Fund of Hedge Funds 月次速報 - 三井住友信託銀行

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Fund of Hedge Funds 月次速報
2013年1月
円ダイバーシファイドⅡファンド
FRM Diversified Ⅱ Fund SPC
Yen Feeder Segregated Portfolios Class A
◆運用実績(円ベース)
1月実績(確報値) +1.42%
基準価格(確報値) 10,391.575
2008年度
2009年度
2010年度
▲21.31%
+14.10%
+4.84%
純資産総額 1131億7150万円
2011年度 第1四半期 第2四半期 第3四半期
▲2.11%
▲0.71%
+0.93%
+0.51%
13/1
通期
+1.42%
+2.15%
【2012年度円ダイバーシファイドⅡ運用実績】
3.00%
2.15%
月次収益率
2.00%
累積収益率
1.00%
0.00%
-1.00%
-2.00%
-3.00%
12年4月
12年7月
12年10月
13年1月
(出所)FRM社。運用報酬控除後,信託報酬控除前
※次ページの「セクター配分比率」、「セクター別寄与度」、「組み入れ上位ファンドの組み入れ比率」は、
それぞれ当月末の値となります。
設定日は2004年3月1日です。
セクター配分・寄与
セクター配分 (%)
セクター
配分 (%)
リターン
(%)
寄与 (%)
RVマクロ
3.78
0.42
0.02
システム運用
3.94
1.66
0.07
自己判断運用
11.58
0.96
0.11
イディオシンクラティック
ディレクショナル・トレーディング
19.29
0.99
0.19
マルチ・ストラテジー
アジア
0.03
-7.13
-0.00
日本 0.10
3.30
0.00
欧州
7.84
4.93
0.37
北米
8.28
2.13
0.18
グローバル
0.15
-0.74
-0.00
-0.11
5.26% 1.38%
19.29%
ディレクショナル・トレーディング
13.17%
株式ロング・ショート
レラティブ・バリュー
スペシャリスト・クレジット
17.41%
19.33%
ヘッジ
25.46%
日本を除くアジア太平洋
株式ロング・ショート
債券裁定
セクター別寄与 (%)
ボラティリティ裁定
統計分析裁定
0.30%
0.20%
0.08%
-0.07%
2.31
0.44
3.08
-2.88
-0.09
6.06
1.94
0.12
12.77
2.65
0.34
-0.00
3.55
-0.00
レラティブ・バリュー
25.46
1.41
0.36
株式ロング・ショート
クレジット・バリュー
9.86
1.41
0.14
ロング・ショート・クレジット
7.54
2.15
0.16
エマージング・クレジット
0.01
0.07
0.00
17.41
1.73
0.30
イベント裁定
0.36%
-3.47
ディレクショナル・トレーディング
0.19%
0.44%
2.94
19.33
レラティブ・バリュー
スペシャリスト・クレジット
イディオシンクラティック
マルチ・ストラテジー
スペシャリスト・クレジット
ヘッジ
イディオシンクラティック
4.16
-0.87
-0.04
ストラクチャード・クレジット
9.01
2.67
0.24
13.17
1.53
0.20
マルチ・ストラテジー
5.26
1.54
0.08
マルチ・ストラテジー
5.26
1.54
0.08
マルチ・ストラテジー
1.38
-4.63
-0.07
ヘッジ
1.38
-4.63
-0.07
イディオシンクラティック
注:上記セクター寄与はマスター・ファンド(報酬控除前、ドルベース)の組み入れファ
ンド寄与合計値であるため、当ポートフォリオのネット・リターンとは一致しません。
当月の運用環境
1月は機関投資家が債券から株式や高利回り資産にシフトしたと言われ、投資家のリスク選好が再び高まりました。バーゼルIII
規制(銀行の自己資本規制)の流動性規制案が緩和されたことや、JP Morganと Goldman Sachsが堅調な業績を発表したため、金融
セクターが好調でした。一方、Appleの収益性低下や、高配当利回りのディフェンシブ銘柄に対する需要減少を背景に、情報技術
や通信セクターは相対的にアンダーパフォームしました。素材セクターは英国のRTZや米国のAnglo Americanが外国企業の買収に
伴い多額の評価損を計上したことの影響を受けました。米国の石油の備蓄減少に伴う原油価格の急騰と、アルジェリアの政情不
安を受けて石油と天然ガスの欧州地域への供給に関する政治リスクの高まりから、エネルギー・セクターは大きく上昇しました。
その他には米国の住宅価格上昇率は5年の高水準となり、Bank of Americaが不良債権化した住宅ローンをめぐりFannie MAEに
116億ドル支払うことで合意しました。ストラクチャード・クレジット市場はCLOの新規発行が6年来の高水準になるなど、好調でし
た。クレジット市場は低格付のCCC格付債が約+4%上昇し、投資適格のAAA格付債(▲1%超下落)をアウトパフォームしました。
ソブリン債市場は投資家のリスク選好姿勢の高まりを受けて低調で、欧州と米国の国債価格は下落し、イールドカーブはスティー
プ化しました。しかし日本は例外で、日銀が2%のインフレ・ターゲット達成のために「無制限の国債買い入れ措置」を採用し
たことから、国債価格は上昇しました。このニュースを受けて、円は対米ドルで▲5.4%下落し、株式市場ではTOPIXが+9.4%上
昇しました。
出所: FRM。 過去のパフォーマンスは将来の成績を保証するものではありません。戦略配分・寄与は報酬控除前、ドルベースでのマスターファンドのものです。
ポートフォリオの運用状況
当ポートフォリオは全ての主要セクターがプラス・リターンを獲得し、新年の良好なスタートを切りました。
ディレクショナル・トレーディング・マネジャーは全般的に株式指数の上昇と、円の中国元に対する下落から収益を獲得し
ました。新興国特化型マネジャーは中南米の債券やクレジットから収益を獲得するなど、収益源泉の分散効果が発揮されま
した。長期のトレンド追随型システム運用戦略は株式に対するロングと通貨のトレーディングから収益を獲得しました。一
方で、債券のロング・バイアスは最も大きくマイナス寄与しました。国際商品からは、エネルギーのトレーディングからは
小幅収益を獲得したものの、全体では小幅損失となりました。
株式ロング・ショート・マネジャーは株式市場が上昇する中で収益を獲得しました。マクロ要因が個別企業の株価に及ぼす
影響が薄れ、銘柄選環境が改善したことから、マネジャーは今後の見通しをより楽観的に見ており、自信を強めています。
ロング・バイアスとバリアブル・バイアス型マネジャーが最も好調だったものの、ローネット・バイアス型マネジャーも良
好なリターンを記録しました。
レラティブ・バリュー・セクターでは統計分析裁定マネジャーが好調で、年末の機関投資家の買いの余波から恩恵を受けま
した。12月には損失寄与となったファクター・モデルも収益をあげました。個別銘柄間の相関の低下を受けて、マネジャー
のリスク水準はやや上昇しました。イベント裁定マネジャーのリターンはまちまちで、買収株価スプレッドの全般的な縮小
は複数のマネジャーに小幅寄与したものの、欧州委員会が米貨物輸送大手UPSによる蘭TNTの買収を阻止したため大きな損失
となったマネジャーもいました。転換社債裁定マネジャーは、ボラティリティの低下はマイナス要因となったものの、株価
の上昇、新規発行の増加、転換社債に対する旺盛な買い需要から収益を獲得しました。
スぺシャリスト・クレジット・マネジャーは債券価格下落対策のヘッジが収益寄与し、スプレッド間の裁定取引やストラク
チャード・クレジットに対する機動的なロング等から収益をあげました。ストラクチャード・クレジットに注力しているマ
ネジャーは、NAHB(全米ホームビルダー協会)調査の改善、住宅供給の減少、前年の他資産に対する好パフォーマンスを受
け、買い需要が高まり、高いリターンを獲得しました。
組み入れ上位ファンド
FRM Equity Alpha Fund Limited
One William Street ABS Fund
Monarch Research Alpha Fund SIF
Fund 40
MKP Macro Fund Ltd SIF
Cerberus
5:15 Fund
Southpoint
Fairway Fund
Loire Ltd
セクター
配分 (%)
レラティブ・バリュー
9.04
5.62
4.00
3.73
3.65
3.36
3.08
3.00
2.97
2.94
イディオシンクラティック
スペシャリスト・クレジット
レラティブ・バリュー
ディレクショナル・トレーディング
スペシャリスト・クレジット
レラティブ・バリュー
株式ロング・ショート
スペシャリスト・クレジット
株式ロング・ショート
月次リターン (%)
2.61
2.77
3.16
2.77
0.37
-1.58
-2.88
2.04
2.90
-3.47
41.39
注:上記配分はマスター・ファンドの組み入れファンドのみを対象としており、現金・その他部分は反映されておりません。配分比率はマスター・ファンドにおける比率を
示しています。同一マネジャーが複数のシェア・クラスを運用している場合はその合計が表示されています。一部の組み入れファンドはマネジャーからの要請に基づきファ
ンド名を開示していません。
リターン/リスク分析 (プロフォーマを含む)
Is benchmark?
No
FRMダイバーシファイドⅡファンド
Marketing portfolio/benchmark (JP)(Statistics)
年率リターン (%)
累積リターン (%)
平均月次リターン (%)
月次最高リターン (%)
月次最低リターン (%)
上昇月発生の割合
最大損失 (%)
年率標準偏差 (%)
シャープ・レシオ*
ソルティノ・レシオ*
LIBOR
*リスクフリーレート:
1 Month0.14%
JPY(LIBOR
Yes
Topix (配当込)
Yes
JPモルガン 日本国債指数 (円)
2.16
37.96
0.18
3.27
-8.18
69.06
-26.63
4.94
0.38
-0.11
-1.70
-0.01
13.66
-20.26
51.38
-56.23
18.33
-0.02
2.02
35.28
0.17
2.52
-4.90
64.64
-6.18
2.71
0.65
0.47
-0.03
0.92
1 Month JPY の平均)
相関分析 (プロフォーマを含む)
Topix (配当込)
JPモルガン 日本国債指数
(円)
年率アルファ (%)
2.09
2.93
ベータ
相関
0.12
0.45
-0.31
-0.17
出所:FRM。過去のパフォーマンスは将来の成績を保証するものではありません。2004年3月より前のポートフォリオのパフォーマンスとリスクに関しては、FRM Diversified IIのプ
ロフォーマを作成しましたのでご参照ください。
本資料は、以下に記載のFRMまたはManグループ会社(以下『FRM』または『Man』といいます。)のいずれかによって、以下の条件、規制に従い、貴殿に提供されるものです。FRMおよびManの
知る限り、本資料は、本資料に記載の日付において真正かつ正確です。FRM、Manおよびその関係会社は、本資料に含まれる情報につき明示、黙示を問わず何らの保証または表明を行うもので
はなく、そのような情報の独自性、正確性、完全性、また特定の目的に対する適合性を保証するものでないことをここに明言します。本資料上の情報、およびそこに引用されるサービスまた
は商品は、機関投資家または関連するリスクについて十分な経験と知識を有する投資家のみを対象としています。本資料を、本資料の配布が禁止されている地域で配布することを禁じます。
また、本資料は、そのような地域において法令によりこのような資料の交付が禁じられているような相手方を対象としていません。本資料は、あくまで参考資料であり、いかなる有価証券、
投資商品、投資助言サービスの提供の申し出、提案、勧誘をも構成するものでもありません。過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスを保証するものではなく、また元本の損失の可能
性があります。あるポートフォリオ内の特定の資産について本資料で言及されたとしても、それは将来的に継続保有されることの保証ではなく、変更の可能性があります。マーケットの状況
およびFRMとManの表明した意見については、本資料の日付以降予告なく変更される可能性があります。書面で明示的に合意した場合を除き、FRMとManは投資助言またはその他の助言を提供す
るものではなく、本資料のいかなる部分も何らかの助言を構成するものではなく、またそのように解釈されるべきでもありません。本資料の内容は機密とし、複製その他第三者への配布を禁
じます。本資料は、第三者からFRMまたはManへ提供された推計情報やデータを含んでおり、FRMまたはManはそのような情報やデータの正確性を検証していません。
ガーンジー:FRM Investment Management Limited、FCA Guernsey Limited(監督官庁:ガーンジー金融サービス委員会)
英国:Financial Risk Management Limited、Man Investments (UK) Limited、FRM Capital Advisors Limited(監督官庁:英国金融サービス機構)
米国:FRM Americas LLC(監督官庁:米国証券取引委員会、米国商品先物取引委員会。全米先物協会会員)
日本:エフアールエム・インターナショナル・リミテッド東京支店 (監督官庁:関東財務局)、登録番号等:金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第624号、関東財務局長(金仲)第296
号、加入協会:一般社団法人 日本投資顧問業協会
* 本資料は、一般的な情報提供を目的としたご参考資料であり、投資助言サービスの提供ではなく、また、投資運用、投資助言サービス、本資料で言及された商品その他の金融商品の勧誘を
目的とするものではありません。
香港:Man Investments (Hong Kong) Limited (監督官庁:香港証券先物取引委員会)
韓国:Financial Risk Management Korea Limited(監督官庁:韓国金融委員会)
シンガポール:Man Investments (SG) PTE Ltd(シンガポールにおける適用除外助言業者/運用業者)
スイス: Man Investments (CH) AG(監督官庁:スイス連邦金融市場監督機構)
ドイツ:Man Capital Markets AG.
FRM Diversified II Fund SPC – Class A JPY (当ファンド)の2004年3月より前のパフォーマンス及びリスクに関しては、FRM Diversified II のプロフォーマを作成しましたのでご参照くだ
さい。プロフォーマは次の方法で作成されています。i) 1998年1月~2001年7月:Absolute Alpha Fund PCC Limited – Diversified Series Share Cell(以下「AA Diversified – USD」)の
ドルベースのリターンに運用報酬や為替ヘッジコストを必要に応じて調整、ii) 2001年8月~2003年12月:Absolute Alpha Fund PCC Limited – Yen Diversified Series Share Cell(以下
「AA Diversified – JPY」)の円ベースのリターンに必要に応じて運用報酬や為替ヘッジコストを調整、iii) 2004年1月~2004年2月:当ファンドのマスター・ファンドのリターンに必要に応じ
て運用報酬や為替ヘッジコストを調整。2004年3月以降はファンドの実際のパフォーマンスが使用されているため、トラックレコードのパフォーマンスとは異なる可能性があります。FRM Diversified IIの12ヶ月間のリターンがAA Diversifiedと大きく異なる期間があります。組み入れ戦略とマネジャーはマスター・ファンドに関するものです。
www.frmhedge.com
2013 年 1 月 ヘッジファンド セクター別動向(速報版)
各セクターの状況説明及びリターンはマネジャーの全てを網羅したものではありません。また、リターンは速報値に基づ
いておりますので、確定値では変更になることがあります。
(平均リターンはドルベース)
1. 株式ロング・ショート
1.1. 米国: 良好 (平均 +3.45%)
1月の米国株式市場はひとまず「財政の崖」問題を回避する法案が成立され、住宅や雇用市場に関する堅調な経
済指標や企業の良好な10-12月期決算が発表されたことを受けて上昇しました。NYダウとS&P500指数はそれぞ
れ+5.8%、+5.2%上昇し、エネルギー・セクターと小型株が上昇をけん引しました。引き続きバリュー株がグロース
株をアウトパフォームしました。この様な環境下において米国株マネジャーの平均リターンは約+3.5%となりました。
収益に寄与したポジションにはSNS関連銘柄のロングや、知的財産権の特許訴訟についての好材料発表を受け
て株価が大きく上昇したファブレス(工場を持たない)半導体メーカーのロングが寄与した一方で、損失を出したマ
ネジャーは、鉱山会社のロング/石油精製会社のショート、等がマイナス寄与となりました。<今後の見通し>個別
銘柄選択のための環境が改善を示し始めていることから、多くのマネジャーがやや前向きな見通しを持ち、慎重姿
勢をとりつつもエクスポージャーを引き上げています。
1.2. 欧州: 良好 (平均 +2.79%)
1 月の欧州の株式市場は、「財政の崖」問題が回避され、欧州債務問題が落ち着いていることなどから投資家のリ
スク許容度が高まり、MSCI ヨーロッパ株指数は+5.0%上昇しました。地域別ではイタリア(+10.3%)が最も好調で、
次いでスイス(+8.9%)、オランダ(+6.5%)となりました。セクター別では金融株と銀行株が特に堅調でした、大型
株ではバリューがグロースをアウトパフォームしたものの、中小型株ではグロースとバリューの間に大きなリターン格
差は発生しませんでした。良好なリターンをあげたマネジャーは、大きく上昇した銀行、鉱山、自動車、航空会社な
どのロングから収益を獲得しました。一方で損失となったポジションには、英小売、北欧の通信、スペインの銀行、
英ガス会社のショート、などがありました。<今後の見通し>。米国の連邦債務上限をめぐる政治問題の決着や 2
月のイタリア総選挙を控え、多くのマネジャーは次回の決算発表シーズンでは、株価の方向性リスクを積極的に取
るよりも、割安銘柄と割高銘柄間のレラティブ・バリュー・アプローチをとることを選好しています。
1.3 日本・アジア: 良好 (平均 日本 +5.59%、アジア除く日本 +4.15%)
1 月の日本株市場は、前月からの上昇の勢いが続き、TOPIX は+9.4%と大きく上昇しました。しかしながら前月と
は対照的に、大型株についてはバリュー株が、中小型株についてはグロース株がアウトパフォームしました。セク
ター間の循環物色が活発となり、ヘルスケア(+17.2%)、エネルギー(+12.3%)、一般消費財(+11.8%)、生活必
需品(+11.3%)が市場をアウトパフォームした一方で、公益(▲0.8%)、ハイテク(+6.6%)、資本財サービス
(+6.8%)はアンダーパフォームしました。良好なリターンをあげたマネジャーは円安恩恵銘柄や医薬品、不動産、
住宅開発会社、ソフトウェア・サービス会社、小型グロース株などのロングから収益を獲得しました。一方でアンダ
ーパフォームしたマネジャーはネット・エクスポージャーを抑制していたもので、一部では家電メーカーやハイテク
株のショートから損失が発生しました。<今後の見通し>多くのマネジャーが短期的には需給主導の続伸となる
展開を予想しているものの、中長期的には今後の政策発動により企業業績と消費者心理は改善するものと見てい
ます。市場の流動性が高まり、高すぎるボラティリティが一定水準以下に落ちつく局面では株式ロング・ショート戦
略にとっての収益機会は増加するものと思われます。
-
1
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FRM投資顧問会社
東京支店
2.レラティブ・バリュー
2.1. ボラティリティ裁定: 良好
(平均 +0.79%)
1 月の転換社債市場は株式市場とクレジット市場が続伸する中、大きく上昇しました。地域別では米国と日本が特
に堅調で、欧州も上昇率はやや劣ったものの上昇しました。特に株式の動きとの連動性が高い転換社債が大幅に
上昇しました。転換社債の新規発行も活況で(米国:10 件、欧州中東アフリカ:7 件、アジア:4 件)、総額 100 億ド
ル程度となりました。そのうち大手鉄鋼メーカーArcelorMittal の起債が 22.5 億ドルを占めました。この様な環
境下において一部のマネジャーは日本の転換社債関連ポジションから収益を獲得しました。ボラティリティ裁定マ
ネジャーのリターンはまちまちとなりました。過去 2、3 ヶ月の市場の歪みを活用して、マネジャーはアジアや新興国
のボラティリティ指数のロング/S&P のボラティリティ指数のショートや、非常に割安な水準にある個別株のボラティリ
ティのロングなどのポジションを構築しています。 <今後の見通し>転換社債は不透明なマクロ環境下において
下値余地が限られている一方で、上値の高さが期待される魅力的な投資対象となっているため、ボラティリティが
上昇する場合にはマネジャーはその恩恵を受けるものと思われます。
2.2. 統計分析裁定: 良好 (平均 +1.99%)
1 月の統計分析裁定戦略の平均リターンは+1.9%程度となり、複数のモデルにおいて収益を獲得しました。多く
のマネジャーが 2012 年末にかけてリスク水準を引き上げていたこともプラス寄与しました。個別銘柄間の相関が
低下したため、ファンダメンタルズ分析型モデルやアルファ・キャプチャー型モデル(証券会社の売買推奨を定量
モデルにより分析し、ロングとショートのポジションを構築する)が好調でした。株価のモメンタムに注力したモデル
は欧州や米国では不調だったものの、アジアでは機能し、収益を獲得しました。またバリューに注力したモデルは
様々な地域でプラス寄与しました。<今後の見通し>今後の見通しに関しては多くのマネジャーが株式市場にお
ける出来高が薄いことを収益獲得上の不安材料として指摘しているものの、1 月の個別銘柄間の相関低下はプラ
ス要因であると認識しています。
2.3. イベント裁定: 良好
(平均 +1.33%)
1月の世界のM&A案件の総額は僅か1400億ドルと、年の初めであることを反映して低水準となりました。引き続き
国境間を超えた企業買収が中心となり、米衛星大手のSpringDishが、Networkから既に買収提案を受けている
Clearwireに対して敵対的買収を提示するなどの動きがありました。欧州委員会が買収不承認を決定したため、米
貨物輸送大手UPSによる蘭同業TNTの買収提案が取り下げになったことや、米司法省の不承認を受けた世界ビ
ール大手Anheuser-Buschによるメキシコの同業Grupo Modeloの買収提案など、一部の既存案件に関しては悪
材料が明らかとなり、損失寄与しました。その他の著名な買収案件の買収株価スプレッドはまちまちの動きを示し、
スイスの資源大手のGlencoreによる同業のXstrataに対する買収提案や、中国国営のCNOOCによるカナダのエ
ネルギー会社のNexen買収などでは買収株価スプレッドは拡大した一方で(一部のマネジャーには損失寄与)、
米資源大手Freeport McMoran による米同業Plains Explorationの買収や、Intercontinental Exchangeによるニ
ューヨーク証券取引所の買収では買収株価スプレッドは縮小しました(一部のマネジャーには収益寄与)。
<今後の見通し>多くの市場関係者が、マクロ・リスクの後退、低金利で潤沢な借り入れが出来る良好な資金調達
環境、株主からの案件同意などを背景に、2013年には企業のM&Aは回復すると予想しており、その場合にはマネ
ジャーに収益機会が提供されるものと思われます。
2.4. 債券裁定:良好 (平均 +0.85%)
1 月の債券裁定戦略の平均リターンは+0.85%程度となりました。収益に寄与した取引は、米国/イタリア/フランスの
国債の新発債の短期売買、米国 5 年国債の現物債/先物間の裁定取引、ユーロダラーの短期売買、等でした。一
方で、損失となった取引は、ユーリボー及びユーロダラーのコール・スプレッドのロング、英国 7 年債のショート及び
30 年債のロング、ドイツ 10 年債のショート及び 30 年債のロング、ドイツ/英国国債の新発債の短期売買、等でした。
- 2 -
FRM投資顧問会社 東京支店
<今後の見通し>一部のマネジャーは当面の収益機会は豊富であると考え、リスク水準を引き上げています。
3.スペシャリスト・クレジット
スペシャリスト・クレジット: 良好 (平均 +1.72%)
1 月のクレジット市場は良好な経済指標の発表と高利回りを追求する投資家の積極姿勢を背景に上昇し(ハイイ
ールド債:ML HY 債指数:+1.4%、レバレッジド・ローン:S&P LCD レバレッジド・ローン指数:+1.1%)、引き続き
低格付債が高格付債をアウトパフォームしました(CCC 格付:+3.5%、B 格付:+1.6%、BB 格付:+0.6%)。1 月は
個別銘柄間の相関が低下したことから、マネジャーはロングとショートの両方からの収益獲得が可能となりました。
一部のマネジャーは、経営破綻後に再建が順調に進んでいる米航空会社の転換社債のロング、欧州化学会社の
社債と CDS 間の裁定取引、コーポレート・イベントの対象として話題となった米電機機器メーカーの CDS のショー
ト、フランスの保険会社のハイブリッド証券のロング、ストラクチャード・クレジット証券のロング、などから収益を獲得
しました。一方クレジット指数のヘッジ、米 IT 関連銘柄のショート、日本の社債指数のクレジット・ショート等は損失
となりました。<今後の見通し>株式市場と同様に、個別銘柄選択が機能しやすい環境が回復していることから、
マネジャーはロングとショートの双方からの今後の収益獲得機会が増加するものと考えています。
4.ディレクショナル・トレーディング
4.1. 自己判断運用: 良好 (平均 +1.34%<自己判断運用>、平均 +0.64%<RVマクロ>)
1 月の自己判断運用マネジャーの平均リターンは約+1.34%となりました。多くのマネジャーが日本のマクロ・ファン
ダメンタルズの変化に注目し、日経平均のロング、円のショート、日本国債のショートなどのポジションを構築し、収
益を獲得しました。その他には米国 10 年債や 30 年債のショート、米英欧の株式指数のロング、ユーロのロング、
高配当株や REIT のロング、欧州周縁国(ギリシャ、イタリア、スペイン等)の国債のロング等がプラス寄与しました。
新興国特化型マネジャーでは中国元のロング、ロシア金利のロング、トルコ固定金利を受け取るトレード、中国株・
メキシコ株・ナイジェリア株のロング等が寄与しました。一方で南アの固定金利を受け取るトレードやチェコ・コルナ
のロングからは損失が発生しました。国際商品特化型マネジャーはプラチナやプラジウムのロングや石油や天然
ガスのロングからは収益を獲得したものの、原油・天然ガスのショート/灯油のロング、穀物、オイルシード関連ポジ
ションからは損失が発生しました。<今後の見通し>多くのマネジャーは今後の収益機会を前向きに見ており、リ
スク資産の上昇の継続という投資テーマからではなく、地域間や資産クラス間の市場価格の歪みの修正からの収
益獲得に努めています。
4.2. システム運用: 良好 (平均 +1.50%)
1 月は米国の「財政の崖」問題がひとまず回避されたことが好感され、リスク資産が全般的に上昇し、欧米先進国の
国債価格は下落し、通貨市場では円が引き続き売られ、ユーロが買われる動きとなりました。この様な環境下にお
いて長期トレンド追随システム運用マネジャーは、株式指数のロングから大きな収益を獲得したほか、通貨関連取
引からも収益をあげました。一方で、金利/債券や国際商品関連取引からは損失が発生しました。株式では米国株
(S&P500 指数及びラッセル 2000 指数)や日本株(日経平均株価指数)のロングを中心とした主要国株価指数の
ロングから幅広く収益を獲得しました。通貨では日本円のショートのほか、ユーロのロングや豪ドルのトレーディング
からも収益を獲得しました。一方で金利/債券では独の中長期国債のロングや、米国や英国国債のロングからは損
失が発生しました。国際商品ではエネルギーの取引から収益を獲得しましたが、金属や農作物の取引からは損失
が発生しました。<今後の見通し>一部のマネジャーは 1 月に損失となった金利/債券のロング・ポジションを大きく
減らした方で、株式指数のロングを積極的に積み増しています。
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3
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FRM投資顧問会社
東京支店
ヘッジファンドリターンの状況
(リターンはドルベース)
セクター小分類
ファンド数
2013 年 1 月
2013 年
2012 年
2011 年
2010 年
自己判断運用
170
1.34%
1.34%
5.49%
-2.31%
9.88%
RV マクロ
32
0.64%
0.64%
4.96%
0.38%
7.73%
システム運用
776
1.50%
1.50%
-1.20%
-2.02%
11.30%
998
1.46%
1.46%
0.58%
-1.96%
10.82%
クレジット裁定
13
1.52%
1.52%
5.87%
0.75%
12.41%
イベント裁定
85
1.33%
1.33%
6.97%
0.70%
9.44%
債券裁定
48
0.85%
0.85%
8.32%
6.34%
8.47%
マルチ・プロセス
25
1.58%
1.58%
9.41%
-2.75%
11.55%
統計分析裁定
60
1.99%
1.99%
3.11%
3.44%
7.57%
ボラティリティ裁定
49
0.79%
0.79%
6.66%
1.73%
8.39%
255
1.40%
1.40%
6.29%
1.49%
9.46%
クレジット・バリュー
92
1.81%
1.81%
11.62%
-1.23%
11.82%
ロング・ショートクレジット
60
1.87%
1.87%
12.37%
-0.59%
11.63%
マルチ・プロセス
13
1.15%
1.15%
11.90%
-5.30%
11.80%
プライベート・プレースメント
1
1.15%
1.15%
30.30%
-3.25%
15.21%
ショート・クレジット
4
-0.39%
-0.39%
-24.87%
2.26%
-8.11%
スペシャリスト・クレジット 計
180
1.72%
1.72%
11.27%
-1.16%
10.75%
イディオシンクラティック 計
30
2.32%
2.32%
17.72%
3.84%
15.80%
ロング・バイアス
286
3.92%
3.92%
10.90%
-9.19%
12.36%
ノー・バイアス
157
3.10%
3.10%
7.04%
-3.37%
8.14%
ショート・バイアス
9
-3.50%
-3.50%
-3.47%
6.65%
-1.17%
バリアブル・バイアス
645
3.31%
3.31%
10.09%
-6.76%
10.12%
地域別 : 米国
256
3.45%
3.45%
7.64%
-3.52%
11.57%
地域別 : 欧州
164
2.79%
2.79%
8.83%
-5.44%
9.16%
地域別 : 日本
54
5.59%
5.59%
9.75%
-4.09%
2.99%
地域別 : アジア(除く日本)
11
4.15%
4.15%
17.51%
-14.43%
8.06%
株式ロング・ショート 計
1098
3.38%
3.38%
9.71%
-6.67%
10.42%
総計
2561
2.31%
2.31%
6.63%
-3.65%
10.55%
セクター大分類
ディレクショナル・
トレーディング
ディレクショナル・トレーディング 計
レラティブ・バリュー
レラティブ・バリュー 計
スペシャリスト・クレジット
株式ロング・ショート
注:
上記は速報値を使用しており、数値は今後変更される可能性があります。また、集計時点で弊社にリターンデータが報告されたマネジャー
のみを対象とした統計です。
S&P 500
NASDAQ
MSCI 欧州
日経 225
2013 年 1 月
5.16%
4.06%
5.00%
7.15%
2013 年
2012 年
5.16%
4.06%
5.00%
7.15%
13.41%
15.91%
11.76%
22.94%
-
4
2011 年
0.00%
-1.80%
-12.16%
-17.34%
2010 年
12.78%
16.91%
3.90%
-3.01%
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FRM投資顧問会社
東京支店
留意事項
■ FRM 円ダイバーシファイド Ⅱ
(FRM DiversifiedⅡFund SPC – Yen Feeder Segregated Portfolios Class A)
【 運用報酬・アドミニストレーター・カストディ費用 】 NAV の年率 1.25%(アドミ・カストディアン費用含む)。
【 成功報酬 】 新規純増収益額の 10%
【 その他費用 】 実費
【 送金手数料 】 5,500 円(解約時)
【 購入申込・着金期限 】購入日(毎月第 1 営業日)の 6 営業日前(ダブリン時間 16:30)。但し 1 月購入
時(12 月の申し込み期限)は 7 営業日前。
【 解約申込期限 】 解約日(毎月最終営業日、または Director の裁量により決定する日)の 3 ヶ月前
の最終営業日の 5 営業日前(ダブリン時間 16:30)。
【 解約単位 】 制限なし
【解約資金に関する特記事項】 解約資金は解約日から 20 営業日以内(但し、確定ではない)に当該口
座へ入金予定(※)。売却申込総額がファンド残存時価総額の 15%を超えた場合は、売却申込の一部
を翌月に延期する場合がある。但し、全ての売却申込を公平に取扱い、全投資家が同じ割合で延期さ
れる。尚、翌月もこの延期分を含め 15%を超える売却申込があった場合は、再度一部を翌月に延期す
る。ファンドが保有する銘柄やその投資特性により売却後の資金化に制約が設けられている場合があ
るため、解約資金の支払いがそれ以降となる場合もあるが、その場合は三井住友信託銀行は投資家
に対して速やかに報告を行う。
(※)NAV とその正確性を検証する検証 NAV の乖離が拡大している場合、マネジャー判断により検証
NAV を売買基準時価に用いることがある。その場合、解約資金は解約日の翌々月末を目処(但し確定
ではない)に当該口座へ入金予定。
【 営業日 】 ロンドン、ニューヨーク、ガーンジーの営業日。
※本資料は、基準日時点(2012 年 12 月 31 日)における商品内容に基づき、弊社にて作成の上、運用
会社・関係者による確認を受けたものです。本資料の内容は、今後、予告無く変更されることがありま
す。