掲載記事(PDF) お答えします。子育ての疑問質問。Vol.25 - 東北福祉大学

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子育ての vol.25
FUTURE 疑問・質問
子育てへの提言
東北福祉大学
初めてのおつかいを
子どもにさせたいのですが、
心配事がつきません。
何歳位にどんなことに
気を付けてデビューさせれば
よいでしょうか?
仙台市泉区 M様
お答えいただいた先生
下山田 鮎美
[ しもやまだ あゆみ ]
山形県出身。専門は地域看護学。看護師・保健師。現東
北 福 祉 大 学 健 康 科 学 部 講 師 、同 次 世 代 育 成 支 援 室 母
子保健部、保健師。2児の母であり、当事者としての視
点を大切にしながら子育て支援の活動を行っている。
博士(都市科学)。
小学校の先生の経験もある東北福祉大学子ども科学部准教授の
三浦和美先生にお話を伺いました。
[ あつみ あやこ ]
山形県出身。専門は地域看護学。看護師・保健師。保健
師の経験を経て、看護師・保健師の教育に携わるよう
になる。現東北福祉大学健康科学部助教、同次世代育
成支援室母子保健部、保健師。
Q1
先生
東北福祉大学子ども科学部准教授
公立学校教員を経て、平成19年度よ
り現職。専門は小学校社会科教育法。
修士(教育情報学)東北大学。大学院
生・大学生2児の母。
「ままぱれ」読者の中には、今年小学校に入学する
お子さんを持つママもたくさんいらっしゃいます。
小学校入学までに準備しておく心構えなど
ありますか?
まずは、早寝・早起き・朝ごはんです。ご家庭によって生活時間は
渥美先生
おつかいをお願いする時に気をつけると良いこと
まちまちだと思いますが、できる限り規則正しい生活時間に整えて
ですが、おつかいに行かせる場所は、お子さんと一緒
いただくことをお勧めします。小学校は子どもたちがさまざまなこ
テレビ番組の「はじめてのおつかい」を観たことは
によく行く場所を選ぶとよいと思います。
「友達の家
ありますでしょうか?子どもの頑張る姿が可愛らし
のインターホンが高い場所にある」、
「 入り口が自動
とを吸収し、成長する大切な時期です。子どもが学校で伸び伸び遊
んで、学習できる生活ができるように、ご家庭でも生活習慣には気
を付けていただきたいと思います。習い事などの予定もあると思い
く、応援したくなりますよね。でも、自分の子どもを
ドアでない重いドアのお店」など、子どもにとって困
初めて一人でおつかいに行かせるとなったら、とて
難なポイントがないか事前にチェックしておくとよ
ますので、週の予定表を家族で作り、お互いの予定を毎日確認し合
も心配ですよね。
いでしょう。また友達の家やお店に行くまでに、
「車
うのも良いですね。また、小学校の学習では道具をたくさん使いま
の多い道の横断は必要か?」、
「横断歩道・信号はある
す。
「 小学校に入ったんだから、全部自分で!」というのではなく、低
いのでしょう?テレビ番組では3歳くらいのお子さ
か?」、その意味をきちんと把握しているかも、事前
んがおつかいに出ていますが、大勢の番組スタッフ
にお子さんに確認しましょう。また、買い物のお願い
今まで幼稚園・保育所に通っていた子どもたちが一人で学校に通
に見守られているので、普通のお子さんが行く場合
をする場合は、お子さんにもすぐわかるような商品
う、小学校という集団に入るというのは、大きな成長の節目です。今
の参考になりません。おつかいには、
「 友達などの家
がよいでしょう。普段買っている物をお願いすると
まで、幼稚園や保育所までお迎えに行っていた我が子が、一人で歩
に物を届けてもらう」、
「 お店に行って商品を買って
良いかもしれません。
いて登校する、45分の授業を受ける、宿題をする、それってすごいこ
初めから一人でお店に行って、買い物をするのは
とだと思いませんか?そのことをご家族みんなで喜ぶことが一番
行って商品を買ってきてもらう」場合ですと、①一人
「 友達の家に
ハードルが高いと思います。まずは、
大切なことではないかと思います。ご家族の方々に「いってらっ
に一緒に行った時にお金を店員さんに渡してもら
とです。
初めて子どもを一人で外に出すのは、いつ頃がよ
きてもらう」の2種類があるかと思います。
「 お店に
で道を歩く、②一人で頼まれたものを探す(店員さん
に聞くことができる)、③一人でお金の受け渡しをす
る、という3つのことをする必要があります。どちら
のおつかいでも、1番の「ひとりで道を歩く」をクリア
行った時にインターホンを押してもらう」、
「 買い物
学年のうちは、時間を作って一緒に確認してあげてください。
しゃい」と笑顔で送り出されることが、子どもたちが望んでいるこ
う」、
「お母さんはお店の駐車場で待っていて、子ども
たらいかがでしょうか?お子さんにお願いしたこと
ます。一般的に、小学生になると保護者の付き添いな
ができたら、たくさん褒めてあげましょう。自信を
く通学するようになると思いますので、小学生に
持って次のステップに進むことができると思います。
Q2
子どもの成長を一緒に見守っていく
“大人”として、保護者が学校や先生に
協力できることは何かありますか?
最近、学校では授業参観の後の懇談会に残る保護者が少ないこと
Q.2
つぎに、お母さん自身に関することですが、お
二人目育児についてです。 現在二人目妊娠中です。
学年は2つ差になりますが、上の子が歩いたり、
聞き分けや意志疎通が少しでき楽になったのに、
出産後は自分の時間や二人への関わり方など
不安が大きいです。妊娠できたことはすごく嬉しいのですが…。
ぜひアドバイスがあったらお願いします。
子さんが二人になると、確実に生活における時間
の流れが早まります。対処しなければならないこ
とも増えていきます。それを見越して、今のうち
から「全てをひとりで抱えないための環境を整え
ておく」ということも大切と思います。何かを手
伝ってくれる人、
「うんうんそうだよね∼」と話を
仙台市青葉区 A様
聞いてくれる人、がんばりを認めてくれる人、ア
ドバイスをくれる人、そのほかにもいろいろとあ
ると思いますが、身近にそういう人が存在するこ
とほど心強いものはありません。ぜひ、ご家族や
下山田先生
Q3
震災から1年経って、子どもと保護者の
関わり方に変化はありますか?
今は直接子どもたちや保護者との関わりが無いので、十分にお応
えできません。しかし昨年の震災に関しては、それぞれの家庭や個
人に大きな影響が出ていると思います。さらに最近また地震が多
かったり、それ以外にも世界各地で自然災害がありますよね。ここ
最近では雪の被害があったりと。そういったニュースは子どもたち
にも届いて、その度に子どもたちの不安が大きくなっていると思い
ます。子どもの不安に「大丈夫だよ、心配ないから」と言うよりも、
「そうだよね、心配だよね」と不安な気持ちに一緒に応えてあげると
良いのではないでしょうか。そして、万一の時どう行動するのかを
ご家庭でよく話し合ったり、連絡先を確認したりするなど、こまめ
にご家庭で話し合う機会を設けることが、子どもたちの安心につな
がると思います。子どもたちの不安に寄り添い、その不安のために
はどうしたらいいのかを一緒に考えてあげると良いと思います。
に買ってきてもらう」というように段階を踏んでみ
してから挑戦させてあげると無理がないように思い
なってからでも遅くないと思います。
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来月、小学校への入学を控えているお子さんをお持ちのママのために、
三浦 和美
渥美 綾子
毎回ご好評いただきありがとうございます。ママの疑問・質問に先生方がお答えします。
ぜひ、子育ての参考にしてくださいね!
Q.1
FUTURE vol.35
が問題になっています。学校での様子を子どもたちからの情報や、
間接的、断片的な情報だけでさまざまなことを判断していくのでは
なく、学校や先生方とよく話し合うことが大切です。まず、 懇談会
に参加する ということを保護者の方にはお願いしたいと思いま
す。各学期に1回ずつ行われると思います。年に2回∼3回なので、そ
の時は、ご自分のご都合よりもお子さんのことをお考えになってみ
てはいかがでしょうか。保護者と先生の関係がうまく取れている学
級・学校はとても落ち着きがあって、子どもたちも伸び伸びと学ぶ
Q4
では最後に「ままぱれ」読者にメッセージを
お願いいたします。
幼児期から小学校卒業までは、人生の基礎を培う時期になりま
す。旺盛な好奇心・活発な行動力にあふれた時期です。その時期を
家族みんなで楽しむことをお勧めしたいと思っていま
す。公園でも博物館や美術館、サッカー場でも…、い
ろ ん な と こ ろ に 行 っ て み る こ と 、や っ て み る こ
と、考えてみることがお子さんの感性を高めるこ
とにつながります。その蓄積がお子さんを育てる
のです。お子さんが自分でやってみた、考えて
ことができているように感じます。保護者と先生方の信頼関係が
みた経験は、お子さんの根っこになって支え
しっかりして、情報を共有することが子どもたちの幸せにつながる
てくれるものになります。
と思います。
お友達、子育て仲間たち等の中から、そういう人
学年が2つ差になるということは、現在、上の
も増えるわけですが)。この時期の子育ては、波乱
たちを見つけてみてください。
お子さんは1才台、下のお子さんが生まれる頃に
万丈ではありますが、とても魅力に満ちたもので
また、おこさん二人への関わり方についても不
は2才台ということですね。
す。ですので、ぜひ上のお子さんと関わりながら、
安とのこと。対応の基本はあるといえばあるので
さ て 、近 い 将 来 、二 人 の お 子 さ ん と 同 時 に 関
水入らずの日々を存分に楽しんでください。そう
すが、実際のところ試行錯誤の末に気づくことの
わっていくことになるわけですが、出産までには
することで、お母さんが上のお子さんの「安心の
ほうが多いとも感じます。今の時点でお伝えでき
まだ期間がありますので、最初にそれまでの間の
基地」になっていけたらしめたもの。下のお子さ
ることがあるとするならば、お子さん同士がいろ
すごし方についてご提案したいと思います。
んが生まれた後には、必ず家族の関係をつむぎな
いろな形で関わり合う中で、ふたりの関係性も
まず、上のお子さんに関することですが、1才
おす作業が待っているのですが、上のお子さんに
育っていき、その関係性の中で二人は育ち合うこ
台から2才台にかけての成長・発達は目覚しいも
「安心の基地」があると、たとえ時間がかかったと
とができる、ということを信じてみていただきた
のがあります。分かることがどんどん増えていく
しても、たとえ赤ちゃん返りがあったとしても、
いなということです。お母さんの大きな役割は、
と共に言葉を介して伝え合えることも増えてき
下のお子さんを家族の一員として受け入れなが
その関係性と一人ひとりの育ちを見守りながら、
ます。自分でやってみたいという気持ちが育ち、
ら、上のお子さん自身も成長していけるようにな
やれることも増えていきます(もちろんイヤイヤ
二人の「安心の基地」として存在することなのか
ると思います。
もしれません。
東北福祉大学社会貢献センター 次世代育成
支援室では、乳児をお持ちのお母さん向けの
講座や親子教室を開いています。詳しくは
ホームページまで。
http://www.tfu.ac.jp/ngec/index.html
!
教えて★先生
子育ての疑問 大募集!!
0歳児から就学まで、その年齢ごとの専門家である先生方にお答えいただきます
ので、ホームページかハガキでお寄せください。できるだけ多くの質問に目を通し
ていただく予定です。
■ ハガキの場合
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