名古屋大学地球水循環研究センター 共同研究報告書

別紙様式2
名古屋大学地球水循環研究センター
共同研究報告書
平成27年 3月31日
名古屋大学地球水循環研究センター長 殿
申請者(研究代表者)
所属機関 九州大学応用力学研究所
職
教授
氏名
松野 健
e-mail
[email protected]
下記の共同研究について、別紙の通り報告します。
1 研究課題
東シナ海陸棚域の物質循環に関わる物理・化学・生物過程_
2 研究組織
氏名
代表者
松野 健
分担者
千手智晴
遠藤貴洋
吉川 裕
張 勁
武田重信
梅澤 有
郭 新宇
長谷川徹
森本昭彦
三野義尚
鋤柄千穂
所属
職
分担研究課題
九州大学応用力学研究所
教授
陸棚域の鉛直混合と循環構造
九州大学応用力学研究所
九州大学応用力学研究所
京都大学大学院理学研究科
富山大学理工学研究部
長崎大学水産学部
長崎大学水産学部
愛媛大学 CMES
水産総合研究センター
西海区水産研究所
名古屋大学水循環センター
名古屋大学水循環センター
名古屋大学水循環センター
准教授
学術研究員
准教授
教授
教授
准教授
教授
主幹研究員
長江希釈水の伝播
乱流混合過程
表層および海底混合過程
湧水からの栄養塩供給の推定
大気起源栄養塩の基礎生産への寄与
化学成分による水塊構造
生態系モデリング
准教授
助教
学術研究員
動物プランクトンの捕食
衛星海面高度データの解析
懸濁粒子の挙動
沈降粒子の解析
名古屋大学水循環センター
教授
衛星クロロフィルと基礎生産
センター対応教員
石坂丞二
3 研究内容 (別紙)
3
研究内容
研究課題名
東シナ海陸棚域の物質循環に関わる物理・化学・生物過程
共同研究 者名
松野
健(九大応力研 )、千手智晴 (九大応力研 )、遠藤貴洋
(九大応力研)、吉川
裕(京大院理)、張
勁(富山大院理工学)、
武田重信(長崎大水産)、梅澤有(長崎大院水産環境)、郭
新宇(愛
媛大 CMES)、長谷川徹(西海区水研)、東博紀(国立環境研)、古
市尚基(国立環境研)、森本昭彦(名大 HyARC)、三野義尚(名大
HyARC)、鋤柄千穂(名大 HyARC)、石坂丞二(名大 HyARC)
研究集会の内容
2014 年 6 月 1、2 日に名古屋大学地球水循環研究センターにおいて、標
記の研究集会を開催した。この研究集会では、名古屋大学と九州大学が長
崎大学、富山大学等と共同で行なっている東シナ海の生物生産への長江希
釈水の影響に関する研究の状況をまとめ、2014 年 7 月に予定されている
東シナ海航海の計画を策定する目的で行った。また、東シナ海陸棚域の現
象や混合過程に関連する研究発表もあり、参加者は国内研究機関から14
名(九州大学4名、長崎大学2名、富山大学3名、京都大学1名、愛媛大
学1名、西海区水産研究所1名、国立環境研究所2名)、名古屋大学から
19名の33名であった。
集会は 1 日の午後から始まり、これまでに行われてきた研究結果とし
て、長崎丸による観測結果に基づいた微量金属と栄養塩の分布について長
崎大の武田が、また 2003 年以降に得られたデータに基いた大陸棚と縁辺
部のクロロフィルと栄養塩の分布について富山大の藤城が、2009 年以降
の長崎丸の観測によって得られた韓国 EEZ における亜表層クロロフィル
極大層と乱流計測による栄養塩の鉛直輸送について九州大の Lee が、話題
提供を行った。さらに、九州西方海域のピコ植物プランクトンの動態につ
いて西海区水研の長谷川が、対馬海峡と東シナ海の植物プランクトン群集
について名古屋大の Xu が、沈降粒子と有機炭素・窒素安定同位体比につ
いて名古屋大の鋤柄が話題提供を行い、1 日目の集会を終了した。2 日目
は、始めに東シナ海陸棚域における大気窒素沈着と一次生産について国立
環境研の東が、数値モデルを用いた大陸縁辺部を横切る海水交換の見積も
りについて愛媛大の郭が、また対馬海峡・山口県沿岸の水温長期変動につ
いて九州大の千手が話題提供を行った。昼食をはさんで午後には、5 ビー
ム ADCP を用いた海底直上における乱流生成項の計測の試みについて九
州大の遠藤が、また混合層の乱流パラメタリゼーションと粒子状物質の拡
散への適用について国立環境研の古市が話題提供を行い、それぞれについ
て密度の高い議論があった。
後 半 は 本 研 究 集 会 に参 加 し て い る 共 同 研究 者 に よ る 研 究 グ ルー プ を 中
心に、本共同利用研究集会の研究代表者が代表となって平成 26 年度に採
択された科研費基盤研究 A の研究計画について松野が説明し、研究の進
め方について議論を行った。また、東シナ海の物質循環に関する今後の研
究方針について長崎大の梅澤から、2014 年の新青丸および 2015 年の白
鳳丸、東方紅Ⅱによる観測計画について富山大の張から話題提供があり、
今年度の航海と今後の研究計画についての議論を行った。
平成26年度名古屋大学地球水循環研究センター共同研究集会
東シナ海陸棚域の物質循環に関わる物理・化学・生物過程
日時 平成26年6月1日(日) 13:30 ~17:00
平成26年6月2日(月) 9:30 ~16:30
場所 名古屋大学地球水循環研究センター
(研究所共同館6階#617ミィーティングルーム)
プログラム
6月1日
13:30- 武田重信、涌田陽平、江藤祐輔、山下洋平
夏季の東シナ海陸棚域における表層水中の微量金属の分布と栄養
塩環境
14:05- 藤城義久、張勁、松野健、石坂丞二
Water mass interaction and chlorophyll/nutrient distribution
in the cross-slope area of the north eastern edge, East China
Sea
14:40- Keunjong Lee, Takeshi Matsuno, Takahiro Endoh, Yuanli
Zhu, Joji Ishizaka
Turbulent nutrient flux supplied into the subsurface
chlorophyll maximum in the East China Sea
休憩 15分
15:30- 長谷川徹・五味泰史・佐々木宏明・西内耕
九州西方海域(CK5)におけるピコ植物プランクトンの動態
16:05- Qian Xu, Shengqiang Wang, Joji Ishizaka
Spatial Variation of Phytoplankton Community in Tsushima
Strait and the East China Sea Estimated by Multiple
Excitation Fluorescence Method
16:40- 鋤柄千穂、三野義尚、Sarat Chandra Tripathy、石坂丞二、
松野健
東シナ海中央部における粒子状物質の生成・沈降過程-粒子状
物質の有機炭素・窒素安定同位体比の結果と考察-
6月2日
9:30- 東博紀
流動・低次生態系シミュレーションによる大気窒素沈着が東シナ
海陸棚域の一次生産に及ぼす影響評価
10:05- Jing Zhang, Liang Zhao, Xinyu Guo, Yasumasa Miyazawa
Water exchange across isobaths over the continental shelf of
the East China Sea
10:40- 千手智晴、渡辺俊輝
対馬海峡・山口県沿岸の水温の長期変動
昼食 11:15-12:30
12:30- 遠藤貴洋、吉川裕、松野健
5ビームADCPによる乱流観測の実用化に向けて
13:05- 古市尚基
海洋混合層における乱流パラメタリゼーションと粒子状物質の
動態
13:40- 松野健、千手智晴、遠藤貴洋、石坂丞二、張勁、武田重信、
梅澤有、吉川裕、郭新宇
「東シナ海陸棚域における基礎生産と物質循環を支配する物理・
化学・生物過程の研究」 に関する研究計画
14:10- 梅澤有、山口聖、野崎龍、山岸龍ノ介
東シナ海の物質循環の理解に向けた今後の研究方針
14:40- 張勁
2014~2015年における東シナ海関連観測調査について
15:10-
2014 年 7 月 長崎丸観測計画