白ワインにおけるアスコルビン酸添加による マロラクティック醗酵の効率的

.
J ASEV
Vo.
1 8,NO.2
.
npJ
(
1)
79
,
p 7849
小谷恭弘,花牟礼研一,佐藤充克
[研究報文]
白ワインにおけるアスコルビン酸添加による
マロラクティック醗酵の効率的誘導
小谷恭弘,花牟礼研一,佐藤充克*
メルシャン側酒類技術センター・基盤研究室
〒 251 神奈川県藤沢市城南 4 丁目 9-1
noitalumitS
focitcalolaM
orihusaY
KOTANI
latnemduF
The stceffe
fo eht laudividni
noitida
sniarts
fo s
uconeO
tcartxe
,
ro atsaey
llec noisnepsus
ni whic
抗d
e
eht
klub
consumed
etihw
nihtw
detnmelpus
was
htiw
ton
decuni
.
doirep
50
,
mLIg
MLF
dica
,MLF
was
tnednepd
level
upon
ni eniw
decudni
ni a Koshu
ω
cibro
.
dica
arehcir
arom
.
Kye
:
sdrow
citcalolam
791
noitdA
eht htworg
focitcal
.
50 ot .
.
35
When
dica
nihtiw
a 40 ・yad noitabucni
tuohtiw
noitida
fostneirtun
ot whic
cibrocsa
dica
was
nihtiw
34 .
syad
nI eht
same
wine
was
decudni
ton decudni
noitanemrf
ni eht noitabucni
amount
focibrocsa
dica
mg Ll focibrocsa
50
wine
htiw
a low
noitatnemref
ruovaif
ni caitehtnys
dica
wine
was
dea
The
eht
40 ・yad noitabucni
noitida
noitpmusnoc
cilam
dica
eniwerw
devorpmi
dica
年 6 月2
1 日受理
ι
9
gnieb
.
doirep
fo
eniw
cit,
cal
dica
dica .
airetcab
was
ta eht tsewol
MLF
dluoc
fo 051
by eht
.
eniw
,
etihw
50 ot
fo cibrocsa
fo cilam
by eht noitida
ci,
brocsa
,MLF
from
tuohtiw
a 34 ・yad noitabucni
eht lanigiro
ni wine
nItsartnoc
2 syad
組
yletlpmoc
tsnaoitartnecnoc
wine
ot na
completd
pH fo .
32 nihtiw
ht
dea
tsomla
was
gnirud
出e K
oshu
was
.
doirep
,
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dea
dica retfa
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dna redlim
cibrocsa
,
tsaey
dica
dica airetcab
(MLF)
.
doirep
fo ylaicremoc
fo cibrocsa
ni eht
tcartxe
etihw
152
.
denimaxe
mg,
Ll eht cilam
,
ertneC
,
napJ
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.
01 %tsaey
wine
hcraesR
stneirtun
.
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SATO*
,
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citaloM
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Miustakihc
&
stiripS
3 .
syad
eht
htiw
wer
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ta 051
ni eht
nI a klub
,
Wines
4-chome
detalumits
wine
, 組d
fo lareves
ineo
pH was
by noitidA
HANAMURE
yrotarobaL
,
91 ,
nahoJ
noitaroproC
elbaliava
impo
,
'
neKihci
hcraesR
naicreM
medium
ni Whi et Wines
noitatnemreF
be
m LIg
MLF; ti
.
J ASEV
.
npJ
Vo .l 8,
.
oN2
)
(
7991
アスコルビン酸の MLF
材料と方法
緒論
1.供試乳酸菌菌株
ワイン醸造において,乳酸菌によってしリンゴ
酸 が し 乳 酸 と CO
ク発酵 (MLF)
2
促進効果
Oenococus
に分解されるマロラクティッ
ineo
'
nesnaHs
は,ワインの酸度を低下させ,風味
Oenos
とs
uconeO
.
baL)
]
2,
WYeast
を改善すると同時に微生物学的に安定化する重要
[
arolfinV
.
baL
ineo
,
)
nogerO]
(
naitsrhC
[
yE 2d (
)
8 (OSU
・
司
の 2 株を供試した。
な工程である。
MLF
を誘導する乳酸菌としては ,
cotsonocueL
Oenococcus
属 ,Lactobacilus
sucoideP
.
2 培地
属
,
属,あるいは
菌株の保存,生菌数測定用寒天平板培地および
前培養培地には Aple
属の細菌が挙げられる。一般に,ワイ
ン中における MLF
では,乳酸菌の耐酸性及び耐
アルコ
ル 性 よ り Oenococus
Leuconst
)
sone
zneo
ineo
Rogsa
組成はリンゴ果汁 200mL
旧名
酵母エキス (
)
ocfiD
が優勢となる (
6
)
0 O
enocus
水 08
, トリプトン (
)
ocfiD
5g ,ベプトン(
)
ocfiD
ルコース 5g ,Twen
の栄養要求性は複雑で,アミノ酸としては,
培地を用いた。その
20 g ,
5g ,グ
08 (5% 水溶液) 1 mL,蒸留
mL で pH を.
55 にリン酸で調整し
121
,
'
C
アルギニン,イソロイシン,グルタミン酸,およ
51 分滅菌して用いた。なお滅菌後の培地 pH は.
52
びトリプトファンを必須に要求し,至適な増殖に
であった。酒母培地としてブドウ果汁培地を用い
は更にグリシン,メチオニン,システイン,ロイ
01 )
xirBO
た。その組成はブドウ果汁 (
シン,アスパラギン酸を要求する(7)。更に,パン
母エキス )
(
ocfiD
トテン酸,ニコチン酸,チアミン,ピオチンある
ス 1g
いはパントテン酸の誘導体(1)等も要求する。
1g ,ペプトン )
(
ocfiD
,Twen
mL ,酵
1g ,肉エキ
08 (5% 水溶液) 1 mL で pH を炭酸
co , 51
カルシウムで .
40 に調整し, 121
MLF
10
分滅菌し
菌の生育は pH ,亜硫酸,アルコールおよび発酵温
た。生育因子の検索はeisacruoF
度によって影響をうけ, pH は.
33 '
"
'
'.
35 を境にし
を pH .
35 に改変して用いた。 MLF
て低い場合は MLF
種のワインを使用した。ルーマニア産輸入バルク
が生起せず, pH が高くなるに
らの合成培地 (
)
2
の試験は次の 3
従って誘導され傾向にある (
)
4 。また,野生乳酸菌
白ワインはアルコール分 12.1%
による MLF
/
w)
v ,pH .
35 ,
(
/
wv ,酒石酸換算),エキス分 2.8% (
は pH .
35 以上では 6 週間以内に終了
(
/
vv ),酸度 0.82%
35 以下のワインでは 21 週間以上を要
するが, pH .
30 ppm
遊離亜硫酸 .
する (
5,
)
6 。亜硫酸に関しては,亜硫酸濃度が 01
4325
'
"
'
'051
白ワインはアルコール分 1.
1 9% ,酸度 0.51%
ppm
のワインでは MLF
は起こらない (
)
01 等
mg/L
,総亜硫酸 801
ppm
,リンゴ酸
であった。アルゼンチン産輸入バルク
(
/
wv ,
の報告がある。これ等の点で,ワイン,特に白ワ
酒石酸換算,エキス分 2.3% (
/
w)
v ,pH .
35 ,遊離亜
インでは低 pH ,不十分な栄養分のため乳酸菌の生
40 ppm
硫酸 .
育には困難な条件が多く, MLF
mg/L
いても MLF
のスタ
ターを用
を制御することは困難であるのが現
,総亜硫酸 01
ppm
,リンゴ酸 5
261
であった。甲州白ワインは '
49 年産甲州果汁
を常法により発酵し,試験に供した。
状である。
そとで我々は,s
uconeO
ineo
の生育促進因子
.
3 培養方法
の検索を行い,アスコルビン瞳が菌の生育および
MLF
arolfinV
の誘導に効果があることを見出したので報告
Oenos
は 凍 結 乾 燥 菌 体 を 10 倍 量 の
30 C の滅菌水で懸濁し, 30
0
する (
)
1 。
後
, 1L 当り 01 '
"
'
'01
添加した。 Ey-2d
は Aple
0
C ,51 分静置させ た
mg になるように試験培地に
Rogsa
培地で 30
0
C ,4
日間前培養を行い,それを 2% 量になるようプド
91-
.
J ASEV
.
npJ
Vo .l 8,
.
oN2
(
1)
79
小谷恭弘,花牟礼研一,佐藤充克
ウ果汁培地に接種し, 30t
,3 日間培養を行って
器で検出した。
乳酸菌、の生菌数の測定は Aple
酒母とした。その酒母を 2% および 0.2% になるよ
法で測定した。測定範囲は 10 3
うに試験培地に接種した。合成培地による添加物
いた Viable
の検索は 50 m lL 10
CFU/ mL以上とした。
mL 三角フラスコで 30 t で行
った。ワインを用いた MLF
の試験は 20t
で行っ
count
その他のワインの分析は国税庁所定分析法(1 )
3
た
。
に基づいて測定した。
.
4 分析方法
実験結果および考察
合成培地による添加物の検索は,定期的にサン
1.合成培地を用いた MLF
菌の生育に有効な添加
物の検索
プリングを行い,生菌数を測定した。ワインの
MLF
培地を用
Rogosa
の分析は定期的にサンプリングを行い,有機
らの合成培地を pH .
35 に改変し,
Fourcasie
菌の生育に有効な添加物の検索を行った。添
酸と生菌数を測定した。ワイン中の有機酸量はイ
MLF
オン排除液体クロマトグラフと電気伝導度検出器
加物は,ビタミン,微量元素,酵母エキス,リン
による液体クロマトグラフ有機酸分析システム
安
, Tween
(株島津製作所製)を用いて測定した。分離条件
母菌体懸濁物はワイン発酵後の酵母を遠心集菌
はカラムは Shim-
pack
SCR
司
102H
(
8 mm .
I.
D X 30
L)
を 2 本直列接続し,移動相には 5 m M p
mm .
80 ,酵母菌体懸濁物等を供試した。酵
し
, 01 分の l 量の蒸留水で懸濁した。それを滅菌
後 , 培 地 に 10%
ト
添加した。 MLF
の乾燥菌体を 1L
菌 は Vinflora
当たり 01 mg になるよう
ルエンスルホン酸を用いた。検出条件は緩衝液に
Oenos
5 m M p- トルエンスルホン酸, .
01 m M EDTA
接種した。接種した生菌数は1. 0 X 10
を含
水溶液を用い,電気伝導度検出
siBrt
む 20 m M -
elbaT
.
1 stcefE
fotneirtun
Non
Vitamn
lotisonI
cibrosA
Yeast
Tween
ade
noitida
on growth
tcartxe
80
(NH 4)
2HP0 4
lareniM
erutxim
mI erutx
lareniM
tsaeY
llec noisnepsu
(
1)
*
3
(
)
2*
4
*
5
.
soneO
fo elbaiv
7 syad
N.D.*I
N.D.
N.D.
.
26 X 10
.
46 X 10
N.D.
.
40 X 01
.
43 X 01
.
20 X 01
.
28 X 01
巴
dica
fo aolfiniV
Number
(%)
*
erutxim2
.
010
.
050
.
051
5
0.
.
01
1
0.
.
010
.
010
.
010
sllec
(CFU/ mL)
20 syad
4
5
3
4
3
4
N.D.
N.D.
N.D.
1 X10
2.
.
15 X 01
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
.
20 X 10
6
8
6
*
1 ・Below
01 3 CFU/mL
*
2・引elnimativ
erutxim
saw na suoeuqa
noitulos
ehtfo gniwolof
noitisopmoc
(
lgm )
Lm:laxodiryp
,
;
051
cinehtotnap
dica ,
;
57 nitoib
,
.
;
75cinitocin
dica ,
.
;
75nivarfobir
,
.
;
75 cilof dica ,
.
75
*
:
3 lareniM
erutxim
(
)
1 w
as na suoeuqa
noitulos
ehtfo gniwolof
noitisopmoc
(
lgm )
Lm: MgS0
,
.
;
50
407Hp
MnSO 4・
4-6H"
,
O.
;
0v
5 ,
F.
eSO 4・
7H.
,
.
.
05
'
.
.
.
.
.
.
2',
.
.
.
.
.
.
.
'
.
.
.
.
.
2O ,
*
:
4 lareniM
erutxim
(
)
2 was ba suoeuqa
noitulos
fo eht gniwolof
noitisopmoc
(
lgm )
Lm: CuS0 4・
5Hp ,
.
;
50
KI ,
.
;
50 N~Mo04・ 2HP,;
01 ZnS0 407Hp ,
.
02
hetsaey llec noisnepsus
saw made
morefniw
noitatnemref
.
htorb
slleC deniatbo
noiybtagufirtnec
fo
*
:
5τ '
orb
erw dednepsus
ni 01 mL
dellitsid
retaw
dna devalcotua
ta 121 0C rof 51 .
nim
01 mL ht,
-
CFU/mL
で
あった。その結果,添加物を加えていない培地で
noitartnecnoC
etartsbuS
6
V~."
"
.
.
.
.
.
.
-92-
.
J ASEV
.
npJ
Vo .l 8,
.
ON2
(
1)
79
アスコルビン酸の MLF
は培養 20 日を経過しでも生菌数は 10
3
.
2 添加物の MLF
CFU/ mL 以
MLF
下であったが,酵母エキス,アスコルビン酸の添
促進効果
誘導に及ぼす影響
菌の生育に効果の認められた,酵母エキス
以上の生菌数にな
とアスコルビン酸のワインに於ける効果をルーマ
った。酵母菌体懸濁液では 20 日日で生育の兆しが
ニア産輸入バルク白ワインを用いて検討した。酵
認められた (
elbaT
母エキスは 0.1% ,アスコルビン酸は 150
加により, 20 日で 01
8 CFU/mL
)
1。
添加濃度とした。発酵は 60
酵母エキスについては,その含まれるビタミン,
enocus
アミノ酸等の影響で O
MLF
ineo
mL の ワ イ ン を 720
mL 瓶に分注し, 20 'Cで発酵を行った。
の生育及び
arolfiniV
の誘導に効果があることが報告されている
Oenos
mg lLを
MLF
の乾燥菌体 9 mg を接種した。接種
CFU/ mL であった。ワイン
2 。酵母菌体についても同様の報告がある (
3,
(
1)
5 X 01
した生菌数は 1.
)
41 。今回の結果は,それを再現し,検索法の妥当
のリンゴ酸量の経時変化を.
giF
性を示す結果と思われる。なお,この両者の効果
時変化を Fig.2
の差は添加量に起因すると思われる。すなわち今
の進行は,添加物がない対照区では MLF
回の酵母菌体の添加量は,実際のアルコール発酵
後 40 日経過しでも MLF
後の酵母量を想定した添加量であったが,酵母エ
菌 数 は 接 種 後 速 や か に 減 少 し , 40
キスの添加量は Tracy
CFU/mL
らの報告(1)
2 に基づいた濃
菌は
6
1 に,生菌数の経
に示す。供試ワインにおける MLF
菌接種
の進行は認められず,生
日 ま で 10
3
以下であった。酵母エキスを 0.1% 添加し
度であり,その量は酵母菌体の数倍量に相当する。
た場合,生蘭数は対照区と同様,接種後速やかに
一 方 , ア ス コ ル ビ ン 酸 が 酵 母 エ キ ス と 同 様 MLF
減少するが, 30 日頃以降生菌数が増加し, 40 日目
菌の生育に効果を示したことから, MLF
には 01
誘導に効
7
以上になった。リンゴ酸の減少
CFU/mL
程度まで増加した 34 日
果を示す可能性が示唆された。また酵母エキスの
は,生菌数が 01
添加はワインの酒質を損なうため実用には適さな
目
"
'40
いが,アスコルビン酸の添加はワインの酒質には
一方,アスコルビン酸を添加した場合,生菌数は
影響を及ぼさないので, MLF
7 日目には 01
の誘導に効果があれ
6 CFU/mL
日目の間に認められ, MLF
4
まで減少するが,その後速
CFU/mL
やかに増殖し, 2 日目には 01
ば,有用な技術になると思われる。
6 CFU/mL
500
2h自﹀沼詰品畠占
400
qu
nunu
nunu
nunu
4
内
10
o
o
10
20
Time
.
giF
.
1 E百
st'
ce fotneirtun
noitida
00
30
40
(
)
syad
eht tar
巴f
o
39
cilam
dica noitcuder
が進行した。
ni klub
etihw
.
eoiw
に達した。
.
J ASEV
.
npJ
Vo .l 8,NO.2
(
)
791
小谷恭弘,花牟礼研一,佐藤充克
8
(同目、口凪U
互
主
Y
cibrtoscaseA
lortnoC
7
削
dica
切 己者住吉岡国0
q
0
6
5
4
3
2
o
10
Time
.
giF
2stceffE
fotneirtun
が生起し, 3
それと同時に MLF
noitida
40
(
)
syad
noIaretcab
日目にはリンゴ
htworg
ni klub
etihw
.
eniw
の早期誘導に酵母エキスより効果があることが判
酸がほぼ消失した。
MLF
30
20
明した。なお,アスコルビン酸が MLF
の生起には 01
菌の生育
CF U/mL 以上の菌数が必要
に効果を示す原因としては,栄養素としての効果,
とされる (
)
2 。以上の結果より,アスコルビン酸の
あるいは酸化防止剤として乳酸菌,特にその細胞
添加がワインにおいても MLF
膜の酸化的ストレスからの防御効果が考えられ
6
果を示し, その結果 MLF
菌の生育促進に効
の誘導を早めることが
る
。
出来たと思われる。 またアスコルビン酸が MLF
140
120
言100
g
唱
'
0
偲
80
Q
苦 600
冨
400
200
O
o
50
10
Ascorbi
.
giF
.
3 Time
esruoc
focitcalolam
dica
noitatnemref
-94
-
30
200
(mg/L)
ni Koshu
.
eniw
50
.
J ASEV
.
npJ
Vo .l 8,
.
oN2
)
(
7991
アスコルビン畿の MLF
て 26 日固までは MLF
.
3 アスコルビン酸濃度の検討
影響を調べた。発酵は 60
瓶に分注し, 20 "cで行った。
にかかわらず MLF
の誘導に及ぼす
mL のワインを 720
MLF
が誘導され, arolfiniV
Oenos
で
はリンゴ酸がほとんど消失した。一方, Ey 2d で
mL
・
は 01 6 CFU/mL
菌 はarolfinV
接種したワインにおいて,
elbaT
酸の消失は約 6 割程度であった (
の乾燥菌体 9 mg を接種した。定期的にサン
Oenos
の生起が認められなかった
4 日目にはアスコルビン酸の添加により菌株
が
, 3
アルゼンチン産輸入バルク白ワインを用い 7て
,
アスコルビン酸添加濃度が MLF
促進効果
リンゴ
)
2 。菌株に
プリングを行って,ワインのリンゴ酸量を測定し,
より進行速度に差は認められたが,無添加に比べ
MLF
て,いずれの菌株においてもアスコルビン酸の添
の生起を調べたが, 26
試 験 区 で MLF
日固までは,全ての
加効果が認められた。
は誘導されなかった。 34 日目には
アスコルビン酸を添加したワインではリンゴ酸の
減少が認められ,その時のリンゴ酸量を.
giF
3に
5.MLF
アスコルビン酸が MLF
示す。
アスコルビン酸 50 m gJL以上の添加で明らかに
MLF
甲州ワインの試醸
の誘導に効果があることが分かり,添加濃度
の早期誘導に効果があ
ることが認められたので,従来 MLF
の誘導が困
難であった低 pH の甲州ワインで MLF
誘導を試み
の増加とともにリンゴ酸の減少量は増加する傾向
た。甲州果汁lO L を常法により発酵し,これに
.
giF
を示した (
051
は 10
)
3 。但し,供試したワインにおいて
mg/L
にて MLF
を生起しにくいワインでも,
アスコルビン酸の添加量を増加すれば, MLF
L アスコルビン酸を添加後, MLF
凍結乾燥菌体arolfiniV
程度の添加量で充分であると思われ
た。以上より, MLF
mg lLの
を 1g 添加し, 20 C
発酵を行った。 elbaT
ワインおよび MLF
を早
Oenos
用
0
3 に MLF
前の甲州
後の甲州ワインの分析結果を
giF
示す。またリンゴ酸及び乳酸量の経時変化を .
期に誘導できることが示唆された。
4 に示す。
通常 pH 3 .4以下のワインでは MLF
が完了する
)
9 ,さらに pH .
351
には 40 日以上要し (
のワインで
.
4 菌株によるアスコルビン酸添加効果の比較
Oenocus
ineo
のarolfiniV
Oenos
と Ey-2d
の2
種類の菌株について,アスコルビン酸添加効果の
は 461
比較を,アルゼンチン産輸入バルク白ワインを用
32 の甲州ワインは 01 日日頃からリン
加した pH .
い て 行 っ た 。 ア ス コ ル ビ ン 酸 の 添 加 濃 度 は 150
ゴ酸の減少が始まり,それに従って乳酸の生成が
mg/L
CFU/mL
で,各菌株とも接種生菌数約 1
0
6
と 01
認められ, 2 日目にはほぼ MLF
7
.
2
tcefE
focibrocsa
lairetcab
llec
niartS
dica noitida
htworg
foarolfiniV
ezls
(CFU/mL)
arolfiniV
Oenos
Oenos
.
1 5 X 01
cilaM
6
.
1 5 X 01 7
Ey-2d
N. .
D: Below
no cilam
mulconI
.
13 X 01
.
1 3 X 01
01
3
6
7
が完了した (
.
giF
)
4 。このように, pH .
32 の甲州ワインにおいても
について試験した。全試験ワインにおい
elbaT
日要するとされる (
)
6 。アスコルビン酸を添
lortnoC
dica
(mgι)
1,
474
1,
083
1,
105
1,
423
CFU/ mL.
-95-
dica noitadarged
dna
dna
yE.
d2
airetcaB
(CFU/mL)
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
cibrocsA
dica
cil民
afi dica
(m)
LJg
41
75
506
51
dea
airetcaB
(CFU/mL)
.
30 X 01
.
39 X 01
.
67 X 01
3.
4 X 01
7
7
6
7
.
J ASEV
.
npJ
Vo.l 8,No.2
(
1)
79
小谷恭弘,花牟礼研一,佐藤充克
elbaT
metI
.
3 lacitylanA
atad
fo Koshu
wine
erofeb
dezylan
Koshu
MLF
erofeb
(
%
,/
v)
v
elbatartiT
ytidica
(%saciratrat
cilaM
dica
(m)
LIg
citcaL
dica
(mg 江)
)
dica
retfa
た
。 MLF
明らかとなった。
前後のワインを官能評価により比較した
.
33
.
218
0.
47
29
の誘導に及ぼす効果を検討し,以下のことが
1.ワインに,アスコルビン酸を 051
前のワインは爽やかな酸味とクリー
ンな香味で良好なワインであった。一方, MLF
MLF
0231
MLF
のワインは,
wine
081
572
アスコルビン酸の添加効果が明らかに認められ
ところ, MLF
ML .
F
.
32
1
31 .
.
026
pH
lohcA
and retfa
ことで MLF
後
mg lL添加する
誘導に効果があることが判明した。
.1% 添 加 し た 場
また,その効果は酵母エキスを 0
リンゴ酸が乳酸に変換したためと考
えられるが,酸味がまろやかになり,フレーパー
合より有効であることが判明した。
に広がりが出て,飲みやすく高級感があるとの評
.
2 アスコルビン酸添加による MLF
価であった。
その讃度が 0
5 mg lL以上で認められ,
の誘導効果は,
05
mg lLま
では濃度依存的であった。
要約
ワインに於ける MLF
.
3 アスコルビン酸の添加効果は, 3 種の異なる白
の誘導を早めることを目
35 に改変した合成培地を用いて, MLF
的に pH .
である s
uconeO
ineo
ワインにおいて確認された。このことから,本効
菌
果は一般的なワインにおいて応用できるものと推
の生育促進因子の検索を行
察される。
.
4 Oenocus
った。アスコルビン酸,酵母エキス,酵母菌体に
ineo
に分類される 2 種の菌株につい
おいて生育促進効果が認められた。アスコルビン
て,アスコルビン酸の添加効果を調べた結果,
酸に関しては,従来その報告例がなかったので,
MLF
の進行に若干の違いがあったが,その添加効
2000
31500
唱
5
31000
.~
)
t)
J
o
500
。。
5
10
15
Time
.
giF
.
4 Time
esruoc
focitcalolam
noitatnemref
ι
9
20
25
ni Koshu
.
eniw
(
)
syad
30
.
J ASEV
.
npJ
Vo.l 8,
.
ON2
(
1)
799
アスコルビン酸の MLF
果はいずれの菌株においても認められた。
出eci
toclaIm
.
5 従 来 MLF
fo noismsnart
の誘導が困難であった,低 pH の甲州
を完了させることができた。
Bevrags
その結果,まろやかな酸味の飲みやすい,従来と
gnituC
タイプの異なる甲州ワインを製造することができ
serP
以上,ワインに.
0.
5.
.
.
. 50
酸を添加することで, MLF
and
and
dna
の誘
導方法と思われる。但し,アスコルビン酸の MLF
菌の生育因子としての使用は,酒税法上認められ
これが認められ,実用的な MLF
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treamns
noitanemref
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G .
R Duk
,and
by Leuconstoc
sniarts
noitadarged
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sniarts
,R
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B ,and .
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F ednalG
niks
伊.
na
noitanemrf
.
01 duanyeP
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G .
C
(
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3 Belman
grape
,and
olcaimtcal
der elbat
:
13 962672
dna
focitcal
.
noitacifiniv
citaloam
:
901
dna
rp 巴ss ,
Lond
sone
ot ecudni
A.Mau
S 忌uaberu
ni B 巴segarev
.
,c .
V gnituC
of c
otsnueL
ainvlysneP
srotcaF
airetcaB
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C V.
,Academic
,
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T .
H Le
,
.
P,
E
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agkMadniboK
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9 Mayer
rotcaf
rof ocliatmcal
,R
..
B ,
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dica
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pp 30181
fo a htworg
ecnacifingis
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G π
aC
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2 Belman
and
erutcurts
ni
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noitaulvE
法になることを期待したい。
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and seiceps
gnirud
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8kcineH
の誘導方
airetcaB
by .
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,
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G Morisn
.
J App .l tcaB
ていないので,現在のところ実用には問題がある。
on
(
1)
579.
.
7eisacruoF
来報告されている酵母エキス等と異なり,ワイン
dica
,
detide
.
G .
C g
nithW
:
53 4181
ることが判明した。また,アスコルビン酸は,従
将来,
Fod
,
London
ni seniw
の誘導促進に効果があ
の 酒 質 に 与 え る 影 響 が 少 な く , 有 用 な MLF
:
nI citcaL
t Numbers
elF .
mg lLのアスコルビン
百y
etillibissop
and sti tcefe
.
seitreporp
.
6 oletsoC
た
。
ni .
seniw
by noitaluconi
citpelonagro
ワインにアスコルビン酸を添加することにより,
比較的短期間で MLF
noitatnemref
促進効果
tcefa
581
,dna
eht natops
A.
.
inidnaG
suo noitaitini
巴
fo
-97-
,
.
C .
J Malo
Wyk
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(
1)
679.
.
seniw
cit・
cal
noitanemref
Am. .
J Eno .
l.
citiV
ni South
:
72 18