②11 月 9 日開催 公開授業(八尾市立八尾中学校 - 科学技術振興機構

②11 月 9 日開催 公開授業(八尾市立八尾中学校 清水寿恵教諭)
学習指導案
1.学校種・学年・科目名・単元名
中学校・3年・理科・物質の変化とエネルギー:化学エネルギーの変換
「電気エネルギーをとり出す」
2.単元の目標
・物質と化学反応に関する事象の観察、実験を通して、物質と化学反応の利用について
理解させるとともに、これらの事象を日常生活と関連付けて科学的に見る見方や考え方を
養う。
3.「理科ねっとわーく」活用のポイント
【体験の想起、実験の動機付け、実験・観察結果の整理、モデルの提示】
電池の仕組みを知ったうえで発展的な実験を行う。そこで、理科ねっとわーくを活用
し、教科書には提示されていない資料等を画像で提供し、実験の動機付け・考察のた
めの資料・まとめとして活用する。
<利用コンテンツ>
「化学実験Webコレクション」
「燃料電池の図解と将来性について」
4.指導計画(ゆとりの時間を含め7時間扱い・本時7/7)
①化学変化による熱の出入り(3時間)
②電気エネルギーを取り出す(2時間)
③ゆとりの時間(2時間・本時2/2)
5.本時の目標
・電池の仕組みを学習したうえで燃料電池の実験を行い、結果から電気分解の逆の反応か
ら電気エネルギーを取り出すことができることを理解する。
・燃料電池の実用性・将来性を考え、科学技術発展の可能性を考える。
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6.本時の展開
児童生徒の思考と活動の流れ
教師の支援・使用コンテンツ
・電池の仕組みを思い出し、化学エネルギーが電気エネ ・電池の仕組みを思い出すため
ルギーに変換することを確認する。
の助言をし、
デジタルコンテン
・今まで学習したことをふまえて、身近にはどのような ツを提示する。
電池があるか考える。
【理】化学実験 Web コレクシ
ョン「ボルタ電池のしくみ」
●燃料電池を例に、どのような方法を用いれば電気エネ
ルギーを取り出すことができるか考える。
・水の電気分解を思い出す。
・水の電気分解とその逆の化学
反応を確認する。
電気分解の逆の反応から、電気エネルギーを取り
出すことができるか。また、それは日常生活でど
のように利用されるか。
・実験の準備をし、各班をまわ
りながら実験の助言をする。
●班ごとに電気分解の逆の反応の実験を行い、どのよう
な反応がおきるか観察し、結果をワークシートにまとめ、
意見を発表する。
・燃料電池の演示実験を行い、
・電気分解の逆の反応から電気エネルギーを得ることが 発問をしながら、仕組みを説明
できることを知る。
する。
・デジタルコンテンツを用いて
●本物の燃料電池の装置を観察し、燃料電池基本原理の 説明する。
デジタルコンテンツを見る。ワークシートに仕組みを記 【理】化学実験 Web コレクシ
入する。
ョン「燃料電池のしくみ」
●班で燃料電池の実用性、将来性を話し合い、ワークシ ・班をまわりながら、助言をす
ートに記入する。各班からの意見発表を行う。
る。
・各班の意見をまとめる。
・水素と酸素の反応から、電気エネルギーを取り
・映像で資料を提示する。
出すことができる。
【理】燃料電池の図解と将来性
・燃料電池の様々な用途や将来性を知る。
について
・科学技術発展の可能性を知る。
●ワークシートの空欄を埋め、感想を書く。
・授業のまとめを行う。
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7.実験材料、器具
スポーツドリンク(水で 10 倍くらいに薄める)、鉛筆(両側を削って、芯を出したもの)
ビーカー、電源コンセント、電子オルゴール、燃料電池実験装置、パソコン、テレビ、
実物投影機
8.理科ねっとわーく、及び、デジタル教材の改善について
・映像やアニメーションのコンテンツについて、教師側で再生スピードを変えられると、授業で説
明しやすい。
(ポイント部分を押さえやすい)
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公開授業の様子
「八尾市IT融合型学習活動・教員研修」プロジェクト
第2回公開授業
記録
時:平成 18 年 11 月 9 日(木)14:00~14:50
所:八尾市立八尾中学校 理科室
授業者:八尾中学校 清水寿恵教諭
学年・組:3 年 3 組
生徒数:34 人
科 目:理科
単 元:「電気エネルギーを取り出す」
教科書名:理科1分野下
出版社:啓林館
使用した頁:74~77 ページ
日
場
●導入 前時の振り返り
○電池の仕組みを思い出す。
先生:電池って何?
生徒:化学エネルギーを電気エネルギーに変える装置
○本時の課題の提示・・・新しい電池について学習する
○ボルタ電池のしくみについて、デジタルコンテンツを使って復習をする。
化学実験Webコレクション「ボルタ電池のしくみ」
この際、電子やイオンについても簡単に説明する。
●展開
○本時の目的の確認
・・・燃料電池のしくみとその利用を考えよう
水素と酸素の反応から電気エネルギーを取り出してみよう
○水の電気分解について思い出す。
(電解質、H字管、電極など)
電気分解の逆の反応から、電気エネルギーを取り出すことができる。
○実験の概要について
・・・まず電気分解を行い、酸素と水素を発生させ、次にこれらを反応させて電気エネ
ルギーを取り出す。
○準備物について スポーツ飲料(電解質)、電極(鉛筆の芯)、電子オルゴール
○実験方法についての説明
○注意事項について 電子オルゴールの取り扱い
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●まとめ
○実験結果についてまとめる。
○市販の燃料電池の実験装置を使って演示実験をおこなう。
※OHC(教材提示装置)を使って大きく映す。
○デジタルコンテンツを使って、燃料電池について説明する。
化学実験Webコレクション「燃料電池のしくみ」
○班で燃料電池の実用性や将来性について話し合い、ワークシートにまとめる。
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研究協議会
「八尾市IT融合型学習活動・教員研修」プロジェクト
第2回公開授業における研究協議会 会議録
日 時:平成 18 年 11 月 9 日(木)15 時~
場 所:八尾市立八尾中学校 理科室
出席者:大阪教育大学
越桐國雄教授(プロジェクトコーディネーター)、
井塚直樹 、高木 衛、山下智也(ティーチングアシスタント)
八尾中学校 清水寿恵教諭(授業者)
慶應義塾湘南藤沢中・高等部 田邊則彦教諭(JST 普及促進分科会委員)
八尾市立学校教職員 24 名
教育サポートセンター 浅野隆史指導主事、山下欣春指導主事
科学技術振興機構(JST) 東 良太係長
1、研究協議
●授業者(八尾中学校 清水寿恵教諭)の感想
本日は、
「理科ねっとわーく」のデジタル教材を
使った研究と八尾市教育研究会の情報教育部会に
おける研究を兼ねて、公開授業を行った。
今日の授業は、理科ねっとわーくのデジタル教
材と実験観察をいかに融合させるかという部分で
いろいろと考えた。単元としては、
「電池」の部分
でおこなうこととなり、いろいろコンテンツを探
した。電池の実験のコンテンツも検討したが、発展的な学習としての燃料電池のところ
で授業を行うこととなった。
燃料電池に関しては、中学校の教科書では簡単に触れられている程度の扱いであるが、
子どもたちに化学変化等が生活の部分で利用されていることがわかれば、理科をもっと
楽しく学習してくれるのではとは考え、燃料電池をあえて取り扱うこととした。
動画コンテンツに関しては、黒板による説明だけよりわかりやすいという点が良い点
である
●参加者の質問および感想
○市立中学校 教職員
質問 本日使用したコンテンツは、理科ねっとわーくのコンテンツそのままですか?そ
れとも何か加工をしてありますか。
回答 理科ねっとわーくのコンテンツをそのまま利用しています。他のクラスでは、イ
ンターネットから直接提示していたが、本日は研究授業ということもあり、あらかじめ
ダウンロードしておいたものを使用した。(授業者)
○司会者
質問 燃料電池のしくみについて、生徒が理解できるかなというような不安はなかった
か?
回答 不安はあったが、電気分解の逆であるということを簡単に理解(?)したのには、
驚いた部分もある。
○市立中学校 教職員
ボルタなど科学史上の人物の説明をうまく織り込んでいたことに感心した。コンテン
ツの使い方も参考となった。
私の勤務する学校では女子はあまり発言をしないのですが、本日の授業では女子が活
発に取り組んでおり、その意味では新鮮であった。
○授業者(八尾中学校 清水寿恵教諭)より
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時間の都合上、本日の授業で示しなかったコンテンツの紹介
「2010 年燃料電池が活躍する世界」
○市立中学校 教職員
地学分野など実験ができない単元において、コンテンツを利用している。実験とコン
テンツの組み合わせた形での授業は初めてだった。今後の参考とさせてもらいたい。
○市立中学校 教職員
コンピュータ室の整備を含め、今年はプロジェクターも新たに導入する予定である。
しかし、コンテンツを探す時間がないのが現状である。
○市立小学校 教職員
今現在 5 年生を担任しているが、今社会科で未来の自動車を考えようというところを
やっており、子どもたちは燃料電池を使った自動車というのを出してはくるのだが、な
かなかその仕組みまでは迫ることができなかった。実験までは難しいが、コンテンツを
使って説明するなど、本日の研究授業を学校で活かしていきたい。また、エネルギーの
学習でも使えるので利用していきたい。
○市立小学校 教職員
1 分野でのコンテンツ活用は、これからの課題の 1 つである。
昨年は、コンテンツの活用によって子どもたちの意欲関心を高めることを中心に研究
をされていたが、今年は、前時までの学習内容をデジタルコンテンツで復習するという
使い方も参考になった。
○授業者(八尾中学校 清水寿恵教諭)より
今回の授業では、デジタルコンテンツを液晶テレビを使って提示した。従来のプロジ
ェクターに比べて、準備作業等が楽になりとても使いやすくなったと感じている。
○市立中学校 教職員
昨年度からこの研究にかかわっているが、映像やデジタルコンテンツを使った授業は
良いとは思うが、実験や観察に変わるものではない。先月の研究授業では、2 分野の岩石
のところで斑状組織と等粒状組織を観察するところでおこなった。岩石プレパラートの
コンテンツもあるが、あえて本物の岩石プレパラートを見せることが子どもたちの感動
を与えることができる。
本日の授業のように、授業の導入とまとめにおいてコンテンツを使うのがよい。電子
やイオンの動きの説明には、動画が有効であることがあらためて確認できた。
イオンについては、教える必要があると思う。前の教科書では触れていなかったが、
今の教科書で補足のかたちではいいている。
燃料電池については、エネルギー全体のまとめの中で、発展的な学習として押さえて
いる。
質問 燃料電池は充電ではないといわれたが、あまり強調していう必要なないのではな
いか?
回答 燃料電池は電気を貯めているのではないということを強調したつもりだ。
○大阪教育大学 越桐國雄教授
子どもたちはオルゴールが鳴っていることを、電気が通っている、通っていないとい
う表現を使っていた。先生は特に指摘をされなかったが、電気が起こったという表現が
適切だ。小学校 3 年では、電気を通すもの通さないものを学習する。乾電池と豆電球で、
電気が流れることを電気が通っているという表現で学習している。子どもたちに混乱が
ないように配慮する必要がある。
○市立中学校 教職員
配布したワークシートのイオンの説明において、水素イオンがなぜ電極のプラスに引
かれるのか、生徒からの質問はでなかったが理解が難しいと思う。
○市立小学校 教職員
本日授業で使用されていた教材提示装置は、理科だけでなく、いろいろな教科で活用
できるものである。たとえば、家庭での裁縫などは有効だ。
○慶應義塾湘南藤沢中・高等部 田邊則彦教諭
教材提示装置のような高価なもの購入しなくても、デジカメで十分対応できる。デジ
カメの出力で映像の信号だけを送ればよい。
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○市立小学校 教職員
デジカメの場合、カメラを固定するのに工夫が必要だ。
○司会者
教材提示装置は最近よく利用しているが、プリントを使っての学習の際、とても使い
勝手がよい。
○市立小学校 教職員
小学生に対しては、筆算の書き方などノート指導の際、有効である。デジタルだけど、
アナログなものも重要だ。
○市立中学校 教職員
モニターの性能に左右される。
2、まとめ
●慶應義塾湘南藤沢中・高等部 田邊則彦教諭
イギリスにおいて急速に情報機器が使われる
ようになった要因は、電子黒板をすべての教室
に導入した結果である。今日の授業も、電子黒
板があればよっといいものとなる授業であった。
まず導入すべきは、液晶テレビかプロジェクタ
ーかということがあるが、プロジェクターにカ
メラの付いたものも市販されているので検討さ
れてはどうか。
本日の授業を参観して、理科ねっとわーくのコンテンツについて改良をしなければい
けない点に気づきました。せっかく理科ねっとわーくのコンテンツでわかりやすく提示
しているにもかかわらず、途中でスローモーションになれば説明しやすいのに、実はそ
れができない。映像のスピードをコントロールできれば、もっと使い勝手がよくなる。
この点については、持ち帰って検討したい。
また、コンテンツの中で動画をFLASHで提供しているものがあるが、その中の一
場面を自作のワークシートに取り込みたいと思うことがある。しかし、これが結構やっ
かいである。近々この方法について、JSTから提供する予定である。
今日の授業では、先生の発問に対して子どもたちがレスポンスよく答えていた。先生
は、子どもたちのもっと多くの答えを出してほしい、または間違った答えを出してほし
いと思われることもある。しかし、ぽんと答えが出てしまうと、そうだね、そしたら次
はという風に進んでしまう。大阪大学の水越先生によると、授業ではいろいろな意見が
出てきて欲しいのに、非常に明快な子が答えを出してしまったときに先生はその答えを
無視しながら、間違った答えも出るようにわざと誘導するテクニックも必要だというこ
とである。いち早く答えを言った子には、後からきちんとフォローをして、すぐに答え
が出てきてすごかったねという対応をしてあげると授業が活性化する。
実験と理科ねっとわーくのコンテンツと先生の演示実験とワークシートを使った授業
がうまく融合されていた。授業の設計がうまくいっていたので、授業の時間があっとい
う間に経ってしまったように、先生も子どもたちも感じていた。
●大阪教育大学 越桐國雄教授
授業が始まってすごいテンポで元気のいい授業
でした。小学校ではこのような授業はよく見かけ
ますが、中学校ではあまりないので新鮮でした。
授業ではデジタルコンテンツと実験がうまく役
割分担ができていた。現象を実際自分の目で見な
ければいけないところ、たとえば泡が出ていると
か、実際電気が流れたとか言う部分は実験を使う
し、どういうしくみでそうなっているかという部
分は目には見えないので説明が必要である、昔は
黒板で説明していたものが今はデジタルコンテン
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ツに置き代わっている。全体的に整合性のとれた授業であった。
今日の授業は、すごいスピードで展開した。デジタルコンテンツのメリットの 1 つと
して、今まで時間をかけて黒板に書いていたようなことが簡潔に必要な情報を出せると
いうことがある。要するに情報量を高めることができるメリットであると言われてきた。
デジタルコンテンツを利用して速いテンポで授業が進んだときに落ち着いて考える時間
を与える必要があるということが課題である。
本日の授業は、デジタルコンテンツを使った授業の見本のようなものであったが、い
ざ自分の授業でやろうとすると、
「なぜFLASHのかたまりになっているの。」とか、
「こ
こだけ使いたいのに。」
「これは中学生には難しいよね。」というようなことが次々出てく
る。授業のどこに使えば有効かを考え出すときりがなくなる。そういう意味では、デジ
タルコンテンツの活用に関して、時間のかかる部分がある。可能性はあるが、これから
やらなければならない部分も多い。デジタルコンテンツが今までの演示実験と融合して
提示することができる。まだまだ開発の可能性があることを感じさせる元気の出る授業
でした。
●科学技術振興機構(JST) 東 良太係長
実際に実験をおこなって、また電子の動きをコンテンツで説明されて、うまく融合さ
れた授業であった。
●八尾市立教育サポートセンター 浅野隆史指導主事
清水先生には、昨年度に引き続いて研究を行っていいただきました。昨年度は、天気
に関する授業だったが、今年については実験もやってほしいという依頼をした。
研究は燃料電池を扱うということでスタートしたのだが、市販の燃料電池の実験装置
は非常に高価である。そこで今回の研究費を活用して、研究をすすめていくこととした
のだが、八尾中学校の先生から本日行った生徒実験の提案があった。身近な材料を使お
うということで、電極には鉛筆を利用し、あと支持器としてダンボール、水溶液にはス
ポーツ飲料などを活用した実験である。協議の結果、高価な実験装置より、身近な素材
を活用した燃料電池の実験装置で生徒実験をすることとなった。
5 月に研究にスタートしたが、夏休みにはいろんな方のアイデアから授業が組み立てら
れた。これまでの研究授業は、どちらかといえば、授業者が主体となって授業プランを
考えることがおおかったが、今回は多くの先生がプラン作りの段階から参加していただ
き作り上げてきた。特に八尾中学校に折られる 4 人の理科の先生、私、大阪教育大学の
越桐教授と学生の方々など、多くの方の知識を結集できたことが素晴らしかった。
先月行っていただいた高安中学校の飯田先生の場合は、全くパターンが違いました。
飯田先生は大ベテランであり、今まで培ってきた授業スタイルがあります。その授業の
中に、いかにデジタルコンテンツを入れ込んで、よりわかりやすい授業にするかという
形での取り組みだった。
この研究にかかわって 4 年経つが、最初のころに比べて、ずいぶん良くなってきたな
ということを思う。ただ、よく聞く意見が、理科ねっとわーくにはたくさんのコンテン
ツがあるが、多すぎてわからないということである。このような意見を受けて、この春
に、検索エンジンのリニューアルがあった。デジタルなので、コンピュータを使って探
すというコンセプトはわかるが、なかなか難しかった。その意味では、今回提供された
「理科ねっとわーく」のパンフレットは、欲しかったものです。アナログのパンフレッ
トを見ることで、ここに自分の欲しいコンテンツがありそうだなあという予想ができる。
そして、実際のコンテンツをインターネットで確認する。このようなやり方が可能にな
る。
また、コンテンツの加工に関しても、よく意見を頂戴する。コンテンツ上には要らな
い情報がいっぱいある。中学校の教科書にない言葉・表現がある。先日の高安中学校の
授業では、必要のない文字は消すなど、加工をしたコンテンツを提示された。本日の授
業においては、イオンと電子の取り扱いが論議された。結論として、イオンと電子は教
える必要があるということなり、本日提示したコンテンツについては、理科ねっとわー
くのコンテンツをそのまま提示した。コンテンツを加工したり、コンテンツをプリント
アウトしたいと思ったときに先生方が苦労されている。そこで、1 月にコンテンツの加工
等にかかわる理科ねっとわーく研修会を予定してる。
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評
価
生徒アンケート(八尾中学校)
●1年3組(32 名)6組(31 名)における「デジタル教材を使用した授業」
(11 月 9 日実
施)と「デジタル教材を使用しない授業」(10 月 17 日実施)との比較
1、今日の学習について
①今日の学習では、楽しく活動することができ
たと思いますか。(デジタル教材使用)
まったく
1
7%
あまり
2
8%
少し
3
31%
4 たいへん 2 あまり
たいへん
4
54%
3 少し
1 まったく
②自分から進ん で参加す る ことができたと思い
ます か。(デ ジタル教材使用)
まったく
1
11%
あまり
2
26%
4 たいへん 2 あまり
たいへん
4
32%
少し
3
31%
3 少し
1 まったく
③自分にあった方法やスピードで進めることが
できたと思いますか。(デジタル教材使用)
まったく
1
あまり
8%
2
11%
たいへん
4
34%
まったく
1
10%
あまり
2
10%
少し
3
35%
4 たいへん 2 あまり
たいへん
4
45%
3 少し
1 まったく
②自分から進んで参加することができたと思い
ますか。(デジタル教材使用なし)
まったく
1
16%
あまり
2
22%
4 たいへん 2 あまり
たいへん
4
30%
少し
3
32%
3 少し
1 まったく
③自分にあった方法やスピードで進めることが
できたと思いますか。(デジタル教材使用なし)
まったく
1
6%
あまり
2
16%
たいへん
4
46%
少し
3
32%
少し
3
47%
4 たいへん 2 あまり
①今日の学習では、楽しく活動することができ
たと思いますか。(デジタル教材使用なし)
3 少し
1 まったく
4 たいへん 2 あまり
3 少し
1 まったく
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52
④今日の学習は、やってよかったなと思います
か。(達成感)(デジタル教材使用)
まったく
1
あまり 8%
2
13%
たいへん
4
46%
少し
3
33%
4 たいへん 2 あまり
3 少し
1 まったく
④今日の学習は、やってよかったなと思います
か。(達成感)(デジタル教材使用なし)
まったく
あまり
1
2
5%
11%
たいへん
4
54%
少し
3
30%
4 たいへん 2 あまり
3 少し
1 まったく
2、授業の内容について
⑤理科の勉強がもっとできるようになりたいです
か。(デジタル教材使用)
あまり
2
2%
まったく
1
5%
あまり
2
5%
たいへん
4
67%
少し
3
26%
4 たいへん 2 あまり
3 少し
1 まったく
⑥理科の授業でコンピュータやデジタル教材を
使うとよくわかりますか。(デジタル教材使用)
あまり
2
3%
まったく
1
7%
たいへん
4
49%
少し
3
41%
4 たいへん 2 あまり
⑤理科の勉強がもっとできるようになりたいです
か。(デジタル教材使用なし)
3 少し
1 まったく
まったく
1
3%
少し
3
13%
4 たいへん 2 あまり
たいへん
4
79%
3 少し
1 まったく
⑥理科の授業でコンピュータやデジタル教材を
使うとよくわかりますか。 まったく
(デジタル教材使用なし)
あまり
2
7%
少し
3
35%
4 たいへん 2 あまり
1
12%
たいへん
4
46%
3 少し
1 まったく
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⑦コンピュータやデジタル教材を使った授業を
もっと受けてみたいと思いますか。
(デジタル教材使用) まったく
あまり
2
12%
1
7%
たいへん
4
47%
少し
3
34%
4 たいへん 3 少し
2 あまり
1 まったく
⑧デジタル教材を使った授業は使わなかった授
業より、よくわかりますか。 (デジタル教材使用)
まったく
1
7%
あまり
2
11%
たいへん
4
39%
少し
3
43%
4 たいへん 3 少し
2 あまり
1 まったく
八尾中学校においては、「今日の授業で、楽しく活動することができたか。」という設問
に対して「少し」と「たいへん」をあわせると5%肯定的な回答が上回っている。また、
「今
日の学習は、やってよかったなと思いますか。
」という設問に関しても、同じく「少し」と
「たいへん」をあわせると5%肯定的な回答が上回っている。
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参観者感想
○ 導入とまとめにコンテンツを使ったのが効果的であった。生の実験にまさる感動はない
が、実験を振り返らせたりイメージ化させるのに優れていると思った。また、大型モニ
ターとアーム付きカメラの使い勝手の良さに驚いた。身近な素材を実験に用いたことも、
生徒の興味・関心を掻き立てるのに役立っていたと思う。デジタルコンテンツの情報量
の多さやスローモーションにできたり、フラッシュから必要な場面を取り出せるように
するという課題はその通りだと思う。(小学校)
○ デジタルコンテンツを活用し、実験等の動画を見せることによって、とてもわかりやす
く学べることができたと思う。実際の実験も含め、大変興味深いものであった。どの学
校においても、教師の負担は増えるかもしれないが、ぜひ活用されるようにしたい。
(小学校)
○ 実験あり、動画等の提示ありの授業は、制限時間内には難しいと感じた。授業内容をか
なり限定する必要があるように思う。燃料電池の将来性など、生徒間の意見交流がどの
ようにされるか見たかった。また、理科ねっとわーくのコンテンツは、他に教科(例え
ば社会)でも使えそうに感じた。(小学校)
○ 中学校の授業を参観するのは、おそらくこれが初めてだったと思う。今年度は理科の授
業は専科の先生にしていただいている。燃料電池の実験など小学生にとっては難しい内
容だが、理科という教科への興味付けとしてはいいと感じた。身近な素材(アクエリア
ス、鉛筆など)を使っているのもよかった。デジタルコンテンツについては、目で見え
ない部分(イオン、電子など)に使うことについて、非常に有効だと感じた。と同時に、
使い方を明確にしておかないと、逆にわかりづらいものになるのではと感じた。
(小学校)
○ 今日の授業をするにあたって事前の準備について、大変だっただろうということが伝わ
ってきた。燃料電池については、前時の振り返りの後に提示するほうが、子どもたちの
興味・関心をきけたのではないかと思った。(小学校)
○ 大画面テレビが各教室にあれば、すぐに授業が始められていいなと思った。燃料電池の
しくみ、水の電気分解などを思う出しながら、楽しく参観できました。(小学校)
○ 日頃は理科を専科の先生にしていただいています。従って、理科の授業研究は不十分な
状態であり、今回の公開授業を参観させていただいたことは、非常に有意義であり、刺
激になった。「理科ねっとわーく」についても、登録し、存在を知っていながら、コン
テンツを十分に理解する時間がとれず、使いこなすレベルには達していないことを残念
ながら自認している。デジタルコンテンツと実験の融合というのは、私自身、思いも余
らず、子どもたちの表情を見ていても、うまく受け入れなれているのが伝わってくる内
容だった。(小学校)
○ 以前、デジタルコンテンツの動画を利用して、授業をしてみたのですが、その時はただ
見せるだけでした。今回のように実験と合わせて授業を行うというのは新鮮だったし、
自分もやってみようと感じることができた。(中学校)
○ 「燃料電池」という最先端の技術を身近にある材料を使って見せることは生徒にとても
興味をもたせ、考えさせることは素晴らしいことだと思う。また、環境問題にもつなが
らせることも系統性があってよかった。(中学校)
○ デジタルコンテンツと実験がうまく融合できていた。燃料電池の意外性にも気がついた。
水素を扱うことが大変かと思ったら、電気分解をすることで代用できることがわかった。
(中学校)
平成18 年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト IT 融合型学習活動・教員研修
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55
○ 本日の授業は、1 分野で、しかも実験とコンテンツの併用という形をとっておられたの
が新鮮だった。内容的にも盛りだくさんで、どの程度コンテンツが入るのかということ
も興味があった。実際には、導入とまとめの要所のみの使用という形が、実験の印象を
より鮮明にする効果があると感じた。(中学校)
○ 全体としては子どもたちが自由に発言するいい雰囲気の授業でした。身近なもので燃料
電池を作られたので、これは今後活用させていただきます。ワークシートは、欲張りす
ぎではないかと思います。また、感想も書けるようにしたほうがよいのではないかと思
います。(中学校)
○ これまで 3 年のエネルギーの授業では、教科書で学習することが多かったのですが、今
回見せていただいた授業のように、導入・まとめでコンテンツを利用して行うことによ
り、生徒にとっては、実験を通して科学的な思考を鍛え、コンテンツで動画などを通し
て視覚的にまとめをしていくことができ、理解が深まると思う。(中学校)
○ コンテンツをとても上手に利用されていた授業だと思った。また、水の電気分解を身近
な材料(鉛筆、アクエリアス)を使って行うことで生徒の興味を引くなど、とても工夫
された授業だと感じた。生徒については、女子が積極的に発言しているのが新鮮だった。
(中学校)
○ テンポのいい授業で学ばせてもらうことばかりだった。実験、板書(ワークシート)、
デジタルコンテンツとそれぞれの目的と生徒の理解に合わせた使われ方で、是非取り入
れてやってみたいと思った。(中学校)
平成18 年度サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト IT 融合型学習活動・教員研修
八尾市報告書
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