胆 汁 色 素 に 関 す る 研 究 第 Ⅱ 編 胆 汁 中 に み と め ら れ るdiazo陽 性 非bilirubin 分 画 の分 光 化 学 的 性 状 と臨床 的意 義 につ い て 岡 山大学 医学部第一内科学 教室(主 任:小 坂 広 畑 淳夫教授) 衛 〔 昭和50年4月21日 受稿〕 対 象 は 岡 山 大 学 第 一 内 科 に 入 院 中 の 各 種 肝 ・胆 道 緒 言 系 疾 患 患 者39例(急 間 接bilirubinが 化 し,崩 光 に よ り 容 易 に,か 性 肝 炎6例,慢 硬 変 症7例,体 質 性 黄 疸(Gilbert症 壊 あ るい は 他 の 物 質 に変 わ る こ とが知 られ の う 症9例)お よ び 対 照 と し て 肝 機 能 正 常 な6名 て い る1)2).これ を 臨 床 的 に 応 用 し た の が 新 生 児 過bil irubin血 健 康 な 医 学 部 学 生 の 総 計45例 症 に 対 す る 光 療 法 で あ る3)4).しか し光 を 照 射 す る こ と に よ り,bilirubinが 2) い か な る変 化 を受 け 色 々 な 研 究 が 行 な わ れ て い る1)2)3)7)17)18)20)が,い だ 完 全 な る 解 明 が な さ れ て い る と は 言 い 難 い. 年Schmid5)は, Gunn り血 清bilirubinの にdiazo反 ratに 1963 低 下 に と も な い,胆 物 質 と し て 排 泄 さ れ る 可 能 性 を 示 唆 し た. 結 晶bilirubin溶 れ た 物 質 と, Gunn ratの B胆 応 陽性 Weber て, 今 回 著 者 は,各 bilirubin分 種 肝 ・胆 道 系 疾 患 患 者 の 胆 汁 中 の の 物 質 とbilirubinの and Schalm8)の NaOHを bilirubin 抽 出 し,残 画 を 除 去 し た 後 に え られ る水 溶 性 の 黄 色 物 質 よ りdiazo反 画 物 質 を抽 出 す る方 法 と 方 法 に な ら い,胆 汁10mlに glucuronideを 変化 2.0)でchloroformに 量 のethanolを Noir9)ら 加 え振 盪後 遠 沈 濾 過 し,減 圧 吸 引 し て 前 量 に 復 させ,つ 光 分 解産 物 との性 状 を 比 較 検 い で これ を 硫 安 で 塩 析 し,遠 沈 後 に え られ た 上 清 をn-butanol 討 す る と 共 に,そ の 臨 床 的 意 義 に つ い て も検 討 し た. に 抽 出 分 離 し,こ さ ら に こ の 際 え ら れ たazo色 oleum 素 と,間 間冷 暗所 に 放 置 し 間 接bilirubinに 余 の 淡 黄 色 の 上 清 に, Ostrow7), の 方 法 に な ら い,約4倍 応 陽 性 物 質 を 抽 出 ・測 定 し,そ お よ び 既 知 の 抱 合 型 直 接bilirubinのazo色 画 を 除 去 す る 目的 で 加 え約30分 さ せ た の ち 酢 酸 酸 性 化(pH 性 で あ る と し て い る. られ た 画 物 質 の抽 出法 汁 中 のbilirubin分 等 量 の0.1N 応 陽 汁 を 採 取 し た 後, 試 料 と し た. 非bilirubin分 し て は,胆 1967年 A胆 汁 の 排 泄 を は か り,え 胆 汁 よ り非bilirubin分 胆 汁 中 に 排 泄 され る黄 色 物 もにdiazo反 てB胆 汁10mlを ② 液 に光 を照 射 して え ら 質 が 同 一 の 性 質 の も の で あ り,と 朝 空腹 時 に十 二指 腸 ゾ ンデ を挿 入 透視 下 に ゾ ンデ の先 端 が 十二指腸下 行脚に olive油10mlに 汁 中 ・尿 中 り極 性 の 高 い 水 溶 性 のdiazo反 で あ る. 到 達 し て い る の を 確 認 の 上, 応 陽 性 物 質 の 増 加 を 認 め, bilirubinが 光 に よ り,よ Ostrow7)は しX線 光 を照 射 す る実 験 に よ の 胆 汁採取法 胆 汁 採 取 は,早 ま 候 群)6例,胆 実験 方 法 ① て,い か な る 物 質 に 変 換 さ れ て い くか に つ い て,近 年 接bilirubin etherを のn-butanol層 加 え 混 和 す る.さ に8倍 量 のpetr らに小 量 の 蒸 溜 水 を 加 え て 抽 出 さ れ る 淡 黄 色 の 水 層 を 非bilirubin分 素 との 画 物 質 と し た. 分 光 化 学 的 性 状 を 比 較 検 討 し た. 結 晶bilirubinよ 検 索 対 象 な らび に実 験 方 法 (1) 性 肝 炎11例,肝 つ急 速 に 変 対 象 575 出 法 は,結 晶bilirubin roform溶 液100mlを りの 非bilirubin分 画成 分の抽 (Sigma)の10mg/dl 作 製 し, 20W蛍 chlo 光燈 下 に磁 気 攪 576 広 拌 器 を も ち い て 攪 拌 し な が ら2時 と に よ りbilirubin溶 畑 間以 上 照 射 す る こ 各 種 抱 合 型bilirubinの azo色 法 に よ りpigment 画 はBillingら12)の pH Schalm6)の 2.0と sulfonate分 理 後,塩 酸で 出 した もの を減 圧 の 水 溶 部 分 を 用 い た. bnirubin 各 種azo色 (No. 7731)を 溶 か し,水 第1液10mlと,亜 ル フ ァ ニ ー ル 酸1g を 加 えて1000mlに 硝 酸 ナ ト リ ウ ム0.5gを 溶 か し た 第2液0.3mlを ⑨ した 液 と し た も の を1mlと 3.5mlを た. bilirubin bilirubin 加 えdiazo混 液0.5mlを diglucuronide, sulfonateは 酸 性azo色 液0.5mlを 素 は 上 記 のdiazo反 NaOH 1mlを 氏 単 位), 素 は, 加 え る こ と に よ り調 整 し た. 5N pHの 測 画 成 分 お よ び 各 種azo色 素の 吸 収 曲 線 測 定 法. ⑥ 200を 用 い て, 370∼ 非bilirubin分 apyrrolの 画 成 分 の定 性 画 成 分 の 定 性 反 応 と し て は, 定 性 反 応 と し てRosin反 応 を 行 な い, amino酸 対 して はBenzidine反 応, 応 を,さ 反 応,還 tetr Gmelin反 の 定 性 に はNinhydrin反 胆 汁 酸 の 定 性 に は 燐molybden酸 し て はmolybden酸 れ にdiazomethaneのether を 行 な ったの ち減 圧 乾 固 す る (GOT), 清glutamic oxaloacetic glutamic pyruvic alkaline Lowry単 位), 単 位),硫 trans phosphatase thymol混 cholesterol, 漿 消 失 率(KICG)の (Al 濁 反 応(TTT, 酸 亜 鉛 試 験(ZnTT, γ-globulin量, (ICG)血 Kunkel indocyanine 測定 を行 な っ た. 成 1) 非bilirubin分 績 画成 分の吸収曲線 胆 汁 お よ び 結 晶bilirubinよ と も にpH 図1 り抽 出 さ れ た 非bil 画 成 分 の 水 溶 液 の 吸 収 曲 線 は(図1)で, 4.0で380nmに Absorption fraction 可 視 部 に て 測 定 し た. 非bilirubin分 素 のmethyl化 素 を減 圧 乾 固 後 膨 隆 あ る い は 峰 を有 す る 曲 線 で あ っ た。 島 津 社 製 自 記 分 光 光 度 計UV 700nmの green irubin分 ー タ ー で 測 定 し た. 非bilirubin分 (Bessy phosphate, 画 成 分 は, 内 の点 ま 応 液 に さ らに 塩 酸 加 え て 調 整 し た. alkali性azo色 ⑤ 溶 解 し,こ 加 え て 調 整 した. 1mlを 定 は 堀 場 社 製pHメ 画 成 分azo色 画 成 分 のazo色 (GPT)値, Maclagan氏 加 え て 調 整 し た.非bilirubin分 水 溶 液4.5mlにdiazo混 p) 液 料 は 肝機能検査 aminase 水 溶 液4.5mlにdiazo混 溶 解 し5mm以 肝 機 能 検 査 と し て は,血 加 えて 調 整 し bilirubin 溶 媒 系 で こ と に よ り調 整 し た 。 3) り,こ れ にmet 固 定 層 と して, n-but 上 展 開 し た.試 非bilirubin分 transaminase loroform溶 Stahl して 薄 層 上 に 塗 布 し た. 非bilirubin分 水100mlに dimethylesterはch G nach (4:1:2v/v)の 可 及 的 少 量 のmethanolに 使 用の 都度 混 じて 作 製 し使 結 晶bilirubinとbilirubin 0.5mlを H2O 溶 液 を加 え, methyl化 用 した 。 hanol 厚 さ0.5mmの ethanol: methanolに 薬 は,ス (T. L. C.) 製Kieselgel 室 温 下(15∼20℃)で15cm以 用 いた方 素 の 調整 法 を 濃 塩 酸15mlに 画 成 分 お よ び 各 種bilirubin T. L. C.はMerck社 法 に よ り調 整 し,井 沢16)の 方 法 に よ り分 離 精 製 した. Ehrlich氏diazo試 非bilirubin分 た はbandと dimeth ylesterはKuster15)のdiazomethaneを ④ り生 成 さ 画成分の 素 量 に 対 す る百 分 率 と し て 求 素 の 薄 層chromatogram anol: 画 は, Weber 方 法 に よ り, alkali処 した の ち, chloroform抽 乾 固 し,そ 素 中 に 含 ま れ る 非bilirubin分 素 量 を 総azo色 ⑧ azo色 方 Ⅱ を 分 画 分 離 し,近 藤13)の 方 法 に よ り作 製 した. bilirubin and 沢11)の を もちい た分 画 分 離 法 で 精製 し た 。bilirubin-phosphate分 画成分の定量 め た. 作 製法 glucuronideはTalafant10)-井 胆 汁 よ りacetone末 非bilirubin分 定 量 は,試 料 と し て も ち い た 胆 汁10mlよ れ たazo色 汁 よ りの 非bilirubin分 画 成 分 の抽 出法 と同一 の操 作 を行 な っ た。 bilirubin ⑦ 液 が橙 色 か ら暗 緑 色 な い し淡 黄 色 に 変 色 し た 時 点 で,胆 ③ 衛 応 を, 元物質 に ら に 燐 酸esterに 反 応 を も ち い て 定 性 し た. yrrol物 質 に 対 す る 反 応 と し て はpentdyopent反 14)15)16)を お こ な い 定 性 し た . 対 dip 応 from spectra bile and of non crystalline bilirubin billirubin. 胆 汁 色 素 に関 す る研 究 2) 非bilirubin分 画成分の定性 図2 胆 汁 よ り抽 出 さ れ た 非bilirubin分 Absorption of 画 成 分お よび 577 non spectra bilirubin crystalline 結 晶bilirubinのchloroform溶 pentdyopent from reaction bile and bilirubin. 液 を 蛍 光 燈 で照 射 す る こ と に よ り え ら れ た 非bilirubin分 画成 分 につ い て 定 性 反 応 を 行 な っ た 結 果 は(表1)の Table of fraction 1. Qualitative よ う に, examination non-bilirubin of fraction. 図3 Absorption bilirubin spectra fraction of from azo bile pigment and of crystalline bilirubin. crystalline: prepared from crystalline bile: bilirubin extracted by photoradiation. from human bile Ostrow's method modification. amino酸 に 対 す るNinhydrin反 Benzidine反 反 応,胆 応,燐 with 応,酸 酸esterに 化物 に対 す る 対 す るmolybden酸 汁 酸 に 対 す る 燐molybden酸 に す べ て 陰 性 で あ っ た.ま Rosin反 応, Gmelin反 by minor 反 応 は両 者 共 たtetrapyrrolに 対す る 応 は 陰 性 で あ っ た が, diazo 反 応 は 両 者 共 に 陽 性 で,そ ご と く550nmにpeakを の 吸 収 曲 線 は(図2)の 有 す る 曲 線 で あ り,両 者 間 図4 に 吸 収 極 大 上 の 差 は 認 め ら れ な か っ た. 本 物 質 に 対 す るpentdyopent反 (pH 応 は,両 接 陽 性 を 呈 した.そ の 反 応 は 結 晶bilirubinの 照 射 後 のchloroform溶 Percentage of direct of non bilirubin bilirubin in various fraction liver diseases. 者共 に 直 蛍 光燈 液 よ り抽 出 した 非bilirubin 分 画 成 分 に お い て よ り著 明 に 出 現 し た.そ 線 は(図3)の 2.4) ご と く525nmに の吸収曲 吸 収 極 大 を有 す る特 有 の 曲 線 で あ っ た. 3) 各 種 肝 ・胆 道 系 疾 患 患 者 の 胆 汁 中 に お け る非 bilirubin分 画. 各 種 肝 ・胆 道 系 疾 患 患 者 の 胆 汁10ml中 る 総azo色 素 中 の 非bilirubin分 量 の 百 分 率 は(図4)の は最 高1.7%,最 急 性 肝 炎6例 %で %,平 均1.32%,肝 最 低0.4%,平 2.9%,最 性 肝 炎11例 で 平 均1.15 低0.05 あ っ た. また 各 群 間 の 平 均 値 の 間 の有 意 差 の検 定 を お こな った の が(表2)で あ る.健 康 者 群 に 比 較 して 慢 性 低 肝 炎,肝 硬 変 症,体 質性 黄 疸群 で は有 意 の高 値 を示 で は最 高 症 お よ び体 質 性 黄疸 の各 群 間 に は有 意 の 差 は 認 め ら で は 最 高2.6%, 質 性 黄 疸6例 均1.85%で 素 あ っ た. で は 最 高2.8%,最 の う症9例 均1.09%,体 低1.2%,平 低0.5%で で は 最 高3.0%,最 硬 変 症7例 均1.83%,胆 康 者6例 均0.78%で で は 最 高1.5%,最 あ っ た.慢 0.5%,平 よ うで あ る.健 低0.3%で,平 に含 ま れ 画 成 分 のazo色 した.一 方急 性肝 炎,慢 性肝 炎,肝 硬 変 症,胆 の う れ な か った. non 578 広 Table 4) 2.•@ Examination 非bilirubin分 総azo色 on T-distribution 下 非bilirubin分 清transaminase値(GOT, 画azo色 5%以 下 で, 関 係 数0.47, 図5 Correlation and s-GOT 険 率1%以 肝 は相 関 は 認 め 下 で,ま たTTT よ う に 相 関 係 数0.45,危 γ-globulin量 5%以 と は(図9)の 険率 よ うに相 下 の 危 険 率 で 占 有 率 との 間 に 有 between activity. groups. P, KICGと non bilirubin fraction の 他, cholesterol, Al 占 有 率 と の 関 係 は(図10,図11,図12) の よ う に 有 意 の 相 関 関 係 は 認 め ら れ な か っ た. 5) ① 各 種azo色 azo色 (表3)の 占 有 率 と の 間 に は(図7) の よ う に 相 関 係 数0.59,危 と の 間 に は(図8)の 素 よ うに血 GPT)と ZnTTと two 衛 意 の 相 関 関 係 を 認 め た.そ 画 成 分 占 有 率)と 機 能 検 査 成 績 の 間 に は,(図5,図6)の ら れ な か っ た が, of 画 成 分 と肝 機 能 検 査 素 中 に 占 め る非bilirubin分 の 占 有 率(以 畑 は,間 よ る 吸 収 極 大 の 変 化, ご とくpH 2.0で のazo色 接bilirubinで540∼550nmで,直 の う ちbilirubin sulfonateの 接bilirubin s-GPT pho 吸 収 極 大 を 認 め, 吸 収 極 大 は535∼545nmで Correlation and 素 の 吸収 極 大 diglucuronideとbilirubin sphateは555∼560nmに 図6 素 のpHに 素 の 吸収 極 大 between activity. non bilirubin あ っ た.ま bilirubin た fractlon 胆 汁 色 素 に関 す る研 究 図7 Correlation and ZnTT between (Kunkel non bilirubin fraction unit). 図9 Correlation and 図8 Correlation and TTT between (Maclagan 579 non unit). bilirubin fraction 図10 Correlation and between non bilirubin fraction γ-globulin. Al-p between (Bessy-Lawry non bilirubin unit). fraction 580 図11 広 Correlation and between concentration non of bilirubin serum 畑 衛 fraction cholesterol 図12 . Correlation and Table 3. Absorptions maximum of various bilirubin between non bilirubin fraction KICG azo pigments. Wavelength methylati6nを し たbilirubin dimethylesterのazo 色 素 は540∼550nmに,非bilirubin分 色 素 は545∼555nmそ ② の 吸 収 極 大 を 有 し て い た. 酸 性azo色 酸 性azo色 bilirubin dimethylesterで ③ 6) sulfonateとbilir alkali性azo色 素 pH 12∼13で 画 後 そ の褪 色 が で の 吸収 極 大 の測 定 は不能 で 各 種azo色 素 の 薄 層chromatogram (表4)の 間 接billrubin よ う に,結 azo色 晶bilirubinよ 表 のT. 0.64∼0.70と0.46∼0.49で 素 の吸 収 極 大 素 は, か し非bilirubin分 素 はalkali化 (T. L. C.) そ の 吸収 極 画 成 分 の 酸 性azo色 吸 収 極 大 が 移 動 し た.し 成 分 のalkali性azo色 555∼565nmに は565∼575nmに dimethy sulfonateとphosphateは590 あ っ た. 移 動 を認 めな か った. alkali性azo色 bilirubin diglucuronide, 急 速 な た め にalkali側 diglucuronide, phosphateは560∼570nm, 大 を 認 め た.非bilirubin分 は550nmと 1.0 接bilirubinは575∼580nmに そ の 吸 収 極 大 を 認 め, bilirubin ubin た 直 接bilirubinの の, bilirubin nmに 素 の 吸 収 極 大 の 測 定 は す べ てpH そ の 吸 収 極 大 を 認 め, 間 接bilirubinは590nmに,ま lesterは585nmに, 素の吸収極大 以 下 で お こ な っ た.間 bilirubin 画 成 分 のazo (nm) は0.39∼0.44に, 測 定 し た が, 0.30∼0.35, り作 製 し た L. C.に あ っ た.塩 よ るRf値 ester型bilirubinは0.41∼0 0.09∼0.12で あ っ た. は 型bilirubin bilirubin .48, dim- 胆 汁 色 素 に 関 す る研 究 Table 4. Thin layer various chromatogram 581 大 西23)は,新 of azo-pigments. 生 児 過bilirubin血 症 の 光 療 法 にお い て 尿 中 に 黄 色 物 質 の 増 加 を 認 め, pentdyopent反 が 陽 性 で あ る こ と よ り, dipyrrol物 こ れ は 光 に よ りbilirubinがbiliverdinを 性 のdipyrrol物 応 質 で あ る と し, 経て水溶 質 に 変 化 す る 過 程 を と る もの と し て い る. し か し,他 方Mannitoら24)25)はbilirubinが 光 に よ り化 学 反 応 を お こ し て 水 溶 性 と な る が,こ alkali基 やglutathionな る と し,薄 層chromatographyで 磁 気 共 鳴 ス ペ ス ト ル,質 る.著 分 離 し た の ち,核 量分 析 で確 認 した と して い 者 が 胆 汁 か ら あ る い は 結 晶bilirubinの 射 後 のchloroform溶 液 か らbilirubin成 し た 後 に 得 た 非bilirubin分 ethylesterのazo色 素 のRf値 は0.68∼0.72で た.非bilirubin分 画 成 分azo色 素 のT. るRf値 る2 2 は0.55∼0.57, 0.15∼0.17に spotと0.61∼0.63, spotの 計4 常 に 認 0.38∼0.45に spotが 出 現 し た.そ 素 のRf値 C.に よ め ら れ 認 め ら れ る 行 な っ た 後 の は0.41∼0.45で 線 は380nmにpeakあ るい はshoulderを で あ り, Ostrow26)やKrasner27)の omposition substanceの 有 す る曲 線 い うphotodec 吸 収 曲 線 と ほ ぼ 一 致 し た. ま た こ の 胆 汁 あ る い は 結 晶bilirubinの 光照射後 に 応 は,明 らか に 直接 反 応 陽 性 で,こ の 物 質 中 に はdipyrrol物 存 在 す る こ と が 示 さ れ た.こ あ っ た. 光照 分 を除 去 画の黄色物質 の吸 収 曲 抽 出 さ れ る 黄 色 物 質 のpentdyopent反 の 中 一 番 強 いRf 0.55∼0.57,のspotにmethylationを azo色 あ っ L. れ は ど との 結 合 に よる た め で あ 質 が の 黄 色 物 質 はdiazo反 応 は 陰 性 で あ る とす る 説 も あ る が28),著者 の 成 績 で は 考 胆 汁 色 素 の 排 泄 は, ucuron酸 案 bilirubinが の 正常 の 経 路 が 障 る い は 欠 如 し て い る 場 合,胆 汁 色 素 を前 述 の 経 路 以 外 で 体 外 に 排 泄 す る 必 要 が 生 じ る.現 在認 め transferase欠 ndiced (Gunn) 群 に お い て, し て,よ 損 を 示 すnon ratや,ヒ bilirubinが hemolytic 候 抱 合 を受 け ることな く変 化 り極 性 の 水 溶 性 黄 色 物 質 と し て 胆 汁 中 に 排 の 主た る 機 序 は を 種 々 の 溶 質 に 溶 解 させ,光 bilirubinの 察 し, bilirubin C14 を 照 射 す る こ と に よ り, 変 化 の 速 度,産 生 産 物 の 特 性 に つ い て 観 bilirubinがalkali性 変 化 す るが,光 溶 液 中 に お い て容 易 に を照 射 す る こ とに よ り さ らに そ の崩 壊 速 度 が 増 大 す る こ と を認 め て い る. bilirubinのchloroform溶 Gray22)も Ostrowの 応 形 成 し, Schmid, 報 告 に 一 致 し た.こ れ らの 事 実 はGray ら の 黄 色 物 質 が 単 一 物 質 で な い と す る 成 績 や,著 ら のT. L. C.上 で 数 種 のspotが 者 認 め られ た こ と よ 応 陽 性 黄 色 物 質 と 陰 性 の もの が 存 在 と こ ろ でbilirubinはglucuron酸,硫 glutathion等 間接 液 に 日光 を 照 射 す る実 験 酸,燐 酸, と 抱 合 す る こ と に よ り水 溶 性 が 高 ま り, 肝 細 胞 よ り胆 汁 中 に 排 泄 が 容 易 に な る こ と が 知 ら れ て お り, Mannito24)25)がbilirubinの toadditionだ 光 に よ る 酸 化 で あ ろ う と され て い る5)7).bilirubinに 対 す る 光 の 影 響 に つ い てOstrow6)は, 素 とは 異 な す る こ と が 推 定 され る. jau トのCrigler-Najjar症 泄 さ れ る こ と が 認 め られ て い る.そ は 陽 性 で あ り, 550nmにpeakを り し てdiazo反 られ て い る そ の 様 な 経 路20)21)と し て,先 天 性glucu ronyl 応 は,既 知 のazo色 り速 度 も遅 く反 応 力 も弱 い な が ら も 直 接diazo反 肝 臓 に おい てgl 抱 合 な どの 抱 合 を受 け たの ち胆 汁 中 に排 泄 さ れ る の が 主 経 路 で あ る が,こ 害,あ こ の 物 質 のdiazo反 わ れ る が,光 水 溶 化 はpho と す る 説 を 支 持 す る有 利 な 点 か と も思 照 射 に よ り え られ た 黄 色 水 溶 性 物 質 に つ い て の 定 性 反 応 で はalkali基 す べ て 陰 性 で あ り,彼 やglutathionな の い うphotoadditionに ど よる も の と は 考 え られ な か っ た.(表1) 肝 ・胆 道 系 疾 患 に お け る 非bilirubin分 diazo反 応 の 総 直 接bilirubinに 均 値 は,慢 画 成 分の 対 す る百 分 率 の 平 性 肝 炎 ・肝 硬 変 症 ・体 質 性 黄 疸 群 は 対 照 よ り産 生 さ れ る 黄 色 物 質 の 分 光 化 学 的 性 状 とpaper 群 に 比 し統 計 学 的 に 有 意 の 差 を 示 し,先 chromarographyの curonyl transferaseの 場 合,ま た 正常 な る機 能 を有 す る肝 細 胞 数 の減 少 に opyrrol物 成 績 よ りdipyrrol物 質 とmon 質 が 存 在 す る こ と を 明 らか に し た.ま た 天 的 にglu 低 下 を有 す る体 質 性 黄 疸 の 582 広 よ るglucuronyl 性 肝 炎,肝 transferaseの 低 下 の 存 在 す る慢 硬 変 症 の 場 合 に は 非bilirubin分 率 の 上 昇 す る こ と が 認 め られ た.こ し て 光 に よ るbilirubinの 畑 画 占有 の理由の一つ と 分 解,あ るい は そ れ と同 一 の 機 序 に も と ず く分 解 に よ る 排 泄 の 増 加 が 考 え ら れ,新 生 児 過bilirubin血 症 の 治 療 法 と して の 光 療 衛 型 で あ る と 思 わ れ,こ り 崩 壊 し5, の こ と はbilirubinが 5'-diformyl 説 を あ るて い ど裏 付 け る も の で あ っ た が, が 光 分 解 に よ り数 Grayら 種 の 物 質 が 出 来 る こ と を 報 告 し て お り, T. L. C.に て2つ 以 上 のspotが 常 に 出 現 す る こ とな ど, 1物 以 上 の 存 在 が 推 測 さ れ, こ と,ま 必 ず し も一 定 の 過 程 を と り1物 疸 血 清 に 光 を 照 射 す る こ と に よ り血 清bilirubin値 の 著 明 な 低 下 を 認 め て い るBlondheim26)の か ら 考 え る と,肝 は,胆 画 物 質 で, 応 陽 性 成 分 の 増 加 が 考 え ら れ,著 者 の検 討 し た 無 黄 疸 患 者 の 占 有 率 の 増 加 の 事 実 か らあ る程 度, 泄 機 転 に代 償 的 に光 な い し はそ れ と同 一 の 作 用 が関 与 して い る との 事 実 を え た も の と い え よ う. bilirubin azo色 接 素,お dimethylesterのazo色 素 の 吸収 極 報 告 さ れ て い る が,さ ら に 種 々 の 直 接 型bilirubin の 非bilirubin分 画 成 分 のazo色 吸 収 極 大 と 比 較 す る と,非bilirubin分 画 成 分 のazo 色 素 の 吸 収 極 大 は 間 接bilirubinの い た が, ず,ま pHの そ れ と類 似 して 酸 性 化 に よ りその 吸 収 極 大 は 移 動 せ たalkali性 化 で は そ の褪 色 が極 め て急 速 で 吸 収 極 大 の 測 定 は 不 能 で あ る な ど,他 のazo色 素に 見 ら れ な い 特 徴 が 認 め ら れ た. ま たT. azo色 L. C.に 素 のRf値 Rf値 画 成分 の は,既 知 のbilirubinのazo色 素の と は 異 な る 成 績 を 示 し た .こ の こ と は,生 dipyrrol物 質 はbilirubinがdiazo反 そ の 中 央 のmethylene基 pyrrol物 る と,こ 応 に さ い し, の 部 位 で 切 れ て 生 ず るdi 質 と は 異 っ て い る こ と を 示 し て お り,ま 主 た るspotで ationに じた あ るRf 0.55∼0.57の よ りそ の 前 後 のRf値 のdipyrrol物 こ の 成 分 は,水 物 質 で,そ 溶 性, diazo反 応 陽 性 の 黄色 の 吸 収 曲 線 は 水 溶 液(pH 示 し,そ 2.4)で 吸 収極 の 酸 性azo色 素 の 吸収 極 大 も同 一 で あ っ た. 2) 非bilirubin分 画 のazo色 以 上 のspotが が 考 え られ た.ま T. L. C.に 3) 出 現 し, 1物 た 非bilirubin分 よ るRf値 は 異 っ て い る こ と,そ Rf値 素 のT. は,既 の1つ L. C.で は 質以 上 の 存在 画 のazo色 知 のazo色 素 の 素 のRf値 はmethylationに と より が 移 動 す る こ と を 認 め た. 各 種 肝 ・胆 道 系 疾 患 患 者 の 胆 汁 中 に お け る こ の 成 分 の 総bilirubin中 に 占 め る 比 率 は,慢 性 肝 炎, 質 性 黄 疸 群 の 順 に 高 値 を 示 し,対 照群 よ り有 意 の 増 加 が 認 め られ た. 4) 肝 機 能 検 査 と の 間 に はZnTT, γ-globulin量 5) TTTお よび と の 間 に 有 意 の 相 関 が 認 め ら れ た. 以 上 の こ と よ り肝 細 胞 障 害 やbilirubin抱 合 画 が 代 償 的 に増 加 す る もの と 考 え られ た. 色 素 はmethyl が移 動 す る こ とを考 え 質 はpropion酸 応 陽 性 の 非bilirubin た. 酵 素 障 害 時 に は 非bilirubin分 た 画 分 画 の 性 状 とそ の 臨床 的 意 義 に つ い て 次 の 結 果 を え 肝 硬 変 症,体 お い て も非bilirubin分 り抽 出 され た 非bilirubin分 成 分 に つ い て 検 討 し, diazo反 常 に2つ 素の 論 各 種 肝 ・胆 道 系 疾 患 患 者 の 胆 汁 お よ び 蛍 光 燈 照 射 後 の 結 晶bilirubinよ 大 は545∼555nmを 大 が そ れ ぞ れ 異 な る こ と は 教 室 金 田30)有 地31)に よ り を 作 製 し,こ 結 1) 素 の 吸 収 極 大 に 関 し て は,間 型bilirubinとester型bilirubinのazo色 よ びbilirubin 光 に よ る変 化 は 質 に な るの で は な い と考 え ら れ た. ・胆 道 系 疾 患 有 黄 疸 患 者 の 場 合 に 肝 細 胞 障 害 時 のbilirubin排 bilirubinの 質 報告 な ど 汁 中 に 易 水 溶 性 の 非bilirubin分 diazo反 型 を と っ て い る と い うOstrow30)の 法 が そ の 黄 疸 の 半 減 期 の 短 縮 に 明 らか に 有 効 で あ る た 流 行 性 肝 炎 ・閉 塞 性 黄 疸 に よ る 患 者 の 黄 光 に よ dipyrrylmethaneの 基 が遊 離 の (稿 を 終 る に あ た り御 指 導 い た だ き ま し た 近 藤 忠 亮 講 師 に 深 謝 し ま す.) 胆 汁 色 素 に 関 す る研 究 文 1) Cremer, R. 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The Rf values This were different Percentage tract diseases ratio increased chronic These parenchymal positive that significantly increased for diazo in water of non bilirubin it was not composed reported azo pigments that the Rf value of one of these fraction and biliary and soluble maximum showed 545-555nm suggested liver by fluorescence spots in total bilirubin in comparison of the group of constitutional tract dis was studied. reaction and its in water and showed solution (pH 2.4) and fraction, two to four from one substance. in thin layer chroma was changed by methylation. in bile of various with that of control jaundice, cirrhosis liver and biliary subjects. This of the liver and respectively. Significant liver fraction of this azo pigment results of non bilirubin in the order hepatitis 4) and was irradiation was yellowish from those of already togram and it was confirmed 3) from bile of various after of non bilirubin positive diazo reaction. Its absorption unchanged by acidulation. spots Prof. Kiyowo KOSAKA) function findings damage correlations tests (ZnTT, suggested or the between TTT, that percentage γ-globulin) non disturbance bilirubin of the of non bilirubin were obtained. fraction was bilirubin fraction increased conjugation in the enzyme. in total case bilirubin of hepatic
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