1.エネルギー政策の新たな方向性 ―新エネルギーモデル国家の構築に向けて―1) 原油価格等エネルギー価格が急騰し、エネルギー需給は一段と厳しさを増している。また、温暖 化をはじめとする地球環境問題に対して、より一層 目 次 の取組が求められている。このため、原子力、省エ 1.新エネルギーモデル国家の構築に向けて 1 頁 ネルギー等を柱とするエネルギー政策が、ますます 2.太陽光発電導入拡大のアクションプラン 3 頁 重要となっている。地球温暖化問題が長期的な課題 3.カーボン・オフセット情報提供ガイド であることを考えると、京都議定書の目標達成に向 けた対応を含め、より中長期的な新エネルギー政策 4頁 4.環境等に関する法規制等の最近の動き 4 頁 1)PRTR 法施行令の改正 4頁 2)自動車リサイクル法施行規則の改正 5頁 が必要になっている。そのため、本年 2 月より、経 3)安衛法施行令の改正 5頁 済産業省資源エネルギー庁新エネルギー部会が開催 4)安衛規則に基づく厚労大臣が定める物 7 頁 され、今後の新エネルギー政策の基本的方向性につ 5)情報セキュリティ管理基準の制定 いて検討が重ねられてきた。その議論がとりまとめ 5.JACO からのお知らせ 7頁 8頁 られ、ここに産学官及び国民に対する緊急提言として発表された。 (1)基本的な考え方−「新エネ・モデル国家」の構築 国土が狭く、資源の少ない我が国としては、ハイテクやものづくりといったわが国の強み を活かして新エネルギーの導入拡大を図るべきである。 [1]我が国の強みを活かす 我が国としては、水力、地熱、風力、バイオマス等による発電や熱利用に今後とも最大限取 り組むとともに、我が国の強みである太陽電池、蓄電池、燃料電池等に関する材料開発から製 品開発までの一貫した高度な技術やものづくりの技術を活かして新エネルギーの導入拡大 を図るべきである。 [2]他国の模範(先進事例)となる 我が国は、例えば太陽電池、蓄電池、燃料電池等の高度な技術を活かし、世界に先駆けて太 陽光社会を実現し、水素社会の構築等を目指すべきである。この新たな社会においては、太 陽光電池、次世代自動車、燃料電池等が我々の生活の中でごくふつうに使われるようになり、 まさに新エネ生活(新エネ・ライフ)が実現する。新エネは、コストが高い等ハードルが無視 できない。新エネ・ライフ定着のためには、コストがかかっても未来の地球のために投資す るという国民の意識改革と、産学官の力を結集した技術開発、市場拡大等によって新エネル ギーのコストを下げることが必要である。 [3]将来を担う産業を育てる 新エネルギー関連産業は、エネルギーと環境を巡る諸課題の解決に資する産業であり、素 材産業から加工組立産業まで産業全体への波及効果も大きく、国際的にも今後高い成長が期 待されるため、産学官の力を結集して、この産業を競争力のある日本の基幹産業へと大きく 育てていくことが重要である。 1 [4]目標を確実に達成する 「高い目標設定」と「確実な達成」の両立は難しいが、リソースの限界(長期的・画期的な技術 開発を継続しつつ、直近の対策に投入可能な人材や資金等の上限)や技術の進歩などを把握し、 規制的手法、財政的支援、自主的取組みを組み合わせて、国民の理解と協力の下、高い目標 とその達成方策を設定すべきである。 [5]国民との相互理解のもと、国民の協力を得る 新エネルギーを導入する者が自ら負担する場合、財政支出等(補助金、税等)によって負担す る場合、エネルギー価格等(電気料金、ガス料金等)に含める場合やその組み合わせなど、複数 のパターンが考えられるが、いずれにせよ最終的には何らかの形での国民負担が不可避であ る。したがって、国民との相互理解のもとでの国民の協力、産学官の関係者による真摯かつ 丁寧な説明が必要である。 (2)具体的な政策の在り方 [1]再生可能エネルギーの抜本的導入拡大 ①太陽光社会の実現 長期エネルギー需給見通しの最大導入ケースにおける太陽光発電は、2020 年に現状の約 10 倍、2030 年に現状の約 40 倍という極めて大きなもので、これは、2020 年において新築持 家の約 7 割、2030 年には新築戸建住宅の約 8 割、産業用・公共用施設全体の約 8 割に太陽光 発電が設置されている状態に相当する。国内の太陽電池の 8 割以上住宅用に向けられており、 今後とも、住宅用太陽光発電の普及は重要である。住宅用に加えて、産業用(工場、事業所 等)・公共用施設における比較的規模の大きい太陽光発電システム(メガソーラーシステム) に関しては、国や自治体等による強力な支援が必要である。より長期的な視点から、太陽光 発電の抜本的な効率向上と価格低減を目指し、革新的な太陽電池技術の基礎研究を行う研究 拠点を設置すべきである。よい効率良く太陽エネルギーを活用できるソーラーシステム、太 陽熱利用システムの導入促進も図るべきである。 ②風力、バイオマス、地熱、雪氷、水力等の導入促進 風力発電は、再生可能エネルギーの中ではコストが低いが、まだ引き続き導入支援が必要 である。今後は洋上風力などの新しい技術も検討の対象とすべきである。バイオマスに関し ては、まず、食料と競合しないバイオマス(下水汚泥、家畜排せつ物、食品廃棄物、間伐材、 海藻等の未利用部分)の積極活用が必要である。我が国の場合、地熱、雪氷、未利用エネル ギー等も貴重なエネルギーである。 ③エネルギー供給構造の抜本的変革のための基盤的制度改革 福田前総理は、国内のCO2 排出量を 60∼80%削減するという 2050 年までの長期目標を示 した。この目標を達成するためには、需要側(エネルギー使用者)による省エネ・新エネ導入 努力だけでは限界があり、供給側による新エネルギーの抜本的導入が必要となる。 電力分野に関しては、RPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特措法) によって、新エネルギー等による電気の導入を電気事業者に義務付け、効果を上げている。 現行の目標値(2010∼2014 年度に導入すべき新エネルギー等電気の量)は高いレベルで、現時 点で達成の見通しは立っていないが、今後、実現可能性、コストダウンの見通し等も勘案し ながら、長期需給見通しの水準を踏まえ、2018 年度の目標量等を検討する必要がある。 [2]水素社会の確立に向けて 2 水素は、利用段階ではCO2 を排出しないクリーンなエネルギーである。当面は、化石燃料 から水素を製造する場合が多いと考えられるが、製造方法・利用方法によってはCO2 排出削 減効果があり、かつ、将来的には原子力、太陽光、バイオマス等のエネルギーから水素を製 造することも考えられる。水素を高度に活用する水素社会の確立に向けて準備すべきである。 [3]次世代自動車の抜本的導入拡大 我が国の石油の 35%を消費し、CO2 排出量の 2 割弱を占める自動車に関して、化石燃料の 消費量及びCO2 排出量の少ない次世代自動車(燃料電池自動車等)への転換が必要である。 [4]革新的技術開発 2008 年 3 月「Cool Earth―エネルギー革新技術計画」が策定され、重点的に取り組むべきエ ネルギー革新技術として、例えば、二酸化炭素回収・貯留、先進的原子力発電、セルローズ系 バイオエタノール製造技術、超高効率ヒートポンプ等が示されている。 2.太陽光発電の導入拡大のためのアクションプラン 2) 政府の「低炭素社会づくり行動計画」(平成 20 年 7 月閣議決定)において、①太陽光発電の導入量 を 2020 年に 10 倍、2030 年に 40 倍にすること、②3∼5 年後に太陽光発電システムの価格を現在の 半額程度にすること等を目標にとするとともに、「安心実現のための緊急総合対策」(平成 20 年 8 月 政府・与党とりまとめ)においても、低炭素社会の実現に向けた新エネ技術の抜本的導入のための具 体的施策として、家庭・企業・公共施設等への太陽光発電の導入拡大が位置付けられている。この ような方向性をより確実なものとするため、太陽光発電の導入拡大を図るべく、太陽電池メーカー や導入を予定する国民や企業等関係者の迅速な取組みを促すために経済産業省、文部科学省、国土 交通省、環境省の連携の下、平成 20 年 11 月 11 日に、「太陽光発電の導入拡大のためのアクション プラン」が次のように取りまとめられた。 (1)供給サイド及び需要サイドにおける取組み 低価格・高性能の太陽光発電システムの提供という「供給サイド」の取組みと、家庭・企業・ 公共施設をはじめとする各分野における太陽光発電システムの導入促進という「需要サイド」 の取組みが、互いに相乗効果を発揮しながら進展することを通じた導入量の拡大、機器システ ムの価格低下、市場の拡大を促す。 [1]供給サイドの取組み ①大容量の電力が必要な公的施設向けの太陽光発電も含め、材料・素材・モジュール等の技術 開発を着実に実施し、機器システムの低コスト化・発電効率向上を推進するとともに、設置 コスト低減のため、機器システムの軽量化及び設置の簡易化を推進する。 ②太陽光発電と併せた蓄電池技術の開発を推進する。 ③家庭向けの展示場等におけるPR、デザイン性や耐久性を兼ね備えたパネル等の開発・普及 についての太陽電池メーカーと住宅メーカーの連携が必要である。 [2]需要サイドの取組み ①家庭分野:住宅用太陽光補助金等による価格低下を通じた導入が飛躍的拡大する。 ②企業分野:中小企業における導入を重点的に拡大する。また、事業者と地方公共団体の連携 を通じた「メガ・ソーラー」(大規模太陽光発電所)の建設を促進する。 ③公的施設分野:道路、鉄道、港湾、空港などの公的施設における一層の導入促進を図るため、 これらの施設所有者や関連事業者に対して、内外の導入事例を基に具体的な情報提供を実施 3 する。施設所有者、道路事業者、鉄道事業者、倉庫事業者、ターミナル事業者と太陽光発電 関連事業者との情報共有を推進する。また、公的施設に対する公的支援を拡充する。 ④教育機関:小学校、中学校、高校、大学における太陽光発電関連事業者との情報共有を推進 する。また、太陽光発電を環境教育等に活用することを促進し、これらの学校をモデル校に 認定する。 (2)制度環境等の整備 「供給サイド」及び「需要サイド」における支援策とともに規制的手法などの制度環境整備の 包括的・一体的な具体化が必要不可欠であり、このために、制度環境等の充実を通じて円滑 な導入の拡大を図る。 (3)太陽光関連産業の基盤強化、国際競争力、国際展開の支援 太陽光発電の関連企業の裾野の拡大とともに、技術開発、原材料確保等への支援などを通 じた産業としての競争力の向上が喫緊の課題であり、太陽電池メーカーをはじめとする太陽 光発電の関連企業が将来の我が国の産業構造における中核的な役割を担い得るように支援を 行う。 3.カーボン・オフセットの取組に係る信頼性構築 のための情報提供ガイドライン(Ver.1.0)3),4) カーボン・オフセットとは、「日常生活や経済活動において避けることができない温室効果ガス の排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効 果ガスについてその排出量を見積り、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等 により、排出される温室効果ガスを埋め合わせる」という考え方である。 カーボン・オフセットの取組みを広め、市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員 の自発的な取組を促進するためには、カーボン・オフセットの取組について透明性を確保し、信頼 性を構築していく必要がある。そのため、環境省では、本年 2 月に「我が国におけるカーボン・オ フセットのあり方について(指針)」3)をまとめ、今回、それに基づき、カーボン・オフセットを行う 際に留意すべき点や明示すべき情報等について、このカイドライン 4)をまとめた。 このガイドラインは、第 1 章 はじめに、第 2 章 カーボン・オフセットの情報提供に係る関連法 令・ガイドライン、第 3 章 商品使用・サービス利用オフセットの情報提供、第 4 章 会議・イベン ト開催オフセットの情報提供、第 5 章 自己活動オフセットの情報提供、参考資料 1 カーボン・オ フセットの類型別記載例、参考資料 2 チェックシート、参考資料 3 用語集、から成っている。 4.環境等に関する法規制等の最近の動き 1)特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関す る法律(PRTR法)施行令の一部を改正する政令(H20.11.21、令第 11 号)(厚 生労働省、経済産業省、環境省)(施行期日 H21.10.1)5),6),7) 「PRTR法施行令の一部を改正する政令」が、平成 20 年 11 月 18 日に閣議決定された。PR TR法(平成 11 年法律第 86 号)に規定されている第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質 の見直し並びに第一種指定化学物質取扱事業者となり得る業種の追加を行うための改正である。 (1)第一種指定化学物質の見直し(別表第一:第 1 条関係) 4 現行 354 物質が指定されているところ、改正後は 462 物質となった。また、特定第一種指定 化学物質(人に対して発がん等を有する物質)については、現行 12 物質が指定されているとこ ろ、改正後は 15 物質となった。 (2)第二種指定化学物質の見直し(別表第二:第 2 条関係) 現行 81 物質が指定されているところ、改正後は 100 物質となった。 (3)業種の追加(第3条関係) 環境への排出量等の把握及び届出を行う義務を負う第一種指定化学物質等取扱事業者に、医 療業が追加された。 (4)施行 MSDS制度施行 平成 21 年 10 月 1 日 (PRTR制度に関しては、改正後の対象物質の排出・移動量の把握は平成 22 年度か ら、届出は平成 23 年度から実施) 2)使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)施行規 則の一部を改正する省令 (H20.10.31 、 経済 産 業 省 ・ 環 境 省 令 第 3 号 )( 施 行 期 日 H20.11.4)8) 道路運送法等の一部を改正する法律(平成 18 年法律第 40 号)の一部の施行に伴い、その第 2 条の道路運送車両法(昭和 26 年法律第 185 号)の一部の改正により、第 2 条に第 9 項が追加され、 「第 16 条第 6 項を第 16 条第 5 項とする。」が追加された。自動車リサイクル法では、その第 78 条(再資源化預託金等の取戻し)第 1 項に主務省令で定めるところによるとしている。その自動 車リサイクル法施行規則の第 76 条第 2 項第 3 号中に道路運送車両法を引用しているため、「第 16 条第 6 項」を「第 16 条第 5 項とする。」に改正された。 3)労働安全衛生法(安衛法)施行令等の一部を改正する政令(H20.11.12、政令 第 349 号)(厚生労働省)、(施行期日 H21.4.1)9)、10) 厚生労働省から 9 月 22 日に労働政策審議会に諮問された「労働安全衛生法施行令等の一部を 改正する政令案要綱」及び「労働安全衛生法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」に対し、 「妥当」と答申された。それを受けて、まず施行令が改正された。 (1)労働安全衛生法施行令の一部改正(第一条関係) [1]名称等の表示対象となる物の範囲の拡大(第 18 条関係) 安衛法第 57 条第 1 項の規定により、名称等を表示しなければならない物として、ニッケル 化合物(ニッケルカルボニルを除き、粉状の物に限る。[2]及び[4]において同じ。)並びに砒 素及びその化合物(アルシン、三酸化砒素及び砒化ガリウムを除く。 [2]及び[4]において同 じ。)を追加することとした。 [2]健康診断を行うべき有害な業務の範囲の拡大(第 22 条第 1,2 項関係) ①法第 66 条第 2 項前段の規定により、事業者が行う健康診断の対象業務として、ニッケル化 合物並びに砒素及びその化合物を製造し、又は取り扱う業務並びに石綿等の取扱い又は試験 研究のための製造に伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務(石綿等を取り扱い、又 は試験研究のため製造するものを除く。)を追加することとした。 ②法第 66 条第 2 項後段の規定により、事業者が行う健康診断の対象業務として、ニッケル化 合物並びに砒素及びその化合物を製造し、又は取り扱う業務並びに石綿等の製造又は取扱い 5 に伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務(石綿等を製造し、又は取り扱うものを除 く。)を追加することとした。 [3]健康管理手帳を公布する業務の範囲の拡大(第 23 条関係) 法第 67 条第 1 項の規定により、都道府県労働局長が健康管理手帳を交付する業務に、石綿 等の製造又は取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務(石綿等を製造し、又は 取り扱うものを除く。)を追加することとした。 [4]特定化学物質の見直し(別表第 3 関係) 安衛法施行令(昭和 47 年政令第 318 号)別表第 3 第 2 号に規定する第 2 類物質に、ニッケル 化合物並びに砒素及びその化合物を追加することとした。 (2)労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令の一部改正(第二条関係) 安衛法施行令の一部を改正する政令(平成 18 年政令第 257 号)の一部が改正された。改正さ れた附則第 3 条を次に示す。 附則第 3 条 次に掲げる物(既存石綿含有製品等に該当するものを除く。次条第 2 項におい て「適用除外製品等」という。)については、当分の間、法第 55 条の規定は、適用しない。 一 石綿ジョイントシートガスケッチングから切り出した石綿(アモサイト及びクロシドラ イトを除く。以下この条において同じ。)を含有するガスケットであって、次のいずれか に該当するもの イ この政令の施行の際現に存する本邦にある化学工業の用に供する施設(以下「既存化学 工業施設」という。)の設備(配管を含む。以下同じ。)の接合部分(二百度以上の温度の流 体である物)に使用されるもの ロ 既存化学工業施設の設備の接合部分に使用されるものであって、直径千五百ミリメー トル以上のもの(イに掲げるものを除く。) 二 石綿を含有するうず巻き形ガスケットであって、既存化学工業施設の設備の接合部分(四 百以上の温度の流体である物又は次に掲げる物であって、三百度以上四百度未満の温度 の流体であるものを取り扱う部分に限る。)に使用されるもの イ 亜硝酸及びその塩 ロ 硝酸及びその塩 ハ 硫酸及びその塩 三 石綿を含有するグランドパッキンであって、三百度以上四百度未満の温度の流体である ものを取り扱う部分に限る。)に使用されるもの イ 亜硝酸及びその塩 ロ 硝酸及びその塩 ハ 硫酸及びその塩 四 石綿を含有する断熱材(本邦において製造されるミサイルに使用されるものに限る。) 五 石綿又は石綿を含有する製剤その他の物であって、前各号に掲げる物の原料又は材料と して使用されるもの 附則(施行期日) 第一条関係は、平成 21 年 4 月 1 日から施行される。第二条関係は、平成 20 年 12 月 1 日 から施行される。ただし、第二条中の安衛法施行令の一部を改正する政令(平成 18 年政令第 257 号)附則第 3 条第 1 号イの改正規定(「百度」を「二百度」に改める部分に限る。)は、平成 21 6 年 1 月 1 日から施行される。また、経過措置を定められた。 4)労働安全衛生規則(安衛規則)第 95 条の 6 の規定に基づき厚生労働大 臣が定める物等の一部を改正するする件 (H20.11.20、厚生労働省告示第 522 号)(施行期日 H21.1.1)11),12) 厚生労働省は、安衛規則第 95 条の 6 による、有害ばく露作業報告の対象物質を見直し、アク リル酸エチル等 20 物質及びそれらを一定の含有率以上含有する製剤等を規定するため、「労働 安全衛生規則第 95 条の 6 に規定に基づき厚生労働大臣が定める物等」(平成 18 年厚生労働省告 示第 25 号)を改正した。第一条で、表として、コード 60 から 79 の物と含有量を示している。 第二条により、事業者は、平成 19 年 4 月 1 日から平成 20 年 3 月 31 日までの間に一事業所にお いて製造し、又は取り扱った第一条で定めた物の量が 500 キログラム以上となったときは、平 成 21 年 3 月 31 日までに、 安衛規則第 95 条の 6 の規定による報告書を提出しなければならない。 5)情報セキュリティ管理基準(平成 20 年改訂版)(H20.11.5、経済産業省告示第 246 号政令第 246 号)(施行期日 H21.2.1) 13) 改正版の「情報セキュリティ管理基準(平成 20 年改定版)」が告示され、平成 21 年 2 月 1 日か ら適用されることになった。平成 15 年経済産業省告示第 112 号により定められた「情報セキュ リティ管理基準」は平成 21 年 1 月 31 日に廃止される。 平成 17 年に、情報セキュリティマネジメントに関わる重要な国際規格として、ISO/IEC 27001:2005 ISMS 要求事項(JIS Q 27001:2006)及び ISO/IEC 27002:2005 (旧 ISO/IEC 17799: 2000)情報セキュリティマネジメントのための実践規範(JIS Q 27002:2006)が策定された。 このような ISO/IEC における国際規格化の動きを受け、国際規格と整合性を取る形で見直しが 行われた。情報セキュリティ管理基準(平成 20 年改定版)は、マネジメント基準と管理策基準か ら構成されている。 [1] マネジメント基準 情報セキュリティマネジメントの計画、実行、点検、処置に必要な事項を定めている。JIS Q 27001:2006 をもとにしているが、ISMS認証取得を目指している組織、独自に情報セキ ュリティマネジメントの確立を検討している組織、情報セキュリティ監査を実施する組織、 情報セキュリティ監査を受ける組織など幅広い利用者を想定して記述している。 「マネジメント基準」は、①情報セキュリティマネジメントの確立、②情報セキュリティマ ネジメントの導入と運用、③情報セキュリティマネジメント監視およびレビュー、④情報セ キュリティマネジメントの維持および改善、⑤文書管理および記録の管理、からなっている。 [2]管理策基準 組織が、情報セキュリティマネジメントを確立する段階において、リスクの対応方針に従 って管理策を選択する際の選択肢を与えるものである。JIS Q 27002:2006 附属書A「管理目 的及び管理策」、JIS Q 27002:2006 をもとに、専門家の知見を加えて作成してあり、管理目 的と管理策で構成されている。また、既存のISMS認証などとの整合性にも配慮している。 「管理策基準」は、①セキュリティ基本方針、②情報セキュリティのための組織、③資産の管 理、④人的資源のセキュリティ、⑤物理的及び環境的セキュリティ、⑥通信及び運用管理、 ⑦アクセス制御、⑧情報システムの取得、開発及び保守、⑨情報セキュリティインシデント 7 の管理、⑩事業継続管理、⑪順守、からなっている。 引 用 文 献 1) 経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課:総合資源エネルギー 調査会新エネルギー部会緊急提言「新エネルギー政策の新たな方向性―新エネルギーモデル国家の構築 に向けて―」(H20.9.25) 2)環境省地球環境局地球温暖化対策課:太陽光発電の導入拡大のためのアクションプラン」(H20.11.11) 3)環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室:我が国におけるカーボン・オフセットのあり方に ついて(指針)の公表(H20.2.7) 4)環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室:カーボン・オフセットの取組に係る信頼性構築 のための情報提供ガイドライン(Ver.1.0)(H20.10.30) 5)官報 号外第 4934 号(H20.11.21) 6)環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課:「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善 の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令」について(お知らせ)(H20.11.17) 7)経済産業省製造産業局化学物質管理課:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進 に関する法律施行令の一部を改正する政令について(H20.11.18) 8)官報 第 4945 号(H20.10.31) 9) 官報 第 4952 号(H20.11.12) 10)労働法令通信 No。2159/08.10.8 P.8(H20.10.8) 11)官報 第 4958 号(H20.11.20) 12)労働法令通信 No。2161/08.10.28 P.11(H20.10.28) 13)官報 号外第 243 号(2 分冊の 1)(H20.11.5) 問合先:技術部 大野(正) F A X :(03)5572-1988 E- mail:ohnom@jaco.co.jp 5.JACOからのお知らせ ○ISO9001:2008 年版の追補改訂について解説します。 ★「ISO9001(2008 年版)規格の追補改訂解説コース」 東京会場 12 月 26 日(金) 大阪、金沢、札幌、仙台、名古屋、福岡会場開催予定(2009 年 1 月∼2 月) ○EMS・QMSの新スーキムへの移行、新スキームでの維持更新の際に、必要な継続的専門能力 開発(CPD)実績に有効なセミナーを開催致します。 「環境監査員CPD(2008 年版)1 日&5 時間コース」 東京会場 12 月 22 日(月)、 09 年 1 月 28 日(水)、 名古屋会場 09 年 1 月 13 日(火) 09 年 2 月 26 日(木) 「QMS審査員/審査員補レベルアップCPD①、②コース」(1 日)、①と②の 2 コースで 15H 東京会場 ①12 月 26 日(金)、 ②09 年 1 月 15 日(木)、 大阪会場 ②09 年1月 23 日(金)、① 09 年 2 月 9 日(月)、 ①09 年 2 月 18 日(水) ★QMS審査員/審査員補レベルアップCPD③東京会場開催予定(2009 年 3 月) ○簡易・地域版エコシステムから ISO14001 へのステップアップのご検討に必要な情報を提供します。 ★「中小規模組織が取り組み易い ISO14005 EMS 解説コース」 東京会場 12 月 3 日(水)、 09 年 2 月 12 日(木) 8 ○食品安全の基礎的かつ重要なセミナーを開催致します。 「実践食品微生物の管理」(1 日) 東京会場 09 年 2 月 12 日(木)、 大阪会場 「実践食品異物混入の管理」(1 日) 東京会場 12 月 26 日(金)、 大阪会場 09 年 1 月 28 日(水) 09 年 1 月 29 日(木) 「ISO22000 の規格解説」(1 日) 東京会場 09 年 1 月 27(火)、 大阪会場 09 年 1 月 14 日(水)、 札幌会場 09 年 2 月 25 日(水) 「管理手法からの FSMS 構築」(1 日) 東京会場 09 年 1 月 28 日(水)、 大阪会場 09 年 1 月 15 日(木)、 札幌会場 09 年 2 月 26 日(木) 「役立つ食品関連法の解説」(1 日) 東京会場 09 年 1 月 29 日(木)、 大阪会場 09 年 1 月 16 日(金)、札幌会場 09 年 2 月 27 日(金) ○食品安全マネジメントシステム審査員研修コース・食品専門知識コースを開催致します。 ★「食品安全マネジメントシステム審査員/主任審査員トレーニングコース」(5 日) 東京会場 「東京会場 09 年 3 月 16 日(月)∼3 月 18 日(水) 09 年 3 月 2 日(月)∼6 日(金) ★「食品安全マネジメントシステム審査員コンバージョントレーニングコース」(3 日) ★「食品安全マネジメントシステ内部審査員養成コース」(2 日) 東京会場 2 月 5 日(木)・6 日(金) <食品専門知識コース> ★「作物生産コース」(3 日) 東京会場 09 年 1 月 23 日(金)∼25 日(日) ★「食品化学コース」(3 日) 東京会場 09 年 1 月 30 日(金)∼2 月 1 日(日) ★「食品加工学コース」(3 日) ★「食品微生物学コース」(3 日) ★「動物生産コース」(3 日) 東京会場 09 年 2 月 13 日(金)∼15 日(日) 東京会場 東京会場 09 年 2 月 20 日(金)∼22 日(日) 09 年 2 月 27 日(金)∼3 月 1 日(日) ○情報技術サービスマネジメント(ITSMS、IT サービスマネジメント)は、IT サービスプロバイダー にとって待望のISO規格(ISO/IEC 20000)です。優れた IT サービスの継続的提供、IT サービ スの品質の改善・向上、IT サービスの中長期的コスト削減を実現する国際規格です。 IT インフラストラクチャ ライブラリーをベースにISO&JIS化された規格です。 「ISO/IEC20000 審査員/主任審査員トレーニングコース」(5 日)東京会場 09 年 3 月 9 日(月)∼13 日(金) 「ISO/IEC20000 審査員コンバージョントレーニングコース」(3 日)東京会場 09 年 1 月 13 日(月)∼15 日(水) 「ISO/IEC20000 内部監査員養成コース」(2 日) 東京会場 09 年 3 月 5 日(木)・6(金) 「ISO/IEC20000 規格要求事項解説コース」(1 日) 東京会場 09 年 2 月 18 日(水) ○EMS・QMS・ISMS審査員研修コースで、12 月以降のまだ余裕のあるコースは次の通りです。 ISO14001 環境審査員研修コース(5 日)(CEAR 承認) 東京会場 12 月 15 日(月)∼19 日(金)、09 年 1 月 19 日(月)∼23 日(金)、09 年 2 月 16 日(月)∼20 日(金) 大阪会場 09 年 1 月 26 日(月)∼30 日(金) 環境審査員資格拡大研修コ−ス(3 日)(CEAR 承認) 大阪会場 09 年 2 月 4 日(水)∼6 日(金) 環境審査員資格更新リフレシュコ−ス(1 日)(CEAR 承認) 東京会場 09 年 1 月 6 日(火)、 大阪会場 09 年 2 月 10 日(火) ISO9000 審査員研修コース(5 日)(JRCA 承認) 東京会場 QMS 審査員資格拡大研修コース(3 日)(JRCA 承認) 09 年 3 月 2 日(月)∼6 日(金) 東京会場 09 年 2 月 11 日(水) ∼13 日(金) ISMS審査員研修 コース(5 日)(JRCA 承認) 東京会場 09 年 1 月 19 日(月)∼23 日(金)、大阪会場 09 年 2 月 23 日(月)∼27 日(金) ISMS審査員資格拡大研修コース(3 日)(JRCA 承認) ○セミナーのご相談、お問合せは次記へご連絡下さい。 大阪会場 09 年 1 月 7 日(水)∼9 日(金) E- mail:[email protected] (詳細は、技術部の中山、谷口まで) 9
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