足場墜落防止対策の強化 - 建設業労働災害防止協会

安衛則
改正
足場墜落防止対策の強化
―改正労働安全衛生規則が公布される―
厚生労働省は、足場等からの墜落防止対策を強化する改正労働安全衛生規則を平成27年3月5日に公布
しました。足場の組立て、解体又は変更の作業(以下「足場の組立て等の作業」という。
)時に事業者が講
じる墜落防止対策の強化を図ることとし、墜落防止措置を講じる対象として、現行の高さが5m以上から2
m以上の構造の足場にまで拡大し、安全帯取付設備の設置と安全帯使用の義務化のほか、足場の組立て等
の作業に係る業務に就く労働者に特別教育を行うことが義務づけられます。施行日は7月1日。
改正の概要
【特別教育】
事業者は、足場の組立て等の作業に新たに就く労働者に、特別教育を行わなければならないことになります。
ただし、施行日(7月1日)以前から既に足場の組立て等の作業に従事している者に対しては、平成29年6
月30日までの2年間、特別教育を行うことを要しないこととする経過措置が設けられました。
【足場の作業床に係る措置】
足場における高さ2m以上に設けられる作
業床の要件として、①幅は40cm以上、床材間
の隙間は3㎝以下に加えて、②床材と建地と
の隙間は12㎝未満とすることになります。
②
①
床材間の
隙間3cm以下
作業床の幅
40cm以上
床材と建地との隙間12cm未満
【足場の組立て等の作業に係る措置】
つり足場、張出し足場又は高さが5m以上の構造の足場の組立て等の作業では墜落防止措置等を講じること
とされていましたが、対象をつり足場、張出し足場又は高さ2m以上の構造の足場の組立て等の作業に拡大さ
れました。
また、足場材の緊結等の作業を行うときは、原則として、幅40cm以上の作業床を設けるとともに、安全帯
取付設備等の設置及び安全帯を使用させることとなります。
【現行】
【改正後】
足場板の幅
20cm以上
作業床の幅
40cm以上
手すりわく
親綱支柱
親綱
安全帯取付設備の例
【鋼管足場に係る規定の見直し】
鋼管足場のうち単管足場について、建地の最高部から測って31mを超える部分の建地は鋼管を2本組とする
こととされていましたが、建地の下端に作用する設計荷重(足場の重量に相当する荷重に、作業床の最大積載
荷重を加えた荷重をいう。
)が最大使用荷重(当該建地の破壊に至る荷重の2分の1以下の荷重をいう。
)を超
えないときは、鋼管を2本組とすることを要しなくなります。
【注文者の点検義務】
特定事業の仕事を自ら行う注文者が請負人の労働者に足場又は作業構台を使用させる場合は、強風等の悪
天候又は中震以上の地震の後に加えて、足場又は作業構台の組立て等の後においても、足場又は作業構台に
おける作業開始前に点検し、危険のおそれがあるときは、速やかに修理することとなります。
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「建設の安全」2015.4