(参考資料4) DNA分析によるいぐさ品種「ひのみどり」の識別 (注)ここに示す識別手法については、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 が特許出願中である。 Ⅰ.DNAの抽出(各手法で共通) 1.劇薬品(クロロフォルム等)を使用しない場合(第1法) (1)機器・試薬 ・ FastPrep FP-100 ( フ ナ コ シ 製 ) 同 等 品 ・ ウ ォ ー タ ー バ ス ま た は ヒ ー ト ブ ロ ッ ク ( 55 ℃ , 42 ℃ ) ・振とう装置 ・ ジ ル コ ニ ア ・ ビ ー ズ ( φ 5 mm ) ・ 2 ml サ ン プ ル チ ュ ー ブ ( ス ク リ ュ ー キ ャ ッ プ 付 き ) ・ 1.5 ml サ ン プ ル チ ュ ー ブ ・ CTAB 抽 出 バ ッ フ ァ ー ( 100 mM Tris-HCl pH 8.0 , 50 mM EDTA , 1.4 M NaCl , 1% CTAB ) ・β−メルカプトエタノール ・ プ ロ テ ナ ー ゼ K ( Invitrogen 製 , 20 mg/ml ) ・ PVPP ( ポ リ ビ ニ ル ポ リ ピ ロ リ ド ン , 不 溶 性 ) ・ ProCipitate ( LigoChem 社 製 , エ ア ・ ブ ラ ウ ン 社 取 り 扱 い ) ・イソプロピルアルコール ・ 70-80% エ タ ノ ー ル ・ TE 緩 衝 液 ( 10 mM Tris-HCl pH 7.5 , 1 mM EDTA ) ・ RNaseA ( 日 本 ジ ー ン 社 製 , 20 mg/ml ) ・( オ プ シ ョ ン 1 ) 蛍 光 光 度 計 ( 日 立 F-4010 , Bio-Rad VersaFluor Fluorometer 等 ) ・( オ プ シ ョ ン 1 ) 蛍 光 色 素 H33258 ( 1 mg/ml ) ・( オ プ シ ョ ン 1 ) TNE 緩 衝 液 ( 10 mM Tris-HCl , 1 mM EDTA , 100 mM NaCl ) ・( オ プ シ ョ ン 1 , 2 ) λ -DNA ( 30 mg/ml ) ・( オ プ シ ョ ン 2 ) TAE 緩 衝 液 ( 40 mM Tris-acetate , 1 mM EDTA ) ・( オ プ シ ョ ン 2 ) ア ガ ロ ー ス ゲ ル ( 0.8 ∼ 1.0 % ) ・( オ プ シ ョ ン 2 ) 臭 化 エ チ ジ ウ ム 水 溶 液 ( 10 mg/ml ) ・( オ プ シ ョ ン 2 ) ト ラ ン ス イ ル ミ ネ ー タ ー ・( オ プ シ ョ ン 2 ) ポ ラ ロ イ ド MP-4 カ メ ラ あ る い は デ ジ タ ル カ メ ラ ・( オ プ シ ョ ン 2 ) ロ ー デ ィ ン グ ダ イ (注)オプション1は蛍光光度計を利用する場合。 オプション2はアガロースゲルを利用する場合。 -1- (2)方法 ①サンプルの粉砕 ア . ジ ル コ ニ ア ・ ビ ー ズ 1 個 と 20 mg の PVPP を チ ュ ー ブ に 入 れ る 。 あ ら か じ め 大 量 に 準 備しておくと便利である。 イ . 畳 表 の う ら 毛 1 本 ( 6 cm ) を 長 さ 5 mm 程 度 に 切 断 し て サ ン プ ル チ ュ ー ブ に 入 れ る 。 (ポリ・マイクロ漏斗を使うと便利) うら毛(畳表の端の先端部分) サ ン プ ル 取 り で は , 余 裕 を も っ て 長 さ 8 cm ( 短 け れ ば できるだけ長く)で切り取る。 ウ . チ ュ ー ブ を FastPrep FP-100 に セ ッ ト し , 速 度 5.5 で 35 秒 間 粉 砕 す る 。 エ . チ ュ ー ブ を 遠 心 機 に セ ッ ト し て 室 温 , 13,000 rpm , 15 秒 間 ス ピ ン ダ ウ ン す る 。 ②DNAの抽出 ア . 使 用 直 前 に サ ン プ ル 1 点 あ た り 700 µl の CTAB 抽 出 バ ッ フ ァ ー に 7 µl β − メ ル カ ブ ト エ タ ノ ー ル , 3.5 µl プ ロ テ ナ ー ゼ K ( 20 mg/ml ) を あ ら か じ め 加 え て お く 。 イ . サ ン プ ル 1 点 あ た り ア . で 調 製 し た 700 µl の CTAB 抽 出 バ ッ フ ァ ー / β − メ ル カ プ ブ ト エ タ ノ ー ル /プ ロ テ ナ ー ゼ K を 加 え よ く 混 合 す る 。 ウ . 55 ℃ に セ ッ ト し た ウ ォ ー タ ー バ ス ま た は ヒ ー ト ブ ロ ッ ク に チ ュ ー ブ を 入 れ て , 1 時 間 加 温 す る 。 そ の 間 , 20-30 分 に 1 回 程 度 攪 拌 す る 。 エ . 4 ℃ , 14,000 rpm , 15 分 間 遠 心 分 離 す る 。 オ . 上 清 400 µl を 新 し い チ ュ ー ブ に 移 す 。( 植 物 体 の 残 渣 が 多 少 入 っ て も 問 題 な い ) カ . サ ン ブ ル 1 点 あ た り 100 µl の ProCipitate を 加 え る 。 キ . 振 と う 装 置 で 5-10 分 間 攪 拌 す る 。 ク . 4 ℃ , 14,000 rpm , 15 分 間 遠 心 分 離 す る 。 ケ . 上 清 400 µl を 新 し い チ ュ ー ブ に 移 す 。 コ . 240 µl の イ ソ ブ ロ ピ ル ア ル コ ー ル を 加 え 攪 拌 し 完 全 に 混 和 す る 。 サ . 室 温 で 30 分 か ら 一 晩 静 置 す る 。 シ . 室 温 , 14,000 rpm , 15 分 間 遠 心 分 離 す る 。 ス.上清をデカンテーションで捨てる。 セ.数秒間遠心して上清を集め,ピペットで完全に捨てる。 ソ . 800 µl の 70-80% エ タ ノ ー ル を 加 え チ ュ ー ブ の 内 壁 を 洗 う 。 タ . 室 温 , 14,000 rpm , 5 分 間 遠 心 分 離 す る 。 チ.上清をデカンテーションで捨てる。 ツ . 室 温 , 14,000 rpm , 数 秒 間 遠 心 し て 上 清 を 集 め , ピ ペ ッ ト で 完 全 に 捨 て る 。 テ . チ ュ ー ブ の 蓋 を 開 け て , 室 温 で 10 分 間 乾 燥 さ せ る 。 ト . RNase 溶 液 ( 20 mg/ml ) を TE 緩 衝 液 で 10,000 倍 に 希 釈 す る 。 ナ . 上 記 ト . で 調 製 し た 50 µl の TE 緩 衝 液 を 加 え , 攪 拌 ・ ス ピ ン ダ ウ ン す る 。 ニ . 42 ℃ の ウ ォ ー タ ー バ ス ま た は ヒ ー ト ブ ロ ッ ク で 1 時 間 加 温 す る 。 -2- ヌ.4 ℃で保存する。 * こ の 方 法 で 抽 出 し た DNA の 濃 度 は 100-400 ng/µl の 高 濃 度 に な る 。 ア ガ ロ ー ス ゲ ル で DNA 濃 度 を 測 定 す る 場 合 は , DNA を 溶 解 す る TE バ ッ フ ァ ー の 量 を 100 µl 程 度 ま で 増 やした方が最終濃度が下がって測定に都合が良い。 ③ゲノムDNAの定量 ( 蛍 光 光 度 計 ( 日 立 F-4010 ) を 使 用 し た 場 合 ) ア . 0.1 µg/ml の H33258 を 含 む TNE 緩 衝 液 を サ ン ブ ル 1 点 あ た り 2 ml 用 意 す る 。 イ . 石 英 セ ル に 2 ml 上 記 ア . で 用 意 し た H33258/TNE を 入 れ る 。 ウ.ブランクを測定する。 エ . 標 準 液 と し て ブ ラ ン ク に 2 µl の λ -DNA を 加 え て 測 定 す る 。 オ . 石 英 セ ル に 2 ml の 上 記 ア . で 用 意 し た H33258/TNE を 入 れ る 。 カ . 2 µl の 試 料 を 加 え 測 定 す る 。 測 定 値 が 表 示 さ れ る 。 (アガロースゲルを使用した場合) ア . 0.5 µg/ml の 臭 化 エ チ ジ ウ ム を 含 む 0.8 - 1.0 % の ア ガ ロ ー ス ゲ ル を 準 備 す る 。 イ . λ -DNA を TE 緩 衝 液 で 希 釈 し て 10ng/µl の 標 準 品 を 作 る 。 ウ . ア ガ ロ ー ス ゲ ル に 1 レ ー ン あ た り 10 , 20 , 30 , 40 , 50 ng の λ -DNA 標 準 品 を ア プ ラ イ する。 エ . ア ガ ロ ー ス ゲ ル に 5 倍 希 釈 し た サ ン プ ル を 2 µl ア プ ラ イ す る 。 オ . 100 V で 5 分 間 泳 動 す る 。 カ.トランスイルミネーター上写真を撮る。 写真上のサンプルのバンドの濃さを標準品のものと比較して濃度を判定する。 -3- 2.劇薬品(クロロフォルム等)を使用できる場合(第2法) (1)機器・試薬 ・ フ ナ コ シ , FastPrep FP-100 あ る い は 同 等 品 ・ ウ ォ ー タ ー バ ス ま た は ヒ ー ト ブ ロ ッ ク ( 55 ℃ , 42 ℃ ) ・振とう装置 ・ ジ ル コ ニ ア ・ ビ ー ズ ( φ 5 mm ) ・ 2 ml サ ン プ ル チ ュ ー ブ ( ス ク リ ュ ー キ ャ ッ プ 付 き ) ・ 1.5 ml サ ン プ ル チ ュ ー ブ ・ CTAB 抽 出 バ ッ フ ァ ー ( 100 mM Tris-HCl pH 8.0 , 50 mM EDTA , 1.4 M NaCl , 1% CTAB ) ・β−メルカプトエタノール ・ プ ロ テ ナ ー ゼ K ( Invitrogen 製 , 20 mg/ml ) ・ PVPP ( ポ リ ビ ニ ル ポ リ ピ ロ リ ド ン , 不 溶 性 ) ・ CIAA ( ク ロ ロ ホ ル ム / イ ソ ア ミ ル ア ル コ ー ル =24:1 ) ・イソプロピルアルコール ・ 70-80% エ タ ノ ー ル ・ TE 緩 衝 液 ( 10 mM Tris-HCl pH 7.5 , 1 mM EDTA ) ・ RNaseA ( 日 本 ジ ー ン 社 製 , 20 mg/ml ) ・( オ プ シ ョ ン 1 ) 蛍 光 光 度 計 ( 日 立 F-4010 , Bio-Rad VersaFluor Fluorometer 等 ) ・( オ プ シ ョ ン 1 ) 蛍 光 色 素 H33258 ( 1 mg/ml ) ・( オ プ シ ョ ン 1 ) TNE 緩 衝 液 ( 10 mM Tris-HCl , 1 mM EDTA , 100 mM NaCl ) ・( オ プ シ ョ ン 1 , 2 ) λ -DNA ( 30 mg/ml ) ・( オ プ シ ョ ン 2 ) TAE 緩 衝 液 ( 40 mM Tris-acetate , 1 mM EDTA ) ・( オ プ シ ョ ン 2 ) ア ガ ロ ー ス ゲ ル ( 0.8 ∼ 1.0 % ) ・( オ プ シ ョ ン 2 ) 臭 化 エ チ ジ ウ ム 水 溶 液 ( 10 mg/ml ) ・( オ プ シ ョ ン 2 ) ト ラ ン ス イ ル ミ ネ ー タ ー ・( オ プ シ ョ ン 2 ) ポ ラ ロ イ ド MP-4 カ メ ラ あ る い は デ ジ タ ル カ メ ラ ・( オ プ シ ョ ン 2 ) ロ ー デ ィ ン グ ダ イ (注)オプション1は蛍光光度計を利用する場合。 オプション2はアガロースゲルを利用する場合。 (2)方法 ①サンプルの粉砕 ア . ジ ル コ ニ ア ・ ビ ー ズ 1 個 と 20 mg の PVPP を チ ュ ー ブ に 入 れ る 。 あ ら か じ め 大 量 に 準 備しておくと便利である。 イ . 畳 表 の う ら 毛 1 本 ( 6 cm ) を 長 さ 5 mm 程 度 に 切 断 し て サ ン プ ル チ ュ ー ブ に 入 れ る 。 (ポリ・マイクロ漏斗を使うと便利) -4- うら毛(畳表の端の先端部分) サ ン プ ル 取 り で は , 余 裕 を も っ て 長 さ 8 cm ( 短 け れ ば できるだけ長く)で切り取る。 ウ . チ ュ ー ブ を FastPrep FP-100 に セ ッ ト し , 速 度 5.5 で 35 秒 間 粉 砕 す る 。 エ . チ ュ ー ブ を 遠 心 機 に セ ッ ト し て , 室 温 , 13,000 rpm , 15 秒 間 ス ピ ン ダ ウ ン す る 。 ②DNAの抽出 ア . 使 用 直 前 に サ ン プ ル 1 点 あ た り 700 µl の CTAB 抽 出 バ ッ フ ァ ー に 7 µl β − メ ル カ ブ ト エ タ ノ ー ル , 3.5 µl プ ロ テ ナ ー ゼ K 溶 液 ( 20 mg/ml ) を あ ら か じ め 加 え て お く 。 イ . サ ン プ ル 1 点 あ た り ア . で 調 製 し た 700 µl の CTAB 抽 出 バ ッ フ ァ ー / β − メ ル カ プ ブ ト エ タ ノ ー ル /プ ロ テ ナ ー ゼ K を 加 え よ く 混 合 す る 。 ウ . 55 ℃ に セ ッ ト し た ウ ォ ー タ ー バ ス ま た は ヒ ー ト ブ ロ ッ ク に チ ュ ー ブ を 入 れ て , 1 時 間 加 温 す る 。 そ の 間 , 20-30 分 に 1 回 程 度 攪 拌 す る 。 エ . 4 ℃ , 14,000 rpm , 15 秒 間 ス ピ ン ダ ウ ン す る 。 オ . 室 温 ま で 冷 ま し て , 700 µl の CIAA を 加 え , 30 分 間 振 と う す る 。 カ . 4 ℃ , 14,000 rpm , 15 分 間 遠 心 分 離 す る 。 キ . 上 清 400 µl を 新 し い チ ュ ー ブ に 移 す 。 ク . 240 µl の イ ソ プ ロ ピ ル ア ル コ ー ル を 加 え 攪 拌 し 完 全 に 混 和 す る 。 ケ . 室 温 で 30 分 か ら 一 晩 静 置 す る 。 コ . 室 温 , 14,000 rpm , 15 分 間 遠 心 分 離 す る 。 サ.上清をデカンテーションで捨てる。 シ.数秒間遠心して上清を集め,ピペットで完全に捨てる。 ス . 800 µl の 70-80% エ タ ノ ー ル を 加 え チ ュ ー ブ の 内 壁 を 洗 う 。 セ . 室 温 , 14,000 rpm , 5 分 間 遠 心 分 離 す る 。 ソ.上清をデカンテーションで捨てる。 タ . 室 温 , 14,000 rpm , 数 秒 間 遠 心 し て 上 清 を 集 め , ピ ペ ッ ト で 完 全 に 捨 て る 。 チ . チ ュ ー ブ の 蓋 を 開 け て , 室 温 で 10 分 間 乾 燥 さ せ る 。 ツ . RNase 溶 液 ( 20 mg/ml ) を TE 緩 衝 液 で 10,000 倍 に 希 釈 す る 。 テ . 上 記 ツ . で 調 製 し た 50 µl の TE 緩 衝 液 を 加 え , 攪 拌 ・ ス ピ ン ダ ウ ン す る 。 ト . 42 ℃ の ウ ォ ー タ ー バ ス ま た は ヒ ー ト ブ ロ ッ ク で 1 時 間 加 温 す る 。 ナ.冷蔵庫で保存する。 * こ の 方 法 で 抽 出 し た DNA の 濃 度 は 100-400 ng/µl の 高 濃 度 に な る 。 ア ガ ロ ー ス ゲ ル で DNA 濃 度 を 測 定 す る 場 合 は , DNA を 溶 解 す る TE バ ッ フ ァ ー の 量 を 100 µl 程 度 ま で 増 やした方が最終濃度が下がって測定に都合が良い。 -5- ③ゲノムDNAの定量 ( 蛍 光 光 度 計 ( 日 立 F-4010 ) を 使 用 し た 場 合 ) ア . 0.1 µg/ml の H33258 を 含 む TNE 緩 衝 液 を サ ン ブ ル 1 点 あ た り 2 ml 用 意 す る 。 イ . 石 英 セ ル に 2 ml 上 記 ア . で 用 意 し た H33258/TNE を 入 れ る 。 ウ.ブランクを測定する。 エ . 標 準 液 と し て ブ ラ ン ク に 2 µl の λ -DNA を 加 え て 測 定 す る 。 オ . 石 英 セ ル に 2 ml の 上 記 ア . で 用 意 し た H33258/TNE を 入 れ る 。 カ . 2 µl の 試 料 を 加 え 測 定 す る 。 測 定 値 が 表 示 さ れ る 。 (アガロースゲルを使用した場合) ア . 0.5 µg/ml の 臭 化 エ チ ジ ウ ム を 含 む 0.8 - 1.0 % の ア ガ ロ ー ス ゲ ル を 準 備 す る 。 イ . λ -DNA を TE 緩 衝 液 で 希 釈 し て 10 ng/µl の 標 準 品 を 作 る 。 ウ . ア ガ ロ ー ス ゲ ル に 1 レ ー ン あ た り 10 , 20 , 30 , 40 , 50 ng の λ -DNA 標 準 品 を ア プ ラ イ する。 エ . ア ガ ロ ー ス ゲ ル に 5 倍 希 釈 し た サ ン プ ル を 2 µl ア プ ラ イ す る 。 オ . 100 V で 5 分 間 泳 動 す る 。 カ.トランスイルミネーター上写真を撮る。 写真上のサンプルのバンドの濃さを標準品のものと比較して濃度を判定する。 -6- Ⅱ 各手法によるDNA分析及び品種の識別 1.SSR(独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構九州沖縄農 業研究センター) (1)機器・試薬 ・ Applid Biosystems GeneAmp® system 9700 ・ 安 定 化 電 源 ( 200V 定 電 圧 で 電 気 泳 動 で き る も の ) ・サブマリン電気泳動槽 ・ マ イ ク ロ ピ ペ ッ ト ( ギ ル ソ ン 製 P-10, P-200 相 当 品 ) ・ 1.5 ml サ ン プ ル チ ュ ー ブ ・ PCR チ ュ ー ブ ・ Primer (配 列 は 付 表 参 照 ) ・ Ex-Taq HS DNA polymerase (タ カ ラ バ イ オ 株 式 会 社 ) ・ 2.5 mM dNTPs ・アガロース ( AMRESCO 製 , SFR ア ガ ロ ー ス , エ ム エ ス テ ク ノ シ ス テ ム ズ 社 取 扱 ) ・ 1 x TBE 緩 衝 液 ( 10 x TBE 緩 衝 液 を 希 釈 ) ・6 xローディングダイ ・ サ イ ズ マ ー カ ー ( 100 bp ラ ダ ー な ど ) ・ 高 感 度 の 核 酸 染 色 用 蛍 光 色 素( タ カ ラ バ イ オ 製 Gelstar ,ア マ シ ャ ム フ ァ ル マ シ ア 製 Vistra Green な ど ) ・トランスイルミネータ ・写真撮影装置 他 (2)方法 ① 抽 出 し た DNA 溶 液 50-80 ng を PCR 用 の 作 業 液 と し て 用 い る 。 DNA 濃 度 と し て 30 ng/µl 程度が適当である。 ② -⑤ の 操 作 は , ホ ッ ト ス タ ー ト ・ タ イ プ の 酵 素 を 使 用 し な い 場 合 は 氷 上 で 行 う 。 ② 1.5 ml サ ン プ ル チ ュ ー ブ に PCR 反 応 液 を 調 製 す る 。 ( 20 µl x 16 本 分 強 , 330 µl ) 10 x EX-Taq buffer 33 µl 2.5 mM d NTP 26.4 µl Ex-Taq HS ( 5U/µl ) 1.65 µl Primer 2-07GL ( 10 pmol/ul ) 9.9 µl Primer 2-07GR ( 10 pmol/ul ) 9.9 µl Primer 2-07FL ( 10 pmol/ul ) 5.94 µl Primer 2-07FR ( 10 pmol/ul ) 5.94 µl Primer 1-05AL ( 10 pmol/ul ) 5.94 µl Primer 1-05AR ( 10 pmol/ul ) 5.94 µl Primer BGA29L ( 10 pmol/ul ) 9.9 µl -7- Primer BGA29R ( 10 pmol/ul ) 9.9 µl dH2O 173.59 µl * 単 一 の プ ラ イ マ ー セ ッ ト を 使 用 す る 場 合 は , プ ラ イ マ ー の 最 終 濃 度 を 0.2 µM と す る 。 ③チューブミキサーでよく撹拌し,スピンダウンする。 ④ PCR 反 応 液 を 18 µl ず つ PCR チ ュ ー ブ に 分 注 す る 。 ⑤ DNA 溶 液 2 µl を 各 PCR チ ュ ー ブ に 加 え る 。 ⑥ PCR サ イ ク ル 96 ℃ 2 分 96 ℃ 5秒 58 ℃ 15 秒 30 回 繰 り 返 す 72 ℃ 30 秒 72 ℃ 2 分 間 4℃ ∞ ⑦ 3 µl の 6 × ロ ー デ ィ ン グ バ ッ フ ァ ー を 添 加 し 、 良 く 混 ぜ る 。 こ の 8 µl を 4 % ア ガ ロ ー ス ゲ ル に ア プ ラ イ し て 150 V で 100 分 程 度 電 気 泳 動 を 行 い 、 1/10,000 浸 漬 し 、 紫 外 線 下 で DNA 断 片 の 泳 動 像 を 撮 影 す る 。 Gelstar 溶 液 に 30 分 間 電 気 泳 動 用 の 緩 衝 液 に は 1 x TBE を,アガロースゲルには透明度の高い低分子量用のものを使用する。 * こ こ で 使 用 し た 4 % ア ガ ロ ー ス ゲ ル は , 低 分 子 量 DNA の 分 離 用 に 調 整 さ れ た AMRESCO 社 の SFR ア ガ ロ ー ス で あ る 。 価である。 同等の分解能を持つアガロースの中では最も安 また,アガロースの融解には,必ずオートクレーブを使用すること。 ℃,5 分間程度の加熱で溶かすことができる。 である。 105 400 ml 程 度 ま と め て 溶 か し て お く と 便 利 電子レンジで均一な高濃度アガロースを調製するのは非常に難しいばかりでな く危険である。 ** こと。 核 酸 染 色 用 蛍 光 色 素 に は , 必 ず Gelstar や Vistra Green な ど 高 感 度 の も の を 使 用 す る 臭化エチジウムでは感度が低いため,泳動像の確認が非常に難しくなる。 -8- (3)品種の識別 品 種 識 別 SSR プ ラ イ マ ー を 使 っ た 場 合 の 主 要 品 種 バ ン ド パ タ ー ン を 表 1 、 図 1 、 図 2 で 示 し た 。 ( 該 当 す る バ ン ド を 有 す る も の を 「 + 」、 有 し な い も の を 「 − 」 で 表 示 ) SSRの実施例 図 1 . A-E は 単 一 の プ ラ イ マ ー で PCR を 行 っ た 場 合 。 A: BGA29 マ ー カ ー , B: 1-05A マ ー カ ー , C:BGA20 マ ー カ ー , D: 2-07F マ ー カ ー , E: 2-07G マ ー カ ー 。 レ ー ン M: 100bp ラ ダ ー , 1: 「 ひ の み ど り 」 , 2: 下 増 田 在 来 , 3: し ら ぬ い , 4: 岡 山 3 号 , 5: 岡 山 み ど り , 6: さ ざ な み , 7: き よ な み , 8: ふ く な み , 9: 岡 山 F 系 , 10: く ま が わ , 11: 文 政 在 来 , 12: 筑 後 み ど り , 13: 高 須 在 来 , 14: 千 丁 在 来 , 15: あ さ な ぎ , 16: 大原四号。 どのプライマーでも,ひのみどりで は 1-2 本 , そ の 他 の 品 種 で は 2-3 本 のバンドが見られる。 図 2. 4 種 の マ ー カ ー (2-07G , 2-07F , 1-05A , BGA29) で マ ル チ プ レ ッ ク ス PCR を 行 っ た 場 合 。 レ ー ン M:100 bp ラ ダ ー , レ ー ン 1: 「 ひ の み ど り 」 , レ ー ン 2-16 : 図 1と 同 順 の そ の 他 の 品 種 。 マ ル チ プ レ ッ ク ス PCR に よ っ て,「ひのみどり」では 4 本程度の明瞭なバン ド が 現 れ る が , 他 の 品 種 で は 10 本 程 度 の バ ン ドが現れるため,簡単に識別できる。 -9- 表 1 . SSR マ ー カ ー に よ る 識 別 結 果 プライマー BGA29 品種/シグナル(bp 210 280 300 ひのみどり + 下増田在来 + + + せとなみ + + + しらぬい + + + 岡山3号 + + + 岡山みどり + + + さざなみ + + + きよなみ + + + ふくなみ + + + 岡山F系 + + + くまがわ + + + 文政在来 + + + 筑後みどり + + + 高須在来 + + + 千丁在来 + + + あさなぎ + + + 大原四号 + + + 150 + + + + + + + + + + + + + + + + 1-05A 160 180 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 130 + + + + + + + + + + + + + + + + + BGA20 150 175 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 125 + + + + + + + + + + + + + + + + + 2-07F 150 165 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + DNA 断 片 の 有 無 を 「 有 」 = + / 「 無 」 = − で 示 し た 。 (付表) プライマー一覧 用途 名称 配 列 SSR 1-05AL CTTCTCAAATTCTCCTGGTCCGAGT 25 1-05AR TCAGACGACTGAGATCGCTTAACAG 25 2-07FL AGATTCAGAGCAGAAACAAGCCAAC 25 2-07FR CTTCTTCACTCCTAACGGTGCAACT 25 2-07GL GATCGCGATTGAATTACCTTGGA 23 2-07GR ACGATAATTTTCCTCGTGTCCTTGA 25 BGA20AL GTTTCTCACTGGCCGCTTCATC 22 BGA20AR CCAGCATTTTGAGATGAGACTTTGA 25 BGA29L CCAAGGCGCGTTGATTTGTACT 22 BGA29R TCCCGGCCTTTGAGATTCAACT 22 - 10 - 塩基数 2-07G 90 110 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 2.ISSR・STSマーカー(独立行政法人農業・生物系特定産業技術 研究機構近畿中国四国農業研究センター) (1)機器・試薬 〈PCR〉 サ ー マ ル サ イ ク ラ ー : Applid Biosystems GeneAmp system 9700 又 は こ の 機 器 を 用 い て 行 っ た結果と同等であるもの。 〈ゲル電気泳動〉 ゲ ル 電 気 泳 動 装 置 : ミ ュ ー ピ ッ ド 電 気 泳 動 装 置( 株 式 会 社 ア ド バ ン ス 製 )又 は 、同 等 品 。 ゲルメーカー:電気泳動装置指定品。 トランスイルミネータ 写真撮影装置 他 〈PCR用の試薬〉 D N A ポ リ メ ラ ー ゼ : DNA AmpliTaqTM Gold ( Applied Biosystems 社 ) 又 は 、 同 等 品 。 デ オ キ シ ヌ ク レ オ シ ド 三 リ ン 酸 溶 液 : dNTP ( 2 mmol/L each ) Ampli Taq TM 塩 化 マ グ ネ シ ウ ム 溶 液 : MgCl2 ( 25 mmol/L ) Ampli Taq TM Gold 添 付 品 。 Gold 添 付 品 。 P C R 用 緩 衝 液 : 10 x PCR buffer プライマー対:用途に応じて(3)の品種識別に記した3種のプライマーを合成する。 〈ゲル電気泳動〉 アガロースゲル TBE 又 は 、 TAE 緩 衝 液 エチジウムブロミド ゲルローディング緩衝液 DNA分子量マーカー: PCR産物の増幅長に適したマーカーを使用する。 100bp ラ ダ ー マ ー カ ー ( Bio-Rad Lab 社 ) 等 が 適 当 で あ る 。 (2)方法 ①PCR反応 ア . 抽 出 し た D N A 溶 液 10ng を P C R 用 の 作 業 液 と し て 用 い る 。 遺 伝 子 型 識 別 に は 、 サ ー マ ル サ イ ク ラ ー : Applid Biosystems GeneAmp system 9700 を使用した。 イ . 1.5ml サ ン プ ル チ ュ ー ブ に P C R 反 応 溶 液 を 調 整 す る 。( 20 ml × 11 本 強 ) 1.5 mM MgCl2 14 ml 0.1mM of 各 dNTP 23 ml 5 pmol of 各 プ ラ イ マ ー 18 ml TM 0.5 U Ampli Taq Gold DNA ポ リ メ ラ ー ゼ ( Applied Biosystems 社 ) 1 ml × 10 PCR Gold buffer ( Applied Biosystems 社 ) 23 ml dH2O 140 ml ウ.チューブミキサーでよく撹拌し、スピンダウンする。 - 11 - エ . 20ml ず つ P C R チ ュ ー ブ に 分 注 す る 。 オ . 約 10 ng の イ グ サ DNA 溶 液 1ml を 各 P C R チ ュ ー ブ に 加 え る 。 PCR反応条件 1.94℃ 5分 2.94℃ 30秒 3.50℃ 30秒* 4.72℃ 90秒 5.72℃ 7分 (2∼4を35回繰り返す) *: プ ラ イ マ ー セ ッ ト 8 5 0 c 4 の 場 合 は 55℃ 30秒とする。 (3)品種の識別 ①品種「ひのみどり」識別用プライマー (実験データの解釈) イ グ サ 1 1 品 種 の 電 気 泳 動 の 結 果 を 下 図 に 示 し た 。「 ひ の み ど り 」 で は 、 約 550bp の 位 置 に 1 本 ( レ ー ン 4 )、 そ れ 以 外 の 品 種 ( レ ー ン 1 ∼ 3 、 5 ∼ 1 1 ) で は 、 300bp と 550bp の位置に2本のバンドが検出される。 図 1 . プ ラ イ マ ー 864t4 を 用 い た 結 果 1. あ さ な ぎ 2. ふ く な み 3. せ と な み 4. ひ の み ど り 、 5. 下 増 田 在 来 6. き よ な み 7. い そ な み 8. 筑 後 み ど り 、 10. く ま が わ 11. し ら ぬ い 9. 岡 山 3 号 M. 分 子 量 マ ー カ ー ( 100bp PCR Ruler, Bio-Rad Lab ) 品種「ひのみどり」識別用プライマーの塩基配列 名称 塩基配列 塩基数 864t4-5' CATTTCATGGAGGGTTTTTC 20 864t4-3' TCGAGGAGATTGAGGATGAT 20 - 12 - ②品種「せとなみ」識別用プライマー (実験データの解釈) イ グ サ 1 1 品 種 の 電 気 泳 動 の 結 果 を 下 図 に 示 し た 。「 せ と な み 」 で は 、 約 400bp の 位 置 に 1 本 ( レ ー ン 3 )、 そ れ 以 外 の 品 種 ( レ ー ン 1 、 2 、 4 ∼ 1 1 ) で は 、 バ ン ド が 検 出 さ れない。 図 2 . プ ラ イ マ ー 850c4 を 用 い た 結 果 1. あ さ な ぎ 2. ふ く な み 3. せ と な み 4. ひ の み ど り 、 5. 下 増 田 在 来 6. き よ な み 7. い そ な み 8. 筑 後 み ど り 、 10. く ま が わ 11. し ら ぬ い 9. 岡 山 3 号 M. 分 子 量 マ ー カ ー ( 100bp PCR Ruler, Bio-Rad Lab ) 品種「せとなみ」識別用プライマーの塩基配列 名称 塩基配列 塩基数 850c4-5' GGTCGGGCTGGTATCGTGT 19 850c4-3' CGGCAGGCGAGGGATAGGAT 20 - 13 - ③品種「せとなみ」「筑後みどり」識別用プライマー (実験データの解釈) イ グ サ 1 1 品 種 の 電 気 泳 動 の 結 果 を 下 図 に 示 し た 。「 せ と な み 」と 「 筑 後 み ど り 」で は 、 約 450bp の 位 置 に 1 本 ( レ ー ン 3 、 8 )、 そ れ 以 外 の 品 種 ( レ ー ン 1 、 2 、 4 ∼ 7 , 9 ∼ 1 1 ) で は 、 バ ン ド が 検 出 さ れ な い 。 た だ し 、「 筑 後 み ど り 」 の バ ン ド は 「 せ と な み 」 に 比べてバンドが薄い。 図 3 . プ ラ イ マ ー 864t7 を 用 い た 結 果 1. あ さ な ぎ 2. ふ く な み 3. せ と な み 4. ひ の み ど り 、 5. 下 増 田 在 来 6. き よ な み 7. い そ な み 8. 筑 後 み ど り 、 10. く ま が わ 11. し ら ぬ い 9. 岡 山 3 号 M. 分 子 量 マ ー カ ー ( 100bp PCR Ruler, Bio-Rad Lab ) 品 種 「 せ と な み 」「 筑 後 み ど り 」 識 別 用 プ ラ イ マ ー の 塩 基 配 列 名称 塩基配列 塩基数 864t7-5' CCTGCAAGCCAATCATACT 19 864t7-3' ATGATGTTGAAGGAAAAGGA 20 - 14 - 3.SNP(独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構九州沖縄農 業研究センター) (1)機器・試薬 ・ LightCycler ( Roche Diagnostics ) ・ Applid Biosystems GeneAmp® system 9700 ・ 安 定 化 電 源 ( 200 V 定 電 圧 で 電 気 泳 動 で き る も の ) ・サブマリン電気泳動槽 ・ マ イ ク ロ ピ ペ ッ ト ( ギ ル ソ ン 製 P-10, P-200 相 当 品 ) ・ 1.5 ml サ ン プ ル チ ュ ー ブ ・ PCR チ ュ ー ブ ・ Primer (配 列 は 付 表 参 照 ) ・ QuantiTect SYBR® Green PCR 溶 液 ( Qiagen 株 式 会 社 ) ・ Ex-Taq DNA polymerase (タ カ ラ バ イ オ 株 式 会 社 ) ・ 2.5 mM dNTPs ・アガロース ( AMRESCO 製 , HT ア ガ ロ ー ス , エ ム エ ス テ ク ノ シ ス テ ム ズ 社 取 扱 ) ・ 1xTBE 緩 衝 液 ( 10 x TBE 緩 衝 液 を 希 釈 ) ・ローディングダイ ・トランスイルミネータ ・写真撮影装置 他 (2)方法 ア .抽 出 し た DNA 溶 液 50-80 ng を PCR 用 の 作 業 液 と し て 用 い る 。 DNA 濃 度 と し て 30 ng/µl 程度が適当。 2 ) -5 )の 操 作 は , ホ ッ ト ス タ ー ト ・ タ イ プ の 酵 素 を 使 用 し な い 場 合 は 氷 上 で 行 う 。 イ . 1.5 ml サ ン プ ル チ ュ ー ブ に PCR 反 応 液 を 調 製 す る 。 ( 20 µl x 16 本 分 強 , 330 µl ) リ ア ル タ イ ム PCR 装 置 を 利 用 し た PCR-CTPP の 場 合 : 2 x QuantiTect SYBR® Green PCR 溶 液 170 µl ( 20 pmol/ul ) 2.55 µl Primer IR-CC ( 20 pmol/ul ) 2.55 µl Primer OF Primer OR ( 20 pmol/ul ) 6.8 µl Primer IF-A ( 20 pmol/ul ) 6.8 µl dH2O 117.3 µl - 15 - リ ア ル タ イ ム PCR 装 置 を 利 用 し な い PCR-CTPP の 場 合 : 10 x Ex-Taq buffer 33 µl d NTP 2.5 mM 26.4 µl Ex-Taq ( 5 U/µl ) 1.65 µl ( 20 pmol/ul ) 2.55 µl Primer IR-CC ( 20 pmol/ul ) 2.55 µl Primer OF Primer OR ( 20 pmol/ul ) 6.8 µl Primer IF-A ( 20 pmol/ul ) 6.8 µl dH2O 250.25 µl ALP の 場 合 : 10 x Ex-Taq buffer 33 µl d NTP 26.4 µl Ex-Taq ( 5 U/µl ) 1.65 µl Primer Pst109L ( 20 pmol/ul ) 4.25 µl Primer Pst109L ( 20 pmol/ul ) 4.25 µl 2.5mM dH2O 172.27 µl ウ.チューブミキサーでよく撹拌し,スピンダウンする。 エ . 18 µl ず つ PCR チ ュ ー ブ に 分 注 す る 。 オ . DNA 溶 液 2 µl を 各 PCR チ ュ ー ブ に 加 え る 。 カ . PCR サ イ ク ル リ ア ル タ イ ム PCR 装 置 を 利 用 し た PCR-CTPP の 場 合 : 95 ℃ 15 分 1 回 ; 94 ℃ 10 秒 45 ℃ 20 秒 60 回 繰 り 返 す 70 ℃ 20 秒 リ ア ル タ イ ム PCR 装 置 を 利 用 し な い PCR-CTPP の 場 合 : 96 ℃ 2 分 96 ℃ 10 秒 48 ℃ 10 秒 35 回 繰 り 返 す 72 ℃ 30 秒 72 ℃ 2 分 間 4℃ ∞ - 16 - ALP の 場 合 : 96 ℃ 2 分 96 ℃ 10 秒 48 ℃ 10 秒 35 回 繰 り 返 す 72 ℃ 30 秒 72 ℃ 2 分 間 4℃ ∞ キ . リ ア ル タ イ ム PCR 装 置 を 利 用 し た PCR-CTPP の 場 合 : 融 解 曲 線 分 析 は 70 ℃ 50 秒 保 持 , 0.4 ℃ / 秒 で 55 ℃ ま で 降 下 , 0.05 ℃ / 秒 で 55 ℃ か ら 85 ℃ ま で 上 昇 さ せ , 温 度 上 昇 中 に 蛍光光度を測定する。 ク . リ ア ル タ イ ム PCR 装 置 を 利 用 し な い PCR-CTPP の 場 合 , あ る い は ALP の 場 合 : の 6 ×ローディングバッファーを添加し、良く混ぜる。 ル に ア プ ラ イ し て 150 0.5µg/ml 3 µl こ の 6µl を 2 % ア ガ ロ ー ス ゲ V で 30 分 程 度 電 気 泳 動 を 行 い , 1/10,000 Gelstar 溶 液 あ る い は , エ チ ジ ウ ム ・ ブ ロ マ イ ド 溶 液 に 30 分 間 浸 漬 し , 紫 外 線 下 で DNA 断 片 の 泳 動 像 を撮影する。 電気泳動用の緩衝液には 1 x TBE を , ア ガ ロ ー ス ゲ ル に は AMRESCO 社 の HT ア ガ ロ ー ス , タ カ ラ バ イ オ の ア ガ ロ ー ス L03 等 通 常 の 電 気 泳 動 グ レ ー ド の ア ガ ロースを使用する。 (3)品種の識別 ① リ ア ル タ イ ム PCR 装 置 を 利 用 し た PCR-CTPP の 場 合 : 融解曲線分析の結果を下図に示した。横軸に測定時の温度,縦軸に符号を逆転させた蛍 光 強 度 の 差 を 割 り 当 て た グ ラ フ で あ る 。 DNA 鎖 の 乖 離 に 伴 う 蛍 光 強 度 の 減 衰 が 大 き く な る温度にピークが現れることから,増幅産物の融解温度の違いを検出できる。 「ひのみ ど り 」( 赤 線 ) で は , 73 ℃ に ピ ー ク を 持 つ 単 峰 分 布 の 融 解 曲 線 が 得 ら れ た が , そ の 他 の 品 種 ( 黒 線 ) で は い ず れ も 70 ℃ と 73 ℃ に ピ ー ク を 持 つ 二 峰 分 布 の 融 解 曲 線 が 得 ら れ た こ と から,融解曲線分析による品種識別が可能であった。 ま で の 所 要 時 間 は 1 時 間 40 分 程 度 で あ っ た 。 - 17 - ま た , PCR か ら 融 解 曲 線 分 析 終 了 Hpa01 リ ア ル タ イ ム PCR-CTPP の 実 施 例 ② リ ア ル タ イ ム PCR 装 置 を 利 用 し な い PCR-CTPP の 場 合 : 電 気 泳 動 の 結 果 を 下 図 に 示 し た 。「 ひ の み ど り 」 で は 180 bp と 200bp の 位 置 に 2 本 ( レ ー ン 1 ), そ れ 以 外 の 品 種 ( レ ー ン 2~16 ) で は , 90 bp, 180 bp と 200bp の 位 置 に 3 本のバンドが検出される。 M:100bp ラ ダ ー マ ー カ ー , 1: 「 ひ の み ど り 」, 2: 下 増 田 在 来 , 3: し ら ぬ い , 4: 岡 山 3 号 , 5: 岡 山 み ど り , 6: さ ざ な み , 7: き よ な み , 8: ふ く な み , 9: 岡 山 F 系 , 10: く ま が わ , 11: 文 政 在 来 , 12: 筑 後 み ど り , 13: 高 須 在 来 , 14: 千 丁 在 来 , 15: あ さ な ぎ , 16: 大 原 四 号 - 18 - ③ ALP の 場 合 : 電気泳動の結果を下図に示した。 「 ひ の み ど り 」 で は 約 330 bp の 位 置 に 一 本 ( レ ー ン 1 ), そ れ 以 外 の 品 種 ( レ ー ン 2~16 ) で は , 330 bp と 500 bp の 位 置 に 2 本 の バ ン ドが検出される。 Primer Pst109 の 実 施 例 M:100bp ラ ダ ー マ ー カ ー , 1: 「 ひ の み ど り 」, 2: 下 増 田 在 来 , 3: し ら ぬ い , 4: 岡 山 3 号 , 5: 岡 山 み ど り , 6: さ ざ な み , 7: き よ な み , 8: ふ く な み , 9: 岡 山 F 系 , 10: く ま が わ , 11: 文 政 在 来 , 12: 筑 後 み ど り , 13: 高 須 在 来 , 14: 千 丁 在 来 , 15: あ さ な ぎ , 16: 大 原 四 号 (付表) プライマー一覧 用途 PCR-CTPP ALP 名称 配 列 塩基数 OF GCTTGTTTGGGCTGGTAAAAGATTA 25 OR AATTCAGCCCCAAATGATTAAAATG 25 IF-A AGTTTTGTTGGATTTAATTGTTAAAGGAA 29 IR-CC TTGTATCCAACATCTGATATCTCCCC 26 Pst109L CGTGCTGTGGTGAGCAAAGAATC 23 Pst109R GCTTGCACATTCGGGCGATTAC 22 - 19 -
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