1 2 3 □2014年度、コマツの連結売上高は前年比+1.3%増収の1兆9,786億円、営業利益はほ ぼ横ばいで、2,420億円となりました。営業利益率は▲0.1ポイント下がり、12.2%と なりました。 □純利益は前年比▲3.5%減益の、1,540億円となりました。 □ROEは▲1.8ポイント減の10.6%、ネットD/Eレシオは0.32と0.05ポイント改善しま した。 □当期末の配当金は29円/株の予定です(本年6月24日開催予定の定時株主総会に提案の 予定)。なお、中間配当金29円/株を含めた年間配当金は計58円/株となります。 [各セグメントの状況] □建設機械・車両:鉱山機械の需要低迷や中国などの新興国の需要減少があったもの の、北米、欧州などの先進国で堅調に推移するとともに、為替が米ドル、ユーロ、 人民元に対し円安に進んだことが寄与し、売上高は前年比増収となりました。セグ メント利益は、円安の影響や、販売価格の改善等に継続的に注力したものの、減益 となりました。 □産業機械他:自動車業界を中心とした設備投資に支えられ、鍛圧機械の販売が堅調に 推移し、増収となりました。また、セグメント利益は前年度に計上したワイヤー ソー在庫に係る損失があり、大幅増益となりました。 4 □為替は、1ドル109.7円、1ユーロ139.6円、1元17.7円と、いずれも前期より円安とな りました。 □建設機械・車両部門は、売上高、前年比+0.6%増収の1兆7,634億円となりました。セグ メント利益は、前年比▲6.1%減の2,272億円となり、セグメント利益率も12.9%と▲0.9 ポイントの減となりました。2014年中、構造改革費用として約60億円を計上しました が、この費用が減益要因の一つとなっております。 □産業機械他部門は、売上高、前年比+5.9%の2,215億円となりました。セグメント利益 は、前年比で大幅にプラスの162億円と、増収増益となりました。 □昨年10月に見直した見込みに対しては、売上高で536億円上回ったものの、営業利益 で130億円下回りました。 5 6 □建設機械・車両の売上高は、伝統市場において、日本で低迷したものの、北米・欧州が前年 比売上を大幅に伸ばしました。 □戦略市場においては、アジアでは、最大市場のインドネシアやタイで需要が低迷しましたが、 フィリピンやインドなどで需要を取り込み、増収となりました。 □CIS及びオセアニアでは鉱山機械の需要減少の影響が大きく、減収となりました。CISにおい ては通貨下落や原油安も影響しています。 □中国では、依然需要が低迷しており、大きく減収となりました。 □その結果、戦略市場の比率が下がり、伝統市場の比率が46%と、前年より4ポイント増加しま した。2014年度の中では、伝統市場の比率が上期の44%から下期は48%に一挙にアップ し、事業環境に大きな変化が生じております。 □全体では前年比+0.7%、+116億円の増収です。 7 □売上高は+111億円、+0.6%の増収です。鉱山機械、中国市場等での需要・販売の減少に よる物量差▲701億円を、為替の円安効果+772億円と販売価格の改善+40億円でカバーし ています。 □セグメント利益は、物量差、固定費差、構成差他によるマイナスが大きく、円安と販売価 格改善による効果もありましたが、ネットでは▲148億円の減益となりました。 8 9 □産業機械他部門では、自動車業界を中心とした設備投資に支えられ、鍛圧機械の販売が堅 調に推移したことに加え、半導体業界向けの需要が堅調に推移しギガフォトン㈱の売上 が伸長したことから、売上高は2,215億円で前年比+5.9%の増収となりました。 □セグメント利益は162億円、セグメント利益率も7.3%となりました。昨年度はコマツNTC におけるワイヤーソー部品在庫評価損108億がありましたので、+142億円の大幅な増益 となっています。 10 リテールファイナンス資産は円安の影響に加え、好調な北米や日本で新規取扱が増えたこと等 により、前年度末に比べ資産が増加しました。資産増約1,100億円のうち、為替の影響は約 750億円です。 売上高が2013年度より減少しているのは、チリのリース会計処理変更の影響、約▲180億円 が含まれていることによります。 11 □総資産は前年度末比で、1,468億円増加しましたが、為替の影響が+1,702億円あり、 これを除けば、実質は▲234億円の減少です。 □棚卸資産は、▲22億円減少しましたが、これも為替の影響+388億円を除くと、 ▲410億円の減少です。 □借入金・社債は▲159億円減少しましたが、為替の影響が+335億円含まれていま す。現金・預金とネットしたベースでは▲321億円の減少です。 □株主資本比率は+2.7ポイント増の54.6%となりました。 □ネット・デット・エクイティ・レシオは0.32と、0.05ポイント改善しました。またリ テールファイナンス会社を除いた場合には、ほぼゼロ(▲0.00)となりました。 12 13 □2015年度の業績見通しは、連結売上高が前年比▲5.0%減収の1兆8800億円、営業利益が▲8.7%減 益の2,210億円、売上高営業利益率は▲0.4ポイント減の11.8%の見通しです。 □ ROEは前年比▲1.6ポイント低下の9.0%になる見通しです。ネットD/Eレシオは、0.05ポイント改善し、0.27 となる見通しです。 □建設機械・車両部門では、主要7建機で欧米以外の世界需要が減少し、鉱山機械の需要もさらに落ち込 むことが見込まれます。部品事業の拡大等も図りますが、減収減益となる見通しです。 □産業機械他部門では、自動車メーカを中心とする設備投資が高いレベルにある中、プレス、工作機械の販 売が堅調に推移しますが、前年比で減収増益となる見通しです。 □配当金は1株当たり前年同額の58円を見込んでいます。連結配当性向は39.6%となる見通しです。 14 □2015年度の為替レートの前提は、1ドル:115円、1ユーロ:127円、1元:18.3円と致します。 □建設機械・車両部門は、後のページで示しますように、鉱山機械本体の販売の減少の影響が大きく、減 収となる見込みです。セグメント利益も減益となる見通しで、セグメント利益率としては12.6%と0.3ポイ ント低下する見込みです。 □産業機械他部門は、売上高は若干減収の見込みですが、セグメント利益は増益となり、利益率も1.1ポ イント改善し、8.4%となる見通しです。 □営業利益は前年比▲8.7%減益の2,210億円、売上高営業利益率は11.8%になる見通しです。 15 □2015年度は、地域別には北米のみが増収となり、他の地域は全て減収の見込みです。 □中国については引続き需要減少が続くと見ております。 □鉱山機械の売上については、新車需要の下落が更に続くと思われ、大幅な減収を見込んでお ります。 □伝統市場の比率は、前年度の46%から50%に上昇し、需要環境の変化が更に進む見通し です。実績の部分でご説明の通り、伝統市場の構成が上がることは収益的にはマイナスに影 響しますので、この構成差が、2015年度も減益要因となります。 16 □売上高は▲934億円、▲5.3%の減収です。北米以外の地域での需要・販売の減少による 物量差他で▲965億円、為替の円安効果+31億円が内訳となります。 □セグメント利益は、為替差、固定費削減、販売価格改善によるプラス要因に対し、物量 差・構成差等のマイナス影響が大きく、ネットでは▲172億円の減益となります。 □固定費については、人件費・償却費のアップはありますが、構造改革効果の刈り取り等に より、ネットで▲76億円を削減します。 17 □産業機械他部門では、売上は概ね堅調に推移するものの、前年比で減収となる見込みです。 □一方、セグメント利益は180億円となり、セグメント利益率も8.4%と改善する見込みです。 18 □2015年度末のリテールファイナンス事業の総資産は、主として北米の新規取組の増 加及びブラジルでのリテールファイナンス事業開始により現地通貨ベースでは増加 の見込みですが、為替の影響で減少する見込みです。 □中国等の戦略市場では、引続き資産減少の見込みです。 □減収要因の内、約65億円はチリのリース会計処理変更によるものです。(14/4~7 月まで) 19 □2015年度の世界需要は、欧米で引続き伸びが期待される以外、軒並み需要減少が予想され、全体 では前年比▲5%~▲10%減少の見込みです。 □日本では排ガス規制関係の反動が引続き予想され、中国でも需要のもう一段の低下を予想していま す。 □その他新興国では、鉱山機械需要の減少傾向に加え、昨年からの原油価格の下落によって、全体的 に需要は弱含みです。 20 □日本の需要台数は、2014年度は排ガス規制関連の反動減が大きく、前年比で▲21%の減少にな りました。 □建設投資は2013年度をピークに、2015年度にかけても微減となる見込みで、建機ストック台数 も高止まりの状態が予想されます。 □2015年度の需要予想は、こうした状況に加え、油圧ショベルの排ガス規制関連の反動減もあ り、前年比▲10%~▲15%と見ております。 21 □2014年度の需要は、前年比+10%増加となりました。 □鉱山向けや、エネルギー向けの需要が低迷した一方、住宅建設および道路などのインフラ分野 向けに需要が増加しました。 □2015年度の需要は、同様な状況が予想されますが、全体としては±0%~+5%程度の微増を予 想しております。 □但し、現在の北米の需要水準は過去と比較して既に高い水準にあり、引き続き足元の状況をよ くウォッチしていきます。 22 □2014年度の需要は、主要市場のイギリスを中心に伸長し、前年比+11%増加の見込みです。 □2015年度の需要予想は、概ね横ばい、±0%~+5%の伸びとなる見込みです。 23 第4四半期の需要は、前年同期比▲58%と、第3四半期に引続き低迷しました。春節が昨年よ りも3週間近く遅いため、前年同期比では比較障害がありますが、概ね第3四半期と同じ状況が 続いています。 2015年度通期の需要予想は、▲20%~▲25%のマイナスになる見通しです。 24 □2014年度の東南アジアの需要は、インドネシア、タイ、マレーシアとも大きく落ち込み、全体 で前年比▲18%の見込みです。 □2015年度は、インドネシアで建設投資需要の回復が期待できるものの、石炭価格下落、ルピア 安等の影響により対前年でマイナスとなる見通しです。タイの回復もまだ期待できず、全体で ±0%~▲5%と見ております。 25 □鉱山機械の需要は、2012年第3四半期から前年同期比でのマイナスが継続しています。第 4四半期▲17%減と減少幅は縮まったものの、2014年度年間としては対前年▲26%減と 落ち込んだ模様です。 □2015年度通期の需要予想は、前年比▲30%レベルを想定しています。 □鉱物価格が引続き下落し、ユーザの投資マインドが冷え込んでいる状況下、更新需要の増 加を考慮しても、需要全体の回復は2017年度以降になる可能性も高いと考えます。 26 □鉱山機械の2014年度売上高は、前年比▲1%減となりましたが、為替影響を除くと▲7% のマイナスでした。 □2015年度は、予想される需要の減少により、鉱山機械本体の売上高は大幅減を見込んでお ります。 □部品・サービス等の2014年度売上高は、為替による影響を除くと前年レベルとなりまし た。2015年度は部品は伸びる一方、サービスは若干減少すると見込んでおります。 27 □第4四半期の部品売上高は、前年同期比+11%の1,029億円、年間では+6%の3,872億円 で、四半期及び年間で過去最高を更新致しました。 □一般建設機械の部品売上高は前年比+8%の1,911億円、為替の影響を除くと+3%の伸びで した。 □鉱山機械の部品売上高も、前年比+5%の増加でしたが、円安の影響があり、換算差を除く と、▲2%の減収でした。 28 □レンタル資産投資を除く生産設備等の投資は、2014年度は計画より抑制しました。2015年度は、生産 改革を目的とした国内生産拠点の建屋更新等の投資は継続しますが、前年比若干減の見通しです。 □減価償却費は、2013年度に減価償却方法を定率法から定額法に変更したことから、2014年度はその 反動増で増加しましたが、2015年度は若干の増加を予定しています。 □研究開発費は、排出ガス規制対応や、次世代商品開発のための開発投資を引き続き強化していきます。 2014年度の研究開発費は前年比約+63億円増加しましたが、2015年度はほぼ横ばいの見通しで す。 □固定費は、一定の水準を維持しつつ、将来の成長に必要な人材や資源に投資していきます。2015年度 は構造改革効果を含め、削減を予定しています。 29 2015年度見通しと、中期経営計画の目標値との比較についてご説明致します。 始めに、建機の世界需要についてですが、中期経営計画策定時点では、2013年度からの3年間 は緩やかな回復を前提と致しました。主要7建機全体では2015年度以降の戦略市場の成長加速 を見込み、鉱山機械需要については2014年度からの回復・成長を前提としておりました。 現在の見込みは、これまでご説明の通りで、鉱山機械需要が引続き低迷する一方、一般建機需要 も、中国を始めとする新興国の不振により、中期経営計画の想定を大きく下回っております。 しかしながら、建設機械・鉱山機械の世界需要は、長期的には伸びていくという考え方に変更はあ りません。需要の変動・波が大きい中ですが、引続き将来の需要拡大を見据えて活動を進めており ます。 30 次に、業績見込みと経営目標値との比較についてご説明いたします。 実際の需要が中期経営計画の想定を大きく下回ったことにより、為替が想定よりも円安に振 れている影響を含めても、売上高は1兆8800億円にとどまる見通しで、営業利益率が 11.8%、ROEも9.0%の見込みと、残念ながら中期経営計画の目標には到達しない状況で す。 一方、フリー・キャッシュ・フローはプラスになっており、ネット・デット・エクイティ・レシオについて は2015年度で0.27を見込んでおり、目標の0.3以下を達成の予定です。 配当については、新しい配当性向の基準の30%~50%の間での配当を安定的に行うとと もに、昨年度、11月~1月にかけて、300億円の自社株買いを行うことで、株主への利益還 元を向上させました。 31 最後に、中期経営計画で定めた基本戦略の進捗です。需要が低迷している中でも、取り組む べき重点活動項目に変わりはありません。 イノベーションによる成長戦略としては、ICT建機の導入、次世代鉱山機械開発のGEとの合 弁スタート、スマートコンストラクションの推進等に着手しました。今期以降は特に情報化施工 のビジネスモデルの強化・拡大に取り組んで参ります。 既存事業の成長戦略としては、レンタル・中古車の循環事業やリテールファイナンス事業も含 めたバリューチェーンの更なる強化・拡大とともに、利益率の高い新興国での販売拡大に取り 組んで参ります。 土台強化のための構造改革の中では、コスト改善活動、補給部品オペレーション改革や電力 使用量の半減活動を行って参りました。今後も活動のスピードを上げて、コスト改善を進めて 参ります。 32 33 34 35 36 37 □鉱山機械新車の、受注と売上の指数の推移を示しております。 □グラフは、直近6ヶ月間の新車の受注額を、同じく6ヶ月間の売上高で割った指数の推移で す。 □上段のコマツアメリカのダンプの状況ですが、第4四半期の受注は引き続き低調で、指数は 70%を下回るレベルです。 □中段のドイツで製造する超大型のH/Eの状況も、引き続き受注が少なく、売上の半分を下回っ ています。 □下段の日本で製造するその他の鉱山機械の状況ですが、こちらも引き続き受注は低調です。 38 □産業機械の、受注と売上の指数の推移を示しています。グラフは、直近6ヶ月間の受注額を、 同じく6ヶ月間の売上高で割った指数の推移です。 □コマツ産機の板金・鍛圧事業の受注の状況は、自動車メーカ向けの大型プレスの受注が堅調 でしたが、4Qは出荷額が増加した影響により下降に転じ、指数は70%を下回るレベルです。 □コマツNTCのワイヤーソー以外の受注と売上の指数は、こちらも自動車メーカ向け受注が伸 び、指数は100%を維持しております。 39 40 41
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