2020年に向けたデジタルサイネージに関する取組

2020年に向けたデジタルサイネージに関する取組
~社会全体のICT化に向けて~
平成27年3月26日
1
1.社会全体のICT化に向けて
2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会の開催
目
2
的
2020年に開催される「東京オリンピック・パラリンピック競技大会」(以下「東京大会」という。)は、
日本全体の祭典であるとともに、我が国のICTに関わるサービスやインフラの高度化を図り、世界に
日本のICTを発信する最高のチャンスとして期待されている。また、国際オリンピック委員会(IOC)に
提出された立候補ファイルにおいても、東京大会については、日本の優れたICTを活用した実施して
いく旨を表明しているところである。
以上を踏まえ、本懇談会は、東京大会以降の我が国の持続的成長も見据えた、2020年に向けた
社会全体のICT化の推進の在り方について検討を行うことを目的とする。
検討内容
(1) 社会全体のICT化の推進に向けたアクションプラン
① 実現を図るべき事項
(無料公衆無線LAN環境の整備促進、ICTを活用した多言語対応、 放送コンテンツの海外
展開、4K8Kやデジタルサイネージの推進、第5世代移動通信システムの実現、オープン
データ等の活用等)
② 目標とすべき時期
(2) 官民の役割分担
スケジュール
本年夏頃を目途に中間とりまとめの予定。
3
懇談会 構成員
(27名・敬称略・50音順)
【通信事業者】
鵜浦 博夫
小野寺 正
日本電信電話株式会社 代表取締役社長
KDDI株式会社 代表取締役会長
一般社団法人電気通信事業者協会会長
孫 正義
ソフトバンク株式会社 代表取締役社長
【放送事業者】
井上
一般社団法人日本民間放送連盟 会長
弘
株式会社TBSテレビ 代表取締役会長
西條 温
籾井 勝人
一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟 理事長
日本放送協会 会長
和崎 信哉
一般社団法人衛星放送協会 会長
株式会社WOWOW 代表取締役社長
【システム・機器メーカ】
岩本
遠藤
髙橋
田中
谷川
津賀
平井
山本
敏男
信博
興三
久雄
史郎
一宏
一夫
正已
直
戸田 裕一
内永 ゆか子
岡
素之
近藤 則子
坂村 健
佐々木かをり
坂内 正夫
須藤 修
知野 恵子
NP0法人ジャパン・ウイメンズ・イノベイティブ・ネットワーク 理事長
住友商事株式会社 相談役 (座長)
老テク研究会 事務局長
東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授(座長代理)
株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長
独立行政法人情報通信研究機構 理事長
東京大学大学院 情報学環長・学際情報学府長
株式会社読売新聞東京本社 編集委員
【オリンピック・パラリンピック組織委員会関係】
秋山 俊行
東京都副知事
武藤 敏郎
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会
組織委員会 事務総長
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 代表取締役社長
日本電気株式会社 代表取締役執行役員社長
シャープ株式会社 代表取締役社長
【関係省庁等】
株式会社東芝 取締役 代表執行役社長
株式会社野村総合研究所 理事長
平田 竹男
内閣官房2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室 室長
パナソニック株式会社 代表取締役社長
向井 治紀
内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室 室長代理(CIO)
ソニー株式会社 取締役 代表執行役 社長 兼 CEO
芦立 訓
文部科学省 大臣官房審議官(スポーツ・青少年局担当)
富士通株式会社 代表取締役社長
【広告関係者】
石井
【有識者】
株式会社電通 代表取締役社長執行役員
大橋 秀行
経済産業省 大臣官房審議官(IT戦略担当)
北本 政行
国土交通省国土政策局 大臣官房審議官
株式会社博報堂DYホールディングス 代表取締役社長
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懇談会 体制図
(1)社会全体のICT化の推進に向けたアクションプランの検討
①実現を図るべき事項((無料公衆無線LAN環境の整備促進、ICTを活用した多言語対応、放送コンテンツの海外展開、4K・8Kやデジタルサイ
ネージの推進、第5世代移動通信システムの実現、オープンデータ等の活用等)
②目標とすべき時期
(2)官民の役割分担の明確化
連携・協力
連携・協力
無料公衆無線LAN整備促進協議会
(会長:小林 忠男 無線LANビジネス推進連絡会 会長)
第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)
報告
連携・協力
幹事会
2020年に向けた社会全体の
ICT化推進に関する懇談会
(会長:吉田 進 京都大学 特任教授・名誉教授)
グローバルコミュニケーション開発推進協議会
(会長:須藤 修 東京大学大学院情報学環長・学際情報学府長)
連携・協力
(一社) 放送コンテンツ海外展開促進機構(BEAJ)
(会長:岡 素之 住友商事(株) 相談役)
連携・協力
連
絡
会
連携・協力
4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合
(座長:伊東 晋 東京理科大学理工学部 教授)
(一社)次世代放送推進フォーラム
(理事長:須藤 修 東京大学大学院情報学環長・学際情報学府長)
公共交通オープンデータ研究会
(会長: 坂村 健 東京大学大学院情報学環・教授YPPユビキタス・ネットワーキング研究所所長)
(一社)オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構(VLED)
連携・協力
連携・協力
■WG等の設置
■各WG、協議会等
との情報共有・意見交換
■親会への報告案の検討
(理事長: 坂村 健 東京大学大学院情報学環・教授YPPユビキタス・ネットワーキング研究所所長)
情報セキュリティ アドバイザリーボード
(座長:徳田 英幸 慶應義塾大学 環境情報学部 教授)
デジタルサイネージワーキンググループ
報告
(主査::中村 伊知哉 慶應義塾大学 教授)
(協力組織) デジタルサイネージコンソーシアム(オリンピック委員会)
(理事長:中村 伊知哉 慶應義塾大学 教授)
等
(参考) 2020年に向けた社会全体のICT化推進プロジェクト概要(案)
5
 2020年をターゲットイヤーとし 「世界最高水準の我が国のICTインフラ」及び「その高度な利活用」を世界に
提示。そのための目標及び推進体制の具体化
(1) 無料公衆Wi-Fi、第5世代移動通信システム、4K・8Kなど、ICTインフラの高度化
(2) 多言語翻訳、ビックデータ・オープンデータ、デジタルサイネージ、コンテンツ発信等高度な利活用により、
実現する社会像、感動、体感するサービスを含めた具体化
(3) 以上を支える、サイバーセキュリティの確保による「安心・安全なICT社会」を世界に発信。
スマートな
入国手続き
デジタルサイネージによる
観光情報等個人に最適な
情報発信
スマートな
移動
競技中
滞在中
オープンデータの
リアルタイムな提供
4K・8Kパブリックビューイングで
会場以外の全国、全世界での
超臨場感・感動共有
Wi-Fi全国整備、4G普及/世界に先駆けた5G実用化
サイバーセキュリティの確保による最高水準の安心・安全なICT社会実現
全国各地に波及/世界各国に展開
5
6
(参考) 実現に向けたスケジュール(現段階)
2015
2016
2017
2018
2019
2020
地方自治体におけるWi-Fi整備等の促進
無料公衆Wi-Fi
Wi-Fi手続簡素化の実現
第5世代移動
通信システム
5G向け周波数の国際
分配、関係制度整備
5G研究開発の加速、国際標準化
誰もが簡単
にアクセス
可能な環境
整備
世界に先駆け
5G実用化
4G商用化
4K実用放送(CS、CATV、IPTV)
4K・8K
ICT高度利活用による
社会像・
感動・
体感
BSによる4K・8K試験放送
多言語対応
多言語音声翻訳技術研究開発、技術実証
BS等による4K・8K実用放送
大規模社会実証
言葉の壁のない社会
放送コンテンツ
海外展開
ASEAN6カ国への放
送コンテンツ展開
放送コンテンツ海外展開促進の継続的取組(関係省庁連携コンテンツ製作、現地化、現地放送プロモーション活動一体的総合的支援)
公共交通情報等オープンデータ
プラットフォーム構築
公共交通情報等オープンデータ
サービス提供
ワンストップサービス提供
オープンデータ
「新・サイバーセキュリティ戦略」(15年6月策定予定)等に基づき、内閣サイバーセキュリティセンター等と連携して対策を推進
ラグビー
ワールドカップ
平昌冬季大会
サイバー
セキュリティ
リオ大会
サイバーセキュリティの
確保による安心・
安全な
社会の実現
デジタル クラウド技術を活用したデジタルサイネージによる相互接続の確保、ICTショーケース、緊急災害情報提供等
最適な情報提供基盤の構築
サイネージ
社会全体のICT化 レガシー創出
世界最高水準の
ICTインフラ
東京大会
2014
ICT技術の動向
4K8K
7
デジタルサイネージ
● 「4K(対応)テレビ」の普及台数は、2013年から2018年の5年間で
約7倍に拡大する見込み(約98万台→約6,733万台)。
出典:電子情報技術産業協会(JEITA) 「AV&IT機器世界需要動向 ~2018年までの世界需要展望~」より作成)
スマートテレビ
●日本のスマートテレビ普及台数は、2012年から2018年の6年間で、
約2倍に拡大する見込み(1828万世帯→3873万世帯)
●双方向のコミュニケーション端末としてのサイネージ活用が進み、市場規模は、
2012年から2018年の6年間で約2倍に拡大見込み(914億円→1609億円)
。
出典:NRI(2013年11月メディアフォーラム)
ウェアラブル端末
●ウエアラブル端末の販売台数は、2013年から2018年の5年間で、
約20倍に拡大する見込み(23万台→475万台)
(腕時計型でスマートフォンの情報を表示する端末や、活動量計などの機能を持つヘ
ルスケアデバイス等)2018年には475万台)
日本におけるウェアラブル端末の販売台数予測
出典:NRI(2013年11月メディアフォーラム)
出典:NRI(2013年11月メディアフォーラム)
8
災害時におけるデジタルサイネージの活用


駅構内や電車車内、大規模小売店等の大型ディスプレイのほか、最近では小規模店舗への導入も加速。
東日本大震災時には、デジタルサイネージのディスプレイ前に多くの人が集まり震災情報、避難所情報等の情報
源としての視聴に役立った。
各モニター周辺の様子
A
A
B
B
丸ビル 1F マルキューブ
3月11日 22:00頃
大手町ビル 1F 中央エントランス
3月11日 16:00頃
C
C
撮影
新丸ビル B1F EVホール
3月11日 22:00頃
D
撮影
撮影
丸ビル B1F商業ゾーン 65インチ前
3月11日 22:00頃
撮影
D
出典:2020年に向けた社会全体のICT 化推進に関する懇談会幹事会
デジタルサイネージWG(第2回) 三菱地所 説明資料
東京ミッドタウンにおける多言語に対応するデジタルサイネージ
9
◆ タッチパネル等の多言語表記
・フロアマップは4カ国語対応(日本語/英語/中国語(簡・繁)/韓国語)
・店舗情報詳細およびイベント情報カレンダーは日英表記
・UNION PAY 銀聯カード使用可能店舗一覧を中国語(簡・繁)のページに表記
・映像配信の日英表記実施コンテンツ
○自主イベント告知
○ニュース
○天気
○為替情報
○防災ファースト・アクション(オフィス等限定)
○ペットエリア案内
フロアマップにおける日本語/英語/中国語(簡・繁)/韓国語対応
出典:2020年に向けた社会全体のICT 化推進に関する懇談会幹事会
デジタルサイネージWG(第2回) 三井不動産 説明資料
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2.東京2020大会に向けた組織委員会、東京都の動向
出典:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会(第2回)組織委員会説明資料
「大会開催基本計画(Games Foundation Plan)」の概要
○ 大会開催準備の枠組を提供する基本的な計画
○ 2月27日にIOC、IPCに提出
○ 本大会開催基本計画を出発点として、具体的実施内容について今後検討を進めていく。

記載内容
1章 大会ビジョン
◆大会ビジョン (オリンピック・パラリンピック共通)
スポーツには世界と未来を変える力がある。 1964年の東京大会は日本を大きく変えた。 2020年の東京大会は、
「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」、「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」、「そして、未来につなげよう(未来への継承)」 を
3つの基本コンセプトとし、史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会とする。
◆パラリンピックへの取組姿勢:同一都市として初めて2回目のパラリンピック大会の開催であり、パラリンピックムーブメントの発展に貢献し、活力のある共生社会を実現
2章 大会のクライアント
◆クライアントを8つのカテゴリーに分類
①選手・NOC/NPC ②IF ③マーケティングパートナー ④オリンピック・パラリンピックファミリー/要人 ⑤OBS/ライツホルダー(放送権者) ⑥プレス ⑦観客 ⑧スタッフ
◆それぞれのニーズ・要望を十分に把握し、日本人のおもてなしの心を大切にして、各クライアントに焦点をあてた計画と運営を確実に実施
3章 会場・インフラ
◆東京2020大会として最高の舞台を用意するため、アスリートのベストパフォーマンス、アクセシビリティ等に配慮し、将来の有効活用を見据えて整備
◆競技会場の具体的な配置等については、現在、アジェンダ2020等を踏まえ、レガシー、都民・国民生活への影響、コスト増への対応等の観点からレビューを実施中
4章 大会を支える機能(ファンクショナルエリア)
◆競技、放送サービス、エネルギー、セキュリティ、ドーピングコントロールといった大会運営に必要な52のファンクショナルエリア(FA)について、それぞれの機能を明確化
◆大会ビジョン等を踏まえながら、安全・安心で確実な大会運営と、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる環境づくりを目指すとともに、日本や東京ならではのサー
ビス提供の観点も重視し、各FAのミッション、主要目標、主要業務・役割を記載
5章 推進体制
◆大会開催までのロードマップ(基礎フェーズ、計画立案フェーズ、実践準備フェーズ、大会運営フェーズ、解散・レガシーフェーズ)に基づき着実な準備を推進
◆東京2020組織委員会の組織構造、関係者との連携・役割分担など、推進体制を早期に明確化し、組織内外の一体的な取組を推進
◆限られた予算と、限りないアイディアで、最高の大会を実現
6章 アクション&レガシー
◆単に2020年に東京で行われるスポーツの大会としてだけでなく、2020年以降も含め、日本・世界全体に対し、様々な分野でポジティブなレガシーを残す大会とする。
◆「スポーツ・健康」、「街づくり・持続可能性」、「文化・教育」、「経済・テクノロジー」、「復興・オールジャパン・世界への発信」の5本の柱ごとに、
組織委員会、政府、東京都、JOC、JPC、経済団体などのステークホルダーが一丸となって、計画当初の段階から包括的な取組(アクション)を推進
◆2016年から2020年までの具体的なアクションや2020年以降のレガシーを「アクション&レガシープラン」として2016年にとりまとめ、リオ大会以降、アクションを本格化
7章 エンゲージメント
◆国内外の人々に対し、多種多様な参加型プログラムを通じて、大会に共感し大会を共に作り上げていく応援者の最大化を図る(東京2020独自のエンゲージメント戦略)
11
出典:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会(第2回)組織委員会説明資料
「6章 アクション&レガシー」の中のテクノロジーに関する記載(抜粋)
6章 アクション&レガシー
12
公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
6.1 アクション&レガシープラン
6.2 プランに盛り込まれるレガシーとアクション
6.2.1 スポーツ・健康
(1) 国内外へのオリンピック・パラリンピックの精神の浸透/(2) 健康志向の高まりや地域スポーツの活性化が及ぼす好影響/(3) トップアスリートの国際競争力の
向上/(4) アスリートの社会的・国際的地位やスポーツ界全体の透明性・公平性の向上/(5) パラリンピックを契機とする人々の意識改革・共生社会の実現
6.2.2 街づくり・持続可能性
(1) 大会関連施設の有効活用/(2) 誰もが安全で快適に生活できる街づくりの推進/(3) 大会を契機とした取組を通じた持続可能性の重要性の発信
6.2.3 文化・教育
(1) 文化プログラム等を通じた日本や世界の文化の発信と継承/(2) 教育プログラム等を通じたオリンピック・パラリンピックの精神の普及と継承/(3) 国際社会や
地域の活動に積極的に参加する人材の育成/(4) 多様性を尊重する心の醸成
6.2.4 経済・テクノロジー
(1) 大会開催を通じた日本経済の再生と本格的成長軌道への回復への寄与
(アクションの例)
① 日本の技術力や市場の魅力のPR による、海外からの投資の積極的な誘致
② 東京国際金融センターの実現
③ 経済・テクノロジー関連イベントの開催
(2) 大会をショーケースとすることによる日本発の科学技術イノベーションの発信
(アクションの例)
① ロボット、燃料電池車、自動翻訳技術、超高精細映像技術(4K/8K)など、世界最高水準のテクノロジーの研究開発の推進と大会への活用
② 障がいのある観客や視聴者も大会を楽しめる技術の導入
③ 無料公衆無線LAN 環境やデジタル・サイネージ(電子機器による情報表示)など、官民一体となったICT インフラ・環境の整備
④ 外国人旅行者の増加を見据えた海外発行クレジットカードや電子決済の利用拡大などキャッシュレス決済の普及促進
6.2.5 復興・オールジャパン・世界への発信
(1) 東日本大震災の被災地への支援や復興状況の世界への発信/(2) 「オールジャパン」体制によるオリンピック・パラリンピックムーブメントの推進/(3) 大会を契
機とする日本各地の地域活性化や観光振興/(4) オリンピック・パラリンピックの価値や日本的価値観の発信
出典:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会(第2回)東京都 説明資料
「東京都長期ビジョン」~「世界一の都市・東京」の実現を目指して~(平成26年12月25日発表)
第2章 東京の将来像
オリンピック・パラリンピックによってもたらされるレガシー
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出典:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会(第2回)東京都 説明資料
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出典:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会(第2回)東京都 説明資料
第3章
将来像を実現するための8つの都市戦略と25の政策指針
都市戦略1 成熟都市・東京の強みを生かした大会の成功
政策指針3 多言語対応の推進により、全ての外国人が快適かつ安心して滞在できる都市の実現
15
出典:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会(第2回)東京都 説明資料
都市戦略3 日本人のこころと東京の魅力の発信
政策指針7 「おもてなしの心」で世界中から訪れる人々を歓迎する都市の実現
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出典:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会(第2回)東京都 説明資料
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「外国人旅行者の受入環境整備方針」
~世界一のおもてなし都市・東京の実現に向けて~の概要
基本的な考え方
【5つの視点】
① 多言語対応の改善・強化
② 情報通信技術の活用
③ 国際観光都市としての
標準的なサービスの導入
④ 多様な文化や習慣に配慮した対応
⑤ 安全・安心の確保
東京を訪れる外国人旅行者が安心かつ快適に観光を楽しめるよう、2020年大会までに旅行者の移
動・滞在を支える基盤を、ソフト・ハード両面から都内全域で計画的かつ集中的に整備していくため、東
京が一体となって取り組むべき方向性を示す。
主な取組例
都内全域で、都、区市町村、民間事業者が連携・協働して、受入環境整備を展開
1
ひとりでまち歩きを楽しめる観光案内機能の充実
(1)観光案内所の拡充
2
旅行者を迎え入れる快適な滞在環境の整備
(1)宿泊・飲食・観光施設における利便性の向上
・羽田空港国際線ターミナル内の観光情報センター利用時間を24時間化
・外国語メニュー作成支援ウェブサイトの拡充
・都内全域での窓口数の拡充・機能強化
・ムスリムなど多様な文化・習慣を持つ旅行者への対応
(2)多言語による案内サインの充実
・「案内サイン標準化指針」の改定
・観光案内標識の設置・更新
(3)観光ボランティアの育成と
街なかでの観光案内の展開
の取組に対
・交通機関・施設等の多言語対応の促進
する財政面
からの支援
・相互利用可能なICカードの開発・普及等の促進
(3)決済環境における利便性の向上
・クレジットカード決済の促進
・「おもてなし親善大使」の育成
・海外発行クレジットカード対応のATM設置の促進
(4)旅行者に配慮した緊急時・災害時の対応の充実
・都立施設等におけるWi-Fi整備の推進
・「災害時初動対応マニュアル」の周知・活用
・「TOKYO CITY Wi-Fi(仮称)」のサービス提供
・Wi-Fiやデジタルサイネージを活用した災害時における
通信手段の確保・情報発信
・通訳アプリやデジタルサイネージの導入促進
民間事業者
(2)公共交通機関利用における利便性の向上
・区市町村等と連携した観光ボランティアの裾野の拡大
(4)情報通信技術の積極的な活用
区市町村や
・宿泊施設における24時間対応コールセンター導入支援
重点整備エリア※ 内では、徒歩2~3分圏内で観光情報を得られる環境を実現
【新たな観光情報センター】
3Fフロアに設置予定
・新宿駅南口での新たな観光情報センターの開設
・タブレット端末等を活用した観光ボランティアによる街なかでの観光案内
・歩行空間における無料Wi-Fiの整備
・高機能型案内標識としてのデジタルサイネージの整備
※
重点整備エリア:外国人旅行者が多く訪れる10地域及び2020年大会会場周辺
(画像提供:国土交通省関東地方整備局 東京国道事務所)
「東京都27年度予算案」
出典:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会(第2回)東京都 説明資料
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「東京都27年度予算案」
出典:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会(第2回)東京都 説明資料
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3.2020デジタルサイネージアクションプラン
アクションプラン策定に向けた検討事項
下記の事項を整理の上、「いつまでに」「誰が」「何を」するのかのアクションプランを検討・策定。
(1)デジタルサイネージシステムの基本仕様の作成(クラウド技術等を活用した効率的相互接続の確保)
・以下のような要素を実現するデジタルサイネージシステムの基本仕様を作成するとともに、国際標準をめざす
(基本仕様で実現すべき事項の例)
・サイネージシステム間の相互運用性の確保
・プラットフォームの構築(クラウド技術の活用、多言語機能、災害時情報提供機能等)
・災害時のデジタルサイネージの相互運用性の確保
・リアルタイム配信
・デジタルサイネージシステムとスマートフォン等他のデバイスとの連携、双方向通信機能 等
(2)デジタルサイネージを活用したパブリックビューイングの環境整備
・4K・8Kやデジタルサイネージを活用した超臨場感あふれる映像提供の実現方法
(3)デジタルサイネージを活用したICTショーケースの基本構想の検討
(基本構想のイメージ)
・ICTショーケースの要件(場所、目的、(災害、都市機能強化、ディストネーションの活性化等)、コンテンツ)
・街全体としての導線の確保、生活圏・商業圏での交流増加、利活用の浸透等
・2020年以降もその設備を使ったライブ、美術品鑑賞、海外との双方向授業など先を見据えた取組
(4)デジタルサイネージの新たな活用方策
(基本要素の例)
・放送と通信が連携した新たなメディアとしての位置づけ(価値創造、市場創出)
(5)アクションプランを実現するための推進体制の整備
・アクションプランを着実に実現し、目標を達成するための推進体制の早急な整備が必要。
21
検討にあたって必要な視点
1.言葉の壁などを乗り越えた情報受発信の実現
・訪日外国人や障がいのある方にICTがどう貢献できるか
・デジタルサイネージシステムで多言語や障がい者のサポートに対応するためには、
どのような形で実現できるか
(例:多言語翻訳技術や無線通信技術(見えない看板)の活用、言語や手話のサポート、共通プラットフォーム構築等)
・訪日外国人、障がいのある方が必要な情報は何か
(例:競技情報、観光情報、交通情報、バリアフリーマップ等)
・どこに設置すべきか 等
2.競技会場に行くことができない方等との臨場感あふれるオリンピック・パラリンピックの感動を共有
・全国各地の公園等に設置された大型スクリーンにおいて、8Kパブリックビューイングの実施 等
3. レガシー、全国(各地域)への展開
・オリンピック以降も活用できる資産として何を残していくのか
・多言語対応や、災害時の情報発信に活用するデジタルサイネージ
・これらの仕組みについて全国へ展開し、地域活性化、地域への訪日外国人誘致への活用
22
2020デジタルサイネージの基本的な考え方
23
【デジタルサイネージの使命】
○ オリンピック・パラリンピック大会開催中も、会期中も、オリンピック開催後も、緊急災害時等への対応は社
会インフラとしてのデジタルサイネージの使命として重要であり、果たすべき役割。
【デジタルサイネージに対する期待】
○ 平常時における観光案内や大会情報の発信手段、非常時における災害情報等を迅速かつ正確に提供
する手段として、かつ、多言語で提供すること。
○ 訪日外国人、高齢者や障がい者をスムーズに誘導、 、高齢化社会も見据えたバリアフリー環境整備の有
用なツール、街の交流人口の拡大機能の最適化、観光都市のエンターテイメント性の増幅、集客資源、モバ
イル端末やパーソナルメディアとの連動による機動性、即時性、拡張性の機能強化。
【社会的要請への対応】
○ 街や施設を超えたデジタルサイネージのネットワーク化、多言語対応、バリアフリー、災害時の情報提供、
競技情報の提供など、社会全体のニーズや要請に応じるための対応が必要。
2020デジタルサイネージ基本方針の対象と実現したい事項
24
本WGで検討対象とするデジタルサイネージ
より多くの公衆の目に触れる公共的な目的に活用できるデジタルサイネージを本WGでの検討対象とする。
ただし、これら以外のデジタルサイネージについても、できる限りこの方針に沿って整備されることが望まれる。
基本方針の位置づけ
観光案内や大会情報の発信、非常時おける災害情報等の提供を目的としたデジタルサイネージの整備を
進めるにあたり、提供すべきサービスとその実現方法について、基本的な考え方を示す。
デジタルサイネージの導入にあたっては、設置場所や目的に応じて、本方針で定める事項について必要な
検討を行うこととする。
また、導入に当たっては、国際標準に準拠するものとする。
デジタルサイネージで実現したい事項(アウトプットイメージ)
① 多言語対応、スマートフォン等との連携により、個人に最適な、双方向による情報提供
② 災害情報等の一斉配信
③ デジタルサイネージを通じたICTショーケース【街の機能の高度化・景観美化】
④ デジタルサイネージを活用した、国内外における4K・8Kでのパブリックビューイング
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多言語対応デジタルサイネージ素案
情報提供事業者
店舗
自治体/企業
クラウド・サービス
プラットフォーム
(例 BEACON管理、サイネージ管理、各種情報管理)
デジタルサイネージ
ターミナル
表示制御・更新
多言語表示
Wi-Fi
近隣者情報を
元に
表示最適化
BEACON
翻訳サーバ
モバイル端末
多言語表示
◆サイネージ情報の最適化
・個人属性による最適化
・行動記録による最適化
◆サイネージ非連動
・位置、時刻情報による最適化
・サイネージ情報による最適化
2020デジタルサイネージに求められるサービス①
多言語対応、スマートフォンとの連携により、個人に最適な、双方向による情報提供
【求められるサービス】
① 競技情報、公共交通機関、宿泊情報、最適な通信経路の設定等、個人の属性(国籍等)にあわせた、
多言語での個人に最適な情報提供を実現すること。
② 2020東京大大会では、特に公けの場に設置されたデジタルサイネージについては、訪日外国人を含
む我が国に滞在する人に対して、一定の時刻において、オリンピック・パラリンピック競技に関する最新
情報(スケジュール、競技結果、選手情報等)を一斉配信すること。
③ 開催地のみならず、地方、海外において、会場に入れない観客と、オリンピック・パラリンピックの感動
(高精細映像)を共有できる場を提供すること。
【実現方法の例】
プラットフォームの構築、クラウド技術の活用(多言語対応)、コンテンツ・配信方法の統一化 コンテンツに
係る国際標準への準拠 等
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2020デジタルサイネージに求められるサービス①
災害情報等の一斉配信
【求められるサービス】
① 避難所等、災害時拠点となる施設・設備と連携し、地域の防災ステーション機能を提供すること。
② 災害等の緊急時において、災害情報、避難所情報、公共交通機関情報、支援物資の配布情報等を、
災害地及びその近隣地域に設置された「災害情報提供デジタルサイネージ」から一斉配信すること。
③ 最寄りの「災害用デジタルサイネージ」から最短の避難所まで、デジタルサイネージから発信される情報
をきっかけとして、スマートフォンなど手持ちの電子機器と連動させ、安全に誘導すること。
【実現方法の例】
コンテンツフォーマット等の共通化、クラウド技術の活用(多言語・Lアラートとの連携)、他のデバイス連動
(言語選択、詳細情報入手)、双方向通信機能、Wi-Fi搭載、コンテンツに係る国際標準への準拠 等
デジタルサイネージを通じたICTショーケース【街の機能の高度化・景観美化】
【求められるサービス】
① 障がい者、高齢者含む、訪日外国人の動線をスムーズに誘導し、街の交流人口の拡大を促すこと。
② 街の魅力を最大化する情報通信基盤となること。
【実現方法】
他のデバイスとの連動(詳細情報入手)、双方向通信機能、コンテンツに係る国際標準への準拠
景観ガイドライン 等
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2020デジタルサイネージの今後整理すべき事項
① 地方公共団体等との連携体制の確立(平時、災害時を通じたエリア単位でのデジタルサイネージの情報
マネジメント体制を構築)
② 既存システムへの対処(更改スケジュール)
③ 優先機能と任意機能の区別(機能の取捨選択、災害用サイネージとその他の区別の仕方)
④ エリア限定機能(特定地域のみの配信、階層化)
⑤ 屋外に設置されたサイネージの耐久性、セキュリティの確保
⑥ 推進体制
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これまでのデジタルサイネージWG等での意見
2020デジタルサイネージの基本的方向性
相互接続・統一ルール
○ 仕様の標準化、互換性の確保により、全国どこでもシームレスに利活用できること。
○ 場所や業界によってインターフェースが異ならないこと。
○ 運用ルールが必要。
(画面の色の種類、明るさ、鮮やかさや音、画面サイズ、切り替え頻度、コンテンツ(公共情報、商業情報、観光サービス等)の表
示ルール(質・量))
○ 災害時情報、オリンピック情報、翻訳情報を、一つのクラウドで実現するための一定のルールが必要。
○ トラフィックや端末状況にあわせた情報提供の仕組みが必要。
○ デジタルサイネージが災害時の情報発信となる場合、無料Wi-Fiとの一体的な整備も重要。
○ 全国へ波及させること。
多言語対応
○ 多言語表示にあたっては、スマートフォンにユーザの母国語でデジタルサイネージの情報を表示させるなど、
表示手法の検討が必要。
○ コンテンツの多言語化のコストを低減できるような、共通プラットフォームが必要。
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2020デジタルサイネージの基本的方向性
ICTショーケース・街づくり
○ 空港に着いてから、移動、宿泊、観光など、
トータルで高付加価値な体験(ユーザエクスペリエンス)の実現すること。
○ 街の付加価値の創出、街の持つ力の最大化等、「街ブランド」を確立すること。
○ 都市景観と都市機能向上を両立するためのガイドラインを策定すること。
デジタルサイネージを活用したパブリックビューイング
○ 2020年では、パブリックビューイングで感動を共有する環境を、日本国内でも、海外でも実現すること。
○ 屋外会場でのパブリックビューイングは、雨風に耐えられるようシーンにより使い分けを行うこと。
○ オリンピック動画の利用に関しては、JCだけでなく、IOCやオフィシャルスポンサーなどと調整すること。
○ 競技情報等の提供手段にデジタルサイネージを活用するかどうかは、いかに集約効果があって、魅力的
な状態で伝わるかが重要な判断基準であること。
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2020デジタルサイネージの基本的方向性
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サイネージを活用した新たなサービスの実現等
○ 観光案内図や標識などの表示上の隘路を切り開くデジタルサイネージに大きく期待。
○ デジタルサイネージを新たなメディアとしての価値をあげていくこと。
○ 日本初の先端技術の海外ビジネスの展開に向けた検討が必要。
(例:4K・8Kを活用した地方における教育、医療、仕事の機会の向上、博物館や美術館でのサイネージの展開、8K伝送による
共同講座等)
○ 「アウトオブホームメディア」に発展させていくためには、設置場所、高さ等のサイズなど視認性、面数、コンテンツ
がメディア価値を担保。
障がい者や高齢者等、パラリンピックへの対応
○ ハンディを持つ人、高齢者、外国人などのユーザビリティやアクセシビリティの観点からの検討が必要。
○ 世界に示せるICTを使ったパラリンピックレガシーについて詰める必要。
今後の進め方等について
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今後の進め方、推進体制について
○ アクションプランの早期策定を期待。
○ アクションプラン具体化し、着実に進めるための強力な推進体制が必要。
○ アクションプランでは、多言語対応をはじめ、ハード・ソフト両面のバリアフリー、災害対策、高齢化社会も見据
えたICTの活用・整備を促進。
○ テクノロジー主導ではなく、利用者視点を含めたアクションプランへの盛り込みが必要。
○ レガシーについて、オリンピック・パラリンピックで目指すところと、レガシーとして使い続けるところのプライオリ
ティを分けること。
○ プライオリティを決めるにあたっては、技術的な視点と同時に、利用者、シーン別の視点で点検することが必要。
○ グローバルスタンダードを獲得することが重要。