みが今や全米に拡大している。具体的には、医師と薬剤師の合意のもと、「資格を付与さ
れた薬剤師が事前に規定された範囲で患者を評価し、薬物投与を行い、モニタリングし、継続・修正す
る」と言う、投薬に関する責務を担うことが許されている。本邦では平成22年医政局長通知において、
チーム医療において薬剤の専門家である薬剤師が主体的に薬物療法に参加することが非常に有益とされ、
現状で薬剤師が実施できる項目として、薬剤の種類・投与量・投与方法等の変更や検査のオーダについ
て、医師・薬剤師により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、医師と協働して実施すること
が、現行法制下で可能な活動として挙げられている。日本版CDTMあるいはPBPMと呼称されている。
近年、医療現場でチーム医療の推進が叫ばれており、なかでも集学的がん治療はチーム医療がもっとも
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B会場 がん専門薬剤師になるための50症例書き方
求められる領域である。すでに、制吐・疼痛管理などの支持療法において薬剤師が主体的に患者ケアを実
施している施設が増えているなど、臨床最前線における薬剤師の活躍は確実に拡大している。例えば、医
師の外来診察前に薬剤師が患者と面談し、服薬状況を確認して副作用のモニタリングと評価を行い、必要
に応じて支持療法薬の処方提案を行う事例がある。薬剤師が患者から得た情報は医師と共有するため、診
察はスムーズとなり、患者の満足度も高い。制吐や疼痛管理以外にも、緩下剤による排便コントロールや
分子標的治療薬による皮膚障害に対する外用剤の選択なども薬剤師に任される事例がある。また、合併症
を有する患者において手術前に中止すべき抗凝固薬などの服薬管理と術後の再開を薬剤師が担う事例もあ
る。軽度の副作用に対する支持療法や服薬のきめ細かい対応については薬剤師が主体的に取り組み、医師
はより重要な対処や医学的判断に集中するという医師と薬剤師による協働薬物治療管理が医療リソースを
有効に活用する方法として今後進んでいくと考えられる。とくに、医師不足が深刻な地方の医療施設で
CDTMの波がおこっていることは特徴的である。ちょうど今月発行の月刊薬事5月号(じほう社)で薬剤
師による処方提案と協働薬物治療管理に関する特集記事を掲載したので参考になれば幸いである。
薬剤師の臨床能力向上に伴い、広がりをみせる医療現場での薬剤師の活躍を大いに期待して、がん専門
薬剤師認定制度を設計した。そして彼らの活躍の場として、医師と薬剤師のコラボレーションによるチー
ム医療の新たな方向性についても提示してきた。今後、がん医療において薬剤師は必要不可欠な存在とし
て、ますます重要な役割を担う意欲と責任感を求めたい。
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B会場 がん専門薬剤師になるための50症例書き方
症例:膀胱がん
大阪医科大学附属病院 薬剤部 花房 加奈恵 先生
症例の概要
【患 者】
㻢㻣歳、男性、身長㻝㻢㻟㼏㼙 体重㻢㻥㻚㻥㼗㼓 㻮㻿㻭 㻝㻚㻣㻡㻠㎡ 㻼㻿 㻝
膀胱がん StageⅡ(病理所見: 尿路上皮がん㻘㻌㻳㼞㼍㼐㼑㻞㻘㻌㼜㼀㻞)
【現病歴】
膀胱温存希望にて当院紹介、バルーン塞栓動脈内抗癌剤投与法(㻮㻻㻭㻵)によるシスプラチン投与を
施行。約半年後に左外腸骨リンパ節転移を認め、ゲムシタビン㻛シスプラチン療法開始。強い排尿時
痛を認めており、外来にてトラマドール㻡㻜㼙㼓㻛日、プレガバリン㻡㻜㼙㼓㻛日開始。効果不十分にてロキソ
プロフェン㻢㻜㼙㼓、ジクロフェナク坐剤㻞㻡㼙㼓を頓用。ペンタゾシン㻞㻡㼙㼓も頓用歴あり。
【特記事項】
糖尿病、脂質異常症、便秘
【薬学的介入】 ①軽度腎機能低下(㻯㻸㼏㼞 㻡㻢㼙㻸㻛㼙㼕㼚㻘㻌㼑㻳㻲㻾 㻠㻠㻚㻥㼙㻸㻛㼙㼕㼚)のため、ゲムシタビン、シスプラチンともに
㻣㻜%に減量指示あり。ゲムシタビンは主に肝代謝のため減量の是非について医師に照会したが、変
更はなく二剤とも㻣㻜%量での投与となった。
②初回ゲムシタビン投与で「耐えられないほど」の疼痛発現あり、温罨法提案し実施したが改善しな
かったため、ゲムシタビン希釈液を生理食塩水から㻡%ブドウ糖液へ変更を提案し疼痛は軽減した。
③初回介入時より排尿時痛(㻺㻾㻿 㻤~㻥)の訴えがあり、トラマドール、プレガバリン、ペンタゾシンい
ずれも効果なしとのことで、㻺㻿㻭㻵㻰㼟の頻回使用希望あり。腎機能への影響を懸念し、強オピオイドの
導入を提案した。またトラマドール内服時に軽度嘔気認めていたため、予防的にプロクロルペラジン
㻡㼙㼓錠 分㻟内服を提案し、オキシコドン徐放錠㻝㻜㼙㼓㻛日分㻞内服とオキシコドン速放散㻞㻚㻡㼙㼓㻛回頓服
で開始。嘔気は認めなかったがオキシコドン徐放錠内服の切れ目で痛みの増強あり、㻝㻡㼙㼓㻛日分㻟
に増量提案し疼痛コントロールが改善(㻺㻾㻿 㻞~㻟)した。
症例サマリ
症例の通し番号
㻝
がん種 膀胱がん(StageⅡ)
自ら指導に関与した期間および回数
(開始年月日~終了年月日 ・ 回数)
薬
学
的
介
入
症
例
の
サ
マ
リ
患者年齢
治療内容
期間
㻢㻣
歳
患者性別
男性
化学療法 ・ 支持療法 ・ 緩和ケア
㻞㻜㻝㼄年㻣月㼅日~㻤月㼆日
回数
㻡回
膀胱がんリンパ節転移にて、ゲムシタビン㻛シスプラチン療法施行となったため、治療や副作用について
説明を行った。軽度腎機能低下あり(CCr 㻡㻢㼙㻸㻛㼙㼕㼚、㼑㻳㻲㻾 㻠㻠㻚㻥㼙㻸㻛㼙㼕㼚)、ゲムシタビン、シスプラチン
ともに㻣㻜%量へ減量指示あり。ゲムシタビンは肝や血液量の多い臓器で代謝され不活化後に腎排泄さ
れる薬剤であり、減量の是非を医師に照会するも、㻣㻜%で施行となった。初回ゲムシタビン投与時に血
管痛認め、温罨法でも改善なかったため、希釈液を生食から㻡%ブドウ糖液へ変更提案し疼痛の軽減を
得た。また排尿時痛(NRS 㻤~㻥)の訴えあり、トラマドール、ペンタゾシン内服無効にてジクロフェナク坐
剤やロキソプロフェンの使用で部分的除痛認めていた。頻回の使用希望あり、腎機能への影響を懸念
し、麻薬の導入を提案した。その際トラマドールで軽度嘔気認めていたため、予防的にプロクロルペラジ
ン分㻟内服を提案し、オキシコドン徐放錠㻝㻜㼙㼓/日分㻞とオキシコドン速放散㻞㻚㻡㼙㼓/回頓服と共に開始した。
嘔気はなかったが内服の切れ目で痛みの増強あり、㻝㻡㼙㼓/日分㻟に増量提案してコントロール良好
(㻺㻾㻿 㻞~㻟)となった。
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B会場 がん専門薬剤師になるための50症例書き方
症例:乳がん
がん・感染症センター都立駒込病院 薬剤科 宮澤 真帆 先生
症例の概要
㻟㻜歳代 女性 㻝㻡㻜㻚㻜㼏㼙、㻠㻡㼗㼓㻌(㻝㻚㻟㻢㻥㎡)、㻼㻿㻝
右局所進行乳がん、腋窩リンパ節転移あり、㼀㻠㻺㻟㻹㻜 StageⅢC、㻴㼑㼞㻞㻙、㻱㻾㻙、㻼㼓㻾㻙
【現病歴】
㻟年前より右乳房腫瘤を自覚。㻝年ほど前より腫瘤部潰瘍形成。自己処置で対応していたが、㻝週間
前より右上肢腫脹と疼痛出現し、㻭㻰㻸低下され近医を受診。右乳がんの診断。専門的精査加療目的
で当院紹介受診。治療および疼痛コントロール目的で入院となった。
【薬学的介入】
①患者より腫瘍自壊創の臭気を気にする言葉あり。臭気対策として、メトロニダゾール軟膏の使用を
提案。処置時使用で臭気は低減した。
②オキシコドン徐放錠㻝㻜㼙㼓㻛日、アセトアミノフェン㻟㻜㻜㻜㼙㼓㻛日処方あったが、右腋下リンパ節転移に
よる上肢腫脹で疼痛㻺㻾㻿㻣㻙㻝㻜、㻭㻰㻸低下あり。オキシコドン徐放錠の増量などが検討されていた。
入院時面談で、薬剤の理解不十分によるアドヒアランス不良が判明。医師や看護師と情報共有し、
協議の上、オキシコドン徐放錠増量をせず、アドヒアランス確保を優先とし、患者指導を行い、看護
師に服薬管理を依頼した。アドヒアランス向上により疼痛㻺㻾㻿㻝㻙㻞に軽減し、㻭㻰㻸改善した。
③㻮㼑㼢㼍㼏㼕㼦㼡㼙㼍㼎+㼣㼑㼑㼗㼘㼥㻼㼀㼄療法導入。軽度催吐性リスクレジメンであるが、㻰㼍㼥㻟より悪心㻳㻞出現。
悪心は増悪軽快因子なく、症状は常にあるとのこと。化学療法後より㻠日間排便なく、悪心の一因と
考え、ピコスルファート㻺㼍液の使用を提案。患者と相談しながら滴数を調節し、排便コントロールを
サポート。㻰㼍㼥㻢に排便を認めると悪心は改善した。
【特記事項】
気管支喘息あり、㻺㻿㻭㻵㻰s、造影剤禁忌
症例サマリ
症例の通し番号
がん種
2
乳がん(StageⅢC)
患者年齢
3X
治療内容
歳
患者性別
女性
化学療法 ・ 支持療法 ・ 緩和ケア
自ら指導に関与した期間および回数
期 間
㻞㻜㼄㼄年㻝㻝月㼅日~㻝㻞月㼆日
(開始年月日~終了年月日 ・ 回数)
回 数
㻡回
右上肢の腫脹、疼痛で前医受診し、右乳がんの診断。精査加療目的に紹介入院。入院時、右乳
房腫瘍の自壊創あり、患者より臭気を気にする言葉あり。臭気対策として、メトロニダゾール軟膏
薬
学
的
介
入
症
例
の
サ
マ
リ
の使用を提案。使用により、臭気は低減。右上肢腫脹による疼痛に、前医からオキシコドン徐放
錠㻝㻜㼙㼓㻛日、アセトアミノフェン㻟㻜㻜㻜㼙㼓㻛日処方あったが、疼痛㻺㻾㻿8㻙㻝㻜。入院時面談でアドヒアラ
ンス不良が判明。医師や看護師と情報共有し、協議の上、オキシコドン徐放錠は増量せず、アド
ヒアランス確保を優先とした。患者指導を行い、看護師に服薬管理を依頼。アドヒアランス向上に
より疼痛㻺㻾㻿㻝㻙㻞に軽減し、オキシコドン徐放錠は増量せず経過した。精査後、病状や㻽㻻㻸を考慮
し、㻮㼙㼍㼎+㼣㼑㼑㼗㼘㼥㻼㼀㼄療法導入。軽度催吐性リスクレジメンだが、㻰㼍㼥㻟より悪心㻳㻞出現。化学療
法後より排便㻠日間なく、悪心の一因と考え、ピコスルファート㻺㼍液の使用を提案。患者と相談し
ながら滴数を調節し、排便コントロールをサポート。㻰㼍㼥㻢に排便を認めるとともに、悪心は改善。
自壊創の出血など副作用認めず㻰㼍㼥㻣に退院。次回化学療法より外来治療へ移行。
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B会場 がん専門薬剤師になるための50症例書き方
症例:腎がん
名古屋第一赤十字病院 薬剤部 櫛原 秀之 先生
概要
【患者】
㻢㻢歳 男性 身長:㻝㻣㻜㻚㻝㼏㼙 体重㻦㻣㻢㻚㻤㼗㼓 体表面積㻦㻝㻚㻤㻤㻟㼙㻞 㻼㻿㻦㻌㻜
右腎癌術後再発・胃周囲リンパ節転移
【併存症】
高血圧症・糖尿病・脊柱管狭窄症
【現病歴】
㻞㻜㻝㻜年㻤月 右腎摘出術(㻯㼘㼑㼍㼞㻌㼏㼑㼘㼘㻌㼏㼍㼞㼏㼕㼚㼛㼙㼍)
㻞㻜㻝㻟年㻣月 右腎摘出部位に再発 㻝次治療としてスニチニブ療法が開始となる
【臨床検査値】
血清クレアチニン 㻝㻚㻝㻣㼙㼓㻛㼐㻸 㼑㻳㻲㻾㻦㻠㻥㻚㻟㼙㻸㻛㼙㼕㼚
白血球㻦㻢㻞㻜㻜㻛㼙㼙㻟 好中球㻦㻟㻣㻜㻜㻛㼙㼙㻟 ヘモグロビン値㻦㻝㻠㻚㻞㼓㻛㼐㻸 血小板㻦㻞㻜㻠㻜㻜㻜㻛㼙㼙㻟
血圧(収縮期㻛拡張期):㻝㻞㻞㻛㻤㻜 㻴㼎㻭㻝㼏㻦 㻝㻜㻚㻠 空腹時血糖㻦㻌㻞㻟㻞
【薬剤歴】
タケプロン®・バイアスピリン®・ミカルディス®・アムロジピン®・ロキソニン®
インスリン導入(㻞㻜㻝㻟年㻣月㻙)
【既往歴】
弁膜症・生体弁置換後(㻞㻜㻝㻝年㻝㻜月)
【薬学的介入】
① 骨髄抑制
②手足症候群 (③口腔粘膜炎)
症例サマリ
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B会場 がん専門薬剤師になるための50症例書き方
透析中の胃がんに対する薬学的介入
伊勢赤十字病院 三宅 知宏 先生
症例の概要
【患者】㻢㻜歳代 男性
身長㻝㻢㻟㼏㼙 体重㻡㻜㼗㼓 㻝㻚㻠㻣㻤㼙㻞
㻼㻿㻦㻝
胃がん(㻿㼠㼍㼓㼑Ⅳ)
【既往歴】糖尿病 糖尿病性網膜症 糖尿病腎症
【現病歴】
行政の検診で隆起性病変指摘、当院消化器内科へ紹介受診。内視鏡生検行うも㻳㼞㼛㼡㼜㻝(正常組織
および異型を示さない良性病変)で経過観察されていた。半年後全身倦怠感、食欲不振出現し、透
析時の採血でも貧血を認めたため、再度紹介受診。生検により㻳㼞㼛㼡㼜㻡と診断された。
透析は週に㻟回実施中。
【薬学的介入】
①㼀㻿㻙㻝㻗㻯㻰㻰㻼レジメンの減量投与が提案されたが、透析患者に対しては㼀㻿㻙㻝の投与によりギメラ
シルの血中濃度が上昇すること、㻯㻰㻰㻼は㻥㻜%腎排泄であり投与後透析が遅いとリバウンド現
象により㻭㼁㻯が増大することを伝え、㼣㼑㼑㼗㼘㼥㻌㻼㼀㼄レジメンを提案した。㻼㼀㼄は蛋白結合率㻤㻤㻚㻠~
㻥㻜㻚㻢%、尿中未変化体排泄率㻝㻚㻟~㻝㻞㻚㻢%、胆汁排泄が主経路であり、㻴㻰でも正常時と同様に投
与が可能である。
②㻼㼀㼄による末梢神経障害㻳㼞㼍㼐㼑㻝が認められたためデュロキセチンが処方された。しかし、透析患
者にデュロキセチンは禁忌であり、筋痙攣(こむら返り)の訴えもあったため芍薬甘草湯を処方提
案。筋痙攣(こむら返り)は改善し、神経障害の悪化は認められなかった。㻞コース追加後末梢神
経障害の悪化を認めたためプレガバリンの透析日のみの服用を提案。副作用を確認しながら増
量することで悪化は認められなかった。
症例サマリ
症例の通し番号
がん種 胃がん (Ⅳ)
患者年齢
●
治療内容
歳 患者性別
男性
化学療法・支持療法・緩和ケア
自ら指導に関与した期間および回数
期間
平成 ; 年 月 < 日 ~ 平成 ; 年 月 = 日
(開始年月日~終了年月日・回数)
回数
回
透析中の患者で、胃がんに対して化学療法予定の患者。主治医と共に透析患者に対する胃がん
の化学療法について協議を行った。本来であれば 76&''3 であるが、ZHHNO\37; の投与を選
択した。選択理由としては、蛋白結合率 %であること、尿中未変化体排泄率が %
であること、おそらく胆汁排泄が主経路であり、尿中には投与量の %未満であること、透析
によって除去されないことである。患者には透析による 37; への影響についてお伝えした。
コース時には *UDGH の手先の末梢神経障害を訴えるようになった。主治医よりデュロキセチ
ンが処方されたが、透析患者にはデュロキセチンは禁忌のため芍薬甘草湯への処方変更を提
案、処方された。 コース時には *UDGH の末梢神経障害悪化を認めたため、プレガバリンの透
薬
学
的
介
入
症
例
の
サ
マ
リ
析日のみの追加処方を提案した。芍薬甘草湯とプレガバリンの併用により、末梢神経障害の悪
化は認められず治療が継続可能であった。
- 30 -
C会場 教育講座
教育講座:
がん医療における費用対効果
~政策利用の動向と臨床現場への影響~
国際医療福祉大学 薬学部 池田 俊也 先生
略歴
1987年
慶應義塾大学医学部卒
1987年
慶應義塾大学医学部 病院管理学教室 助手
1989~93年 慶應義塾大学大学院医学研究科 博士課程
いけ だ
しゅん や
池田 俊 也 先生
(その間1990~91年 ペンシルバニア大学経営大学院 訪
問研究員として留学)
1993~94年 ハーバード大学公衆衛生大学院留学、修士号取得(医療政
策・管理学)
1995年
博士号取得(医学)
1996年
慶應義塾大学医学部 医療政策・管理学教室 専任講師
2006年より 現職
諸外国では、薬物療法をはじめとする各種医療技術について、その保険償還の可否の判断や価格設定の
際に費用対効果に関するデータを参考にしている国が増えている。また、臨床における意思決定において
も費用対効果の情報が用いられてきており、国内外の診療ガイドラインでは、臨床的エビデンスに加え経
済的エビデンスも勘案しているものが増えている。特にがん領域では高額薬剤の開発が進んでおり、費用
対効果の評価が重要視されている。
医療経済評価の一般的な方法としては、特定の医療技術を対象として、(1)代替技術に比べてどのくら
い追加費用が生じるのか、(2)代替治療に比べどれだけの健康改善を生み出すのか、の両者を推計し、投
資に見合った価値を生み出しているのかを評価する。健康改善を測る指標は様々なものがあり得るが、
「延命」と「生活の質」
(QOL)の両面を評価する指標とである「質調整生存年」
(QALY: Qualityadjusted Life Year)が用いられることが多い。日本でもQALYを算出ためのQOL尺度であるEQ-5D-5D
が開発されるなど研究環境が整備されてきている。
本講演では、がん領域における費用対効果評価の実際と、政策利用の動向や臨床への影響について概説
する。
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C会場 ランチョン3
ランチョンセミナー3:
ハザーダス・ドラッグの安全な取扱い
聖路加国際病院 薬剤部 石丸 博雅 先生
略歴
1995年3月
東京薬科大学卒業
1995年4月
同大学大学院医療薬学専攻科入学
1997年3月
同大学院修士課程修了
1997年4月
聖路加国際病院 薬剤部 入職
2009年5月
薬剤部チーフ
現在に至る
いしまる ひろまさ
石丸 博雅 先生
資格
日本医療薬学会認定薬剤師
日本医療薬学会認定がん専門薬剤師
日本医療薬学会認定がん指導薬剤師
欧米の国々では、抗がん薬をはじめとした催奇形性、変異原性、発がん性をもつ薬剤をHazardous
Drugs(以下HD)に指定し、その取扱いには患者の安全だけでなく、医療従事者の安全も含めた観点か
らの対策を実施している。
本邦においても、HDの概念が徐々に浸透し、HD曝露の危険性については、医療従事者が関心を持つ
事柄となっている。これまでに、多くの施設で注射薬HDの取扱い時の対策が施されてきた。具体的に
は、閉鎖系器具の使用、安全キャビネットやアイソレーターの使用、PPEを用いての対策などが挙げら
れる。また、内服HDではどのように曝露対策するかが問題となっている。内服薬HDの調剤においても
曝露の危険性から分包、粉砕、脱カプセルは海外のガイドラインでは推奨されていない。しかし、嚥下困
難な患者や小児患者のように、そのままの剤型では内服困難な患者に対する調剤時の曝露対策が問題と
なってくる。
HD曝露の対策やその教育は、重要なポイントであり、今後も取り組まなければならない課題となる。
ISOPP(International Society of Oncology Pharmacy Practitioners)から発行されたガイドラインで
は、HD暴露対策にヒエラルキーコントロール(優先順位)を用いてあたるように記載している。
本セミナーでは、演者の施設の対策を一例として取り上げながら、ヒエラルキーコントロールに沿って
HD対策を解説していく。
- 32 -
D会場 ワークショップ1
ワークショップ:
腫瘍内科医と学ぶ
“がん治療でよくある患者の訴えとその捉え方”
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科 医長 医療連携室 室長 国立研究開発法人国立がん研究センター人材育成センター 副センター長 専門教育企画室 室長 堀之内 秀仁 先生
略歴
2003年
鹿児島大学医学部医学科卒業
2003年~2005年 聖路加国際病院 研修医
2005年~2009年 聖路加国際病院 呼吸器内科
2009年~2013年 国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科 医員
ほり の うち ひでひと
2013年~
国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科 医長、医
療連携室 室長
2014年~
上記に加え、国立がん研究センター人材育成センター
副センター長、専門教育企画室 室長
堀之内 秀仁 先生
所属学会、専門医、資格
日本臨床腫瘍学会、がん薬物療法専門医、指導医
日本内科学会、総合内科専門医、内科指導医
日本呼吸器学会、呼吸器専門医、指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本肺癌学会
厚生労働省 臨床研修指導医
厚生労働省 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会 修了
American Society of Clinical Oncology, Active member
European Society of Medical Oncology, Full member
The International Association for the Study of Lung Cancer
(IASLC), Regular member
- 33 -
D会場 ワークショップ1
がん治療は、患者を中心に、医師、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカー、臨床研究コーディネー
ター、栄養師、検査技師、製薬企業、行政等、様々な職種が、それぞれの専門性を活かして協働するチー
ム医療の真価が問われる領域です。その中でも、薬剤師は従来から、薬剤指導、レジメン管理、抗がん剤
調製など、適切ながん治療には欠かせない役割を果たしてきました。昨今の診療報酬改定を見ても薬剤師
のがん治療における役割は重要性を増しており、これまで以上に患者との直接のコミュニケーションに基
づく業務が多くなる傾向にあります。そうした中で患者から発せられる治療中のさまざまな主訴を、医療
チームの一員としてどのように捉え、判断し、医師、看護師など他の医療スタッフと協力して診断、治
療、ケアにつなげていくかという具体的な方略について学ぶ機会は十分といえない現状にあります。本
ワークショップでは、日常的に利用する抗がん剤による治療を受ける身近に存在する患者の具体的な訴え
からスタートし、薬剤師として接することの多い症状とその捉え方を学ぶことを目的としています。さら
に、腫瘍内科医が日常的に行っているがん医療における臨床推論の一端をお示しし、参加者の皆さんの明
日からの診療に役立つヒントを提供することを目指します。
- 34 -
G会場 一般演題
1 婦人科がんCBDCA+PTX(TC)療
法における悪心・嘔吐(CINV)に
対する 5HT3 受容体拮抗薬の検討
2 日米豪における自宅での抗がん剤
曝露対策の指針に関する調査
1)
市立函館病院 薬局
国立がん研究センター中央病院 薬剤部
2)
市立函館病院 産婦人科
いませ
めぐみ
○今瀬 萌美、齋藤 義正、橋本 浩伸、牧野 好倫、
さかた
ゆきお
○坂田 幸雄 1)、小田桐正彦 1)、金 美善 2)、宇津 裕章 2)、
岩瀬 治雄、大塚 知信、林 憲一
山下 剛 2)
【背景】抗がん剤投与後、患者の尿や便、吐物から抗がん剤
【目的】当院婦人科では、CBDCA+PTX(TC)療法施行者
に対し、化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)対策として
が検出されることが知られている。患者が治療後に帰宅した
場合、患者家族・介護者・友人に曝露の危険性がある。
5HT3 受容体拮抗薬のグラニセトロン 3mg(GRA)又はパ
【目的】日本・米国・豪州における抗がん剤曝露対策の指針
ロノセトロン 0.75mg(PALO)を使用している。今回、ど
を調査し、自宅で曝露する可能性のある経路ごとの曝露予防
ちらの薬剤がCINV抑制に適しているのかを薬剤管理指導業
策について検討する。
【方法】日本・米国・豪州の代表的な危険薬剤取扱指針にお
務および診療録閲覧により、後ろ向きに調査を行った。
【対象】2013 年 1 月から 2014 年 12 月までにTC療法を施行し
いて、在宅化学療法、排泄物やリネンの取扱い、患者教育の
各項目に規定された基準と日本の現状を比較した。
た婦人科がん患者 62 人。
【方法】GRAとPALOによる制吐効果を嘔吐完全制御率(CR
【結果・考察】米国・豪州では、投与器具に付着した抗がん
率:嘔吐性事象なし、制吐処置なし、悪心の程度は問わな
剤による直接曝露と、患者の唾液・汗・吐物・排泄物への接
い)
、完全抑制率(CC率:嘔吐性事象なし、制吐処置なし、
触や、排泄物が付着したトイレの共用・体液の付着したリネ
悪心なし又は軽度)、総制御率(TC率:嘔吐性事象なし、
ンの洗濯を介した二次的曝露に分け、それぞれの経路に対す
制吐処置なし、悪心なし)について調査した。期間は、化学
る曝露予防策を講じていた。一方、日本では医療従事者の曝
療法投与後の全期間(0 ~ 120 時間)、急性期(0 ~ 24 時間)、
露予防に主眼が置かれ、患者家族の安全管理については現在
遅発期(24 ~ 120 時間)にて検討した。
独自の指針はなく、実際に患者教育を行っている病院は 2 割
【結果】診療録記載不十分ため効果判定不適症例の 14 人を除
に満たないとの報告があった(日病薬誌. 2009, 45( 11):
くとGRA投与群は 26 人、PALO投与群は 22 人であった。
1505-8)。抗がん剤に曝露した患者家族の健康影響の報告は
CR率 はGRA群/PALO群; 全 期 間:65/82 %、 急 性 期:
ないが、トイレを共用した家族の尿から抗がん剤が検出され
92/96 %、遅発期:65/82 %、CC率は全期間:54/77 %、急
た報告があり、自宅で二次的曝露を受けている可能性があ
性 期:92/96 %、 遅 発 期:54/77 %、TC 率 は 全 期 間:
る。
46/64 %、急性期:92/96 %、遅発期:50/68 %であった。
【結論】家族・介護者・友人の抗がん剤曝露の実態、自宅環
【まとめ】GRAと比較してPALOを用いた方がCR率、CC
境の汚染状況の調査や、自宅での抗がん剤曝露対策マニュア
率、TC率について全ての調査項目においてCINVを抑える
ルの作成、指導教育の実施が望まれる。
事が示唆された。今回の結果より、TC療法については、
5HT3 受容体拮抗薬としてPALOの使用を推奨する必要があ
ると考える。
- 35 -
G会場 一般演題
4 「薬剤師外来」が患者QOL、医療安全に与え
る影響について~『がん患者指導管理料3』
算定への取り組みに関する有用性評価~
3 「がん患者指導管理料 3」算定要
件からみた薬剤師外来の有用性評
価~患者アンケート調査より~
聖路加国際病院 薬剤部
聖路加国際病院 薬剤部
にかいどう け い こ
かわの
○二階堂恵子、石丸 博雅、高山 慎司、河野 友昭、
ともあき
○河野 友昭、石丸 博雅、二階堂恵子、中村美波理、
景 秀典、川名賢一郎、後藤 一美
高山 慎司、川名賢一郎、後藤 一美
【目的】当院では 2013 年 8 月より外来がん化学療法を受ける
【目的】当院では 2013 年 8 月より外来化学療法室に「薬剤師
患者を対象として薬剤管理指導を行う薬剤師外来を開設し、
外来」を開設し、2014 年 5 月より『がん患者指導管理料 3』
2014 年 5 月より「がん患者指導管理料 3」の算定を行ってい
を算定している。「薬剤師外来」における処方提案内容と処
る。今回、薬剤師外来に対する患者ニーズの把握、および算
方提案による転帰およびメディケーションエラー回避事例の
定要件に沿った指導が行えているか客観的評価を行うため患
調査を行い、この「薬剤師外来」が患者のQOL向上、医療
者アンケート調査を行った。
安全確保など適切な患者支援になっているか評価することを
【方法】2015 年 3 月 30 日から 4 月 4 日に当院外来化学療法室
にてがん化学療法を受けている患者を対象に、薬剤師外来に
目的とした。
【方法】対象は 2014 年 5 月から 2014 年 12 月までに「薬剤師外
関する選択式・記述式無記名アンケート調査を実施した。
来」を受診した患者 712 名とした。データ収集項目は面談時
【結果】アンケート回答数は 161 名(回収率 56 %)で、薬剤
の副作用症状、医師に処方提案を行い採用された内容、メ
師外来受診経験者は 119 名(73%)であった。希望する説明
ディケーションエラー回避事例とした。なお、データ収集方
内容としては副作用関連(47%)が最も多く、次いで薬の効
法は電子カルテによる後ろ向き調査とし、副作用のGrade分
果( 26%)であった。「がん患者指導管理料 3」に関連した項
類はCTCAE v4.0 を使用した。メディケーションエラーは院
目においては、薬剤師による処方変更・提案があった患者は
内の医療安全管理の基準を用い、レベル 1 からレベル 5 まで
25 名( 21%)、 薬 剤 師 外 来 を 受 け た こ と で「 薬 の 必 要 性
( 58 %)」、「副作用対策(50 %)」について理解でき、「心配
や疑問は解消された(80 %)」との回答が得られた。
の 5 段階に分類した。
【結果】
「薬剤師外来」の面談件数は延べ 2219 件(事前説明・
初回 913 件、継続 1306 件)であった。その内、処方提案を行
【考察】今回の結果より、薬剤師外来に対する患者のニーズ
い採用されたのは 137 件であり、嘔気(27%)、便秘(22%)、
を把握することができた。また、「がん患者指導管理料 3」
皮膚障害(16%)への提案が多かった。処方提案により副作
算定要件に則した薬剤師外来を実施することで、治療や副作
用Gradeは有意に改善した(p< 0.0001)。メディケーション
用への理解が深まり、不安軽減に繋がっていると考えられ
エラー回避事例は 84 件であり、レベル 4 の 1 件と、レベル 3
る。
の 4 件が含まれた。
【考察】「薬剤師外来」における処方提案により副作用Grade
は有意に改善し、QOL向上につながった。また、重大なメ
ディケーションエラーを回避し、医療安全に貢献したと考え
られる。
- 36 -
G会場 一般演題
6 HBV再活性化予防に向けた当院
薬剤部の現状と取り組み
5 東札幌病院におけるペグフィルグ
ラスチムの使用状況調査
1)
東札幌病院薬剤課
国立国際医療研究センター病院 薬剤部
2)
東札幌病院内科
にしかわ
3)
東札幌病院外科
え
○西川 まり絵、瀬戸 恵介、軍司 剛宏、澤井 孝夫、
内野 悦夫、和泉啓司郎
かとう
ようへい
○加藤 遥平 1)、中脇 誠一 1)、照井 健 2)、平山 泰生 2)、
三原 大佳 2)、大村 東生 3)、石谷 邦彦 2)
【目的】HBs抗原陽性であるB型肝炎ウイルス(HBV)キャ
リア、HBs抗原陰性例の一部に免疫抑制剤・化学療法を施行
【目的】昨年、ペグフィルグラスチム(以下P-G)が発売さ
すると、HBV再活性化による致死的な劇症肝炎を引き起こ
れG-CSF製剤の選択肢は増えた。しかし、第Ⅲ相試験は乳
すことが知られている。今回HBV再活性化予防に関する当
癌患者と悪性リンパ腫患者のみでの対象となっており、他の
院薬剤部における現状と取り組みについて報告する。
癌種に使用した際の有効性・安全性は未知の部分がある。今
【方法】2014 年 10 月からHBs抗原検査実施確認を行ってお
回、東札幌病院(以下当院)におけるP-Gの使用状況を調
り、2014 年 10 月~ 2015 年 3 月の間に化学療法を施行した患
査・分析することで若干の知見を得たので報告する。
者のHBVスクリーニング実施状況を確認し、薬剤師が介入
【方法】電子カルテの検索システムを用い、2014 年 12 月1日
から 2015 年 3 月 31 日までにP-Gを使用した患者延べ 106 症例
した事例について分析した。また、リスク患者の割合、内訳
についても評価した。
について、年齢、性別、癌種、レジメン、FN発症数、休薬
【結果】化学療法施行患者 675 名中、疑義照会を行った患者
期間中の抗生剤投与期間などについて後視方的に調査し分析
は 8 名、HBs抗原検査を依頼し、HBs抗原陰性は 3 名であっ
した。ただし、当院で化学療法を行っていない症例とレジメ
た。HBs抗原陽性の 1 名に関しては、消化器内科コンサルト
ンからの著しい逸脱のあった症例は除外した。
となった。
【 結 果 】 悪 性 リ ン パ 腫、 乳 癌、 悪 性 軟 部 肉 腫、 膵 臓 癌、
また、HBV再活性化リスク患者は重複 3 名を除く 173 名
Ewing肉腫、頭頸部癌、胃癌が対象となった。抗生剤の投与
( 25.6%)、 化 学 療 法:88 名( 13%)、 内 服 抗 が ん 剤:70 名
期間の中央値は 9.5 日であった。FNの発症は悪性リンパ腫
( 10.4%)、免疫抑制剤:15 名( 2.2%)、抗リウマチ剤:3 名
患者延べ71例の治療中P-G投与をうけた41例のうち2例に、
( 0.4%)であった。HBs抗原陽性患者は 12 名( 1.8%)、HBs
Ewing肉腫患者の延べ 7 例の治療中P-G投与をうけた 7 例の
抗原陰性、かつHBsまたはHBc抗体陽性患者は 8 名( 1.2%)
うち2例に、頭頸部癌患者延べ 6 例の治療中P-Gうけた 6 例
であった。再活性化患者はみられなかった。
のうち 1 例に認められた。一方、乳癌患者では延べ 243 例の
【考察】化学療法施行患者の中には、内服抗がん剤、免疫抑
治療中P-Gは 29 例に投与されたがFNは認められなかった。
制剤および抗リウマチ剤を併用している患者もおり、それら
【考察】当院におけるP-Gは様々な癌腫に使われていたが、
の薬剤の使用の有無を確認することも必要であると考えられ
骨髄抑制の強いレジメンを用いたEwing肉腫においてFNの
発症が高頻度に認められP-G投与下でも感染症に注意する必
要があると考えられた。
る。
【結論】薬剤師による化学療法施行前のHBs抗原検査実施確
認と検査依頼、またリスク薬剤使用の有無の確認は、HBV
スクリーニングの実施や再活性化の予防につながる。
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協賛・展示・広告 企業一覧
本学会の開催にあたり、下記の企業・団体にご協賛をいただきました。
ここに深謝いたします。
エルメッド エーザイ株式会社
沢井製薬株式会社
サターラ合同会社
サンド株式会社
株式会社ジェイ・エム・エス
シオノギ分析センター株式会社
大鵬薬品工業株式会社
中外製薬株式会社
テバ製薬株式会社
テルモ株式会社
東和薬品株式会社
株式会社トーショー
日医工株式会社
日科ミクロン
ニプロ株式会社
日本イーライリリー株式会社
日本化薬株式会社
日本ケミファ株式会社
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
日本ベクトン・ディッキンソン 株式会社
バイエル薬品株式会社
光製薬株式会社
持田製薬株式会社
株式会社ヤクルト本社
株式会社ユヤマ
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