ていただきました。悩み、新たなアイヌ文化創造への今後の展望などを語っ文化に関わるきっかけや伝統文化を伝承していく上でのアイヌ文化のいま座談会北かアイヌの伝統と文化は、アイヌ文化のいまを担っている若い人たちに、アイヌ﹁アイヌの伝統と文化﹂シリーズの最終回として、今回盆でした。うという気持ちになり、最初に彫ったものがおのものでもインパクトがあるものを彫ってみよに先輩方の見る目が変わりました。その時に、お盆を先輩方に見せたところ、その素晴らしさ受け継いだお盆があるのですが、ある時、そのそのきっかけは、僕の家にひいおじいさんからるようになったというのが正直なところです。によってそれが自分のなかで薄れていき、彫れことができませんでした。でも、あるきっかけでは、伝統工芸にどうしても抵抗があり、彫るめたのは 30 代半ばくらいだと思います。それました。しかし、伝統的なものを前向きに彫り始で、常に幼少の頃からアイヌ文化に触れていまわっておりましたの彫りや織物とかに携父親も親類も皆、木れてきたところで、アイヌ文化が伝承さ観光客がアイヌ文化を見に来るという環境にあのすぐ側にアイヌ部落がまだありました。また、野れ当本まにしそ僕たのが。一つ小の学曲生、のア頃イにヌはの、歌通っがて私いをた変小え学て校くその歌を覚え、今でも時々歌っていますが、本た。その時に初めて聴いた歌にすごく感動して、てみたい、語ってみたいと思うようになりまし動して、私もやってみたい、あんなふうに歌っしかし、文化祭を見た時、心の底からすごく感すけれど﹁見せ物﹂的にしか思えませんでした。化を素晴らしいとは思えなくて、言葉は悪いでイヌの踊りを見たことはありますが、アイヌ文になぜかなりました。それまでは、観光地でアありましたが、それを見てみたいという気持ち１９８９年に札幌で第１回アイヌ民族文化祭が母親に聞いて初めて分かりました。それで、すが、私はアイヌではないかという気がして、らずに育ちました。中学生になる頃だと思いま鹿て日田、本初人私めとはての自自区分分別がががアアよイイくヌヌわだだかととらい認ずう識、こし中とま学をし生全たにく。な知っ品に地名、名前などを彫る︶を行うようになりうろ覚えに彫れるようになり、記念彫り︵工芸っと見て育ちました。中学生くらいの時から、芸品店をやっていたので、アイヌの工芸品をず貝澤真紀は関連のない仕事に就きました。ある時、白老高校を卒業後も、札幌へ出てきてアイヌ文化とたっても関わる文化ではないとその頃は思い、せんでした。けれども、僕にとっては将来にわったので、アイヌ文化に対して違和感はありま私も二風谷で生まれ育ち、実家が民貝澤真紀氏アイヌ工芸製作︵平取町︶貝澤徹氏アイヌ工芸製作︵平取町︶僕の気持ちも変化して、アイヌ文様という平面出鹿野席田本者川正見博氏氏旭ア川イ市ヌ博民物族館博学物芸館員学︵芸旭員川︵市白︶老町︶道平取町︶は昔からて貝い澤る徹二にぶ風た僕谷にの︵暮北ら海しれて育っていたので、自分のなかではアイヌとしょうか。るようになったきっかけはどのようなことで︱最初に、皆さんがアイヌ文化に密接に関わしずつ彫ってきました。ずっとアイヌ文化に触た。それが自分の励みにもなって、少しずつ少分の作った物を出して、奨励賞をいただきましらの発信アイヌ文化に関わるきっかけ 17 歳の時、北海道ウタリ協会のコンクールに自国土交通 2003. 9 ました。本格的に彫り始めたのは 20 歳過ぎです。 78 アイヌ工芸品展の展示資料のチェック作業（鹿田氏）が好きだから、アイヌ語を学ばずに工芸で生活人たちが覚えていけばいいだろう、自分は工芸貝澤真紀︵１月８日 ∼ ２月 15 日︶で開催されます。物館︵ 10 月 12 日 ∼ 11 月 30 日︶、国立民族学博物館が、今年度は徳島県立博物館︵終了︶、旭川市博ょうか。みや課題も出てくると思いますが、どうでし︱文化活動を行っていく際に、いろいろな悩 79 アイヌ語は勉強していこうというめさせてもらっています。学芸員の資格を取得し、今、旭川市博物館に勤る﹂という、そのことだけを目標に通信教育で振興財団﹂︶の事業の一つであるアイヌ工芸品展アイヌ文化振興・研究推進機構︵以下﹁アイヌ文化アイヌ文化振興法の指定法人である財団法人文化活動の悩みや課題う文化的な一面もあるということです。国土交通 2003. 9 のことを勉強できる、勉強しながら仕事ができした。﹁いつかきっと博物館に行ける、アイヌ育を受ける気になりまっかけで大学の通信教とを聞いて、それがきに勤められるというこの資格を持てば博物館に、大学を出て学芸員えてもらっている時鹿っ︱田て現い在アるどイののヌでよ語しうをょな形教うでか。アイヌ文化活動に関わり、今に至っています。博物館に戻り、勉強し直して学芸員の資格をと行為につながるということを認識し、もう一度ができ、それが先住民にとって非常に戦略的なに見られるだけではなく、文化を発信することいを通じて、博物館は自分たちの文化を一方的住民の活動に触れてきました。これらの触れ合ドといったところを積極的に回って、世界の先その時期に、アラスカや台湾、ニュージーランその仕事を２年ばかり離れたことがありました。したが、ある時期、すごくストレスがたまって、作ったりしていました。長くそこに勤めていま礼などを伝承したり、儀礼で使う道具類などを普通の生活であり、ただ生活のなかでもそうい一部であって、彼等の生活の基本となるのは、ているわけではありません。それはその文化の衣︶をつくったり、キナ︵ゴザ︶を編んだりし︵英雄叙事詩︶を語ったり、アットゥ野い現本と状思は有いこ名まうなすだ伝。とい承う者このと方も々教もえ、ないけつれシもば︵ユい樹カけ皮ラな貝澤真紀います。のもあり、最近このような要望が非常に増えての人々の生活について教えてくださいというもいに伝統的な文化だけではなく、現代のアイヌ昔のことだけを教えるのではなく、て、それから積極的に踊るようになりました。や見る側の姿勢の違いというものを強く感じでアイヌの伝統舞踊を初めて舞台で踊りまししのなかでも出てきた第１回アイヌ民族文化祭うになってきました。その後、鹿田さんのお話ヌ民族ってちょっとかっこいいな、と思えるよアイヌの精神文化に触れることによって、アイの復元やイオマンテ︵熊の霊送り儀礼︶を通じ関わるきっかけになりました。それ以後、チセト感覚で関わったのが、アイヌ文化に積極的に屋︶を復元するという仕事があって、アルバイのアイヌ民族博物館でチセ︵アイヌの伝統的家歴史や文化について解説をしながら、踊りや儀り、日常業務として、観光客に対してアイヌの野たる本ちこととア一もイ緒なヌにく民自つ族分な博もがっ物アイて館ヌいに語く勤をと務勉いす強うるし思よていでうい、にま子なす。供れど、ちょっとでも覚えている人がいれば、途絶え助手をしながら、自分は極められなくてもいいけじるようになりました。今、アイヌ語教室の指導さんあって、アイヌ語を面白いかもしれないと感んや、母、父が使っていたアイヌ語の単語がたくいった仕事を始めると、小さい時に、おばあちゃ語教室の指導助手、アイヌ語ラジオ講座の助手とアイヌ語育英資金調査研究員や子供向けのアイヌしていきたいと思ってきました。しかし、萱野茂ます。質問もさまざまなものがあって、昔みた博物館では、展示解説や質問対応を行っていの人たちに少し関わってもらうというスタイル今までは、博物館側が企画して、そこにアイヌようとしているんだよ﹂というメッセージです。ンティティを持って、先祖の文化を学んで伝え生活のなかでも、アイヌとしての民族的アイデテレオタイプ的なアイヌではなくて、﹁現在のめられています。日本人がイメージしているス化伝承の姿を見てほしいというメッセージがこを通して、自分たちの今を見てほしい、今の文この展覧会は、アイヌ自らが企画立案し展示文化活動への現在の関わりってきたようです。た。その時、観光地の踊りと舞台の踊りの違いでしたが、ようやく日本のアイヌの展示も変わアメリカ・スミソニアン博物館にて制作したチセとともに（野本氏）のでは生活できない。そうなると新しい物、今のある木のお盆など伝統的な物だけを売っていたんの目から見ても伝統から離れて新しい物に変貝澤真紀ジをしてい私またすち。が今作っている物は、お客さたどりつき、今は、いろいろなことにチャレンの都度考えるべきことではないかという結論にものというのは、その伝統を担うべき人間がそえてみました。自分のなかでは、実は伝統的なかということをすごく疑問に思って、自分で考りました。では、伝統的なものはいつできたのドバイスしてくれました。これで自信を取り戻んは真紀ちゃんの文様を描けばいいんだよ﹂とア止まってしまって発展しないのだから、真紀ちゃ伝承して受け継ぎ、創造していかないとそこでその友人は﹁今生きている私たちがアイヌ文化をなのかなと思い、友人に相談しました。すると、がなくなってきて、私の描いている文様は間違いと言われました。それから、たっぷりあった自信れば変わるものだな﹂かったのに時代が変わ﹁昔はこんな文様はな時、私のおじさんにんでいましたが、あるつも地面に描いて遊様がすごく好きで、い貝澤真紀学び始めたのが 28 歳からです。この３、４年、家鹿恥積田じしなて私いきはよた、うもアなのイもなヌのの語をでを彫、な全っるてくいべ知きくらた崩ないさいでなですい育。ようってな、、ただ、彫るからには、先輩方が今まで努力して蓄化して、新たな物に施されてもそれは伝統です。してきました。僕たちが彫るものもこれから変時代に合わせて、お盆に彫ったり茶托に彫ったり例えば、最初はアイヌの民具に施していた文様をたちもその時代に合わせた物を作ってきており、というと、それは違うと思います。これまでの人まい伝か携貝昔すで統らわ澤な。いと関っ徹けいわてがばうっい父らいのてるのいはき環親おの、た境は盆かどもで彫をとこの育り現考まがっ物在えで伝て、母もなが統き親彫が伝とたはっら統理のアて現で解でッい、在、しれて今トばにどいまゥシい至うまいっ受すで織のてけが幼りかい継、少にいます。らと、胸を張って言えるようになりたいと思っても、私が作る物も将来は伝統的なものになるか作っていこうと思っており、誰かに何か言われて止めておいて、それを元手に新しい物をどんどんにこだわらず、伝統を自分の中にきちんと受けされていくのではないか。だから、私はその伝統０年後には昔の伝統的なものとしてきちんと残ていたならば、私たちが今作っている物も、１０文化を忘れずにきちんと自分の胸に留めておいし、私は、作る物の形が変わってもアイヌの精神のではないかと言われることもあります。しかていますが、そうすると伝統からかけ離れているを作ってみたらどうかなど、いろいろチャレンジしお客さんが喜ぶような物、例えば携帯ストラップいたくないと答えまし６割がアイヌ文化を失います。先日発表され般の人たちに紹介しておかれている状況を一観、あるいはアイヌが野とは本をい考ろい多えろくてなのほ場研し面究いでで者す、が。自分、アはイどヌうのし世た界い観とやい自う然こになって、アイヌ語を話せるようになりました。今そういう状況にあるのではないかと思うようはないといわれながらも話さなければいけない、きなくなりました。仲間の助言もあり、本物でて、人前では話したり歌ったりすることが全くでは耳障りなのだろうかなどと悩んだ時期があっいるだけなので、実際の生の声を知っている人にープだけを聴いて勉強しました。テープをまねてく悩んだことがありました。私は、アイヌ語をテなたのアイヌ語は本物ではない﹂と言われ、すごいました。そこで、ある有名な研究家の方に﹁あが、子供が生まれる以前はアイヌ語の勉強をして庭の事情でアイヌ語の勉強には関わっていませんわっていくように見えるかもしれません。昔からるアンケートでは、約たアイヌの若者に対する自由を与えたいと考えているからです。子供に礼の所作は伝統的ではないと言われたことがあく、子供にアイヌとして生きるかどうかを選択す野て様本いはま自以す分前。のア、イアヌイ文ヌ様研だ究と者いかうら自、信こをの持文ち様や続儀けアイヌとして生きてほしいという思いからではな文化に触れさせたいとは思っています。それは、して、それからずっと今も、自分が描いている文鹿く︱田たこめれ自にか分、らのど、子のア供よイヌにう文なは機こ化会とをがをさあおらる考にたえ発びで展にすさアかせイてヌ。いアイヌ文化の今後の展開国土交通 2003. 9 アイヌ文 80 大阪・現代画廊での「貝澤真紀アイヌ工芸品展」にて（貝澤真紀氏）う若い人たちがいても、環境彫りや刺しゅうをしたいとい受け継いでいけるけれど、木物を店で売って、仕事として持っているので、自分の作った貝澤真紀貝澤徹くなって、触れあうことが大切だと思います。るのではなく、やはり現地に行って、本当に仲良込んだり、インタビューの対象として接したりすりますが、その本を読んで頭に知識だけを詰め貝澤真紀のアドバイスがあれば、教えてください。も知っていただき、お互いを理解しあい、尊重ししい文化を創造するわれわれがいるということり、そして、現在は、伝統文化を育むなかで、新祖の自由の天地でありました﹂ことも事実であように、﹁その昔、この広い北海道は、私たちの先そうですね。私たちは、現在も民族衣あうお付き合いがしたいと思います。 81 今、アイヌに関する本がたくさんあ国土交通 2003. 9 私の実家が店をいずれにしても、アイヌ神謡集の序文にもあるつくりたいと考えています。︱アイヌ文化をもっと知りたいと思う人たちへいちはやく活用して、広げた方がいいでしょうね。た、アイヌの自然観や世界観、あるいはアイヌがお身の対応があまりにも少ないように思います。また。しかし、そういう若者たちの意識にアイヌ自イヌ文化に関心を持つ人が少ないということで鹿らつ田なくいる博このが物とで館は、今のな、仕い私事かたにとち携思がわい最りま初感すにじ。やらるなこけとれはば、アなもできる、生活もできるという、そういう環境をんと働いて、その給料で彫刻もできる、刺しゅう度にしかできません。私は、望む人たちがきち間の研究をするというのは一番おかしいことだを目的として来てほしくありません。人間が人いろ触れあうのはいいと思いますが、調査や研究理解が得られると思います。特に若い人には。のようなことは地元に来て触れてもらうと一番装を着て生活しているわけではありませんが、こ一切取り組まなかったために周りに比べると出たので、今、 10 年ちょっとになりますが、それまでうなあり貝にしイるも団てか僕か方り産澤行てヌのしの行なそは。向、業徹う産のでれ補かいれこ業デしま助なとかに日と、 30 ら持本し僕とにザょせ金い、代っのてもがつイうんがだ今、日アて伝あそ必なンかがあろ過い統るげは。、るう的イぎ要うく工程る素やそうとなヌか必芸度思な晴はれち思文文らいのと要らりがいい化化で、品自のもがと立まはっし、途は伝文ま伝産すた今いあ統な活のの切化すしで承業るてき。的い動で段れの。継とアのかなた継イは認る承き、を階スでと物はめこす思もそで場承ヌムちをならとるいっれ、合は文ーん彫いれがにまとを例にで化ズとりでる必はす組商えどき振に結始しよ要や。織品ばうる興流びめ的化アなか財れつょうではと考えています。ーストラリアやカナダの事例を踏まえ研究したいや博物館の展示への先住民の関与のあり方をオ源を活用した先住民活動、例えば、自然ガイド研究をしています。先住民の文化資源や環境資野やで本誤す解か僕をらはな、、く博ビし物ジた館ネいのスと仕に考事つをなえ通てがいしるまてよ、うすそ。なう先い住う民偏の見は、決してアイヌは特別ではないということです。ことが知られていない。分かってほしいと思うのが受け継がれている一方で、当然知っているべきたちでさえも偏見を持っています。そういう偏見を開きますが、なかなか人が集まらない。その他す。博物館でいろいろとアイヌ文化に関する講座野学使本んおでう逆使とにうす言こるうと人とはや、い会そい社うとがい思しっいったまかこすりとがアも。イ自ヌ分のたこちとでを語があると、それを商品名にしようとします。ています。例えば、ちょっとした響きのいいアイヌ用することだけが目について、妙にさめてしまっですが、最近、アイヌ文化を十分に理解せずに利鹿うイう田のヌこでをとアは見がイなにあヌい来りのかたまこととと思いしをっうたすたの。ごこは金くと、が理がちな解あょいしりっかてまとらもし考北らたえ海い。方道がのたい違ア自分は金がないから北海道に来ました︵笑︶とい文化の研究が与えられ、友達は海外へ行ったが、貝はお触澤大付れ徹歓きあ迎合う以でいの前おすで、待るは大ち、な学しそく生てう、がいい人課まう間題す考とと。えしでてしい、てらお先っ友生し達かゃとらるし異方てと思います。そういう研究の材料としてアイヌと現代の感性で木彫に挑む（貝澤氏）が整っていないために趣味程かれている状況などをもっと積極的に紹介してい遅れていると思います。このため、少しでも多くで、やはり発展性のある物を彫りたくて、彫り続けているのですが、そのなかもっとアイヌ文化を知るために対する偏見が多いということも感じます。子供に、いろいろな人と接することを通じて、アイヌにくべきではないでしょうか。貝澤真紀そういう偏見を持たずに来て、いろ