「ROBO-ONE 19th」 & 「ROBO-ONE Light 3rd」開催 2011 年 10 月 8 日∼ 9 日にかけて、二足歩行ロボット格闘競技会「ROBO-ONE」の第 19 回大会、および「ROBOONE Light」の第 3 回大会が開催された。2 日間で延べ 100 機以上の二足歩行ロボットが集まった盛り上がりをレポー トする。 予選はごくシンプルな 9m 走 梓 みきお ボットのうちおよそ 3 分の 2(43 機)が に事前に練習する環境があった人は少な コースアウト、ないし時間切れ(制限時間 いようで、予選トップだった holypong 氏 今回の予選は「90cm 幅× 9m」のコー は 60 秒)になってしまうという、寂しい も、会場に来るまでは 1m くらいの距離 スを走るタイム競技となった。過去に 事態に。バトル競技では連続して長い距離 でしか実験していなかったという。また、 も第 9 回大会の予選規定演技「走る」や、 を移動することがないために顕在化するこ 幅 90cm のコースは、参加者が思ってい 「ROBO-ONE Special」内 の「DASH 競 とは少ないが、現在のホビー二足歩行ロ たよりもずっと狭いものだったようだ。 技」など、参加ロボットに走ることを求め ボットにとって、もはや当たり前だと思わ web サイトでは 1,200mm/sec 近くが たことはあったが、純粋にまっすぐ走るだ れていた「歩く」ことが、未だに難しいこ でている計算となる動画を公開していた けのタイム競技は初である。 とを浮き上がらせる結果となった。 「OmniZero.13」は、記録動画をスローで 69 機が出場し、最高記録は「automo 参加者の多くが口にしていたのは、 「コー 見てみると、方向を修正しようとモーショ 05(Go-Wan) 」 (holypong)の 12 秒 88 スが傾いていた」ということと、 「スポン ンを切り替えたときに接地が不安定になっ (手動計測・以下同じ) 。スタートから立ち サーロゴの部分で足裏のグリップが変わ て、自分で路面を蹴り飛ばすような動きに 止まることなく、スムーズな歩行でゴー り、方向変換やバランスに影響した」とい なってしまったようだ。同じく期待されて ルした。2 位は「バルト」 (千葉工業大学 う 2 点。記録を求めてスピードを上げて いた「Frosty」も、スローで確認すると方 文化会総合工学研究会 佐藤)による 17 秒 いた機体であればあるほど大きく影響され 向を変えようと脚の動き、特にヨー軸が変 69 で、20 秒を切ったのはこの 2 機のみ。 たようだ。また、コースを十分に試走する わったことでバランスを崩している。 予選開始前には「10 秒を切るロボットが 時間がなかったため、予選の初めのほうに 方向修正に成功した、予選トップの 出るのでは」という期待感があったが、フ チャレンジした参加者は続々とコースアウ 「automo 05」はというと、足首のロール タを開ければゆっくりでも確実に歩行する トの憂き目を見てしまった。後の参加者は 軸だけにアナログ補正を効かせる方法を採 ロボットが上位を占める結果となった。 それを判断材料に対策を講じられたよう 用。しかもアナログスティックを思い切り で、出走順が勝負を分けた部分があったの 引いても倒れないくらいの、弱い補正しか は否めないようだ。 かけていないそうだ。当然曲がりは緩いの 「automo 05(Go-Wan) 」は、グ ラ ス ロードカンパニー製平行リンク足キット “マーキュリー”の構造をベースに、KRS- 9m という長いコースとなると、さすが で、動きを先読みしながら、細かく細かく 6003HV にあわせてリファインされたも のを使用。強いトルクを背景に足を長く設 計し、歩幅を広げて速度を稼ぐコンセプト だという。ただ、いたずらに大股で歩くわ けではなく、歩行中に腰ができるだけ上下 しないようにモーションを作り込むこと で、安定した歩行を実現したそうだ。 動 画 共 有 サ イ ト な ど web 上 で 公 開 された情報から前評判が高く注目を集 め て い た「Frosty」 (FrostyDesign)や 「OmniZero.13」 (前田武志)は、どちら も早々にコースアウト。予選はギリギリ通 過できたものの、さんざんな結果となっ た。それどころか、今大会は予選参加ロ 92 バランスを崩す「OmniZero.13」。この直後に コースアウトしてしまう。 「automo 05」 ROBOCON Magazine 2012.1 P92P95_79_roboone19th.indd 92 11.11.30 2:51:02 PM
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