総合評価方式 - 立命館大学 入試情報サイト「リッツネット」

2015 年度AO選抜
情報理工学部 「総合評価方式」
学科
情報システム学科・情報コミュニケーション
学科・メディア情報学科・知能情報学科
(※学科は2回生進級時に選択)
志願者数
最終
合格者数
5
2
【選考講評】
1.実施状況
2015 年度 AO 選抜情報理工学部「総合評価方式」では、事前に提出された自作の
ソフトウェアによるプログラミングの知識・能力の評価と,小論文、面接および口
頭試問の各試験を実施しました。出願者 5 名全員が受験し、厳正なる選考の結果、
そのうちの 2 名が合格となりました。
以下では自作ソフトウェア、小論文、面接および口頭試問のそれぞれについて講
評を述べます。
2.試験内容
(1)自作ソフトウェア
こちらで期待している自作ソフトウェアの規模としては、現行の情報理工学部の
カリキュラム中のプログラミングに関する演習等で作成するレベルと同等以上であ
ることを考えています。具体的には、自作部分のプログラムが数百行程度であるこ
とを最低条件として考えています。しかし、現在ライブラリ群や豊富なユーザイン
タフェース、さらにはツール等を利用できる時代であることから、こういった利用
可能なソフトウェア部品を、いかに使いこなせているかを加味して判断する必要が
あると考えています。従って、単純にソフトウェアの規模だけで評価の優劣が決ま
るわけではありません。他にも、着想・着眼のおもしろさ、問題なく動作するか、
自分の作成したソフトウェアの目的や特徴について分かりやすく説明できているか、
マニュアル類が整備されているか、またコメントを含む可読性・モジュール構造等
ソフトウェア工学の視点なども評価項目とし、総合的に評価しました。更に、最低
限をクリアするだけでなく、AO 入試のアドミッション・ポリシーに照らし、プロ
グラミングに関して学部の一般の入学生をリードするような力量も期待しています。
こ の よ う な 観 点 か ら 、 現 在 本 学 部 主 催 の プ ロ グ ラ ミ ン グ コ ン テ ス ト ICT
Challenge+R に個人でエントリーしたファイナリストは、十分そうした力量を備え
ていると考えられ、ファイナリストに惜しくもなれなかったレベルのチャレンジ賞
受賞者も、それに準ずる力量を有していると考えられます。従って、これらの該当
者は、自作ソフトウェアの提出を免除し、この評価項目については、満点扱いとす
ることとしました。なお、今年度はコンテスト受賞者の中から、3 名の出願者があ
り、自作ソフトウェアの提出を免除し、満点扱いとしました。
次年度以降も、プログラミングコンテストへチャレンジするとともに、本学部
AO 入試へチャレンジしてもらうことを期待します。
(2)小論文
小論文では、情報科学分野で必要とされる問題の理解力、分析力、独創性、文章
による表現力を評価するための問題を課しました。今年度は、最近の新聞記事を取
り上げ、その内容について理解し、要約すると共に、自身の意見を表現するという
問題が出題されました。取り上げた記事は、大量のライフログから得られる人間の
行動情報を用いた様々な事象の予測に基づく情報提供サービスに関するものでした。
記事の内容を要約すると共に、ソーシャルメディアから様々な事象の予測や傾向を
分析する際の課題点を問いました。さらに、ライフログを用いた独自の情報サービ
スを提案することも課しました。独自のアイディアを提案した上で、それを実現す
るための課題についても考察する解答が見られました。一方で、利用する情報の種
類を述べるにとどまり、サービス内容に対する独自のアイディアが十分に見られな
い解答もありました。
3.面接および口頭試問
面接では、情報理工学部を志望する理由や入学後に学びたいこと、将来に対する
希望などについて尋ねました。予めオープンキャンパスで研究室を見学したり、
Web で各学科の研究内容やカリキュラム内容を調べていたりして、本学部を志望し
た具体的な動機を持っていることがよく分かる受験生が複数人居ました。質問に対
しては皆さん積極的に発言し、本学での学習に十分なコミュニケーション能力を有
する人が多く見受けられており、面接態度は良かったといえます。
例年と同様、今年度も口頭試問を行いました。今年度は、n 個のデータが与えら
れた際に、その最大値を求めるプログラムを記述する問題を取り上げました。計算
を行うアルゴリズムの記述力を見ることが主眼であるため、文法の細かなチェック
などは行いません。繰り返しの構造や条件分岐、および変数の使い方を見ることで、
プログラミングに対する理解度を判断しました。普段からこのようなプログラムを
書き慣れている受験生、また、書き慣れてはいないがその場でヒントをもらいなが
ら、完全ではなくても、部分的には正しく動作するプログラムを記述できた受験生
については、プログラミングの基本的な能力や、その場でもらったヒントを正しく
理解し、適切に解答に役立てる能力があることが確認できました。
4.総合判断
情報理工学部 AO 選抜「総合評価方式」で合格し、入学する学生は、プログラミ
ングの能力に優れているのはもちろんのこと、独創性や積極性などの面においても
入学後にリーダー的な存在になることが期待されています。その期待に応えられる
よう、今後も努力を続けて欲しいと思います。また、数学や英語などの一般的な科
目についても、高校で学んだことをよく復習し、十分力をつけておいてください。
残念ながら不合格となった皆さんには、一般入試等でぜひ立命館大学情報理工学
部への入学を目指していただきたいと思います。
皆さんのご健闘をお祈りしています。
以上