労働安全衛生規則の改正 ~足場からの墜落防止対策強化~ 編集後記 平成27年7月1日より、労働安全衛生規則の改正に伴い、 「足場の組立て、解体又は変更に係る作業の業務 に従事する者」に対し、 「 特別教育」を実施することが、事業主の義務となりました。 (労働安全衛生規則 第39条)ここでは改正の概要と事業主の義務についてご説明いたします。 【改正の概要】 2 足 場における高さ2m以上の作業場所の作業床に係る墜落防 止措置の充実 ⑴ 作業床の要件に、床材と建地との隙間を12cm未満とするこ とを追加する。 ⑵ 作業の必要上臨時に墜落防止設備を取り外す場合等の措置 に、関係労働者以外の労働者の立入禁止及び作業終了後の墜 落防止設備の復旧を追加する。 ※架設通路及び作業構台についても同様の措置を追加する。 3 足場の組立て等の作業に係る墜落防止措置の充実 ⑴ 高さ5m以上の構造の足場の組立て等の作業に係る墜落防止 措置等の対象を高さ2m以上の構造の足場まで拡大する。 ⑵ 足 場材の緊結等の作業を行うときは、原則として、幅40cm 以上の作業床の設置、安全帯取付け設備等の設置及び安全帯 を使用させる措置を講ずることとする。 4 鋼管足場に係る規定の見直し 鋼管規格に適合する単管足場については、建地の下端に作用す る設計荷重が当該建地の最大使用荷重を超えないときは、鋼管を 二本組とすることを要しないこととする。 広報をリードされてきた前広報委員長の小林副理事長様に、心より感謝申し上げます。 さて、広報には「言葉」を正確に伝えることが重要であると考えておりますが、年齢とともに不確かな物言いが増えて参りま 歴史・食など多岐にわたります。 しかし酔って言葉の校正をしないまま話しますので、正確性に欠けることになります。たとえば、 内 容 足場組立 特別教育6時間 「ハンバーガー」を「ハンバーグ」、 「明日に向かって撃て」を「明日に向かって跳べ」、 「生き急ぐ」を「死に急ぐ」、 「インバウンド」 経 験 期 限 未経験者 平成 27 年 7 月 1 日 以降の作業には受 講が必須 を「リバウンド」などなどです。それでも楽しく会話できるのは、常連達の心が通じているからだと考えております。編集にあた り、 「言葉の正確性」 と 「心の伝え方」に委員一同努めて参りますので、 ご支援の程宜しくお願い申し上げます。 広報委員長:井上哲郎/ジーク㈱ 平成 27 年 7 月 1 日 足場組立 平成29年6月30日 まで作業に従事し 特別教育3時間 までに受講が必要 た経験を持つ者 合同会社 ■注文者の点検義務 ※注文者とは 損害保険ジャパン日本興亜株式会社 東東京支店 浅草支社 発注者 他の者から請け負わ ないで注文している 特定元方事業者 者(施主など) 建設業で、一の場所におい て行う仕事の一部を請け負 注文者 わせ、自らも仕事の一部を 行う最先次の注文者 他人に仕事を請け 負わせている者 (安衛則3・5条) 一次下請け ・ 二次下請け 株式会社エクセル(エクセル シロキ) 事業者 事業を行う者で、 労働者を使用する者 最後次下請け 5 注文者の点検義務の充実 特定事業の仕事を行う注文者の点検義務に、足場又は作業構台 の組立て等後の点検を、追加する。 ※出典:厚生労働省ホームページ http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000069009.html 進いたす所存でございますので、皆さまのご指導とご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。また、50周年の記念イベントの す。都内某所にある私の行きつけの居酒屋には高齢の作家の先生や編集者などが集い、会話は本の話はもとより映画・音楽・ ■特別教育 1 特別教育の追加 特別教育の対象業務に、足場の組立て、解体又は変更の作業に 係る業務を追加する。 この度、広報委員長に就任いたしました井上でございます。60過ぎの若輩者ですが、若々しい委員の方々のお力を頼りに精 ※注1 注文者 点検時 事業者 - 作業開始前(墜落防止設備のみ) ○ ◎ 悪天候後 ◎ ◎ 足場組立・一部解体・変更後 ◎ ※“○”点検義務有、“◎”点検の記録と保存までが義務 ■改正に伴う注意点 今回の労働安全衛生規則(以降、安衛則)改正に伴う足場の構造 上の問題を除けば、作業員への特別教育と「注文者」による足場の 点検義務。特に注文者による足場の点検義務について新たに加え られた 「足場組立・一部解体・変更後の点検と点検の記録及び記録 の保存」 (※注1)が問題視されます。我々の業界でイベント・コン サートの主催者などが該当し発注者の義務を認識しないまま工 事を発注、転落等の重大労働災害事故が発生し裁判にて、管理責 任を問われ民事・刑事訴訟につながる可能性が多分にあります。 ■安全委員会の活動について 安衛則改正には、いまだ不明点も多く安全委員会では対策とし て7月23日 (木)中央区日本橋にて、株式会社杉孝/足場コンサル ティング課、高橋理恵子様を講師に迎え、 「足場に関する墜落防止 措置などを定める労働安全衛生規則の改正」に伴う勉強会を開 催、知らないでは許されない可能性が高い発注者及び事業者の義 務を参加者へ伝え、ディスプレイ業界の現場における安全水準向 上に取組みました。安全委員会では、今後もこのような勉強会や 講習会などをおこない、労働災害撲滅に貢献していきます。 安全委員会 久保山浩介 18 TOK YO DISPLAY ASSOCIATION ディスプレイ東京 No.352 2015年 夏号 (7月20日発行) 発行 東京ディスプレイ協同組合 広報委員会/編集室 〒104-0061 東京都中央区銀座1-14-6 銀座一丁目ビル5階 TEL 03-5524-8850 FAX 03-3564-8180 URL http://www.tdanet.or.jp TOK YO DISPLAY ASSOCIATION 19
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