71

ソラフェニブ
表 2.7.6.22-1
2.7.6 個々の試験のまとめ
肝細胞癌患者を対象に本薬 400 mg を 1 日 2 回反復投与した際の
BAY 43-9006 の薬物動態学的パラメータ(試験 10874 [5.3.5.2.3])
Child Pugh
n
A
B
15
6
AUC0-8,ss
[mg·h/L]
25.4(38.4)
30.3(82.1)
Cmax,ss
[mg/L]
4.92(38.7)
5.97(73.8)
tmax,ssa
[h]
1.0[0 - 12]
0.5[0 - 8]
幾何平均値(幾何 CV%)a: 中央値[範囲]
Child-Pugh B 患者における BAY 43-9006 の Cmax,ss 及び AUC0-8,ss は,Child-Pugh A 患者と比較し
やや高値を示したが(表 2.7.6.22-1),肝機能障害がない患者でも観察されている範囲の変動で
あった。
代謝物 M-2,M-4 及び M-5 の AUC0-8,ss 及び Cmax,ss を表 2.7.6.22-2 に示した。Child-Pugh B 患
者における M-5 の AUC0-8,ss 及び Cmax,ss は,Child-Pugh A 患者と比較しやや低かったが,個別値の
範囲は両患者群で重なるものであった。M-2 及び M-4 の AUC0-8,ss 及び Cmax,ss は,Child-Pugh A 患
者と Child-Pugh B 患者とで類似していた。
表 2.7.6.22-2
肝細胞癌患者を対象に本薬 400 mg を 1 日 2 回反復投与した際の定常状態にお
ける M-2,M-4 及び M-5 の Cmax 及び AUC0-8(試験 10874 [5.3.5.2.3])
分析対象
パラメータ
単位
Child-Pugh A
Child-Pugh B
M-2
AUC0-8,ss
[mg·h/L]
5.38 (63.3)
5.24 (112)
Cmax,ss
[mg/L]
1.03 (62.4)
0.93 (113)
AUC0-8,ss
[mg·h/L]
1.43 (97.1)
1.68 (173)
Cmax,ss
[mg/L]
0.31 (101)
0.35 (158)
AUC0-8,ss
[mg·h/L]
1.98 (84.8)
1.13 (130)
Cmax,ss
[mg/L]
0.33 (115.6)
0.26 (113)
M-4
M-5
幾何平均値(幾何 CV%)
BAY 43-9006 の曝露量は Child-Pugh A と Child-Pugh B の患者間でほぼ類似しており,安全性成
績についても大きな差異は報告されていない。
【結論】
本試験の結果は,本薬が肝機能の比較的良好な Child-Pugh 分類 A に該当する進行性肝細胞癌患
者の治療に有用である可能性を示唆している。
179
ソラフェニブ
2.7.6.23
2.7.6 個々の試験のまとめ
【国内試験】腎細胞癌患者を対象とした BAY 43-9006 の第 II 相臨床試験 試験 11515
治験課題名:腎細胞癌患者を対象とした BAY 43-9006 の第 II 相臨床試験
(1) 方法
【試験期間】
20
年
月
日(最初の患者の同意取得日)~20
年
月
日(最後の患者の最終来院日)
【目的】
サイトカイン療法による治療歴のある,転移を有する腎細胞癌の患者を対象とし,BAY 43-9006
の有効性,安全性及び薬物動態について検討する。
有効性の一次目的:
BAY 43-9006 の奏効率(RECIST で最良総合効果が CR 及び PR と判定された患者の割合)で評
価する。
有効性の二次目的:
以下の項目について評価する。
1) PFS(無増悪生存期間)
PFS の定義:治験薬投与開始から,病勢の進行又は死亡(病勢の進行以前に死亡が確認され
た場合)までの期間。病勢の進行は画像所見により判定し,病勢の進行日は画像所見が見ら
れた日とする。画像所見が無い場合は臨床所見により判定される場合もある。
2) 腎癌取扱い規約
非観血的治療効果判定基準による奏効率(CR 及び PR と判定された患者の
割合)
3) 生存期間
4) 全奏効期間及び奏効が得られるまでの時間
5) 病勢コントロール率(RECIST で CR,PR,又は SD が確認されてから,少なくとも 28 日間
維持された場合,病勢がコントロールされたと定義する)
6) QOL 評価:FACT-G 及び FKSI(FACT KIDNEY SYMPTOM INDEX)
有効性の三次目的:
バイオマーカー(本薬の臨床的有用性を予測する指標となる可能性のあるもの)
【試験方法】
本試験は,日本人の腎細胞癌患者における BAY 43-9006 の有効性,安全性及び薬物動態を,非
無作為化,非対照,非盲検法で検討する第 II 相臨床試験である。
対象は,サイトカイン療法による治療歴のある,転移を有する腎摘除術後の腎細胞癌患者のう
180
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
ち,Motzer のリスク分類による中等度又は低リスク群の患者である。
「Motzer のリスクファクターとリスク分類」
・ ECOG PS:2 以上
・ LDH:正常範囲上限の 1.5 倍を超える
・ ヘモグロビン:正常範囲下限未満
・ 血清中カルシウム(補正値):10 mg/dL を超える
・ 腎臓摘出の既往がない
中等度リスク群:リスクファクターのうち,1 又は 2 項目を有する
低リスク群:リスクファクターを有さない
本試験参加に適格と判定された患者に,BAY 43-9006 として 1 回 400 mg,1 日 2 回(1 回服薬量:
200 mg 錠×2 錠)の連続投与を行い,病勢の進行が認められた場合,治験薬との関連性が否定で
きず許容できない毒性が発現し治験薬の投与を中止する必要がある場合,又は患者から本試験参
加辞退の申し出があるまで継続することとした。毒性が認められた場合は,そのグレードに応じ
て治験薬を休薬あるいは治験薬の減量を考慮することとした。
治験期間中,安全性(問診及びバイタルサインなど)及び服薬状況の評価を,治験薬投与開始
後 24 週間までは 3 週間毎,その後は 4 週間毎に行った。有効性の評価は,スクリーニング時(治
験薬の投与開始前 28 日以内),治験薬投与開始後 24 週間までは 6 週間毎(又は病勢の進行判定時
のいずれか早い方),その後は 8 週間毎に実施した。腫瘍評価に RECIST 及び腎癌取扱い規約の非
観血的治療効果判定基準を用いた。PR 又は CR を認めた場合には,効果判定から 4 週間以降に確
定のための評価を行った。病勢の進行以外の理由にて治験を中止した場合にも腫瘍評価を行うこ
ととした。QOL は FACT-G Version 4 及び FKSI を用いて評価した。
治験薬投与を中止した場合,有害事象及び併用薬に関する情報を得るために,治験薬最終投与
日から 30 日後に後観察を行い,また,生存及び長期毒性の有無を確認するための追跡調査を,す
べての患者に対して行うこととした。
最終症例の投与開始 24 週後までの評価が確定した時点(20
年
月を予定)で本試験成績の
取り纏めを行うこととした。
また,規定の条件を満たす患者は,
「腎細胞癌を対象とした BAY 43-9006 の継続投与試験」(以
下,継続投与試験)へ移行することができることとした。すなわち,本試験に登録後,所定の評
価を行い,中止基準に合致せず,患者が継続投与試験への移行に同意し,治験責任医師又は治験
分担医師により継続投与試験への移行が適切と判断される場合,継続投与試験への移行ができる
ものとした。なお,継続投与試験では,本薬投与開始 24 週後の評価が確定した患者及び投与終了
後の検査観察を実施中の患者を対象とすることとした。
181
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
継続投与試験への移行期間中は本試験を継続するものとし,継続投与試験の対象となった患者
が全例,継続投与試験に移行した時点(20
年
月
日を予定)で本試験を終了することとした。
対象患者とその選択基準
組織診又は細胞診により腎細胞癌であることが確認され,サイトカイン療法による治療歴のあ
る転移を有する腎細胞癌患者で,スクリーニング時の検査·観察において,次の基準をすべて満た
し,本試験参加に適格と判定された者を対象とした。
1) 18 歳以上で性別は不問
2) 転移を有する腎細胞癌の患者で,組織診又は細胞診による確定診断をうけたもの(淡明細胞
の腎細胞癌などを対象とし,肉腫様細胞が優勢な腎細胞癌など,予後不良と考えられるサブ
タイプは除く。なお,転移巣については臨床上腎細胞癌の転移と診断されたものでよい)
3) 以下の抗癌治療歴を有する患者
•
過去に腎摘除術を施行された患者
•
サイトカイン療法(インターフェロンα,インターフェロンγ,インターロイキン 2)
の単剤投与又は併用療法が無効あるいはこれらの治療に抵抗性となった患者,もしくは
毒性などによりこれらの治療を中止した患者)
なお,アジュバント療法については,投与中あるいは投与中止後 6 ヶ月以内に再発したも
のを無効とする
4) CT 又は MRI による計測で,RECIST での一方向測定可能病変を少なくとも 1 つ有する患者
5) 12 週間以上の生存が期待される患者
6) ECOG PS が PS0 又は PS1 の患者
7) 以下に示す Motzer のリスクファクターのうち該当する項目が 2 つ以下の患者
•
ECOG PS:2 以上(本試験では除外される)
•
LDH:正常範囲上限の 1.5 倍を超える
•
ヘモグロビン:正常範囲下限未満
•
血清中カルシウム(補正値):10 mg/dL を超える
•
腎臓摘出の既往がない(本試験では除外される)
8) 治験薬投与開始前 7 日以内(PT 又は PT-INR 及び APTT は治験薬投与開始前 14 日以内)で,
以下の臨床検査値基準を満たす患者
•
ヘモグロビン:9.0 g/dL 以上
•
絶対好中球数(ANC):1,500/mm3 以上
•
血小板数:100,000/mm3 以上
•
総ビリルビン:正常範囲上限の 1.5 倍未満
•
ALT 及び AST:正常範囲上限の 2.5 倍未満(肝転移を有する患者については,正常範囲
182
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
上限の 5 倍未満)
•
アミラーゼ,リパーゼ:正常範囲上限以下
•
血清クレアチニン:正常範囲上限の 2 倍未満
•
PT 又は PT-INR 及び APTT:正常範囲上限の 1.5 倍未満(ワルファリン又はヘパリンなど
の抗凝固薬物療法を施行中の患者も組み入れ可能とするが PT 又は PT-INR が安定してい
ること)
9) 本試験参加について,治験開始前に本人(未成年の場合は親権者)に十分な説明を行い,本
人(未成年の場合は親権者)から文書による同意が得られた患者
除外基準
スクリーニング時の検査·観察において,以下のいずれかの項目に該当する患者は,対象から除
外する。
1) 悪性腫瘍の既往。ただし,上皮内子宮頚癌,適切に治療された基底細胞癌,表在性膀胱癌(Ta,
Tis,T1),もしくは 2 年以上前に根治的治療をされたと判断される悪性腫瘍(早期胃癌など)
については,除外としない
2) 脳又は髄膜転移を有する患者(既往も含む)
3) 抗不整脈薬による治療を要する重度の不整脈を有する患者(βブロッカー及びジゴキシンの
使用はこの基準に該当しない),コントロール不良な高血圧症の患者,現在症状を有する冠動
脈疾患もしくは 6 ヵ月以内の心筋梗塞発症の既往などの虚血性心疾患のある患者,NYHA ク
ラス III 以上の鬱血性心不全のある患者
4) 重篤かつ活動性の細菌感染症又は真菌感染症(NCI-CTCAE
グレード 3 以上)
5) HIV 感染歴のある患者,B 型,C 型慢性肝炎の既往のある患者
6) 痙攣を生じる疾患があり,抗痙攣薬による治療を要する患者
7) Motzer のリスクファクターのうち該当する項目が 3 つ以上の患者
8) 以下に該当する治療を受けている患者
•
抗癌化学療法,免疫療法,ホルモン療法又は放射線療法(治験薬投与開始前 30 日以内)
•
4 レジメン以上の腎細胞癌に対する抗癌作用のある全身療法(アジュバント療法は 3 ヵ
月以上継続された場合 1 レジメンとする)
注 1)
・前治療としては,腫瘍に対する効果があると考えられる全身療法による化学療法,免
疫療法,ホルモン療法及びその他の試験的な全身療法の単独投与及び併用療法のそれ
ぞれを含める
・併用の場合は,合わせて 1 レジメンとする
・複数のレジメンによる治療歴がある場合は,毒性による治療薬の変更もカウントする
・同類の薬剤間の変更や,同じ薬剤での用法·用量の変更は,レジメンの変更としてとら
183
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
ない
・放射線療法は全身療法として数えない
・試験的な全身療法や局所療法を含める非標準的療法による治療歴もしくは複雑な治療
歴をもつなど判断が困難な場合は,医学専門家の判断を必要とする
•
CYP3A4 誘導薬(リファンピシンなど)を摂取中の患者
•
CYP3A4 を誘導する食品(セントジョーンズワートなど)を摂取中の患者
•
RAF キナーゼ阻害薬,MEK 阻害薬,ファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬による治療
の既往
•
VEGF,VEGF 受容体を標的としたすべての薬剤による治療の既往
•
他の治験中の薬剤(治験薬投与開始前 30 日以内)
•
外科的治療(全身に影響を及ぼすと考えられる治験薬投与開始前 4 週間以内に施行され
た手術。ただし局所生検などは該当しない)
•
自家骨髄移植又は自己末梢血幹細胞移植の既往
•
同種臓器移植の既往のある患者
9) 妊娠中及び授乳中の患者。治験薬投与開始前 7 日以内に実施する妊娠検査(最終月経から 1
年以内の,妊娠可能な女性のみ)において陽性反応を示した患者(治験薬投与開始前 14 日以
内に実施されている場合はその検査結果にて判定可能。再検査は不要)
。治験期間中を通じて
適切な避妊を行うことができない男性及び女性患者
10)本薬に対するアレルギー反応をおこす可能性のある患者
11)薬物乱用や,治験参加及び結果の評価に支障をきたす健康状態,心理状態,社会的状況を伴
う患者
12)その他,治験実施上,患者の安全を損う可能性がある場合,又は治験実施計画書の遵守が困
難であると判断された場合
有効性の評価項目
主要評価項目:
奏効率(RECIST で最良総合効果が CR 及び PR と判定された患者の割合)
副次的評価項目:
•
PFS
PFS は治験薬投与開始から,病勢の進行(画像診断上もしくは臨床的評価上のいずれか
早い方)あるいは病勢の進行以前に死亡が確認されるまでの期間と定義する。
•
腎癌取扱い規約
非観血的治療効果判定基準による奏効率(CR 及び PR と判定された患
者の割合)
•
生存期間
184
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
•
全奏効期間及び奏効が得られるまでの時間
•
病勢コントロール率
•
RECIST で CR,PR,又は SD が確認されてから,少なくとも 28 日間維持された場合,
病勢がコントロールされたと定義する。
•
QOL 評価:FACT-G 及び FKSI
安全性の評価項目
治験薬の安全性に関連したすべての検査,観察結果は症例報告書に記録することとし,治験総
括報告書に記載した。これらには理学的所見,バイタルサイン,有害事象,併用薬剤,臨床検査
値異常等が含まれる。
来院毎に有害事象を調査し,有害事象が発現した場合には発現した事象,そのグレード,及び
治験薬との関連性を,NCI-CTCAE Ver. 3.0 日本語版を用いて記録した。なお,手足皮膚反応につ
いては,以下の基準を参照してグレーディングを行った。
グレード 1
手·足の皮膚の感覚異常,しびれ感,刺痛,無痛性の腫脹又は紅斑。又は,その
他不快な皮膚症状のうち,日常生活に影響がないもの
グレード 2
手·足の皮膚の痛みを伴う腫脹又は紅斑。又は,その他不快な皮膚症状のうち,
日常生活に影響を及ぼすもの
グレード 3
手·足の皮膚の湿性落屑,潰瘍形成,水胞形成,激しい疼痛,又は,その他非常
に不快な皮膚症状のうち,仕事に支障を来すあるいは日常の活動を制限するも
の
【評価項目の解析方法】
主要評価項目
<解析対象集団>
有効性の評価
有効性の評価における解析対象集団は,ITT 解析対象集団とした。対象として適格と判定され,
治験薬が少なくとも 1 回投与されたすべての患者を ITT 解析対象集団と定める。
薬物動態の評価
治験薬が少なくとも 1 回投与され,薬物動態解析に明らかな影響がある採血の欠測が認められ
ない患者を,薬物動態解析対象集団とした。
安全性の評価
治験薬が少なくとも 1 回投与され,投与開始以降に何らかの安全性データが収集された患者を,
185
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
安全性解析対象集団とした。
<解析方法>
有効性
主要評価項目
本試験の主要評価項目は,RECIST に基づく抗腫瘍効果(最良総合効果)の奏効率である。奏
効率は,ITT 解析対象集団全患者のうち,CR 及び PR と確定された患者の割合と定義する。なお,
奏効率に関する以下の統計解析には,腫瘍評価判定委員会による判定を用いた。
奏効率について,期待奏効率を 7.5%,閾値奏効率を 2.5%とし,片側αエラー(真の奏効率が
2.5%以下のときに本薬を誤って「効果あり」と判断する確率)が 0.05,βエラー(真の奏効率が
7.5%以上のとき本薬を誤って「効果なし」とする確率)が 0.20 となるよう,
Simon 法(optimal design)
を用いて 2 段階試験として実施した。
投与開始後 24 週までの腫瘍評価データに基づく奏効率について,第 1 段階及び最終段階で統計
解析を行うこととした。各段階における評価基準を以下に示す。
第 1 段階(54 例について評価):
z
54 例において奏効例が 1 例以下であった場合,本薬には十分な腫瘍縮小効果は認められな
いと判断し,奏効率を指標とする有効性の検討はこの時点で打ち切る。
z
2 例以上の奏効例が認められた場合,次(最終)の段階に進む。
第 1 段階の解析に基づいて試験の継続を決定した場合,さらに 54 例の患者のデータを集積する。
最終段階(108 例について評価):
z
108 例において奏効例が 5 例以下の場合,本薬に腫瘍縮小効果は認められないと判断する。
z
奏効例が 6 例以上の場合,本薬に腫瘍縮小効果が認められたと判断する。
なお,奏効率について,点推定値及び 95%信頼区間を表示する。また,Motzer によるリスク分
類ごとの奏効率及びその 95%信頼区間についても算出する。
副次的評価項目
PFS は,治験薬投与開始日から,病勢の進行(画像診断あるいは臨床的評価のいずれか早い方)
又は,それ以前の死亡が認められた日までの期間とする。
全生存期間(Overall survival)は,治験薬投与開始日から,あらゆる原因による死亡日までの期
間とする。
186
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
全奏効期間(Duration of overall response)は,最初に CR あるいは PR の基準を満たした日から,
最初に PD が確認された日までの期間とする。
奏効までの期間(Time to objective response)は,治験薬投与開始日から,最初に CR あるいは
PR の基準を満たした日までの期間とする。
上述の PFS,全生存期間,全奏効期間及び奏効までの期間について,記述統計量を表示する。
またカプラン·マイヤー法による生存曲線を示す。
病勢コントロール率(Overall disease control rate)は,最良総合効果として CR,PR あるいは SD
が認められ,少なくとも 28 日間その評価が持続した患者の割合とする。
腎癌取扱い規約の非観血的治療効果判定基準に基づく奏効率
病勢コントロール率及び腎癌取扱い規約の非観血的治療効果判定基準に基づく奏効率について,
点推定値及び 95%信頼区間を表示する。
QOL は,FACT-G 及び FKSI を用いて測定する。
FACT-G 及び FKSI については,記述統計量を用いて要約する。
安全性
有害事象は,NCI-CTCAE の用語及びグレードを用いて集計する。臨床検査値を含む他の安全性
に関する項目については,記述統計的方法を用いて要約する。
薬物動態
血漿中薬物濃度及び薬物動態学的パラメータについて,記述統計量を算出する。
【症例数の設定根拠】
上述の 2 段階試験において,最大 108 例の患者を組み入れる。なお,この手順に従うと,第 1
段階で本試験を打ち切る確率は,本薬の真の奏効率が 2.5%であった場合,0.61 となり,本薬の真
の奏効率が 7.5%であった場合は 0.08 となる。
187
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
(2) 成績
【患者の内訳】
52 施設が本試験に参加し,合計 173 例の患者が本試験に組み入れられ,42 例がスクリーニング
で中止もしくは脱落し,131 例が治験薬の投与を受けた。このうち,RECIST での一方向測定可能
病変を有さない 2 例を除く 129 例が有効性解析の対象(ITT 解析対象集団)となった。また,治
験薬の投与を 1 回以上受けた 131 例が安全性解析の対象となった。
表 2.7.6.23-1 に,治験薬の投与を受けた 131 例全例が投与開始から 24 週間の観察期間を経過し
ている 20
年
月
日時点における治験薬の投与状況,治験の中止理由及び追跡調査脱落理由
を示す。治験薬の投与を受けた 131 例のうち,116 例が本試験での治験薬の投与を中止した。治
験中止に至った主たる理由の内訳は,48 例が“継続投与試験へ移行”,54 例が“病勢の進行(PD)”,
10 例が“有害事象”,2 例が“同意撤回”,1 例が“死亡”,1 例が“治験実施計画書違反(併用禁
止薬使用のため)”であった。20
年
月
日時点で本試験において治験薬の投与を継続してい
た症例は,15 例であった。
また,本試験での治験薬の投与を中止した 116 例のうち,41 例が追跡調査から脱落した。追跡
調査脱落に至った理由の内訳は,
“継続投与試験へ移行”17 例,
“死亡”19 例,
“追跡不能”
(他院
へ既に転院し,継続投与試験参加の同意取得のための来院ができなかった)2 例,
“治験責任医師
の判断”
(治験責任医師が継続投与試験への移行を適切と判断しなかった)2 例,
“同意撤回”1 例
であった。
188
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
表 2.7.6.23-1 脱落例数及び脱落理由(20
年
月
日時点)
投与継続中
ソラフェニブ
(N=131)
n
(%)
15
(11.5)
治験中止の理由
継続投与試験へ移行
48
(36.6)
有害事象
10
(7.6)
病勢の進行
54
(41.2)
同意撤回
2
(1.5)
死亡
1
(0.8)
治験実施計画書違反
1
(0.8)
17
(13.0)
死亡
19
(14.5)
追跡不能
2
(1.5)
治験責任医師の判断
2
(1.5)
同意撤回
1
(0.8)
追跡調査脱落の理由
継続投与試験へ移行
n=該当患者数;N=総患者数
Source:5.3.5.2.4 の Table 14.1.1.2
【症例の取り扱い及び解析対象集団】
有効性:治験薬の投与を受けた 131 例のうち,スクリーニング期間の RECIST による腫瘍評価
において,標的病変を有さないと判定された 2 例(骨病変のみを有する 1 例,いずれの病変も最
大腫瘍径が 10 mm 以上かつスライス厚の 2 倍以上を満たさない 1 例)を有効性の解析対象である
ITT 解析対象集団から除外した。
安全性:治験薬の投与を 1 回以上受けた 131 例全例を安全性の解析対象集団として採用した。
【患者背景】
有効性解析対象(ITT 解析対象集団)例における人口統計学的特性について,表 2.7.6.23-2 に要
約した。
有効性解析対象例 129 例のうち,男性が 100 例(77.5%)
,女性が 29 例(22.5%)
,また,年齢
は 65 歳以上が 55 例(42.6%),65 歳未満が 74 例(57.4%)であった。年齢の平均値は,61.8 歳
であった。
189
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
表 2.7.6.23-2 患者背景(ITT 解析対象例)
背景因子
ソラフェニブ
(N=129)
性別 n(%)
男性
女性
100
29
(77.5 )
(22.5 )
人種 n(%)
日本人
129
(100 )
年齢 (年)
平均 (範囲)
中央値
61.8
63.0
(30.0 - 83.0)
74
55
(57.4 )
(42.6 )
年齢(層別) n(%)
65 歳未満
65 歳以上
n=該当患者数;N=総患者数
Source:5.3.5.2.4 の Table 14.1.2.1A
腎細胞癌の既往歴に関する患者背景の特性を表 2.7.6.23-3 に示した。
本試験組み入れ時の ECOG PS は,101 例(78.3%)が PS 0,28 例(21.7%)が PS 1 であった。
転移巣の数については,3 つ以下であった症例が,全体の約 85%を占めた。また,肺転移を有す
る症例が 111 例(86.0%),リンパ節転移を有する症例が 59 例(45.7%)
,骨転移を有する症例が
29 例(22.5%),肝転移,腎転移を有する症例がそれぞれ 16 例(12.4%)であった。腎細胞癌の
初回診断日から治験薬投与開始日までの期間(罹患歴)については,初回診断日が不明であった
4 例を除く 125 例おける平均値は 3.91 年(範囲:0.26~17.02 年,中央値:2.60 年)であった。腎
細胞癌のサブタイプについては,淡明細胞癌が 112 例(86.8%),顆粒細胞癌が 10 例(7.8%)で
あった。本試験組み入れ時の原疾患の身体所見/画像所見は,95 例(73.6%)が Progressive Disease
(PD),34 例(26.4%)が Stable Disease(SD)であった。本試験組み入れ時の Motzer のリスク分
類は,52 例(40.3%)が低リスク群,77 例(59.7%)が中等度リスク群であった。
190
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
表 2.7.6.23-3 腎細胞癌既往歴に関する患者背景(ITT 解析対象例)
背景因子
ソラフェニブ
(N=129)
ECOG PS n(%)
0
1
Motzer リスク分類
低リスク
中等度リスク
腎細胞癌サブタイプ
淡明細胞癌
乳頭状腎細胞癌
嫌色素細胞癌
顆粒細胞癌
その他
転移巣の部位
骨
腎臓
肝臓
肺
リンパ節
a
101 (78.3 )
28 (21.7 )
n(%)
52 (40.3 )
77 (59.7 )
n(%)
112
5
1
10
1
(86.8
(3.9
(0.8
(7.8
(0.8
)
)
)
)
)
29
16
16
111
59
(22.5
(12.4
(12.4
(86.0
(45.7
)
)
)
)
)
n(%)
組み入れ時の腎細胞癌の身体所見/画像所見 n(%)
PD
SD
罹患歴(年)
平均(範囲)
中央値
n=該当患者数;N=総患者数
95 (73.6 )
34 (26.4 )
3.91 (0.26 - 17.02)
2.60
a: 10%以上の患者に認められたもの
Source:5.3.5.2.4 の Table 14.1.2.1A,14.1.2.2A
腎細胞癌に対する抗癌治療歴の内容を表 2.7.6.23-4 に示した。
全ての症例において,腎摘除術が行われており,少なくとも 1 回のサイトカイン療法(インタ
ーフェロンもしくはインターロイキン 2)の投与を受けていた。インターフェロンの投与を受け
た症例が 128 例(99.2%),インターロイキン 2 の投与を受けた症例が 60 例(46.5%),ピリミジ
ンアナログの投与を受けた症例が 19 例(14.7%)であった。1 レジメンの全身抗癌治療を受けた
症例は 46 例(35.7%),2 レジメンを受けた症例は 47 例(36.4%),3 レジメンを受けた症例は 34
例(26.4%)であり,127 例(98.4%)が 3 レジメン以内の治療を受けていた。2 例(1.6%)が 6
レジメンの全身抗癌治療を受けていた。
191
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
表 2.7.6.23-4 腎細胞癌に対する治療歴(ITT 解析対象例)
ソラフェニブ
(N=129)
n(%)
前治療
治療
腎摘除
全身抗癌療法
a
放射線療法
129 (100 )
129 (100 )
17 (13.2 )
a
全身抗癌療法
インターフェロン
インターロイキン
インターフェロンもしくはインターロイキン
ピリミジンアナログ
アンスラサイクリン系
白金化合物系
その他
128
60
129
19
1
1
6
(99.2
(46.5
(100
(14.7
(0.8
(0.8
(4.7
)
)
)
)
)
)
)
全身抗癌療法の目的
緩和的治療
アジュバント治療
ネオアジュバント治療
根治的治療
不明
72
52
3
36
1
(55.8
(40.3
(2.3
(27.9
(0.8
)
)
)
)
)
全身抗癌治療のレジメン数
1
2
3
6
46
47
34
2
(35.7
(36.4
(26.4
(1.6
)
)
)
)
a
n=該当患者数;N=総患者数
a: 複数の治療レジメンを有する患者を含む
Source:5.3.5.2.4 の Table 14,1,3,1A,14.1.3.2A,14.1.3.3A,14.1.3.4,14.1.3.7A,14.1.3.8
【曝露状況】
131 例で BAY 43-9006 1 回 400 mg 1 日 2 回投与が開始された。このうち,有効性の解析対象と
した 129 例における治験薬の曝露状況を表 2.7.6.23-5 に示した。平均投与日数は 26.7 週であり,
最短の投与期間は 0.6 週,最長の投与期間は 53.7 週であった。3 ヶ月以上投与された症例は 103
例(79.8%)
,6 ヶ月以上投与された症例は 72 例(55.8%)であった。有害事象の発現により治験
薬の減量もしくは休薬を要した症例は 54 例(41.9%)であった。
192
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
表 2.7.6.23-5 治験薬への曝露(ITT 解析対象例)
ソラフェニブ
投与週数(mean±SD)
最長投与週数
最短投与週数
投与期間(月) n(%)
<3 ヵ月
≥3 - 6 ヵ月
≥6 - 9 ヵ月
≥9 – 12 ヵ月
≥12 ヵ月
a
実際の投与量 (mg)(mean±SD)
減量もしくは休薬例数 n(%)
有害事象
患者のミス
治験薬供給上の問題
n=該当患者数;N=総患者数
(N=129)
26.7±13.0
53.7
0.6
26
(20.2
31
(24.0
44
(34.1
27
(20.9
1
(0.8
711.4±143.4
56
(43.4
54
(41.9
5
(3.9
1
(0.8
)
)
)
)
)
)
)
)
)
a: 患者ごとに実際の平均投与量を算出し,全患者について mean±SD を算出した
Source:5.3.5.2.4 の Table 14.1.6.1A
【有効性の結果】
本試験の主要評価項目は,RECIST に基づく奏効率であり,腫瘍評価判定委員会による判定を
用いた。また,腫瘍評価判定委員会においては,治験責任医師もしくは治験分担医師により,20%
以上の腫瘍縮小が確定された症例が,腫瘍評価判定委員会により評価された。
また,本試験で治験薬の投与を受けた 131 例における投与開始後 24 週までの腫瘍評価が確定し
ている 20
年
月
日時点の成績をまとめた。
1)RECIST に基づく奏効率(腫瘍評価判定委員会による評価)
RECIST に基づく腫瘍評価判定委員会の評価による最良総合効果を表 2.7.6.23-6 に示した。腫瘍
評価判定委員会による評価の対象となったのは,治験担当医師により 20%以上の腫瘍縮小が 2 回
の腫瘍評価により確認された症例であった。有効性解析対象例 129 例において,治験担当医師に
より PR の評価が確定された 19 例のうち 14 例,20%以上の腫瘍縮小が確認された 13 例のうち 2
例の合計 16 例が腫瘍評価判定委員会において PR と判定された。奏効率は 12.4%(95%信頼区間:
7.3%~19.4%)であった。
193
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
表 2.7.6.23-6 最良総合効果(RECIST による腫瘍評価判定委員会の評価)(ITT 解析対象例)
最良総合効果
n(%)
CR+PR
ソラフェニブ
(N=129)
95% 信頼区間
16 (12.4 )
(7.3~19.4%)
n=該当患者数;N=総患者数
Source:5.3.5.2.4 の Table 14.2.1.1
2)RECIST に基づく奏効率及び病勢コントロール率(治験担当医師の評価)
RECIST に従って治験担当医師により判定された最良総合効果及び病勢コントロール率を表
2.7.6.23-7 に示した。129 例中 19 例が PR と判定され(奏効率 14.7%),112 例(86.8%)が SD 以
上であった。また,RECIST に基づく評価で CR,PR もしくは SD が確認されてから,少なくとも
28 日間維持された症例は 95 例で,病勢コントロール率は 73.6%であった。
表 2.7.6.23-7 最良総合効果(RECIST による治験担当医師の評価)(ITT 解析対象例)
最良総合効果
CR+PR
ソラフェニブ
(N=129)
n (%)
95% 信頼区間
19 (14.7 )
(9.1~22.0%)
CR
0 (0.0 )
(0.0~2.8%)
PR
19 (14.7 )
(9.1~22.0%)
SD
93 (72.1 )
(63.5~79.6%)
PD
13 (10.1 )
(5.5~16.6%)
4 (3.1 )
95 (73.6 )
(0.9~7.7%)
(65.2~81.0%)
評価できず
a
病勢コントロール率
n=該当患者数;N=総患者数
a: RECIST により,CR,PR 又は SD が確認されてから,少なくとも 28 日間維持された患者の割合
Source:5.3.5.2.4 の Table 14.2.1.2
3)奏効が得られるまでの期間及び標的病変の縮小
治験担当医師評価で PR と判定された症例 19 例について,奏効が得られるまでの期間を表
2.7.6.23-8 に示した。奏効が得られるまでの期間は 35 日~172 日で,平均 72.6 日,中央値は 42 日
であり,投与開始 6 週後に奏効が確認された症例が多かった。
194
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
表 2.7.6.23-8 奏効が得られるまでの期間(治験担当医師の評価)(ITT 解析対象例)
ソラフェニブ
(N=129)
奏効 a 例
19
n
奏効が得られるまでの期間(日)
平均
72.6
標準偏差
43.2
最小値
35
25 パーセント点
42
中央値
42
75 パーセント点
126
172
最大値
n=該当患者数;N=総患者数
a: 奏効=CR+PR
Source:5.3.5.2.4 の Table 14.2.3.3
腫瘍評価が行われた各症例において,ベースラインからの標的病変の大きさの最大縮小度を評
価した(以下,個々の患者において,ベースラインからの標的病変の大きさの最大縮小率を,
「最
大腫瘍縮小率」と示す)
。患者ごとの最大腫瘍縮小率を小さい方から順に整列して,棒グラフとし
て示した(図 2.7.6.23-1)。すなわち,正方向のグラフ(横軸に対して上側)は腫瘍が増殖した患
者を表し,逆に負方向のグラフ(横軸に対して下側)は腫瘍が縮小した患者を示す。最大腫瘍縮
小率の評価は,投与開始後少なくとも 1 回は CT による腫瘍評価が可能であった 128 例において,
治験担当医師が評価した腫瘍計測に基づいて実施した。全体として 101 例(78.9%)において,
ベースラインと比較して何らかの腫瘍縮小が認められた。なお,1 例は投与後の腫瘍評価がなか
ったため,最大腫瘍縮小率の評価はできなかった。
195
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
Maximum Percent Reduction in Tumor Measurement
100
80
60
40
20
0
0
25
50
75
100
125
-20
-40
-60
-80
-100
図 2.7.6.23-1 各患者における標的病変の最大腫瘍縮小率(治験担当医師の評価)
(ITT 解析対象例)
Source:5.3.5.2.4 の Figure 14.2.4.1
4)PFS,TTP 及び全生存期間
本試験における副次的評価項目である PFS 及び全生存期間,及び TTP に関する成績を以下に示
す。
有効性解析対象例 129 例において,治験担当医師評価による PFS の中央値は 224 日(95%信頼
区間:178 日~280 日)であった。また,投与開始 3 ヵ月後の時点における無増悪生存率は 78.6%
(95%信頼区間:71.4%~85.8%)
,投与開始 6 ヵ月後の時点における無増悪生存率は 57.2%(95%
信頼区間:48.1%~66.3%)であった(表 2.7.6.23-9 表 2.7.6.23-1)。PFS のカプラン·マイヤー曲線
を図 2.7.6.23-2 に示す。なお,20
年
月
日時点で,病勢の進行又は死亡が認められなかった
症例は,進行がないことが確認された最終観察日で打ち切りとして取り扱っている。
196
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
表 2.7.6.23-9 PFS(治験担当医師の評価)(ITT 解析対象例)
ソラフェニブ
(N=129)
64
イベント(病勢の進行又はそれ以前の死亡)の
認められた患者数 n
評価打ち切り例
65
n
PFS(日)
25 パーセント点(95% 信頼区間)
122.0
(85.0~168.0)
中央値(95% 信頼区間)
224.0
(178.0~280.0)
75 パーセント点(95% 信頼区間)
-
(
3 ヵ月時点の無増悪生存率 (95% 信頼区間)
78.6% (71.4~85.8%)
6 ヵ月時点の無増悪生存率 (95% 信頼区間)
n=該当患者数;N=総患者数
57.2% (48.1~66.3%)
- ~
- )
Source:5.3.5.2.4 の Table 14.2.2.1
図 2.7.6.23-2 PFS のカプラン·マイヤー曲線(治験担当医師の評価)
(ITT 解析対象例)
Source:5.3.5.2.4 の Figure 14.2.2.1
本試験において,TTP は,治験薬投与開始から病勢の進行までの期間と表した。20
197
年 月
ソラフェニブ
2.7.6 個々の試験のまとめ
日時点で,病勢の進行がない,あるいは進行がなく死亡した症例は,進行がないことが確認され
た最終観察日で打ち切りとした。解析対象例 128 例において,治験担当医師評価による TTP の中
央値は 224 日であった。また,投与開始 3 ヵ月後の時点における無増悪率は 78.4%,投与開始 6
ヵ月後の時点における無増悪率は 56.5%であった(表 2.7.6.23-10)
。なお,有効性解析対象例 129
例のうち 1 例は,有害事象の発現により投与中止後の腫瘍測定が行われず腫瘍評価が欠測となっ
たため,TTP の解析対象から除外した。
表 2.7.6.23-10
TTP(治験担当医師の評価)(ITT 解析対象例)
ソラフェニブ
(N=129)
TTP(無増悪期間)(日)
25 パーセント点(95% 信頼区間)
122.0
(84.0~168.0)
中央値(95% 信頼区間)
224.0
(175.0~
75 パーセント点(95% 信頼区間)
-
(
3 ヵ月時点の無増悪率 (95% 信頼区間)
78.4
(71.2~85.6%)
6 ヵ月時点の無増悪率 (95% 信頼区間)
N=総患者数
56.5
(47.3~65.7%)
- ~
-
)
- )
Source:5.3.5.2.4 の Table 14.2.2.3
20
年
月
日時点で,生存情報が得られている 115 例において,死亡者数は 27 例であり,
推定生存期間の中央値には達していない。また,投与開始 3 ヵ月後の時点における生存率は 97.4%,
投与開始 6 ヵ月後の時点における生存率は 89.4%であった(表 2.7.6.23-11)。
198