Keyaki Canvas House #15 21 April 2015 MY CANVAS GARDEN Edible Garden 、文字通りの食べるお庭に挑戦 「食べるお庭」という意味の Edible Garden。よく耳にする「キッチン・ガーデン」はど ちらかというと調理に使う葉野菜や根菜を収穫する、というようなイメージがあります が、エディブルガーデンは、食べられるということと同時にガーデンとしての美しさも たいせつにして、視覚的な楽しさや安らぎの時間をもたらすのも大切な役割です。 今回レポートするけやき台15号地は、既に完成している「ウエルカムプラザ」に隣接 していてイベントでの利用が予定されています。その南側に位置するスペースに計画した のが今回の Edible Garden です。 全体のレイアウト図 Pcon Housing report 1 Keyaki Canvas House #15 21 April 2015 GLと近いレベルにある ウッドデッキ 歩道からの視線を切る役 も兼ねるプランター 歩 道 寄せ植えの花壇 木製のプランターで作った コンテナー 化粧砂利 Storage ウッドデッキ 15.136 ピンコロ石の小道 14.825 最近は野菜を育てることが人気です。あまり目が向けられなかった自宅の一角で野菜や 果物が収穫できるとしたら、とても素晴らしいことです。さらには食の安全に対する関 心が高まるなか、自分で育てたものを使って料理ができたら・・・。遠くから運ばれて くる割高な有機野菜よりも経済的ですし、何しろ新鮮で安心です。少し手間がかかるか もしれませんが、家族みんなで世話をしてみると収穫が楽しみです。 けやき台15号地 : 南側道路からの立面。 トレリスにはカロライ ナジャスミンやテイカ ズラのツルが絡まり、 上のプランターからは コバノランタナが枝垂 れます。建物側からお 花を楽しむだけでなく、 道を行く人は緑の景観 を楽しむことができま す。 Pcon Housing report 2 Keyaki Canvas House #15 21 April 2015 野菜や果実を生育させることは、一般の庭木や花を育てるのと違いはありません。水、 光、そして栄養分を適切に供給して・・・。それらを収穫します。 この庭園の計画においても、一般の庭に備わっている「楽しむための仕組み」を持って います。室内から気楽に外に出ることができるウッドデッキ。野菜類は、地面から少し 高くなるよう(これを、レイズド・ベッドと呼びます)デッキ材を使ったプランターに 水はけを良くする骨材や植土をいれて植えられています。 ちょうど大きな植木鉢のようなものです。こうすると、 「ロンドン市当局の調査に よると、成人の3割が自 分のフルーツや野菜を育 てている」 楽、という効果もあります。プランターとプランターの ELLE DECO UK MAY/2015 間は、化粧砂利を敷いて、メンテナンスが楽になるよう 室内からは床レベルより少し上にあって、育っている様 子が見やすくなります。野菜の手入れをする際、姿勢が にしています。 プランターとデッキ やステップに同じデッ キ材を使うことで、 お庭の中にあるいろ いろな要素を視覚的 に統一しています。 コーナーに設けられたテラスにはテーブルセットを置いて、軽食やお茶を楽しむための テラスがあります。そこに至るピンコロ石のペービングで、横に細長い庭に幾何学的な 表情を与えています Pcon Housing report 3 Keyaki Canvas House #15 21 April 2015 庭の景観を楽しみなが ら、ゆったりとした時 間を過ごす場所を、コー ナーに設けました。歩 道側からのプライバシー を確保することを兼ね たウッドフェンスを設 置。外側の壁は、ツル 類を植えています。上 部のプランターには、 コバノランタナが枝垂 れます。 PLANTING 植栽は大きく3つ構成からなっています。大小5つのボックス・プランター、テラス前 の寄せ植え部分、そしてボーダーです。 コーナーテラスの前には、いろいろな野菜やお花が地植えされています。 Pcon Housing report 4 Keyaki Canvas House #15 21 April 2015 植えられているのは、葉野菜やハーブ、そして観賞用のお花です。プタンターの中心には、 イチジクやブラックベリー、マイヤーレモンなどの果実の木を植えました。また、西側 のプランターにはスナップエンドウを植えて、添え木に沿って上の方へ力強く伸びて、 生い茂ることを期待しています。歩道沿いは日当たりがよいので、温州みかんなどの柑 橘類、ローズマリーやフェネルなどのハーブ類を植えています。 「食べるお庭」というテーマですが、その前に美しく鑑賞できて、生活に安らぎを与え てくれることが最大の目的です。そこで、ラベンダーを中心とした色鮮やかな宿根草で 彩りをつけています。 それでも1年を通して庭を美しく保つ ことは大変です。そこで、コンテナー(鉢 植えのポット)を活用することで、季節 に合わせて主役となるお花を置き換えた り、室内からの見え方に合わせて配置を 変えたりと、TPO に合わせて工夫するこ とができます。 西側に隣接するウエルカムプラザ(1 6号地)からもこのお庭を楽しんでいた だけるように、しかもプライバシーが取 れるようにレイアウトしました。お茶に 呼んだり呼ばれたり、庭でとれたハーブ を使ったマリネのおすそ分けをしたりと、 ほどよい距離のご近所付き合いが育まれ たら、と勝手な夢を描いています。 Pcon Housing report 5 Keyaki Canvas House #15 21 April 2015 撮影に訪れた時には、ワイルドストロベ リーにミツバチが、エリスマム・ボーレ スモーブでは蝶が、忙しく働いていまし た。 まだ植えたばかりなので、鮮やかな色の お花が目立ちますが、6月ごろを過ぎる と葉野菜がどんどん育って主役を交代することになるでしょう。また、豆類がガイドに 沿って上の方にツルを伸ばして存在を主張するのが待ち遠しいです。 お庭でとれた葉野菜を使ったお料理のイベントを開いたり、ハーブティでホッとしたひ と時を楽しんでいただけることを計画中です。ご期待ください。 今回のプロジェクトでは、植物の選定、および植え付けについて、風雅舎(www.fugasha.com/) 加地一雅氏の協力を頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。 Pcon Housing report 6
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