平成27年度事業計画 - 公益社団法人 日本包装技術協会

公益社団法人日本包装技術協会
平成27年度活動方針(案)
成長戦略の早期実現を目指してアベノミクスが一層スピード感をもって進められ
ているが、本年は官民一体となって経済の好循環を全国に拡大させ、国民生活の向上
を図っていくことが最優先課題となるかと思う。
このような情勢の中で、包装産業は、近未来を見据えた次世代包装の開発に向けた
新しい挑戦が始まっている。より高度な環境調和型包装の開発や適正表示の強化やア
クセシブルデザインの促進等、社会ニーズに対応するより進化した包装の開発や改善
が求められ、他方、食の信頼に向けた包装技術のさらなる高度化への取組みは、社会
的な広がりを見せている食品のロスや廃棄の低減への取組みと共に、包装産業にとっ
てはこれからの大きな挑戦となっている。
協会はこうした状況に鑑み、協会の基本事業である包装適正化の推進や次代を担う
包装人材の育成等の事業をさらに充実させると共に、社会のニーズに応えるより高度
で進化した包装への取組みの強化を図り、公益事業の推進と強化に叡智と努力を傾注
し、豊かな社会の構築と活力ある包装産業の実現を目指す。特に、本年度開催する暮
らしの包装商品展2015を産官学の分野のみならず、消費者とも連携して、包装の
社会及び環境適性を共に享受できる事業として実施する。
また本年度は、人材育成事業の柱である包装管理士講座を“第50期包装管理士講
座”として開講する。この半世紀を通して、1万2千人以上の包装管理士を輩出し、
包装の近代化そして最先端化に寄与してきた。この大きな節目を機に、あらためて包
装分野における次世代人材の育成について、あらゆる関連分野と協力して考えていき
たい。
以上のような内容を踏まえ、次の事項を重点とした諸活動を展開する。
1.近未来を 見据えた次世代包装の 開発
適正表示の強化やアクセシブルデザインの促進等、変化する社会のニーズに的確に
対応できるより一層進化した包装の開発や改善が求められる一方、食の信頼に向けた
包装技術開発への取組みと共に、社会的な広がりを見せている食品のロスや廃棄の低
減への取組みを強化する。本年は、
「暮らしの包装商品展2015」を開催し、これら
の取り組みを啓発する他、産官学の分野のみならず消費者とも連携し、次世代包装に
ついて共に考える機会とする。
2.包装教育 の高度化に伴う人材育 成事業の強化
包装人材育成事業の柱となっている包装管理士講座が第50期を迎える。この大き
な節目に、従来の包装人材育成事業を見直し、内容の高度化と質的向上に努め、新た
な価値の創造に寄与できる創造性豊かな次世代の包装人材の育成を図る。この包装人
材育成事業は、全国にある支部との連携のもとに地域に密着した事業活動と併せて展
開し、新たな会員の増強に繋げる。
3.包装活動 のグローバル化と国際 活動の強化
世界各国の品質に対する要請の高まりに対応するため、日本の包装技術の紹介や移
転等に対する啓発を推進し、現地のニーズに適応した商品や包装の開発に寄与する。
他方、ISO/TC122(包装)の国際事務局として活動しており、包装分野における
国際的な標準化やルール作りに向けた取組みを強化し、日本の意見を世界に反映させ
ていくためにグローバル化に適切に対応していく。
4.東京国際 包装展(東京パック20 16)の開催準備
2016年10月に開催する東京国際包装展(東京パック2016)が、包装産業の
総力を結集して国際包装展にふさわしい内容をもって実施できるよう、準備年である
今年度は国内外の関係者及び関連機関との連携のもとに万全の体制をもって準備に着
手する。
平成27年度事業計画(案)
1.研修、育 成、交流事業、普及啓 発(公益目的事業1)
<研修、育成 事業>
各種の包装人材育成事業の中で、本年度は包装管理士講座が50回目の開催を迎え
る。引き続き内容の一層の充実と向上を図りながら実施するが、この50年目という
大きな節目に当たり、これからの人材育成について関係者と共に考えていきたい。本
年度は、仙台、東京、名古屋、大阪及び福岡の5会場で実施する。
包装分野ではトップレベルの内容で実施されている包装アカデミーは、本年度も引
き続き、輸送包装コース、食品包装コース、包装材料コース及び医薬品包装コースの
4つのコースに各々10~15名程度の少人数の受講生で実施する。
包装に携わる人々に求められる知識や技術の提供と内外の最新情報提供を目的と
して実施されているセミナーやコースは、時代に適合した内容の提供が多く、近年で
は、一般消費者の安心、安全そして利便性等を目指した包装開発、改善を主とした内
容が多くなっている。これらの事業は各々の支部で開催されており、今年度も、引き
続き各々の地域に見合った内容の提供を行なってゆく。
なお、すべての内容は当会のホームページで一般公開されており、包装に関心を持
つ人々は参加が可能である。
1)第50期包装管理士講座
開催地
:
6月開講~9月終講
東京、大阪、名古屋、福岡、仙台
2)包装アカデミー
東京
(1)第29期輸送包装コース
6月開講~3月終講
(2)第30期食品包装コース
6月開講~3月終講
(3)第29期包装材料コース
6月開講~3月終講
(4)第28期医薬品包装コース
6月開講~3月終講
3)研究大会
(1)第53回全日本包装技術研究大会
福岡
(2)第55回包装技術研究大会中部大会
名古屋
2月
東京
9月
4)2015パッケージングフォーラム
5)包装懇話会
11月
東京
(1)食品・流通包装懇話会
4回開催
(2)医薬品包装懇話会
4回開催
(3)パッケージデザイン懇話会
4回開催
(4)輸送包装懇話会
4回開催
(5)最新の話題をテーマとして関西支部が4回、中部支部及び北海道支部が各々
1回包装懇話会を開催
6)研修コース
-東京で実施-
・第21回包装新人研修コース
4月
・第48回包装基礎コース
5月
・第32回フレキシブルパッケージコース
10月
・第41回段ボール包装設計コース
2月
・第11回緩衝包装設計コース
2月
・第6回食品包装コース
11月~3月
-大阪で実施(関西支部)-
・第22回包装基礎コース
・第9回緩衝包装設計実践コース
5月
11月
・第42回段ボール包装設計実習コース
2月
-名古屋で実施(中部支部)-
・第25回包装設計の基礎講座
5月
7)研究会
内容の詳細は、各支部の各委員会で決定する。
本部
27回開催(含、新潟、静岡開催)
関西支部
4回開催
東北支部
1回開催
西日本支部
中部支部
4回開催
5回開催
北海道支部
1回開催
8)セミナー、シンポジウム、講演会、フォーラム
内容の詳細は、各支部の各委員会で決定する。
本部
7回開催
関西支部
13回開催
中部、西日本、北海道、東北の各支部で各々1回開催
<交流事業>
前年度は、関西支部及び中部支部が創設50周年を迎えて記念事業を開催したが、
本年度は特記すべき事業もなく、通常の事業を行なう。企業見学会は、会員企業の協
力のもとに見学のほか講演会なども内容とし、参加者はより多くの最新の情報が得ら
れるよう見学先企業との連携を図っていきたい。
海外事業は、北欧4ヵ国が共催する国際包装展(スキャンパック展)の視察と現地
でのミーティング等(講演会や懇談会等)を企画に取入れた包装視察団をスウェーデ
ンに派遣する。欧州の最新情報を得る機会の創出と共に、次回東京パック(2016
年開催)への参加への促進を図る。同様に、アジア15ヵ国が加盟するAPF(アジ
ア包装連盟)及び世界60ヵ国が加盟するWPO(世界包装機構)との連携を引続き
一層深めて、次回東京パックへの支援や協力を探る。
1)国内事業
(1)国内見学会
本部 4回、
関西支部 3回、中部支部 1回、
北海道支部 1回
西日本支部 2回、
各々開催
(2)2016年新年会
1月
包装界合同新年会(11団体主催-東京)、
新春交流会(関西支部-大阪)、
賀詞交歓会(中部支部-名古屋)、
名刺交換会(東北支部-仙台)
賀詞交歓会(北海道支部-札幌)
(3)JPI関連団体との連絡提携
日本包装専士会、日本包装管理士会、日本包装コンサルタント協会、技術士包装
物流会、日本包装学会
他
(4)消費者団体、市民団体等との連携
2)海外事業
(1)欧州包装専門視察団の派遣
10月
スキャンパック2015の視察を中心にスウェーデンに派遣
(2)アジア包装連盟(APF)との連携
理事会、総会、アジア包装会議、アジアスター2015コンテスト、他
トルコ・イスタンブール
11月
(3)世界包装機構(WPO)との連携
理事会、ワールドスター2015コンテスト、他
イタリア・ミラノ
/
5月
インド・ムンバイ
10月
(4)国際包装研究機関連絡会(IAPRI)との連携
IAPRIシンポジウム
スペイン・バレンシア
6月
(5)海外からの来日包装関係者の受入れ
(6)海外への講師および包装専門家の派遣
<普及啓発事 業>
本事業の中心となるパッケージングコンテストは、経済産業省、日本商工会議所、
主婦連合会等の後援のもとに毎年開催されている。一般に対してもホームページから
の募集を行っており参加が可能である。本年度も大学、公的機関及び消費者団体の人々
で構成された審査員によって選ばれるグッドパッケージ(最高賞は経済産業大臣賞)
を一般公開する(本年度は、暮らしの包装商品展2015の会場において一般公開す
る)。本年度もこれまでと同様の内容で開催し、選ばれたパッケージはすべて選定理由
と写真つきで広報される他、英文で全世界に広報する。
木下賞は、授与された包装がその年の最高技術水準にあることもあり、最近では、
これらの包装には生活の向上という意味から消費者が大変関心を示している。本年度
もまた審査員は官学からの有識者で構成され、応募はホームページを通して一般にも
公開されるので誰でも無料で応募できるが、審査基準は大変高くまた厳しいものとな
っている。
1)第39回木下賞
審査選考:4月
表彰式:5月(総会時)
2)2015日本パッケージングコンテスト審査
6月
3)2015グッドパッケージング展
9月
4)インターネットによる最新情報の提供
5)日本の包装産業界の文献情報収集と海外への紹介
2.展示会事 業
(公益目的事業
2)
本年度は、2年に1回開催されている暮らしの包装商品展の開催年である。本展は、
包装関係者と消費者が 共に考え、情報を交換 し、包装の社会及び環 境適性を共に
享受できる機会として 開催される。消費者や 市民団体も出展者とし て参加し、よ
り良い包装の普及を目 指して包装及び包装商 品に関する提案を行う ことが本展の
最大の特徴となってお り、今回もこの特徴を 十分に取入れ、社会的 インパクトあ
る内容をもって開催する。また、本事業の開催を機に、 産官学の分野のみならず消
費者との連携の一層の深化を図り、社会ニーズと包装の役割について広く啓発する。
東京国際包装展(東京パック2016)は、準備年となるため、本年 度は全国の
会員、関係各位及び内外の関連機関との連携のもとに万全の態勢をもって準備に着手
する。
1)暮らしの包装商品展2015の開催
9月
2)東京国際包装展(東京パック2016)の開催準備
開
催:2016年10月4日(火) ~7日(金) 4日間
・
東京ビッグサイト
本年度は実行委員会を構成し、そのもとで出展募集活動及び内外への広報活動を
行う。
3)世界主要各国の国際包装展への参加
3.調査研究 事業
(公益目的事業
3)
現在、日本は、ISO/TC122(包装)の議長及び、国際幹事国を引受けており、
当会は、包装分野の国内審議団体の他に、国際事務局としてISO規格の開発・改廃
を進め、これらを通じて国際間の相互理解促進に寄与する。今年度は、日本が提案し
ている包装のアクセシブルデザインのうち「開封性」がISO17480として4月
に発行予定となっている他、「荷扱シンボルマーク」及び、「垂直ランダム振動試験法」
などの改訂版が、発行段階に進む見込みである。また、フレキシブルコンテナ工業会
が昨年度に「フレキシブルコンテナ」についてJISの改訂を推進したが、引続き、
これをISOに反映させる活動を開始する。包装は、国民の日常生活に深く係ってい
る分野であり、絶えず、その標準化を見直し、生活し易い環境を整えることは、非常
に重要である。
日本の包装産業出荷統計に関する調査研究は、昭和38年の創立以来欠かすことな
く継続しており、今年度も平成26年の統計を刊行する。これは、当会ホームページ
で紹介される他、英文で世界各国に公表される。
技術委員会では、包装の近未来化をテーマとして取上げ、包装の各分野から専門家
による討議を行っていく。
1)ISO/TC122(包装)の議長・国際幹事国(事務局)としての活動
2)ISO/TC122(包装)の国内審議団体としての調査研究及び標準開発活動
(1)包装全般、危険物輸送容器包装等の定期見直し規格に関する調査研究
(2)「包装と環境に関する国際標準開発」に対する調査研究
・包装貨物性能評価に関する国際標準改正
・包装と環境の用語並びに、材質識別表示に関する国際標準の開発
・再使用可能プラスチック容器の国際標準化
・ラベル、シールに関する国際標準開発
・フレキシブルコンテナの要件及び試験方法の国際標準改訂支援
・国際引越貨物輸送システムの電子データ化国際規格開発の支援
(3)「包装のアクセシブルデザイン」に関する国際規格化の推進
3)JIS制定・改正に関する調査研究
(1)包装の環境適正化に関するJISの原案の継続事業の実施
(3件審議終了・公示段階、3件原案作成)
(2)5年経過したJISの定期見直し
上記調査研究は、政府関連機関からの委託事業であり、本年度は、新たに3件の
事業を実施する。
4)平成26年の日本の包装産業出荷統計に関する調査研究
5)包装技術教育高度化に関する研究・開発
6)技術委員会
近未来の包装に関する調査研究
4.出版関連 事業
(収益事業)
月刊誌「包装技術」は、包装専門家で構成された編集委員会によって企画が行なわ
れており、創立以来、欠号なく刊行されている。本年度も引続き一層の内容の充実を
図りながら月刊雑誌として毎月刊行する。本誌は、包装技術及び関連情報が中心とな
っているが、当会事業の案内や調査研究の成果、さらに新会員の紹介等幅広い内容を
掲載し、公開している。本事業は収益事業として、一般による購読収入と広告収入に
よって進められている。本年度も引続き編集委員会主導のもとで、編集に当たる。
なお、各地の図書館をはじめ、関心を持つ公的機関には、この機関誌を寄贈してい
る。
1)機関誌「包装技術」の刊行
月
2)「Q&A容器包装」誌の編纂
10月
5.諸
会
刊
議
本年度は、会長の任期満了に伴い尾﨑現会長が退任し、浅野現副会長が新会長に就
任する。
1)第4回定時総会
5月29日(金)
2)理事会
5月、3月
3)常務理事会
4回開催
4)全国支部連絡会
11月
5)支部諸会議
(1)関西支部運営委員会
6月、12月、3月
(2)中部支部運営委員会
9月、3月
(3)西日本支部運営委員会
6月、12月、3月
(4)北海道支部運営委員会
2回
(5)東北支部運営委員会
5月、10月
如水會舘