平成21年度大気汚染常時監視結果(PDF:727KB) - 鹿児島県

平成21年度大気汚染常時監視結果について
平成22年7月22日(木)
鹿児島県環境林務部環境保全課
大気係
099-286-2627
平成21年度に鹿児島県及び鹿児島市が実施した大気汚染防止法第22条に基づく大気汚染状
況の常時監視結果は次のとおりである。
まとめ
平成21年度の大気汚染常時監視結果については,桜島火山活動の影響を受けて,一部測
定局で,二酸化硫黄,浮遊粒子状物質について,環境基準を達成しなかった。また,光化
学オキシダントについては,大陸からの移流等により全国同様,全測定局が環境基準を達
成しなかった。これらを除くと,例年同様,全般的に良好であった。
1 測定内容
(1) 測定方法
県内に17の大気測定局(一般局15局,自排局2局)を設置し,大気環境監視テレメー
タシステムで24時間連続監視している。
(注)一般局:一般環境大気測定局,自排局:自動車排出ガス測定局。
(2)
測定期間
平成21年4月1日∼平成22年3月31日
(3) 測定項目(12項目)
① 環境基準設定項目(5項目)
二酸化硫黄,浮遊粒子状物質,二酸化窒素,一酸化炭素,光化学オキシダント
② その他の項目(7項目)
一酸化窒素,メタン,非メタン炭化水素,風向・風速,温度,湿度,気圧
2 測定結果
(1)環境基準の達成状況
測定項目
測定
局数
二酸化硫黄
17
浮遊粒子状物質
17
達成局数
(達成率注))
13(76.5%)
非達成
局数
4
16(94.1%)
1
二酸化窒素
12 12(100%)
光化学オキシダント 10
0( 0%)
一酸化炭素
2
2(100%)
注)達成率=達成局数/測定局数×100
0
10
0
非達成局及び原因
・有村,黒神,赤水,鹿屋
・桜島噴煙の影響
・有村
・桜島噴煙の影響
・大陸からの移流等
全国の達成率
(20年度)
99.8%
99.5%
98.9%
0.1%
100%
(2)年平均値
測定項目
二酸化硫黄 浮遊粒子状 二酸化窒素 光 化 学 オ キ シ 一酸化炭素
(ppm)
ダント※(ppm)
(ppm)
区 分
(ppm)
物質(mg/ )
年 平 均 値
一般局
0.005
0.028
0.006
0.050
(本県)
自排局
0.003
0.029
0.015
0.4
年 平 均 値
一般局
0.003
0.022
0.013
0.048
0.3
(全国 20年度) 自排局
0.003
0.026
0.024
0.041
0.5
※光化学オキシダントは昼間の日最高1時間値の年平均値
(3)その他
光化学オキシダントについては,注意報発令基準(0.12ppm)を超過したため,平成21年
5月8日,県北地域(出水市,阿久根市,薩摩川内市,いちき串木野市,伊佐市,さつま町,
長島町)に注意報を発令した。
- 1 -
参考資料
県内における環境大気監視状況
(平成22年3月31日現在)
□,■ 鹿児島県管理局 9局
○,● 鹿児島市管理局 8局
■川内
薩摩川内市
寄田 □
□ 環境放射線監視センター
霧島市
□羽島
いちき串木野市
□ 国分中央公園
鹿児島市
市役所 ○
○ 桜島支所
○ 黒神
鴨池 ● 赤水 ○
有村
○
環境保健センター □
○
志布志市
谷山支所
□ 志布志
鹿屋市
□
鹿屋
○
喜入
東串良町
□ 古市団地
県及び鹿児島市の設置する自動測定局 17局
□,○ 一般環境大気測定局
15局
■,● 自動車排出ガス測定局 2局
- 2 -
大気測定局一覧
測
市町村名
測 定 局 名
所
在
定
項
目
地
風 向
SO2 SPM
NOx
Ox
CO
NMHC
風 速
(一般環境大気測定局)
鹿児島市
市役所※)
〃
谷山支所
〃
有村※)
〃
※)
黒神
※)
※)
鹿児島市山下町11-1
○
○
○
○
○
鹿児島市谷山中央4-4927
○
○
○
○
○
鹿児島市有村町12-4
○
○
○
鹿児島市黒神町2254
○
○
○
鹿児島市桜島藤野町1439
○
○
○
鹿児島市桜島赤水町1195-2
○
○
○
鹿児島市喜入町6227
○
○
〃
桜島支所
〃
赤水※)
〃
喜入
※)
〃
環境保健センター
鹿児島市城南町18
○
○
寄田
薩摩川内市寄田町4-1
○
○
○
環境放射線監視センター
薩摩川内市若松町1
○
○
○
○
○
○
市
鹿屋
鹿屋市新栄町649
○
○
○
○
○
○
いちき串木野市
羽島
いちき串木野市羽島5218
○
○
○
○
○
○
霧
国分中央公園
霧島市国分中央5丁目842-1
○
○
○
○
志布志市
志布志
志布志市志布志町志布志3240-14
○
○
○
○
○
○
東串良町
古市団地
東串良町新川西3632
○
○
○
○
○
○
薩摩川内市
〃
鹿
屋
島
市
○
○
○
○
○
○
○
○
(自動車排出ガス測定局)
鹿児島市
鴨池※)
鹿児島市鴨池2-31-15
○
○
○
○
○
○
薩摩川内市
川内
薩摩川内市御陵下町25-8
○
○
○
○
○
○
注)※):鹿児島市が設置する測定局
S O 2:二酸化硫黄,SPM:浮遊粒子状物質,NOx:窒素酸化物(二酸化窒素,一酸化窒素)
Ox
:光化学オキシダント,N M H C:非メタン炭化水素(メタン),CO
温度,湿度,気圧 : 寄田局(薩摩川内市)で測定している。
- 3 -
:一酸化炭素
表1
市町村名
二酸化硫黄の測定結果(平成21年度)
測 定 局 名
鹿児島市市
役
所
〃
谷 山 支 所
〃
有
村
〃
黒
神
一
〃
桜 島 支 所
〃
赤
水
〃
喜
入
般
環境保健センター
〃
薩摩川内市 寄
田
環境放射線監視センター
〃
屋
局 鹿 屋 市鹿
いちき串木野市 羽
島
霧 島 市国分中央公園
志布志市志
布
志
東串良町古 市 団 地
鹿児島市鴨
池
自排局
薩摩川内市 川
内
日平均値の 日平均値が0.04ppmを 環 境 基 準
年平均値
超えた日が2日以上
2%除外値 連 続 し た こ と の 有 無 の 長 期 的
(ppm)
価
(ppm) ( 有 × , 無 ○ ) 評
○
達成
0.003
0.011
○
達成
0.002
0.012
×
非達成
0.039
0.220
×
非達成
0.005
0.050
○
達成
0.002
0.012
×
非達成
0.008
0.064
○
達成
0.001
0.005
○
達成
0.003
0.010
○
達成
0.002
0.006
○
達成
0.001
0.005
×
非達成
0.004
0.034
○
達成
0.001
0.005
○
達成
0.002
0.010
○
達成
0.002
0.007
○
達成
0.002
0.011
○
達成
0.004
0.013
○
達成
0.001
0.004
※ 評価方法:日平均値の2%除外値を環境基準(0.04ppm)と比較して評価する。
ただし,環境基準を超える日が2日以上連続した場合は非達成とする。
図1 二酸化硫黄の年平均値の推移
(ppm)
0.010
0.008
0.006
0.006
0.006
0.006
0.006
0.004
0.002
0.005
0.005
0.005
0.005
0.005
0.005
0.004
0.004
0.005
0.005
0.004
0.004
0.004
0.004
0.003
0.002
全国(一般局)
県(一般局)
全国(自排局)
県(自排局)
0.005
0.004
0.004
0.004
0.004
0.004
0.004
0.003
0.003
0.003
0.003
0.003
0.003
0.004
0.003
0.003
0.003
0.003
0.000
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
- 4 -
表2
市町村名
浮遊粒子状物質の測定結果(平成21年度)
測 定 局 名
鹿児島市市
役
所
〃
谷 山 支 所
〃
有
村
〃
黒
神
一
〃
桜 島 支 所
〃
赤
水
〃
喜
入
般
環境保健センター
〃
薩摩川内市 寄
田
環境放射線監視センター
〃
屋
局 鹿 屋 市鹿
いちき串木野市 羽
島
霧 島 市国分中央公園
志布志市志
布
志
東串良町古 市 団 地
鹿児島市鴨
池
自排局
薩摩川内市 川
内
日平均値の 日平均値が0.1mg/m 3 環 境 基 準
年平均値
超えた日が2日以
2%除外値 を
の長期的
3
上連続したことの有
(mg/m )
3
評
価
無
(
有
×
,
無
○
)
(mg/m )
○
達成
0.022
0.052
○
達成
0.024
0.049
×
非達成
0.033
0.086
○
達成
0.026
0.059
○
達成
0.026
0.056
○
達成
0.030
0.070
○
達成
0.023
0.051
○
達成
0.031
0.062
○
達成
0.033
0.062
○
達成
0.027
0.055
○
達成
0.029
0.058
○
達成
0.025
0.057
○
達成
0.026
0.056
○
達成
0.028
0.058
○
達成
0.030
0.056
○
達成
0.030
0.060
○
達成
0.027
0.056
※ 評価方法:日平均値の2%除外値と環境基準(0.10mg/ )と比較して評価する。
ただし,環境基準を超える日が2日以上連続した場合には非達成とする。
図2 浮遊粒子状物質の年平均値の推移
3
(mg/m )
0.050
0.040
0.040
0.038
0.035
0.032
0.032
0.032
0.031
0.031
0.028
0.032
0.030
0.033
0.028
0.030
0.031
0.029
0.020
0.033
0.031
0.026
0.030
0.028
0.028
0.026
0.026
0.024
0.025
0.024
0.028
0.027
0.010
0.026
0.024
0.029
0.028
0.027
0.026
0.027
0.024
0.024
0.022
全国(一般局)
県(一般局)
全国(自排局)
県(自排局)
0.000
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
- 5 -
表3
市町村名
二酸化窒素の測定結果(平成21年度)
年平均値
(ppm)
測 定 局 名
鹿 児 島 市市
役
所
〃
谷 山 支 所
一
〃
喜
入
薩摩川内市 寄
田
環境放射線監視センター
〃
般
屋
鹿 屋 市鹿
島
いちき串木野市 羽
霧 島 市国 分 中央 公園
局 志 布 志 市志
布
志
東 串 良 町古 市 団 地
鹿 児 島 市鴨
池
自排局
薩摩川内市 川
内
0.014
0.008
0.003
0.002
0.006
0.004
0.004
0.006
0.005
0.003
0.019
0.011
日平均値の
環境基準の
年間98%値
達 成 状 況
(ppm)
達成
0.027
達成
0.019
達成
0.007
達成
0.005
達成
0.014
達成
0.009
達成
0.006
達成
0.011
達成
0.009
達成
0.006
達成
0.032
達成
0.019
※ 評価方法:日平均値の年間98%値と環境基準(0.06ppm)と比較して評価する。
図3 二酸化窒素の年平均値の推移
(ppm)
0.050
全国(一般局)
県(一般局)
全国(自排局)
県(自排局)
0.040
0.030
0.030
0.030
0.029
0.029
0.028
0.027
0.027
0.025
0.023
0.021
0.020
0.020
0.020
0.019
0.017
0.017
0.017
0.016
0.014
0.016
0.016
0.016
0.015
0.015
0.015
0.007
0.007
0.007
0.010
0.008
0.024
0.008
0.008
0.007
0.013
0.013
0.006
0.006
0.015
0.006
0.000
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
- 6 -
表4
市町村名
光化学オキシダントの測定結果(平成21年度)
昼間
測定
日数
測定局名
昼間 昼間の1時間 昼間の1時間
測定 値が0.06ppmを 値が0.12ppm以 昼間の1時
超えた
上の
時間
間値の最高
日数 時間数 日数 時間数 値(ppm)
(日) (時間) (日) (時間) (日) (時間)
鹿 児島 市市
役
所
〃
谷 山 支 所
〃
喜
入
環境保健センター
〃
薩摩川内市 環境放射線監視センター
鹿 屋 市鹿
屋
霧 島 市国 分 中央 公園
志 布志 市志
布
志
いちき串木野市 羽
島
東 串良 町古 市 団 地
一
般
局
363
365
365
365
365
365
365
365
365
351
5421
5453
5464
5463
5460
5467
5468
5465
5466
5246
47 262
117 722
105 738
57 237
132 1011
113 802
108 699
114 752
111 775
82 503
0
0
1
0
2
0
0
0
0
0
0
0
2
0
8
0
0
0
0
0
0.112
0.119
0.128
0.106
0.141
0.109
0.107
0.118
0.112
0.103
※ 評価方法:昼間の1時間値の最高値と環境基準(0.06ppm)と比較して評価する。
(※すべての測定局で環境基準非達成。)
図4 光化学オキシダント 昼間の1時間値の最高値の推移
ppm
0.160
鹿児島市役所
鹿屋
0.140
環境放射線監視センター
国分中央公園
0.141
0.120
0.114
0.119
0.120
0.105
0.104
0.102
0.102
0.098
0.099
0.099
0.112
0.098
0.097
0.108
0.106
0.100
0.109
0.107
0.093
0.080
0.081
0.060
17
18
19
[参考]光化学オキシダント
年度
H17
H18
H19
H20
H21
20
21
0.1ppm以上(昼間の1時間値)発現日数の推移
昼間の日最高
1時間値の
日数 延時間数 延局数 日数 延時間数 延局数 年平均値(ppm)
0.1ppm以上
17
3
9
0
7
44
5
81
0
128
0.12ppm以上
25
3
24
0
31
年度
0
0
0
0
2
0
0
0
0
10
(注)注意報発令基準:0.12ppm
- 7 -
0
0
0
0
3
0.049
0.048
0.048
0.045
0.050
光化学オキ
シダント注意
報発令日数
0
0
0
0
1
表5
市町村名
自排局
一酸化炭素の測定結果(平成21年度)
測 定 局 名
鹿児島市鴨
薩摩川内市 川
年平均値
(ppm)
池
内
0.4
0.4
1時間値の 日 平 均 値の
環境基準の
最高値 2 % 除 外値
達 成 状 況
(ppm)
(ppm)
達成
4.7
0.7
達成
2.7
0.7
※ 評価方法:日平均値の2%除外値と環境基準(10ppm)と比較して評価する。
図5 一酸化炭素の年平均値の推移
(ppm)
1.2
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.6
0.8
0.8
0.6
0.6
全国平均値(自排)
鴨池
川内
0.7
0.6
0.6
0.5
0.4
0.5
0.7
0.6
0.5
0.5
0.6
0.5
0.5
0.5
0.5
0.6
0.5
0.5
0.4
0.5
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
18
19
20
21 (年度)
0.2
0.0
11
12
13
14
15
16
- 8 -
17
[環境基準とその評価方法]
(1)
環境基準
項
目
環
境
上
の
条
件
1 時 間 値 の 1 日 平 均 値 が 0.04ppm以 下 で あ り , か つ , 1 時
二
酸
化
硫
黄
間 値 が 0.1ppm以 下 で あ る こ と 。
1 時 間 値 の 1 日 平 均 値 が 0.10mg/
以下であり,かつ,1
浮 遊 粒 子 状 物 質
時 間 値 が 0.20mg/
以下であること。
1 時 間 値 の 1 日 平 均 値 が 0.04ppmか ら 0.06ppmま で の ゾ ー ン
二
酸
化
窒
素
内またはそれ以下であること。
光化学オキシダント
1 時 間 値 が 0.06ppm以 下 で あ る こ と 。
1 時 間 値 の 1 日 平 均 値 が 10ppm以 下 で あ り , か つ , 1 時 間
一
酸
化
炭
素
値 の 8 時 間 平 均 値 が 20ppm以 下 で あ る こ と 。
(2)
評価方法(長期的評価)
ア
二酸化硫黄,浮遊粒子状物質及び一酸化炭素
1年間の測定を通じて得られた1日平均値のうち,高い方から数えて2%
の範囲にある測定値を除外した後の最高値(1日平均値の年間2%除外値)
を環境基準と比較して評価を行う。
ただし,上記の評価方法に関わらず環境基準を超える日が2日以上連続し
た場合には非達成とする。
イ
二酸化窒素
1 年 間 の 測 定 を 通 じ て 得 ら れ た 1 日 平 均 値 の う ち , 低 い 方 か ら 数 え て 98%
目 に 当 た る 値 ( 1 日 平 均 値 の 年 間 98% 値 ) を 環 境 基 準 と 比 較 し て 評 価 す る 。
(3)
各環境基準設定物質における人の健康や環境に及ぼす影響について
a
二 酸 化 硫 黄:高濃度で呼吸器に影響を及ぼすほか,森林や湖沼などに影
響を与える酸性雨の原因物質になるといわれている。
b
浮遊粒子状物質:大気中に長時間滞留し,高濃度で肺や気管などに沈着して
呼吸器に影響を及ぼす。
c
二 酸 化 窒 素:高濃度で呼吸器に影響を及ぼすほか,酸性雨及び光化学オ
キシダントの原因物質になるともいわれている。
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光化学オキシダント : い わ ゆ る 光 化 学 ス モ ッ グ の 原 因 と な り , 高 濃 度 で は 粘 膜 を
刺激し,呼吸器への影響を及ぼすほか,農作物など植物へ
の影響も観察されている。
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一 酸 化 炭 素:血液中のヘモグロビンと結合して,酸素を運搬する機能を
阻害するなどの影響を及ぼすほか,温室効果ガスである大
気中のメタンの寿命を長くすることが知られている。
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