東日本大震災支援対策室ニュース

いっしょに歩こう!パートⅡ
日本聖公会東京教区
東日本大震災支援対策室ニュース
NO.27
2015 年4月5日発行
✞主のご復活のお喜びを申しあげます。
今号では 3 月 11 日に執り行われました「東日本大震災 4 周年記念礼拝」と 3 月 21 日の東京教区第
124(定期)教区会でご報告しました「これからの被災者支援」と「献金について」を掲載いたし
ました。
東日本大震災 4 周年記念聖餐式
および午後 2 時 46 分の黙想
東日本大震災支援対策室
八幡眞也
2015 年 3 月 11 日東北教区主教座聖堂・仙台基督教会において「東日本大震災 4 周年記念聖餐式・
逝去者記念の祈り」が行われた。
聖歌隊・聖職者を含めて恐らく 140 名位
の出席者だと思う(聖堂の約 80%が満席)。
司式 主教加藤博道、説教
主教上原榮
正(沖縄教区主教)、植松首座主教とユ
ナクジュン主教(韓国聖公会大田教区主
教)の臨席。東北教区外からの出席者は大
田教区信徒、北海道教区函館聖ヨハネ教
会、札幌キリスト教会、中部教区名古屋
聖ステパノ教会、名古屋聖マタイ教会、
京都教区四日市聖アンデレ教会、横浜教
区伊豆聖マリア教会、横浜聖アンデレ教
会、東京教区聖ガブリエル教会、神田キリスト教会、カトリック教会、日本キリスト教団の教会等
の信徒であった。
礼拝後の茶話会で東北教区の信徒 3 名の方の震災に関するお話があった。2 名の方は直接被災は
していないが、支援活動に参加し、その中で被災者が置かれてい
る様々な状況と複雑な事情があることが理解できた。又、お二人
に共通して原発事故の対応がまだまだ不十分で被災者がとても
不安を感じている現状を訴えられた。
もう一人の方は磯山聖ヨハネ教会の信徒であった。以前チリ地
震の際には津波予報に反して実害が無かった為に、今回はやや被
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害を甘く見てしまっていて、大きな被害に遭遇したと反省の声を
聴かされた。
これらにお話を通して、震災後 4 年が経過し、緊急支援の状況
からは脱したが、復興はまだまだ進んでいないと強く感じました。
殊に原発事故処理関連が今後の大きな課題です。
2015「わたしたちは忘れない 3.11」
東京教区での東日本大震災を憶えての祈り
東日本大震災支援対策室
松平謙次
空は青く澄み渡っていますが、身を切るような風の冷たい今年の 3.11 の東京。標記の礼拝は 3
月 11 日(水)午後 2 時 30 分より聖アンデレ主教座聖堂において、90 名を超える聖職・信徒を集め、
大畑主教の司式によって行われました。
開式から 16 分間の黙想、そして 2:46
に 1 分間の打鍾、各自の胸にさまざまな
想いを去来させて、聖歌、招きの言葉、
詩編交唱、聖書朗読、アンセムの歌、と
礼拝は静かに進められていきました。今
年のお話しは、原発被害から逃れてご家
族 4 人で東京で避難生活を送られてい
る女性からお聞きすることになりまし
た。以下その内容を記します。
「震災直後に夫と子ども 2 人の家族 4
人でいわき市から東京に避難したもの
の、夫に福島での業務再開の命令が下り、
家族が引きさかれた状態で暮さなければならなくなった苦悩。疲れ果て、お互いがそばにいること
ができないつらさに耐えることができなくなって、自らの仕事と長年の仕事の成果を捨てて家族と
一緒に暮らす道を選び退職した夫。非常に弱い立場に立たされている自分たちのような区域外避難
者、いつ追い出されるかわからない不安にさらされている避難住宅の居住者。ふるさとへ帰りたい
と焦がれる思いを持ちながら、汚染された土、ゴミを燃やす度に増える線量の灰、それらが入れら
れた無数に積み上げられた黒い袋を目にすれば、壊れた原発の近くに子どもと共に帰ることはでき
ません。
また、3 月 1 日に常磐自動車道が全線開通したニュースは華々
しく報道されたけれど、今にこの高速を使って全国からがれきや
汚染物質が私たちの町に運ばれてくる。どの車も窓を閉め切って
息を止めるように走り抜ける道路。1 ㎞ごとに道路脇にモニタリ
ングポストが設置されている高速なんて!と友人は言います。
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4 年前に比べ、放射線量が下ったのは、ほとんどの場合、除染
の効果ではなく半減期によるもの。これは自然に起こる、いわば
神さまの業。一方で人の行う除染は実に微々たるもの、この先ど
れほどの費用をかけたとしても、福島の子どもたちが外で泥だら
けで遊べる日は、私たちが生きているうちにはやってきません。
私はこの事故によって、国は民を守らない、報道は必ずしも真
実を伝えないということを知り、強い憤りを覚えました。しかし、
主は言われます。
『悪事をはかる者のことでいら立つな。不正を行う者をうらやむな。
主に信頼し、善を行え。この地に住み着き、信仰を糧とせよ。
主に自らをゆだねよ。/ 主はあなたの心の願いをかなえてくださる。』詩編第 37 編
このみ言葉がなかったら、私は悲しみと怒りで身を滅ぼしてしまったかもしれません。原発問題に
関わる程に心がむしばまれます。しかし、神さまはそんな思いさえもゆだねよ、とおっしゃいます。
この地に住み着き、信仰を糧とし、怒りを解き、憤りを捨てよと。私は憤るたびにこのみ言葉を思
い、上を向いてきました。そして神さまは多くの方々の尊い働きを通して、私を怒りや悲しみから
救い上げてくださいました。今日もこのように私の話しに耳を傾け、祈ってくださる方を与えてく
ださいました。怒りではなく祈りの力でこの国の大きな過ちを正そうとするたくさんの方々を導き
動かしてくださっています。本当に感謝です。
最後に、私たちが望んでいるのは、ただただ普通の暮らしであるということ、そしてまだ多くの
方々がそれを取り戻せずにいるということを覚えて、その癒しと救いをお祈りいただきたいと思い
ます。」
今年の 3.11 の礼拝で、このように大震災や原発の放射能もれ
の被災者の方から直接苦しみや悩み、憤りや怒り、それを乗り越
えようとするときに、神への信頼がそれを支えたというお話しを
聞くことができ、深い感銘を与えられました。お話くださった方
に感謝し、これからもご家族の上に神さまの恵みとみ守りが豊か
にありますようにお祈りしたいと思います。
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東日本大震災支援室からの報告
~ これからの被災者支援 ~
「いっしょに歩こう!パートⅡ」の今後につきましては、「だいじに・東北」の活動は、2015
年 5 月をもって区切りがつけられ、
「被災者支援センターしんち」も雁小屋仮設住宅に場所を移
し、管区「原発と放射能に関する特別問題プロジェクト」のもとで主として原発避難者に対する
活動が行われることとなります。(管区原発プロジェクトは 2016 年 5 月まで継続の予定)
東京教区では、東日本大震災支援対策本部が震災発生時に常置委員会により設置され、活動し
てきましたが、全体的状況の変化を踏まえ、より主体的なプログラムを持ってこの震災に関わっ
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て行くために、2015 年 5 月をもっていったん区切りをつけることとなりました。今まで様々な形
でご協力いただいた各教会連絡員の方々につきましても、あらためて今までのご協力に感謝する
とともに同時期で区切りをつけさせていただきたいと思います。
2015 年 6 月以降につきましては、管区プロジェクトの継続する 2016 年 5 月までは教区として
も活動する必要があると思われ、従来とは体制を変え、常置委員会のもとで有給スタッフ1名と
それに協力する若干名のボランティアにより支援を継続していくことになります。より詳しい体
制が決まりましたら、あらためてお知らせいたします。
~ 献金について ~
当初の教区会の決議に基づき、3 年間で 1 億円の目標を掲げ、3 年間を経過した後も募金を継続
してお願いしてきました。その結果、2014 年 12 月末現在で、累計で、目標を上回る 125,254 千
円の募金を皆様からいただきました。昨今の教会財政等の厳しい中、これほど大きな支援をいた
だきました皆様にあらためて心より感謝いたします。この募金につきましても、一度区切りをつ
けたいと考えます。今後、管区「原発と放射能に関する特別問題プロジェクト」
、あるいは東北教
区への献金につきましては、それぞれの献金受取口座に直接個別的にお送りいただければと思い
ます。東京教区としては、今後の活動プログラムの実施に伴い、必要時にはあらためてお願いを
したいと思います。
ご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
2015 年 4 月以降の献金の送金先
・「だいじに・東北」
・郵便振替
02280-6-88361
「日本聖公会東北教区 だいじに・東北」
・銀行振込
七十七銀行一番町支店 普通 9199438
「宗教法人日本聖公会東北教区」
・「原発と放射能に関する特別問題プロジェクト」
・郵便振替
00120-0-78536
「日本聖公会」
・銀行振込
三菱東京UFJ銀行飯田橋支店 普通 4515547
「日本聖公会」(ニッポンセイコウカイ)
東日本大震災支援対策室
〒105-0011
港区芝公園 3-6-18 東京教区事務所内
FAX:03-3433-8678(教区事務所気付)
E-mail:[email protected]
ご連絡はファクシミリまたはメールにてお願いいたします。
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