5 オクラ 栽培ごよみ 月 3 旬 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 トンネル 栽培 露 地 栽 培 :は種 1 :収穫期間 :トンネル 作物の特徴 アオイ科の高温性の植物で、耐寒性は弱く10℃以下になると生育が止ま り、落果が多くなる。生育適温は昼温25~30℃、夜温20~23℃であ る。 生産は緑色5角莢系が主流でアーリーファイブ、ガリバー、グリーンソー ド等がある。莢に稜のない丸莢系、紫莢系の品種がある。 2 畑の準備 直根性で吸肥力が強いため、排水が良く保水性があり肥沃なほ場が最適で ある。近年は水田転作作物としても栽培されている。 水田で作付ける場合は、畝を高めにしたり、明渠を設置するなど排水対策 に留意する。 施肥設計(例) 銘 柄 名 施用量 kg/10a 成分量 kg/10a 施用時期等 基肥 追肥 N P K 堆肥 2000 苦土石灰 100 レオユーキF 160 14 19 14 有機入り追肥NN330 20 2.6 0.3 2.0 開花期から 有機入り追肥NN330 20 2.6 0.3 2.0 合 計 19.2 19.6 18.0 2回目以後の追肥は生育に応じて施用する。 3 は種 (1)播種時期 発芽適温は25~30℃であり高温性なので、無理な早まき は避ける。マルチとトンネルを併用すると4月中旬から直播きができ る。乾燥に弱いため、降雨直後か十分灌水した後にマルチし、水分と地 温を高めた状態では種する。マルチは光崩壊白、黒、グリーン等を利用 する。トンネルを使わない場合は5月以降に播く。 (2)播種量 10a 当たり2~3ℓ 。 (3)催 芽 発芽揃いを良くするには、水又はぬるま湯に一昼夜浸漬した種 子を播く。やむをえず乾燥した土壌に播く場合は、浸漬しないで播く。 (4)栽植密度 マルチ栽培では、畝幅 100~120cm、株間 30cm、1か所に3~ 5粒ずつ播く。露地栽培では畝幅 80cm、株間 30cm の1条とする。 10 (5)ポット育苗 まとまった面積を栽培する場合、育苗ハウス等でポットに 直播きし、2,3葉期に定植する方法がある。この場合、若苗を使うこ と、根を傷めないよう鉢土を崩さないように植えることに留意する。 4 管理作業のポイント (1)温度管理 播種後はトンネルを密閉して発芽を促す。本葉展開後はト ンネル内の温度が30度を超さないよう換気し、夜間は閉める。トンネ ル除去は夜温が15℃以上になる5月下旬頃行う。 (2)間引き は種後1か月たった本葉2~3枚頃に、生育の遅れたものや 奇形のものを地際で切除し、1カ所2~3本植とする。 (3)中耕・培土 管理機で除草を兼ね、中耕・培土を行う。8月中旬頃ま でに2,3回実施するとよい。培土すると台風などで倒伏しにくくなる。 マルチ栽培では特に行わなくても良い。 (4)追肥 第1果収穫後から追肥を始める。1回の追肥量は1a 当たり窒 素成分で 0.2kg(NK化成なら2kg)施用する。追肥の間隔は収穫始めが 14 日おき、出荷最盛期では 10 日おきが目安。樹勢が弱まるといぼ果、 曲がり果が発生しやすくなる。 (5)摘葉・整枝 基本的には収穫果の下に1~2枚程度の葉を残し、それ 以外の葉を摘葉する。草勢が弱いようなら収穫果の下葉を更に数枚多く 残す。草勢の強弱の目安は、開花位置の上に3~4枚展開葉があればよ い。また、わき芽は早めに摘み取る。 (7)かん水 暑さや乾燥には強いが、水分不足になると生育が遅くなり、 莢も硬くなり品質低下する。梅雨明け後は、敷きわらを行うとともに、 降雨が少ない場合はかん水を行う。 (8)発生しやすい病害虫 害虫は、アブラムシ、フキノメイガ、アワノメ イガ、ハスモンヨトウ、病害は葉すす病や灰色かび病に対して注意する。 また、ネコブセンチュウの被害が大きいので連作に注意する。 5 収穫 は種から開花まで約 60 日。収穫は早朝に行う。莢の長さは9~11cm で 収穫する。莢が大きくなりすぎると、すじが多く硬くなって品質が低下する ので、取り遅れないように注意する。収穫・出荷調整時に毛茸や汁液でかぶ れることがあるので手袋を使用する。 6 経営指標の目安 10a収 単価 量(kg) (円/kg) 2,000 690 粗収入 (円) 経費 (円) 所得 (円) 10a 労働時間 (時間) 1,380,000 560,000 820,000 1,000 11 6 ほうれんそう 1 作物の特徴 生育適温は、10~20℃で、耐寒性はあるものの、高温に弱く30℃以上に なると生育が抑えられる。 春から夏の長日期には抽だいが起こりやすいので、晩抽性品種を選定する。特 に、6月播種は抽だいしやすいので注意する。また、街路灯など夜間照明により 不時抽だいの被害も起きているので、夜間の照明にも注意する。 2 畑の準備 根の発育が旺盛なので、有機質に富み排水の良いほ場を選定する。堆肥を 10a 当たり1t程度施用するとともに、酸性土壌には弱いので、石灰資材でpH6.5 程度に調整する。 3月中旬~9月頃の播種や連作では、立枯病の発生が目立つようになるので、 土壌消毒を行うと良い。 3 は種 種子のまき方は、点播、条播がある。 点播は、8~10cm 間隔に2~3粒が標準、播種作業は大変だが、収穫作業が 容易となる。シーダーマルチャー(マルチ同時播種機)を使用すると作業が簡単 である。 条播は、播種機(ごんべい、クリーンシーダー等)、シードテープを利用する と播種作業が簡単である。厚まきを避け、1m2あたり 100 本程度になるようにす る。(厚まきの場合は、間引きを行う) 12 施肥設計(例) 銘 柄 名 堆肥 マイルド有機030 苦土石灰 合 計 施用量 kg/10a 基肥 追肥 1000 120 40 成分量 kg/10a 施用時期等 N P K 12 15 12 12 15 12 4 管理作業のポイント (1)播種 厚まきすると、軟弱徒長を起こしやすく病気の発生も助長する。特に春夏ま きは、抽だいを起こしやい。 一般的に播種直後のかん水となるが、極端に乾燥している場合や土質により かん水後に播種するほうが良いこともある。どちらにしても、表土(表層)が 固まらないようにすることが大切である。 は種直後のかん水は、発芽が揃い初期生育の均一化につながり、収穫作業の 省力化が可能となる。春夏まきでは、発芽後のかん水は苗立枯病を助長する。 (2)被覆資材 10月下旬以降、温度が低い時期は、保温・霜よけを目的として、取り扱い 性も考慮しフィルムに換気孔のあるユーラック等を用い、トンネルとするのが 一般的である。寒冷紗等を用いてトンネルとしてもよい。不織布等べたがけの 場合は、季節風で剥がされたり、葉が擦れるので注意する。 5月~9月では、雨除けを目的として、ユーラック等トンネルとするのが一般 的である。高温となる場合は、裾を開けたりしてこまめに換気を行う。 7~8月では、播種~生育初期にかけて、高温と強光を緩和するため遮光資材 を用いると良い。なお、強度の遮光は軟弱徒長となるので注意する。 その他の期間でも、サンサンネットや寒冷紗等でトンネル被覆を行うと、防虫 対策となる。 また、マルチ(3515・9415 等)を使用する場合は、夏期は地温抑制・防草を目 的とし、銀黒・白黒マルチ、それ以外でも保温・乾燥防止から透明マルチを用い ると良い。 (3)発生しやすい病害虫 基本的に早期発見、早期防除を心がける。 ア アブラムシ類 春~秋に多発するので早期防除を行う。また、秋冬でも防除を怠るとウイル ス病の発生が広がるので注意が必要。雨よけ栽培期間以外も栽培期間中、サン サンネット・寒冷紗等の被覆で対応する。 13 イ ハスモンヨトウ、シロオビノメイガ ハスモンヨトウは夏~秋に発生が多く、老齢幼虫は農薬の効きが劣るので注 意が必要。葉裏に卵塊で産みつけ、若齢幼虫は群生しているのでこの時期の防 除は、効果が高い。 シロオビノメイガは秋に発生が多く、若齢幼虫では表皮を残し食害するのが 特徴。ほ場周辺の雑草を除去する。食害を受けると商品性が著しく低下するの で、早期防除を行う。 ウ アザミウマ類 春~秋に発生が多く、葉にカスリ状の食害痕が残る。被害がひどい場合は葉 が奇形する。 エ ホウレンソウケナガコナダニ 秋~冬の低温期に発生が多く、新葉を中心に小孔、葉が奇形する。 未熟有機物を多用する、前作収穫残渣が残ると発生が多くなる。播種前に土壌 処理を行うか、生育期に防除を行う。症状が見られてから防除を行っても防除 適期を逃すので注意する。 オ 立枯病、萎凋病、株腐病 高温期に発生が多く、初期に発病すると不発芽、本葉2~4葉では地際部の 褐変、枯死する。被害残さの除去、作付け前の土壌消毒等を行う。 カ べと病 春、秋に発生が多く、天候不順など多湿条件で拡大する。病徴が進むと、葉 に不鮮明な斑点が現れ、葉裏にビロード状に胞子が形成される。近年、病原菌 の系統(レース)が多様化し、被害が拡大する傾向である。抵抗性品種を導入 するか、本葉2葉期までに農薬散布を行い、予防する。 5 収穫 収穫調製作業に時間がかかることから、一斉に播種せず、1日に収穫できる面 積を考慮し、少しずつ播種する。(夏~秋では3日おき、冬では1週間おきを目 安)草姿は、極立性・立性タイプを選択すると調製作業の軽減につながる。 秋冬まきでは、10月中旬前後で低温伸長性のある品種に切り替える、トンネ ル被覆を早めるなど、調節を行うことにより、天候変動による遅れ、収穫時期の 重複等をある程度回避でき、継続出荷が可能となる。 6 経営指標の目安 10a収 単価 量(kg) (円/kg) 1,300 370 粗収入 (円) 経費 (円) 所得 (円) 10a労働時 間 (時間) 481,000 300,000 181,000 300 14 7 1 こまつな 作物の特徴 収穫は端から一斉収穫を行うと作業効率が良く、そのためには、均一な生 育が求められる。高温期で20~30日、低温期で70日以上の生育期とな り、収穫適期幅は高温期で2~3日、低温期で10日以上となるので、計画 的に播種を行う。品種は、冬期は低温伸長性のある品種、夏期は萎黄病耐病 性のある品種を基準として選定するとよい。 2 ほ場の選定 ほ場は極端な粘土質土壌を除きほとんどの土壌で対応できる。均一に発芽 させる必要があるため、きちんと整地を行う。輪作を行うよう心がけ、保水 性と排水性を高めるようにする。前作の肥料等の残存を考慮し、土作りを行 う。 3 施肥 栽培期間が短いので基肥のみで栽培する。夏期は少なめに、冬期は栽培期 間が伸びるので、やや多めに肥料を施用する。 施肥設計(例) 8~10月まき 銘 柄 名 施用量 kg/10a 基肥 追肥 完熟堆肥 2000 スーパーコープフミン 150 合 計 15 成分量 kg/10a 施用時期等 N P K 12 12 12 12 9 9 4 播種 播種量は10aあたり1,3リットル~2リットルが標準。株間は、高温 期は広く(4~5cm)、低温期は狭く(3cm)する。品種により種子の 粒径が異なるので、手押し式播種機の場合は、ベルト・孔径に注意する。 播種後は、十分潅水して一斉に発芽させる。 5 管理作業のポイント (1)発生しやすい病害虫 コナガ、アブラムシ類、キスジノミハムシ、アザミウマ類などは、春~ 秋に発生が多発するので、早期防除をおこなう。 萎黄病は、初夏~初秋にかけて多発するので、耐病性品種を選定すると よい。 白さび病は、梅雨期や秋雨時に発生が多く、過繁茂や株間が狭くなると 発生が助長される。播種間隔を広めにとる、耐病性品種を選定するとよい。 病気が発生する時期を見極め、早期防除が大切である。連作や病害が多発 する場合は、(次作)作付け前に土壌消毒等薬剤処理を行う。 (2)被覆資材 春から秋期は、防除目的で利用する。生育期間中は、防虫ネット(サン サンネット等)を被覆しておくと虫害を防ぐことができる。通常は、1mm 目合いのもので良いが、できれば 0.8mm 目合いのものを使用するとキスジ ノミハムシに対する効果が高い。収穫数日前に防虫ネットを剥がし、葉色 を上げる方法もあるが、虫害対策としては、収穫時に剥がす方が被害を低 減できる。(最近の品種は葉色も濃いタイプが増えたことから) 冬期は、保温目的で利用する。べたがけする場合は、季節風による葉の 擦れに注意する。 6 収穫 作業性から一斉収穫を心がける。株間により病害虫の発生、生育、作業性 が異なることから、夏期は広め、冬期は狭めにするなど工夫する。 収穫調製作業が労力の大半を占めるので、夏期は数日ごと、秋冬期は一週間 おき等播種作業をずらしておこなうとよい。 7 経営指標の目安 10a収 単価 量(kg) (円/kg) 1,600 310 粗収入 (円) 経費 (円) 所得 (円) 10a 労働時間 (時間) 496,000 300,000 196,000 300 16 8 に が う り 栽培ごよみ 月 旬 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 露地栽培 ○ ○:は種 △:定植 △ :収穫期間 1 作物の特徴 (1)作型 露地栽培は比較的容易だが、害虫被害が多いので、適期防除に努める。 (2)品種 品種により果実の長さが異なるため、目標とする出荷規格を基に選択する。 品種例は、百成れいし1号、百成れいし2号など。 2 畑の準備 ウリ科野菜の連作地やネコブセンチュウ発生地での栽培は避ける。pHは 6.0~7.5に矯正する。元肥は有機質肥料を主体に行う。 施肥設計(例) 銘 柄 名 完熟堆肥 苦土石灰 有機アグレット666 燐硝安加里S1号 燐硝安加里S646 〃 合 施用量 kg/10a 基肥 追肥 2000 60 200 20 25 25 計 成分量 kg/10a 施用時期等 N P K 12 12 12 3 4 4 3 1 1 3 4 一番花開花 4 以降は生育 に応じて 23 17 23 3 定植 本葉4~5枚が定植の適期である。 うね幅 1.5m、株間 1~1.5mの1条植。 栽植密度320~470株/10aを目安とする。 霜の恐れがなくなる5月中旬以降に定植する。 大雨後のほ場に停滞水があると根が傷むので、排水が心配なほ場ではベッ 17 トを高めにする。定植は浅植えにし、深植えは行わない。 4 管理作業のポイント (1)整枝・誘引 主枝は本葉10枚で摘心を行い、伸びてきた側枝5~8本を扇形に誘引 する。 地這いにすると果実が傷むので、必ず支柱を立て、きゅうりネット等に 誘引する。側枝は放任とし、混んできたら摘心や除去を行い、光が果実に あたるようにする。 (2)摘果 自然交配により着果した初期の果実は摘果を行う。草勢を強くしてから着 果させることで、以降の草勢を維持させる。 (3)かん水 にがうりは生育旺盛でかなり水を必要とする。梅雨明け後はベット上に 敷きわらなどをして水分の蒸発を抑えるとともに、定期的に潅水する。水 分不足は軽ければ葉がしおれる程度ですむが、ひどくなると果実の肥大不 良、葉焼けなどの原因になる。 5 収穫 気温の高い時に開花日から約12日で収穫となる。果実の肥大が止まれば いつでも収穫できる。収穫が遅れると果皮が急激に黄色くなり、内部も種 子の周りから赤くなってしまうので、早めの収穫を行うよう心掛ける。 6 経営指標の目安 10a収 単価 量(kg) (円/kg) 3,000 300 粗収入 (円) 経費 (円) 所得 (円) 10a 労働時間 (時間) 900,000 310,000 590,000 600 18 9 えだまめ(露地早熟直播栽培) 栽培ごよみ 月 1 旬 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 露地早熟 直 播 き 栽 ○ ○ 培 ○:は種 :トンネル被覆 :収穫 1 作物の特徴 マメ科植物で、発芽適温は、25℃~30℃。10℃以下になると発芽遅 れ、腐敗などの障害が発生する。低温期のは種になるため、温度確保を徹底 する。 発芽後は、20℃前後を確保し、最低気温は10℃以下、最高気温は25℃ 以上にさせないように管理する。開花期の適温は15~25℃。トンネルの 換気に注意し、こまめな温度管理が必要になる。 ○:は種 △:定植 :収穫期間 :トンネル :ハウス 品種は、栽培方法、は種時期に応じて使い分ける必要がある。 低温期のは種の場合は、低温着莢性の良好な極早生品種を選定する。7月 中旬収穫までは、極早生種、早生種を選定する。 晩生種を早まきしても、秋まで豆ができないので、は種時期に合わせた品 種を選定することが重要である。 2 畑の準備 肥料が多いと、過繁茂となり着莢不良となるばかりでなく、倒伏しやすく なるので、前作の残肥が極端に多いほ場への作付けは避ける(施設野菜の後 作には向かない)。 また乾湿が極端なほ場は収量に大きな影響を与えるので、土づくりを十分 に行い保水力と透水性を高めておく。 施肥設計(例) 銘 柄 名 施用量 kg/10a 成分量 kg/10a 施用時期等 基肥 追肥 N P K 堆肥 1000 は種30日以上前 粒状苦土石灰 40 8.0 BMようりん 40 6.0 7.0 3.0 有機アグレット673 100 40 4.0 1.6 3.2 生育に応じて実施 液肥2号(10-4-8) 合 計 10.0 16.6 6.2 19 3 は種 (1)は種量 えだまめは、収穫適期が5日程度と短いため、収穫時の労力に応じ、1 回のは種量を決定し、1週間程度の間隔では種する。 (2)は種密度 直播きでは3月中旬以降が、は種期となる。4月上旬までは、は種後の トンネル被覆による保温が望ましい。 ベッド幅70~100cmに2~4条、株間15~30cmに1~2粒ずつまく。透明 マルチを使用する。 マルチの規格は9215(95cm幅 株間15cm2条)、9315(95cm幅 株間15cm3 条)、9230(95cm幅 株間30cm2条)、3515(135cm幅 株間15cm4条、中央1条 を空ける)などを用いる。 (3)管理のポイント ほ場が乾燥している場合はかん水を十分に行ってマルチをし、は種する。 4 管理作業のポイント (1)かん水 乾燥を嫌うので必要に応じて適宜行う。特に開花期の乾燥は、着莢低下 をもたらすので注意する。ただし、開花前のかん水は過繁茂や倒伏の原因と なるので十分に注意する。 (2)温度管理 トンネル内気温を30℃以内に抑えるように換気しながら管理する。ト ンネルは4月中旬以降、日によっては全開し5月上中旬には除去する。 (3)追肥 直播きでは、は種後約70日に生育状況を考慮し、生育不良の場合のみ追 肥する。追肥は「くみあい液肥2号(10-4-8)」の300倍液を10a当たり150 ㍑程度を目安とする。 (4)発生しやすい病害虫 この作型では、ほとんど病害虫の発生は問題にならない。 えだまめに発生しやすい病害虫は、灰色かび病、菌核病、タネバエ、ア ブラムシ類、マメシンクイガ、シロイチモジマダラメイガ、カメムシ類、 ハダニ類などである。 なお、農薬は、大グループ名:野菜類、中グループ名:豆類(未成熟)、 作物名:えだまめに登録されている農薬を使用すること。 5 収穫 莢がふくらみ、指で押さえるとマメが飛び出すようになってくれば収穫適 期と判断する。莢が黄色くなり始めると、マメはかたくなって、食味も落ち るため、収穫は、適期に行う。 また、収穫後、急速に食味が落ちるので、マメの温度を上げないよう注意を払う。 6 経営指標の目安 10a収 単価 量(kg) (円/kg) 1,000 700 粗収入 (円) 経費 (円) 所得 (円) 10a 労働時間 (時間) 700,000 300,000 400,000 400 20 10 か ぼ ち ゃ 栽培ごよみ 月 1 旬 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 上中下 露地 ○ ○:は種 1 △:定植 △ :収穫期間 :トンネル 作物の特徴 生育適温は17~20℃で、ウリ科野菜のなかでは比較的低温でも作りやすい。 光線不足になると茎葉の徒長、着花不良、品質低下を起こす。 2 畑の準備 土壌適応性は広いが排水性のよいほ場が望ましい。定植5日前までにベット を作り、マルチをしておく。施肥量が多いと樹勢が強くなりすぎるので地力 に合わせた施肥を心掛ける。施肥設計例を参考にする。 施肥設計(例) 銘 柄 名 完熟堆肥 苦土石灰 有機アグレット808 燐硝安加里S604 〃 合 計 3 施用量 kg/10a 基肥 追肥 2000 100 100 30 30 成分量 kg/10a 施用時期等 N P K 8 10 8 5 3 5 5 3 5 18 16 18 定植 (1)栽植密度 主枝仕立て:ウネ幅300cm 株間40~50cm 側枝仕立て:ウネ幅300cm 株間70~100cm (2)作業上のポイント 根鉢を壊さないように丁寧に植え、浅植とする。植え付け後に遅霜など の危険がある場合にはホットキャップやベタがけなどをして保温をする。地 温が15℃以上になったら定植をする。 21 4 管理作業のポイント (1)仕立て方 ・主枝仕立て(品種:みやこ) 主枝一本を残し、他はすべて除去する。密植をして一番果を早く収穫 する ・側枝仕立て(品種:えびす) 主枝を四葉で摘心し、子づるを三本伸ばす。主枝仕立てより多少遅れ るが着果した果実がいっせいに収穫できる。 ・主枝+側枝仕立て(品種:えびす) 主枝をそのまま伸ばし、側枝を二本残して他は除去する。早期収穫と総 収量を期待する。 (2)人工授粉 開花適温は10~12℃以上だが、9℃以下、35℃以上では花器に異常をきた す。一番果の着果時期は訪花昆虫が少ないため人工授粉を行うとよい。 開花した雄花を摘み、花弁を除いて雄ずいを出し、雌しべの柱頭に軽く転 がすようにして花粉を落下、付着させる。受粉は朝8時までに終えるように したい。着果日を確認できるように棒を立てるなど目印を付けておくと収穫 時に便利である。 (3)追肥 つるの長さが50~60cmのときに、つる先の部分に化成肥料を一つまみ 施す。さらに着果がそろったら、つる先に肥料を施す。樹勢が強いときに は追肥を行わない。 (4)摘果 7節以下の低節位の果実は、小玉、変形になりやすいので摘果する。 (5)玉直し 果皮の黄帯部の発生をなくすために、収穫10日前に横にねた果実をまっ すぐおこし、果実の下にマットを敷くなどの玉直しを行う。 5 収穫 収穫の適期目安は着果後45日で、果実表面にツメがたたなくなり、果硬部 にひびが入ってきたとき。試し切りをしてみて、果肉が十分に黄色くなり、 種子が充実していたら収穫できる。 収穫は晴天の日に行い1番果、2番果の2回に分けて収穫を行う。 収穫したらキュアリング(風乾処理)を行う。風通しのよい納屋やビニー ルハウスに着色シートをかけ、裾の部分の風通しをよくし、収穫した果実を 並べて乾燥させる。乾燥させる期間は、25℃の温度で10日程度を目安にする。 6 経営指標の目安 10a収 単価 量(kg) (円/kg) 2,000 150 粗収入 (円) 経費 (円) 所得 (円) 10a 労働時間 (時間) 300,000 250,000 50,000 250 22
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