1 個人情報保護と情報管理 63% 31% ある 59% ない 38%

事前アンケートへのご協力、ありがとうございました
個人情報保護と情報管理
【職 種】
人数(名)
医師
~医療現場における個人情報の取り扱い~
医療法人社団 ほたか会
ほたか病院
2010年3月11日
東京海上日動メディカルサービス株式会社
本山 和子
1
割合
62
24.6%
薬剤師
2
0.8%
診療放射線技師
2
0.8%
臨床検査技師
5
2.0%
栄養士
7
2.8%
理学療法士
73
29.0%
作業療法士
12
4.8%
言語療法士
1
0.4%
臨床工学技士
3
1.2%
事務職
35
13.9%
その他
21
8.3%
空白
28
総計
252
252名
の方から
回答をいただきました!
0.4%
看護師
【経験年数】
空白
13%
20年以上
3 年未満
2 9%
9%
10~20年
17%
4~10年
3 1 %
11.1%
100%
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
2
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
【質問1】 日常業務を行ううえで、患者さんの個人情報の
取り扱いに意識していますか。
【質問2】 患者さんの個人情報について漏洩の危険を
感じたことがありますか。
1%
空白 3%
5%
31%
いつもしている
ない
38%
63%
ときどきしている
していない
ある
59%
空白
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
3
【質問3】 次の6つの場面について、正しいと思いますか。
あるいは誤りだと思いますか。
1)カルテを移動する際には患者氏名等が見えないように配慮する
2)使用後の食札は必ずシュレッダーにかけて廃棄する
4
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
正しいと思う
誤りだと思う
Q3 - 1 )
空白・不明
240
Q3 - 2 )
252名
9
174
Q3 - 3 )
回答数:
71
152
3
7
92
8
3)見舞い客から患者の病室を尋ねられたときは、調べて教える
Q3 - 4 )
118
119
15
4)外来では患者の氏名を呼び出してはいけない
5)他の医療機関や薬局へ診療情報をファックス送信してはいけない
Q3 - 5 )
6)患者さんの家族から電話で退院日を聞かれたので答えた
Q3 - 6 )
132
118
0%
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
106
10%
20%
14
124
30%
40%
50%
60%
70%
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
10
80%
90%
100%
6
1
◆個人情報の取り扱いで困っていることや疑問◆
【質問4】日常業務における個人情報の取り扱いや個人
情報保護の対応について、困っていることや疑問
などがありますか。
空白
17%
問合せに関するもの
・電話で病状を聞かれたり、電話での本人確認
・患者(利用者) から、他の患者(利用者)の病状を聞
かれる
・警察,県や市の公共機関など、どこまで情報提供して
よいのか・・
‡
ある
16%
面会者対応
・面会人に病室や病状を聞かれるとき
・面会者の判断
‡
なし
67%
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
7
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
8
医療現場では、
個人情報とプライバシー情報を
扱っている
‡ カルテやレントゲンフィルムの置き場所
‡ 患者情報を含むものの掲示について
‡ 取扱いの基準がわからない
‡ FAXの取扱い
„個人情報の保護
„医療従事者の守秘義務
„医療者や医療業務に携わる者としての
倫理的配慮
‡ 職員の個人情報保護について
※プライバシー情報とは
①個人の私生活の情報 ②まだ社会一般の人が知らない情報
③一般人なら公開を望まない情報
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
9
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
10
本日お話すること
Ⅰ.個人情報保護法を理解する
Ⅰ.個人情報保護法を理解する
Ⅱ.個人情報をめぐる様々な報道
1.個人情報を取り扱う際の義務
Ⅲ.不適切な管理がもたらす損失や影響
2.安全管理措置
Ⅳ.個人情報の適切な取り扱いのための対策
~Part1~
3.第三者提供の制限
Ⅴ.個人情報の適切な取り扱いのための対策
~Part2~
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
11
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
12
2
個人情報とは
1.個人情報を取り扱う際の義務
‡利用目的の特定(第15条)
‡利用目的による制限(第16条)
‡利用目的の通知(第18条第1項)
‡ 生存する個人の情報
‡ 当該情報に含まれる氏名、生年月日、その他
の記述により特定の個人を識別できることが
できるもの
‡ 他の情報と容易に照合することができ、それ
により特定の個人を識別することができるもの
個人情報の利用目的を特定し、その利用目的を患
者に通知や公表により明示する必要がある。
また、利用に際しては患者の同意を得る必要がある。
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
13
個人情報の匿名化
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
14
同意を得る方法
‡ 医療機関については、本人の同意を得る方法に
ついて法令上の規定はない。
文書による方法のほか、口頭や電話による方法
も認められる。
‡ 個人情報から、氏名・生年月日・個人を識別する
情報を取り除くことで、特定の個人を識別できな
いようにすること
※介護関係事業者は、介護保険法に基づく指定基準に
より、サービス担当者会議等において利用者または
家族の個人情報を使用する場合は、利用者および家
族から「文書による同意」を得ておく必要がある。
‡ 個人情報を匿名化することで、個人情報ではなく
なる
‡ 黙示の同意
通知や公表に対して、同意をしない旨を申し出な
かった人は同意とみなすこと。
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
15
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
2.安全管理措置について
‡ 取り扱う個人データが漏えい、滅失または毀損
の防止、その他個人データの安全管理のために
必要かつ適切な措置を講じなければならない
【組織的・人的安全管理措置】
【物理的安全管理措置】
①規定の整備・公表
②組織体制の整備
①入退室管理
②盗難予防
③機器・装置の固定
③個人データの漏洩等が発生した
場合における報告連絡体制の整備
‡ 従業者・委託先の監督
病院職員や委託を受けた者に対して、個人デー
タの安全管理が図られるよう、必要かつ適切な
監督を行なわなければならない
④雇用契約時における個人情報保
護に関する規程の整備
⑤従業者に対する教育研修の実施
※個人データとは、個人情報データベース等を構成する個人情報
(診療記録など)
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
16
【技術的安全管理措置】
①アクセス管理
②アクセス記録
③ファイアウォール設置
・個人データの保存,不要となった個人データの廃棄
17
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
18
3
第三者提供の例外事項(同意が必要ないもの)
3.第三者提供の制限
‡ 法令に基づく場合
例)警察や検察等の捜査機関の行う照会など
‡ あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを
第三者に提供してはならない
*本人の同意が必要な例*
・民間保険会社からの照会
・職場からの照会(職場の上司など)
・学校からの照会 など
‡ 人の生命、身体又は財産の保護のために必要な場
合で、本人の同意を得ることが困難な場合
例)意識不明の患者の状態を家族に説明するなど
‡ 公衆衛生や児童育成のために必要とされる場合で、
本人の同意を得ることが困難な場合
‡ 第三者とは、個人の「本人」とその個人データを取
り扱う「個人情報取扱事業者」以外の全てが該当
‡ 行政機関に協力する必要がある場合
19
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
・当院・当施設での医療・介護・労災保険・公費負担医療に関する
事務及びその委託
・審査支払機関または保険者からの照会への回答
・公費負担医療に関する行政機関等へのレセプト提出、照会への
回答
・その他、医療・介護・労災保険、及び公費負担医療に関する診療
費の請求のための利用
~医療法人社団 ほたか会ホームページより~
【医療・介護サービス提供】
・当院・当施設での医療・介護サービスの提供
・他の病院、診療所、薬局、訪問看護ステーション、介護サービス
事業者等との連携
・他の医療機関等からの照会への回答
・患者さんの診療のため、外部の医師等の意見・助言を求める
場合
・検体検査業務の委託とその他業務委託
・ご家族への病状説明
・その他、患者・利用者の皆様への医療・介護サービスに関する
利用
【管理運営業務】
・会計・経理
・医療事故等の報告
・当該患者・利用者の皆様の医療・介護サービスの向上
・入退院(所)等の病棟管理
・その他、管理運営業務に関する利用
21
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
22
【付記】
1.上記のうち、他の医療機関等への情報提供に
ついて同意しがたい事項がある場合には、その
旨をお申し出ください。
・企業等から委託を受けて行なう健康診断等における、企業等
へのその結果の通知
・医療賠償責任などにかかる、医療に関する専門の団体、保険
会社等への相談または届出等
・医療・介護実習への協力
・医療・介護の質の向上を目的とした症例研究
・外部監査機関への情報提供
2.他の事項についても、お申し出のないものに
ついては、同意していただけるものとして取り扱
わせていただきます。
~運営上の注意事項について~
・当院では間違え防止のため外来等での患者様のお呼び出しに
ついてはお名前をお呼びしています。
・当院・当施設では患者様・利用者の皆様に取り違え防止の観点
から、病室・居室及びベッドに名札を掲示させていただいており
ます。
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
20
【診療請求のための事務】
~個人情報の取扱いについて~
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
3.これらのお申し出は後からいつでも撤回・変更
することが可能です。
23
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
24
4
院内での個人情報の紛失・盗難(1)
Ⅱ.個人情報をめぐる様々な報道
2009/4/14 共同通信
‡患者約9000名の個人情報を保存したノートパソコンが
病院内で盗まれた。
‡相談にきた患者9000名分の氏名・登録番号・担当した
1.個人情報の紛失・盗難
2.ウイルス感染による個人情報の流失
診療科などのデータを保存。うち1400名については治療
3.個人情報保護法の理解不足によるもの
費や相談内容も記載されていた。
‡病院1階にある医療相談窓口で使用していたが、午前10
4.委託業者が関連する事例
時半頃に相談員が部屋を数分離れたすきに盗まれた可
能性が高い(相談窓口は無施錠だった)。
25
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
院内での個人情報の紛失・盗難(2)
26
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
院外に持ち出した個人情報の紛失・盗難(1)
2007/9/7 共同通信
2009/3/6 共同通信
‡医師が担当患者20名分の氏名・住所・電話番号・病歴
などを記録したUSBメモリを紛失。
‡病院内の会議室にある共有パソコンでUSBメモリを使用。
作業後に抜き忘れ、翌日回収しようとしたが見つからな
かった。
‡個人情報をUSBメモリに記録させる場合は暗号化など
の措置をとる規定があったが、医師は怠っていた。
‡検査技師が車上あらしにあい、婦人科などの患者約
1200名分の氏名・年齢・病名などの個人情報を記録
したUSBメモリとパソコンを紛失した。
‡病院では個人情報の持ち出しは、禁止されているが、
学会発表のため記録を持ち帰っていた。
‡患者には謝罪
‡USBメモリを強制暗号化機能つきに切り替え、情報管
理を強化する方針。
27
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
ウイルス感染による個人情報の流失
院外に持ち出した個人情報の紛失・盗難(2)
2009/1/30 共同通信
2008/3/27 共同通信
‡271名分の患者氏名・病名を含む計640名の個人情報
‡看護師が、26名分の患者氏名・病名など個人情報が
記載された内部資料を紛失した。
‡内部資料は「インシデント・アクシデント報告」で、外来
診療で事故につながる可能性のあった事例をまとめ
たもの。
‡電車内に置き忘れた可能性が高く、悪用された形跡
はないという。
‡自宅で事例集を使用するために、情報を持ち出した。
‡個人情報が記載された情報の持ち出しは内部規定
で禁止されており、病院は看護師の処分を検討。
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
28
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
がインターネットに流失した。
‡看護師が患者のデータが入った私物のUSBメモリのデー
タ修復を病院事務職員に依頼。
‡事務職員は自宅のパソコンで作業したが、ファイル交
換ソフト「ウィニー」がウィルス感染した。
‡流失した情報は、医師や職員が診療などで危険を感じた
事例を報告するための資料。
‡病院では、私物のUSBメモリの仕事での使用を禁止して
いたが、自宅のパソコンでのウイニー使用も禁止する。
29
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
30
5
委託業者が関連するもの
個人情報保護法の理解不足によるもの
2007/6/27 毎日新聞
2009/4/28 共同通信
‡内科医が退職する際、患者463名分の電子カルテを
プリントし無断で持ち出していた。うち100名は患者本
人に手渡し、開業したクリニックに持参するよう説明し
ていた。
‡情報の内容は、患者氏名・投薬内容など。
‡開業したクリニックでデータを治療の参考にしていた
「担当した患者は高齢者が多く、来院時正確に治療し
たかった」。
‡病院「治療に必要なら病院に申請すれば許可できたこ
‡放射線治療を受けた患者約860人の個人データを記録
したパソコンを業者が紛失した。
‡2005年1月以降、4年分の患者氏名・性別・生年月日・
治療部位。
‡機器の修理を委託された担当者はデータを業務用パソ
コンに記録。作業終了後消去するのを忘れ病院外に持ち
出し、出張先でパソコンを紛失。
‡不正使用されるなどの被害報告はないという。
とで残念。情報管理の意識を徹底させたい」
31
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
32
個人情報保護法が定める罰則
主務大臣の関与
主務大臣の命令に
違反した場合
Ⅲ.不適切な管理がもたらす
損失や影響
罰則
6ヶ月以下の懲役
または
30万円以下の罰金
主務大臣の求める報告
をしない場合
30万円以下の罰金
虚偽の報告をした場合
33
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
国家公務員としての処分
34
病院の損失は・・
2007/8/1 共同通信
‡ 説明文や謝罪文の送付
私物パソコンからインターネット上に患者の個人
情報が流失し、対象患者2500名分の文書を送付
‡ 国立循環器病センターは、入院患者約1000人の
個人情報が入ったパソコンを紛失したとして医師
を国家公務員法に基づく戒告処分にしたと発表し
た。
‡ 循環器病センターによると、医師は使用のパソコン
を持ち込み、センターに保管されている患者の氏
名や生年月日などの個人情報を複写。
‡ 医師は「治療に利用する目的で複写した」と説明
している。
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
‡ 社会に公表されることで、患者や家族からの信頼
を損なう
‡ 個人情報の漏洩は損害賠償の対象にもなり得る
35
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
36
6
Q3.1)
カルテを移動する際には患者氏名等が見えない
ように配慮する
Ⅳ.個人情報の適切な取り扱いのための対策
~Part 1~
◆◆ 配慮が必要である ◆◆
‡個人情報取扱事業者は、安全管理措置として、
取り扱う「個人データ」の漏洩防止、その他の個
人データの安全管理のために必要かつ適切な
措置を講じる義務がある
事前アンケートの解説
【質問3】 6つの場面についての対応
‡カルテから患者氏名の個人情報の漏洩が起き
ない予防策を講じて実施する必要がある
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
37
◆◆ 必ずシュレッダーにかけなくてもよい ◆◆
‡ 不透明なケースや袋などに入れて運ぶ
‡ ワゴンにカーテンをかける、布で覆う
‡ 患者氏名の上から取りはずし可能なシールを貼る
‡患者氏名と部屋番号が記載されている食札は、
病院内では患者を特定するものであるが、外
部の者には病院名が入っていない限り個人の
特定はできない
カルテの置き場所や離籍時の対応にも注意!
‡ 外来やナースステーション内のカルテは、患者から
見えない位置にカルテのラック等を配置
‡ 持ち運んだカルテを患者の目に触れる場所に置か
ないよう、取り扱いを徹底する
‡第三者の目に触れなければ個人情報漏洩の
予防するための措置がとられていることになる
39
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
40
Q3.3)
見舞い客から患者の病室を尋ねられたときは、調べて
教える
食札の廃棄方法
‡ 不透明な医療廃棄物専用のごみ袋に入れて、人
目に触れないような方法で廃棄する
◆◆ 患者の同意があれば教えられる ◆◆
‡患者氏名は個人情報に該当するので、患者の同意
なくして、部屋番号を教えることはできない
‡患者から面会等の外部からの問合せへの回答を
やめて欲しいという要望があった場合は誠実に対
応する
‡患者から特段の申し出がない場合で、その患者が
入院していることを前提に面会に来ていることが確
認できるときは、教えることに問題はない
‡ 委託業者との個人情報保護に関する契約が適
切に締結されていることが前提
こんな場面でも同様に対応できる!
‡ 点滴ボトルに記載されている(ラベルが貼られて
いる)患者氏名や薬剤名
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
38
Q3.2)
使用後の食札は必ずシュレッダーにかけて廃棄する
カルテ運搬時の工夫
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
41
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
42
7
見舞い客への対応
アンケートのご意見 ~見舞い客に関すること~
‡ 見舞い客に患者の病室番号を聞かれる
‡ カルテに書いていない親族の面会時、病室に
ご案内してよいか判断に困ることがある
‡ 他の病棟入院の方が面会の相手がどういう関
係かわからないとき、調べて案内することもあ
るが、その対応でよいのか・・
‡ 面会者から患者の病状を聞かれる
‡ 入院の際、お見舞いの方が来たとき病室を教
えてよいか(面会の意向)、書類を作成し同意
を得たほうがよいのではないか
‡ 入院時、あらかじめ本人の意向を確認しておく
*全職員が患者の見舞い客への対応の情報を
把握する仕組みが必要
‡ 職員が一貫した対応ができるように職員が対応
を理解する
‡ 病院としての対応を明確にし、見舞い客への周
知に努める
‡ 基本的には、病棟ではなく総合受付が対応する
‡ 「面会可能な状況かだけを伝える」
43
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
見舞い客への対応の情報を共有する仕組み
最新情報が
更新されてい
ること!
一般面会者に
関する情報
入院中に面会情報が
変更になった場合は
情報を更新する!
‡病院の方針を、見舞い客の方々に理解してもらう
総合受付
情報を確認
(事務部門or病棟看護師など・・)
面会OK
病棟を伝え、
面会者バッジを
渡す
病棟
「治療上の理由や、患者さんのご希望により、ご面
会をいただけない場合があります。
ご面会が可能かどうかは、1階総合受付でお調べ
しますので、お見舞いをご希望の方は、 まず、1階
総合受付においでください」
面会拒否
お断りする
さまざまな方法で周知
お断りする
ことがむず
かしい
入院案内、玄関・外来・病棟のポスター、
ホームページなど
患者と面会
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
44
対応例①
面会者
入院時、一般面会者の意向を確認
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
45
対応例②
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
46
対応例③
‡病棟に直接来た見舞い客がいたら、病院として
対応①のルールとなっていることを伝えて、
‡受付では、『面会可能患者リスト』に入っているかどうか
を調べ、リストに入っていれば、バッジを渡して、病棟に
あがっていただく。
「お手数をかけて申し訳ありませんが、1階
総合受付で確認いただき、バッジをつけて
からおいでください」
‡リストにない場合は、入院しているかどうかや、リストに
ない理由を答えるのではなく、
「お申し出のありましたお名前は、面会のできる患
者さんのリストにございませんので、ご案内できま
せん。せっかく来られたのに申し訳ありません」
と伝えてみる。
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
とお願いする。
防犯の視点でも
重要なこと!
47
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
48
8
Q3.4)
外来等での患者氏名の呼び出し
外来では患者の氏名を呼び出してはいけない
◆プライバシーに配慮し、患者の名前を呼ぶことができる◆
‡患者取り違え防止など、病院の医療安全のために必
要である場合は例外事項が適応となる
⇒「生命、身体の保護のために必要な措置」に該当
‡医療におけるプライバシーの保護の重要性を鑑み、
患者の希望に応じて一定の配慮をすることが望ましい
*医療を的確に実施していくために必要な氏名の呼
び出しや掲示等が禁止されているわけではない
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
49
Q3.5)
他の医療機関や薬局へ診療情報をファックス送信しては
いけない
50
‡ 誤送信予防対策
送信先の番号登録、送信前の二重確認、送信記
録の保存
‡ 誤送信が判明した場合は、送信先に連絡し当該
情報を廃棄してもらう、または、送信先に出向いて
早急に回収する
‡ 機密性の高い情報は、ファクシミリではなく他の方
法を検討する。どうしてもファクシミリを利用する場
合は、事前に電話連絡し、ファクシミリの前で待機
してもらう
‡診療サービス上、必要となる他の医療機関と
の連携の利用目的が公表され同意が得られ
ていれば、ファクシミリの使用は可能である
‡誤送信対応は必要である
51
Q3.6)
患者さんの家族から電話で退院日を聞かれたので答えた
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
52
アンケートのご意見 ~電話対応に関すること~
‡ 遠方の家族から電話で病状の問合せがある
‡ 入院してきたばかりの患者さんの家族と名乗
る方から電話で病状説明を求められることが
ある。「確認後こちらから連絡をします」と答え
ると怒られてしまう
‡ 電話でどこまで答えてよいか困る
‡ 電話での相手確認がむずかしい(信頼してよ
いのか・・)
◆ 患者からの同意がない場合は、回答できない ◆
‡家族は第三者になるので、基本的には患者の
同意を得なければ回答できない
(個人情報の第三者提供に該当)
‡患者から同意を得ている場合でも、電話の相手
の本人確認の必要がある
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
ファクシミリ使用上の注意
◆◆ ファックスを使用できないことはない ◆◆
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
‡ 患者を呼び出す方針について、院内掲示をする
・氏名の呼び出しが発生する場所
・氏名を呼び出す理由
‡ 患者が呼び出しを望まない場合は希望に添える
努力をする
‡ 患者を呼び出す音量に配慮する
‡ プライバシーの観点での配慮が必要な診療科で
は、呼び出し対応を患者に確認しておく
53
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
54
9
家族からの電話での問合せ対応の工夫
入院患者への電話の取次ぎは・・
‡ 入院時、家族からの問合せ対応方法、家族の範囲、
提供する情報の範囲をあらかじめ確認し、同意した
範囲内で対応する
‡ 事前に電話での取り次ぎ相手を確認しておき、職員
が共通の対応ができるよう、取次ぎ相手および取次
ぎ相手の確認方法をリストアップする必要がある
‡ 問合せしている人が定められた家族であるか慎重
に確認する
・事前に知らされている電話番号にかけなおす
・問合せに応じる範囲を拡大すると、確認作業が難
しくなるので、不必要に範囲を拡大しないほうが
望ましい
‡ 「電話の取次ぎは緊急時を除いては原則対応しない」
「個室で直通電話が設置されている場合には患者個
人で対応してもらう」といった方針にしたほうが、電話
の取次ぎにおける混乱は少なくなる
‡ 「電話によるご入院患者さんへの対応はしておりませ
ん」と、お知らせしている病院もある
55
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
56
行事などの風景写真や患者氏名の展示について
Ⅴ.医療現場での個人情報の適切な取り扱い
‡ 患者からの同意があれば、院内に掲示することが
できる
‡ 利用目的を公表し黙示の同意を得る、また、通知
により同意を得る。(掲載頻度によって対応を考え
るとよい)
‡ 職員についての同意が必要
⇒就業条件などに明示し、掲示の可否を確認する
こともできる
~Part 2~
事前アンケートのご意見
日常業務における個人情報の
取り扱い等で困っていること
57
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
警察からの問合せ
ナースステーションなどの患者氏名の掲示
‡ 警察や検察等の捜査機関からの照会や事情聴
取は、「法令に基づく場合」に該当し、患者の同意
を得ずに回答することができる
‡ 求められた以外の情報を提供した場合は、損害
賠償を請求されるおそれも否定できないので、情
報を求めた捜査官の氏名、質問内容や回答を記
録に残すことが必要(記録から情報漏洩しないよ
う十分注意する)
‡ 緊急ではない場合は、「令状」や「捜査関係事項
照会書」を求め回答することが望ましい
‡ 安全な医療を提供するうえで、患者氏名の掲
示が必要であるといった利用目的が特定され
ていれば、患者氏名を掲示してもよい
‡ 入院していることを知られたくない患者につい
ては、配慮をする必要がある
‡ 看護職員からは見やすく、見舞い客などから
は見えにくい位置に掲示することが可能であ
れば、このような配慮は必要
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
58
59
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
60
10
同意を得ないで個人情報の提供ができる場合
第三者提供の例外 ~法令に基づく場合の例~
‡ 第三者提供の制限の例外に該当するかどうかで
判断する(個人情報保護法第23条第1号)
‡市役所から、介護保険の手続きのための主治医の診
断書の提出を求められた場合は、患者の同意を得ず
に診断書の提出ができる
*介護保険法27条第6項
・法令に基づく場合
・人の生命、身体又は財産の保護のために必要な場合
で、本人の同意を得ることが困難な場合
・公衆衛生や児童育成のために必要とされる場合で、
本人の同意を得ることが困難な場合
・行政機関に協力する必要がある場合
‡生活保護法にもとづいて行なわれる指定医療機関に
よる都道府県・市町村への被保険者にかかわる病状
調査は、患者の同意を得ずに回答してもよい
61
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
62
2009© 東京海上日動メディカルサービス株式会社
参考文献・資料
個人情報保護と医療安全
‡病院はもともと守秘義務やプライバシー保護
があり、後から個人情報保護法が施行された
ことにより混乱している現状がある。
‡個人情報保護は大切であるが、医療安全への
考慮も必要である。
よりよい医療を提供するために必要な情報は、
適切な管理のもと、利用目的の範囲で有効に
活用することが重要!
63
‡ 医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン,
厚生労働省,平成18年4月21日改正
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/seisaku/kojin/dl/170805-11a.pdf
‡ 「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライ
ン」に関するQ&A(事例集),厚生労働省,平成18年4月21日改訂版
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/seisaku/kojin/index.html
‡ 小林美亜著,ナースのための個人情報保護法 臨床でぶつかる疑問50,メディ
カ出版,2007
‡ 岡村久道.鈴木正朝,Q&Aこんな時どうする?個人情報保護,日本経済新聞
出版者,2008
‡ 国広正.五味祐子,社会福祉法人のための個人情報保護Q&A,全国社会福祉
協議会,平成17年
‡ 小嶋正.森本佳樹.村井祐一,社会福祉・加意義事業現場における個人情報保
護と情報共有の手引き,社会福祉法人 東京都社会福祉協議会,2005
‡ 東京海上日動メディカルサービス株式会社
メディカルリスクマネジメント室著,
リスクマネジャーのための医療安全実践ガイド,
看護協会出版会,2009
64
11