長工進路だより 第1号 平成27年5月1日(金)

平成27年5月1日
長工進路だより
第1号
新潟県立長岡工業高等学校
進路指導部
「工業高校生の離職率」
校長
安達
弘哉
平成 27 年3月の卒業生の就職内定率は 100%(8年連続)でした。工業高校が就職に
強いことは周知のことですが、その後の就職先に定着しているかどうかも心配なところ
です。
平成 25 年 11 月 11 日、厚生労働省新潟労働局から学卒者の卒業後3年以内の離職率
について発表がありました。それによると、平成 22 年3月卒業者の平均離職率は、高卒で 41.0%、短大卒
で 38.1%、大卒で 33.2%となっており、いずれも前年より増加しているとのことでした。これを受けて、新
潟県高等学校長協会工業部会では生徒を雇用していただいている事業所及び各校の進路指導部の協力を得
て、平成 21 年3月、平成 22 年3月、平成 23 年3月に卒業し就職した全県の工業科を設置している8校の
生徒全員(1613 人)について、卒業後3年間の離職率を調査しました。その結果が下図です。
平成 21 年3月卒
平成 22 年3月卒
41.0%
34.3% 35.7%
17.3%
平成 23 年3月卒
38.4% 39.6%
39.2%
16.8%
14.2%
図中横軸の「工業」は工業科を置く8校、
「新潟県」は普通高校、工業高校を含めた新潟県の高等学校、
「全国」は新潟県を含めた全国の高等学校を意味します。
ご覧のように、どの年度においても「新潟県」は「全国」の離職率と大差なく、35%~ 41%で推移して
います。これに対して「工業」の離職率は 14%~ 17%であり、半分以下であることがわかります。工業
高校卒業者の離職率が低い要因としては、その就職先がほとんど製造業であり、また、事業所の規模が比
較的大きいことが挙げられると思います。そしてこのことは、厚生労働省新潟労働局の調査の「業種別で
は製造業の離職率が一番低い」「事業所規模別では従業員数が多いほど離職率が低い」というデータに裏
づけられています
ま た 、 工 業 高 校 の 生 徒 達 は 実 習 、 課 題 研 究 や 高 校 生 も の づ く り コ ン テ ス ト 、 ロボットの
競技会などを通じて「ものづくり」とはどのようなことなのかを実際に体験していること、インターンシ
ップやデュアルシステムを通して実際に事業所での就業体験があることや、工場見学などを通じて実際の
現場で従業員の方々が働く姿を見ることによって、就業することのイメージや覚悟ができてくることなど
が低離職率の原因になっていると考えられます。
本校でもここ3年就職希望者が増加し、この春の卒業生は 60%が就職を希望していました。就労す
るということは、個人の持っている「知識や技術、時間、体力、精神力などを職務に対して提供し、成果
を上げ、その対価を得ること」と考えています。今後とも、就労することの本来の意味を理解してもらう
とともに、体験的学習をとおして「ものづくり」の基礎・基本に加えて「ものを作る感覚」を身につける
ことによって、違和感なく就労することができる生徒を育てたいと思っています。そして、そのことが結
果として離職率を低く抑えることにつながると考えています。
ちなみに、本校卒業生の離職率は平成 21 年3月卒業生が 10.8%、平成 22 年3月卒業生が 6.9%、平成 23
年3月卒業生が 11.4%で工業科を置く県内8校の中で、一番低い離職率となりました。
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●長岡工業高校の進路決定状況●
◎過去5年間の決定状況・・・いかに貪欲に情報収集するかが鍵!!!
大学等
進学者
進路
国
公
立
大
学
7
9
13
9
10
年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
私
立
大
学
短
期
大
学
56
45
30
40
34
10
6
8
2
2
高
等
専
門
学
校
編
入
4
3
3
5
2
職
能
大
・
テ
ク
ノ
等
6
10
9
3
4
専
門
学
校
就
職
留
学
・
無
業
卒
業
者
総
数
この表から、平成24年度から就職希望者が
増加傾向にあり、その反面、私立大学、専門
学校希望者が減少しつつあります。
企業からの求人数は、近年の景気回復傾向
を反映し、緩やかに増加しつつあります。
他
67 113
83 112
39 127
43 146
54 162
4
1
8
1
4
267
269
237
249
272
厳しい就職戦線を制するには、コミュニケ
ーション力、積極性、マナー力等の向上もも
ちろん重要ですが、情報収集力が重要となり
ます。一つの進路先にこだわらず、広く情報
を収集し、進路に対する選択肢を増やすこと
が重要です。積極的に動きましょう!
●進路指導室・指導部のメンバー紹介●
新学期が始まり、約1ヶ月が経過します。今年度、進路指導部は12名体制です。進路決定に向けて早
めに情報収集し、保護者や担任とよく相談しておくよう心がけましょう。
進路指導室配置図(1棟1階
来客
スペース
[機械科]
[英語科]
[電子機械科]
[電気科]
[機械科]
[英語科]
[工業化学科]
[理科]
[数学科]
[地歴公民科]
[数学科]
おもに進学担当
おもに就職担当
進路資料室
(※2)
[国語科]
生徒玄関と職員玄関の間)
コピー機
来客出入口
生徒出入禁止
掲
示 板(※1)
生徒出入口
←廊下は静かに通行!→
大学・専門学校のガイド・パンフレット(持ち帰り可)
(※1)
掲示板には、求人の一覧表や公務員試験の案内、専門学校の説明会の案内など、進路に関わる最新の
情報が随時、掲示されていきます。注意して見ておきましょう。
◎進路資料室(※2)にはこんなものがあります!
(就職資料として)
①昨年度の求人票とその一覧(県外・県内)
②各企業のパンフレット(県外・県内)
③先輩達の受験報告書
(試験時期、試験内容、アドバイスなど)
④就職(公務員)試験の問題集
(進学資料として)
①先輩達の受験報告書
(試験時期、試験内容、アドバイスなど)
②大学、専門学校の入試案内・パンフレット
③専門校推薦の過去問
④センター試験等の過去問
1、進路資料室の使用時間帯 ……
休み時間、昼休み(予鈴まで)、放課後(17時まで)。土日は使用不可。
2
進路資料室の使い方
・進路指導室の先生に許可を得て、静かに使用。服装をきちんと、使用後は復元。飲食禁止。
・資料の持出は禁止(有料コピー機有)。資料は使用後、元の位置に(テスト資料のコピー禁止)。
(その他)
わからないことがあるときは、何でも進路指導部の先生方に質問してください。
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