No. 365 ホッピーだより HOBETSU MUSEUM むかわ町立 穂別博物館 2015 年 4 月 1 日発行 〒054-0211 北海道勇払郡むかわ町穂別 80-6 Tel・Fax 0145-45-3141 ホームページ http://www.town.mukawa.lg.jp/1908.htm むかわ町立穂別博物館 ミニ企画展 2015 年 4 月 1 日~ 5 月 31 日 会期中休館日あり 北海道東部の白亜紀末アンモナイト新研究 5 cm ~国立科学博物館収蔵資料 根室層群産アンモナイト展示~ 5 cm Gaudryceras sp. 5 cm Gaudryceras makarovense 5 cm Gaudryceras cf. seymouriense 1 cm 1 cm Anagaudryceras matsumotoi Zelandites varuna 5 cm Diplomoceras cf. notabile Pachydiscus flexuosus 1 cm 1 cm Pseudophyllites sp. Neophylloceras sp. 協力(展示資料提供)国立科学博物館 石灰質ナンノ プランクトン 研究内容の紹介 “イノセラムス”・アワジエンシス “Inoceramus” awajiensis かいせいそう ネフロリトス・フレクエンシス Nephrolithus frequens ネオフィロセラスの一種 Neophylloceras sp. 極性 岩相 ゼランディテス・バルナ Zelandites varuna シュードフィライテスの一種 Pseudophyllites sp. パキディスクス・フレキソーサス Pachydiscus flexuosus ディプロモセラス・ノタビレに比較される標本 Diplomoceras cf. notabile アナゴードリセラス・マツモトイ Anagaudryceras matsumotoi ゴードリセラス・マカロベンゼ Gaudryceras makarovense ゴードリセラス・セイムーリエンゼに比較される標本 Gaudryceras cf. seymouriense ゴードリセラスの一種 Gaudryceras sp. 二枚貝類 アンモナイト類 中生代白亜紀末は恐竜・首長竜などさまざまな古 生物が絶滅した時期です。北西太平洋地域において、 白亜紀末の海成層(海でたまった地層)は北海道~ サハリンの蝦夷層群(マカロフ、ナイバ、中頓別、 穂別など) 、北海道東部の根室層群、大阪和泉山地~ 淡路島~四国阿讃山地の和泉層群などに分布してい ます。ここから産する化石から当時の海洋の生物相 やその変遷が明らかにされています。 4 月1日に論文発表(冊子として発行)された今回 の研究 * では、2009 年の先行研究で古地磁気層序 ** が明らかにされていた根室層群仙鳳趾層から多数の アンモナイトを新たに採集したことで、アンモナイ トの生層序(化石層序) -それぞれの古生物が産する 順序や時代的範囲-を明らかにしました。 北西太平洋各地の白亜紀末アンモナイト生層序に ついて考えると、時代対比に特に有用なアンモナイ ト2種(ゴードリセラス・マカロベンゼ Gaudryceras makarovense とゼランディテス・バルナ Zelandites varuna)が新たに明らかになり、これらによって、 和泉層群と蝦夷層群、根室層群の地層の時代対比が 可能であることが分かりました。さらに、研究を行っ た北海道東部では、アンモナイトの生層序と古地磁 気層序の統合を行いましたので、ゴードリセラス・ マカロベンゼが産する層準がクロン 31n (マーストリ ヒチアン階“ 中部 ” ) 、ゼランディテス・バルナが産 するのがクロン 30n (マーストリヒチアン階“ 上部 ”) であることなどが分かりました。 北海道東部の根室層群は化石の産出が 北海道東部 稀なので、何度もフィールドに行き、研 究のために化石の採集を行いました。論 文著者の重田康成先生は 1995 年~ 2010 年に、荷福洸先生は京都大学学部生~大 学院生修士課程の 2003 ~ 2005 年に、西 村は、京都大学大学院生修士課程以降の 2002 年~ 2011 年にフィールドに通い、地 道にデータと化石を収集してきました。 こちじき そうじょ 不明 せんぽうし 凡例 塊状泥岩 泥岩と 砂岩薄層 砂泥互層 100 m スランプ堆積物 地層から直接採集されたもの 転石由来のもの 先行研究で得られたもの *1 ~*3 研究地域の古地磁気(極性)、岩相(柱状図) と産出する化石 サハリン パキディスクス・フレクソーサス ゴードリセラス・マカロベンゼ ゼランディテス・バルナ マカロフ K4 K5 - K6 ゼランディテス・バルナ ゼランディテス・バルナ ナイバ ゼランディテス・バルナ 中頓別 ゴードリセラス・マカロベンゼ 29r ” 下部 ” K3 K2 31r クラスノヤルカ層 K4 クラスノヤルカ層 K3 31n 平太郎沢層 30n 下灘層 Stage 極性 クロン 29n 30r ” 中部 ” マーストリヒチアン 白亜系 ” 上部 ” ダニアン 階 6,600万年前 古第三系 系 System 淡路島 32.1n 32.1r カンパニアン 7,200万年前 両角 (1985 英 ) 安藤ほか (2001) 小玉ほか (2002) 前田ほか (2005 英 ) 今回の研究 32.2n 和泉層群 蝦夷層群 こう 仙鳳趾層 *1 尾幌川層 根室層群 仙鳳趾層 *2 パキディスクス・フレクソーサス ゴードリセラス・マカロベンゼ ゼランディテス・バルナ せいそうじょ *3 根室層群 正磁極期(N極が北を向く時代) 逆磁極期(N極が南を向く時代) * 重田康成(国立科博)・西村智弘(穂別博)・荷福洸 (INPEX) による研究;Yasunari Shigeta, Tomohiro Nishimura and Ko Nifuku, Middle and late Maastrichtian (latest Cretaceous) ammonoids from the Akkeshi Bay area, eastern Hokkaido, northern Japan and their biostratigraphic implications. Paleontological Research, Vol. 19, No. 2, pp. 107-127, doi:10.2517/2014PR034 ** 地球史のなかで地球磁場の極性は頻繁に逆転しており、N極が北を向く時代と南 を向く時代を繰り返していたことが知られています。地層に残された古地磁気から 地域間の対比や編年を行うことを古地磁気層序といいます。この地域の古地磁気層 序は荷福先生を中心とした研究グループによって明らかにされています。 学芸員 西村智弘 地域間の生層序対比と古地磁気層序、地質年代の関係 【公共交通機関による来館案内】(バス停「穂別中央」~博物館は徒歩約 10 分) 往路(札幌・苫小牧方面▶博物館) ・新千歳空港 10:40 ①▶穂別中央 12:03 ・札幌駅 8:10 ②▶むかわ四季の館 9:35 -( 乗換 )- むかわ四季の館 9:41 ④▶穂別中央 10:45 ・苫小牧駅 7:58 ③▶鵡川駅 8:27 -( 乗換 )- 鵡川駅前 9:35 ④▶穂別中央 10:45 帰路(博物館▶札幌・苫小牧方面) ・穂別中央 16:17 ①▶新千歳空港 17:40 ・穂別中央 15:40 ④▶鵡川駅前 16:50 -( 乗換 )- 鵡川駅 17:52 ③*▶苫小牧駅 18:21 ①道南バス 新千歳空港直行便(1,470 円) 前日の 16 時までに予約(0145-45-2284) ②道南バス 高速ペガサス号(2,340 円) 事前予約(0146-42-1231) ③ JR 日高線(640 円)*JR 日高線一部運休に伴う時刻変更 ④道南バス 穂別鵡川線(200 円) ※各料金は大人1人分 4 月 2015年 2015 年 4月 日 5 12 月 6 火 7 水 木 金 土 1 2 3 4 8 9 10 11 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 55月月 2015年 2015 年 日 3 月 4 火 5 水 6 木 7 金 土 1 2 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 休館日 町民無料観覧日
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