∼時代のニーズに応じた外用療法とは∼ 水谷 仁先生 中川

第114回日本皮膚科学会総会
イブニングセミナー6
Memo
5 29
日時
2015年 月
日
(金)
18:10∼19:10
会場
パシフィコ横浜
第6会場(3F 302)
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1
TEL(045)221-2155
∼時代のニーズに応じた外用療法とは∼
水谷 仁 先生
座長
三重大学大学院 医学系研究科皮膚科学 教授
中川 秀己 先生
東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 教授
講演
1
抗体製剤時代の乾癬の外用治療:
外用薬による長期副作用の理解
高橋 健造 先生
講演
2
琉球大学医学部皮膚科学教室
准教授
多様化する乾癬治療におけるビタミンD3外用薬
の位置づけ −患者ベーストの乾癬診療−
森田 明理 先生
名古屋市立大学大学院
医学研究科加齢・環境皮膚科学 教授
共催:第114回日本皮膚科学会総会/鳥居薬品株式会社/帝國製薬株式会社
抗体製剤時代の乾癬の外用治療:
外用薬による長期副作用の理解
多様化する乾癬治療における
ビタミンD3外用薬の位置づけ
−患者ベーストの乾癬診療−
高 橋 健 造 先生
森 田 明 理 先生
琉球大学医学部皮膚科学教室 准教授
名古屋市立大学大学院 医学研究科加齢・環境皮膚科学 教授
■ 略歴
■ 略歴
1979年: 北海道立 札幌南高校 卒業
1986年: 京都大学医学部医学科
医学進学課程 卒業
1986年: 京都大学医学部附属病院
皮膚科研修医 勤務
1987年: 和歌山赤十字病院皮膚科研修医 勤務
1988年: 京都大学大学院医学研究科
博士課程 内科系専攻入学
1992年: 同上 修了
主任教授 京都大学医学部皮膚科学教室
今村貞夫 教授
京都大学医学部免疫研究施設
中西重忠 教授
1993年: 米国 メリーランド州 ジョンス・ホプキンス
大学生化学/皮膚科学教室
ポストドクトラルフェロー
1996年: 京都大学大学院医学研究科
皮膚病態学講座 助手
2001年: 群馬大学医学部皮膚科学教室 講師
2002年: 京都大学大学院医学研究科
皮膚生命科学講座 講師
2010年: 琉球大学医学部
皮膚科学教室 准教授
1989年: 名古屋市立大学医学部医学科卒業
1990年: 名古屋市立大学大学院医学研究科
(博士課程)入学
愛知県がんセンター研究所免疫部研修生
1994年: 名古屋市立大学医学部助手
1995年: 独デュッセルドルフ大学皮膚科
(独フンボルト財団奨学研究員)
1997年: 米テキサス大学サウスウエスターン
メディカル センター皮膚科
1998年: 名古屋市立大学医学部講師
2001年: 名古屋市立大学医学部助教授
2003年: 名古屋市立大学大学院医学研究科教授
2015年1月: 名古屋市立大学病院副院長
(研究担当)
尋常性乾癬は寛解と増悪を繰り返しつつ年余にわたる慢性の炎症性疾患であり、
乾癬治療は、外用、内服、光線、生物学的製剤の4つがあり、病院・皮膚科
食生活の欧米化とともに患者数は日本国内でも増加しています。沖縄はアメリカン・
クリニックとの連携で、すぐれた治療環境を提供できているのではないかと思われる。
ライフスタイルの影響で肥満率は全国で飛び抜けており、急速な健康寿命の悪化
この4つの治療があっても、“治療ベースト”ではなく、年齢、部位、ライフイベント
とともに乾癬の重症化が公衆衛生上の問題点となっています。乾癬皮膚では
や社会的背景など、乾癬治療での考慮すべきことは多く、“患者ベースト”
の治療
真皮樹状細胞からのIL-23の発現により Th17細胞が活性化し、IL-22, TNFαの
を行うべきではないだろうか。乾癬の基本治療は、外用である。
“患者ベースト”
発現が持続し、表皮過増殖、過角化、血管拡張等の炎症症状が持続しています。
の治療からタイトコントロールを狙うわけであるが、乾癬治療の初期(早期乾癬)
乾癬のTh17型炎症は、接触皮膚炎のTh1型よりも長く持続し、アトピー性皮膚炎の
での外用薬の役割は大きい。ステロイドの効果ばかりをねらうと次第に効果がなくなり、
Th2型よりもはるかに炎症強度が強いことが、強いステロイド剤を長く外用せざるを
皮疹の範囲を拡大させていく。ランクアップをすることで一時的にはよくなるものの
得ない理由でもあります。外用療法の根幹である副腎皮質ステロイドと活性型
将来的には皮疹の範囲を拡大させることになるだろう。
ビタミンD3外用薬を比較し両者の功罪、使い勝手を、特に高齢者に長く強く継続
初期からビタミンD 3 外用薬を開始することが重要であり、また、範囲が広くなっ
することになる乾癬治療の点で再考してみます。
た場合やフレアを起こしやすい状態においても、ビタミンD 3外用薬の役割は大きい。