紫外線高感受性症候群責任因子 UVSSA の分子機能解析

〔生化学 第8
5巻 第3号,pp.1
3
3―1
4
4,2
0
1
3〕
!!!
特集:ストレス応答分子:分子メカニズムの解明と病態の理解
!!!
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紫外線高感受性症候群責任因子 UVSSA の分子機能解析
荻
朋
男1,2,中 沢 由 華1,2,佐 々 木 健 作1,2,郭
朝
3
4
2
吉 浦 孝 一 郎 ,宇 谷 厚 志 ,永 山 雄 二
万1,2,
ヌクレオチド除去修復機構(NER)は,DNA 損傷修復の主要なシステムの一つであり,
その遺伝的な欠損は,ヒトでは発がんや老化を伴う重篤な疾患の原因となる.本研究者ら
は今年,NER が欠損した遺伝性皮膚疾患である,紫外線高感受性症候群(UVSS)の新規
責任遺伝子として UVSSA(KIAA1
530)を同定した.UVSS は NER のサブパスウェイであ
る転写共役 NER(TC-NER)が完全に欠損しているものの,その臨床像は極めて軽微(日
光過敏症や,しみ/そばかす等軽度の皮膚症状)であり,皮膚がんや老化症状が見られな
いという特徴をもつ.分子機能解析の結果,光 DNA 損傷箇所で停止した RNA ポリメ
ラーゼのユビキチン化修飾と DNA 修復反応の進行に UVSSA タンパク質が必須であり,
UVSS 患者細胞では,紫外線照射により DNA 修復が阻害され RNA ポリメラーゼの分解が
促進されることが明らかにされた.
1. は
じ
め
鑑別診断の結果,1
9
9
5年に熊本大学の山泉克らにより
に
UVSS と命名され1),後年,1
9
8
1年に本邦で報告された症
紫 外 線 高 感 受 性 症 候 群(UV-sensitive syndrome: UV S,
例が最初の患者であると確認された3).UVSS 患者では,
1,
2)
OMIM: 6
1
4
6
3
2)
は,軽微な日光過敏を伴う遺伝性疾患の
幼少時から日焼けや,恒常的な日光曝露部位へのシミ,そ
S
ばかす(色素斑)の増加,ドライスキン,毛細血管の拡張
1
2
長崎大学がん・ゲノム不安定性研究拠点(NRGIC)
,長
崎大学大学院医歯薬学総合研究科附属原爆後障害医療研
究施設分子医学研究分野(〒8
5
2―8
5
2
3 長崎市坂本1―1
2―
4 長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設 原研分
子(R2
1
3)
)
,3 同人類遺伝学研究分野,4 長崎大学大学
院医歯薬学総合研究科皮膚病態学研究分野
Molecular cloning and characterisation of UVSSA, the responsible gene for UV-sensitive syndrome
Tomoo Ogi1,2, Yuka Nakazawa1,2, Kensaku Sasaki1,2,
Chaowan Guo1,2, Koh-ichiro Yoshiura3, Atsushi Utani4, and
Yuji Nagayama2(1Nagasaki University Research Centre for
Genomic Instability and Carcinogenesis(NRGIC)
, 2Department of Molecular Medicine, Atomic Bomb Disease Institute, Nagasaki University Graduate School of Biomedical
Sciences (Department of Molecular Medicine (R2
1
3)
,
Atomic Bomb Disease Institute, Nagasaki University, 1―1
2―
4, Sakamoto, Nagasaki-shi, Nagasaki 8
5
2―8
5
2
3, Japan)
,
3
Department of Human Genetics, Atomic Bomb Disease Institute, Nagasaki University Graduate School of Biomedical
Sciences, 4Department of Dermatology, Nagasaki University
Graduate School of Biomedical Sciences)
等が見られる.常染色体劣性の遺伝性疾患であり,主に太
陽光中の紫外線(ultra violet: UV)により生じる,シクロ
ブタン型ピリミジン二量体(CPD)や,6-4光産物(6-4PP)
等の光 DNA 損傷の除去修復を行うことができないために
日光過敏症を発症する.DNA 修復欠損性の遺伝性疾患の
うち,光 DNA 損傷の修復が欠損するものに,色素性乾皮
症(xeroderma pigmentosum: XP)やコケイン症候群(Cockayne syndrome: CS)
が知られている4). XP や CS では主に,
光 DNA 損傷をはじめ,環境変異源であるベンゾ[a]
ピレ
ン(BaP)や,食品の加工過程で生じるアセチルアミノフ
ルオレン(AAF)などの塩基に共有結合した付加型の DNA
損傷など,DNA の立体構造変化を伴う損傷塩基を含む近
傍のヌクレオチドを除去して修復する,ヌクレオチド除去
修 復 機 構(nucleotide excision repair: NER)が 欠 損 し て い
る5).NER は DNA 修復機構の中でも最も汎用性が高い主
要な修復システムであり,XP や CS では NER の機能喪失
をもたらす疾患原因遺伝子(XPA-XPG/ERCC1/TTDA/CSA/
1
3
4
〔生化学 第8
5巻 第3号
CSB)と,その変異の種類に応じて,幅広い臨床スペクト
を有する可能性が示唆される.実際に,既知の UVSS の2
ラムを示す.特に,XP では皮膚がんを伴う皮膚症状を特
症例は,当初は XP との診断であったが,後に UVSS 責任
徴とする.また,CS では DNA 修復欠損の他に,細胞の
変異が同定されている10,11).
正常な遺伝子転写も阻害されるため,日光過敏の他にも,
XP,CS,UVSS で欠損が見られる NER 機構は,DNA 損
各種神経症状,精神遅滞,眼症状,発達障害等の全身性の
傷の認識の機序によって,二つのパスウェイに分類される
重篤な病態を示すと考えられている.これに 対 し て,
(図1)
.紫外線などに由来する DNA 損傷は,ゲノム DNA
UVSS の病態は極めて軽微であり,日光過敏症とそれに起
全域にわたって存在するが,これらを修復するのが全ゲノ
因する皮膚の軽微な形態変化に限定され,XP や CS で観
1
2)
ム修復(global genome NER: GG-NER)
である.GG-NER
察される,皮膚がんや全身性の重篤な症状は示さない1,2).
では,XP の原因遺伝子の一つである XPE がコードする
UVSS に は 疾 患 責 任 遺 伝 子 に 相 当 す る UVSS/CS-A,
DDB2タンパク質を含む UV-DDB 複合体,および別の XP
S
S
UV S-A の三つの相補性群が知られており,
原因因子である XPC タンパク質複合体らによって紫外線
日本人6症例を含み世界中でこれまでに少なくとも8症例
DNA 損傷が認識される.これに対して,もう一つのパス
が報告されている3,6∼9).健常な日本人の集団中に見られる
ウェイは,遺伝情報のメッセンジャー RNA(mRNA)へ
UV S/CS-B,
S
S
UV S 責任変異(UV S-A による)のアリル頻度から計算
の転写が盛んな領域を効率的に修復する,転写共役修復
された疾患の推定発生頻度は数十万人に1人であるが10),
(transcription-coupled NER: TC-NER)で あ る13).TC-NER
通常 UVSS 疑いの患者が,皮膚科を受診した際に見られる
では,DNA 損傷箇所で停止した転写中のリン酸化 RNA ポ
臨床所見は軽度の光線過敏のみであり,遺伝子検査,細胞
リメラーゼ IIo(RNA polIIo)を,TC-NER に特有の CS 責
の DNA 修復試験等による確定診断に至っていない潜在的
任因子である CSA 複合体/CSB 複合体が認識することで
な症例,また CSA/CSB/UVSSA 以外にも未知の責任遺伝
修復反応が開始される.RNA polIIo は,損傷箇所から一
子/責任変異が存在する可能性が考えられる.特に,皮膚
次的に解離され(バックトラッキング)
,その後 DNA 損
の病態が類似する,皮膚がんの発症が見られない軽度の
傷の除去,転写の再開が起こると考えられている.GG-
S
XP においては,臨床的には UV S との鑑別診断が困難で
NER と TC-NER では損傷認識過程が異なるが, その後は,
ある.このため,軽症 XP,あるいは XP との診断に至ら
TFIIH 複合体による 損 傷 塩 基 近 傍 の 巻 き 戻 し と,XPF/
S
ない軽度 XP のうちの一定数は UV S の原因遺伝子に変異
ERCC1複合体(5′
)
,XPG(3′
)の二つのエンドヌクレアー
図1 ヌクレオチド除去修復機構(GG-NER/TC-NER)の概略
1
3
5
2
0
1
3年 3月〕
ゼによる損傷の除去,修復 DNA 合成,ニックの連結の順
また,全リードのうち9
0% が一義的にマッピングされ,
に一連の修復反応が進行する.
最終的には両サンプルともに,ターゲット領域に約2Gbp
UVSS では,CS と同様に TC-NER 機構による光 DNA 損
がマッピングされた.全コード領域及び,各エキソン―イ
傷の修復機能が完全に欠損しており,細胞レベルでは CS
ントロンの境界領域内に存在する1塩基置換変異(single
S
と同一の表現型を示す.UV S と CS の患者由来の培養細
nucleotide variants: SNVs)と挿入置換変異(insertion/ dele-
胞においては,TC-NER 活性の指標である,紫外線曝露後
tions: indels)の総数は,およそ9∼1
2万箇所であった.こ
の RNA 合 成 回 復 能(recovery of RNA synthesis: RRS)の
れらの SNVs/indels について,アミノ酸置換置換変異や
低下と,紫外線に対しての高感受性が観察される1,2).TC-
mRNA スプライシング異常を引き起こすなどの遺伝子機
NER 機構は TFIIH による細胞の転写制御と,DNA 損傷時
能の喪失が予測されるもののうち,パブリック及びインハ
の mRNA 転写の迅速な再開に必須である.このため,TC-
ウスのデータベースに登録がないものをフィルターにより
NER 欠損性の疾患は CS をはじめとして,全身性の重篤な
選択したところ,各サンプルについて約2
5
0の変異がフィ
病態を示す.しかしながら,UVSS 患者では軽微な臨床像
ルターをパスした.これらの疾患候補となりうる変異のう
S
を示すのみであり,両者の矛盾は興味深く,UV S 責任因
ち,劣性遺伝病のモデルに合致するケースは,両サンプル
子の機能解析は TC-NER 分子機構とその欠損による病態
ともに約2
0件が該当した.これらの遺伝子について両サ
の説明に大きく寄与すると考えられ,責任遺伝子のクロー
ンプル間でのオーバーラップを調べたところ,ただ一つの
ニングが待ち望まれていた.
2. UVSS 責任遺伝子のクローニング
0
0
4年に最初の
UVSS の既知の三つの相補性群のうち,2
遺伝子変異が大阪大学の田中亀代次らにより同定された.
この変異は興味深いことに,CS 責任遺伝子の一つである,
遺伝子 KIAA1
530 が見つかった.KIAA1530 遺伝子は機能
未知のタンパク質をコードしており,一連の機能解析の後
に,HUGO Gene Nomenclature Committee(HGNC)との協
議の上で,UVSSA(UV-specific scaffold protein A: UVSSA)
と命名された.
UVSSA 遺伝子は,4番染色体4p1
6.
3にマップされ,全
CSB(ERCC6)の N 末端コード領域に存在し,CSB タン
長4
1kb の領域に1
4個のエキソンが含まれ,7
0
9個のア
パク質の発現が完全に欠損するホモのストップゲイン変異
ミノ酸からなるタンパク質をコードしていた.UVSS-A 相
(p.Arg7
7*:7
7番目のアルギニンが終止コドンに変化す
補性群に含まれる4症例について,Sanger シーケンシング
る,以下同様)であった14).その後,イタリア国立研究所
により UVSSA 遺伝子の全コード領域の配列解析を行っ
CNR の Miria Stefanini らが,もう一つの CS 責任遺伝子で
た.その結果,日本人2家系3症例(Kps3,Kps2,XP2
4KO)
ある,CSA(ERCC8)の C 末端コード領域にホモのミス
について,エキソン3にエキソーム解析で同定されたホモ
センス変異(p.Trp3
6
1Cys)を同定した15).UVSS には,こ
の p.Lys1
2
3*変異が確認され,またイスラエルの1症例
の二つの相補性群以外にも,細胞融合試験により別の相補
UVSS2
4TA について,エキソン2にホモの p.Ile3
1Phefs*9
S
性 群 で あ る UV S-A が 知 ら れ て い た.こ の 責 任 遺 伝 子
(3
1番目のイソロイシンがフェニルアラニンに変化し,そ
UVSSA(KIAA1
530)は,2012年に我々の研究グループを
の9残基後でフレームシフトによる終止コドンが発生す
含 む,オ ラ ン ダ と 日 本 の3グ ル ー プ に よ り 同 定 さ れ
る)変異が同定された.これらの UVSS-A 症例由来細胞に
た10,16,17).なお,現在までに UVSSA 遺伝子に変異を持つ
ついて,細胞抽出液のウェスタンブロットによる UVSSA
CS 症例の報告はない.
タンパク質発現解析を行ったところ,健常人由来細胞で
S
UV S-A の責任変異同定にあたり,我々の研究グループ
は,約8
0kDa 近傍に UVSSA タンパク質由来のバンドが
では,血縁関係にない,日本人2症例(Kps3と XP2
4KO)
確認され,UVSS-A 症例由来細胞では発現が認められな
についてゲノム解析を実施した(図2)
.各症例由来細胞
かった.さらに,XP2
4KO と同一相補性群として報告の
より調製したゲノム DNA サンプルは,アジレント・テク
あった,日本人症例由来の XP7
0TO について配列解析を
ノロジー社の SureSelect ターゲットエンリッチメントシス
行ったところ,エキソン2にホモの p.Cys3
2Arg 変異が確
テム(human all exon4
4M hg1
8)を使用して,全エキソン
認された.XP7
0TO では低レベルで UVSSA タンパク質の
領域の濃縮を行った.濃縮サンプルは PCR による増幅の
発現が確認された.
後,イルミナ社の次世代ゲノムシーケンサー GAIIx シス
互いに血縁関係にない4家系の UVSS 症例について,同
テムにより,各サンプルについて1レーン,7
5bp,ペア
一遺伝子に異なるストップゲイン/フレームシフト変異が
エンドリードの条件で配列解析を実施した.両サンプルと
確認されたことから,引き続き細胞レベルでの検証を実施
もに,クオリティチェックを通過したリード数がトータル
した(図3)
.これまでの報告で,UVSS 症例由来細胞では
約7,
0
0
0万リード,全塩基配列がおよそ5Gbp ほど得ら
GG-NER 活性は正常であるが,TC-NER が完全に欠損して
れ,このうち9
7% がヒトゲノム配列にマッピングされた.
いることが示されている.このため,UVSS 責任因子の評
1
3
6
〔生化学 第8
5巻 第3号
図2 UVSS-A 責任遺伝子 UVSSA のクローニング
(a)日本人2症例 Kps3と XP2
4KO の全エキソーム解析
に よ る UVSSA 遺 伝 子 の 直 接 決 定,
(b)次 世 代 ゲ ノ ム
シーケンサーでのゲノム解析概要.Kps3ゲノム中での
UVSSA 変異を含むリード の マ ッ ピ ン グ の 様 子,
(c)
Sanger シーケンシングによ る UVSS2
4TA と XP7
0TO 症
例中の UVSSA 責任変異の同定,
(d)Sanger シーケンシ
ングによる Kps3/Kps2,XP2
4KO 症例中の UVSSA 責任
変 異 の 同 定,
(e)UVSSA ゲ ノ ム 構 造 の 概 略,
(f)
UVSSA タ ン パ ク 質 の 構 造 概 略,
(g)健 常 人 お よ び
UVSS-A 症例由来細胞中での UVSSA タンパク質の発現.
1
3
7
2
0
1
3年 3月〕
図3 紫外線照射後の RNA 合成回復には UVSSA 遺伝子が必要である
(b)UVSS-A 症例由来細
(a)UVSS-A 症例由来細胞は健常人由来細胞と同レベルの GG-NER 活性を示す.
胞は TC-NER 活性が欠損している.UVSSA 遺伝子を発現するレンチウイルスを感染させることで正常レ
ベルまで TC-NER 活性が回復する.
価にあたり,正常な UVSSA 遺伝子をコードする cDNA を
してエチニルウリジン(ethynyluridine: EU)を利用し,そ
発現するレンチウイルスを作製し,これを UVSS-A 症例由
の取り込みと,Click ケミストリー(米スクリプス研究所
来細胞に感染させた後,RRS 活性の回復の度合いを評価
の Barry Sharples が提唱する,フイスゲン反応を利用した
することでの検証が可能である.ウイルス感染4
8時間後
銅触媒を用いるアルキン/アジド付加環化反応による簡単
2
に,細胞に1
0J/m の紫外線を照射し,その1
2時間後の
かつ安定な結合導入法)による EdU,EU と蛍光 Alexa ア
RNA 合成回復能を検討した.実験には,我々の研究室で
ジドとのカップリング反応,さらに自動細胞イメージング
開発した,迅速簡便な DNA 修復活性の測定技術を用い
装置を用いた多検体同時処理を可能としたものである.す
1
0,
1
8,
1
9)
.この技術は,これまで放射性同位元素を用いて
べての UVSS 症例由来細胞において,野生型 UVSSA の全
実施されていた DNA 修復合成試験(unscheduled DNA syn-
長 cDNA をコードするウイルスを感染させることで,RRS
た
thesis: UDS)と,RNA 合成回復試験(RRS)について,UDS
の1
0
0% 回復が確認された.この際に,CS 症例由来の細
の評価には,DNA 前駆体としてチミジン誘導体であるエ
胞(CS-A/CS-B 相補性群)に UVSSA を発現させた場合,
チニルデオキシウリジン(ethynyldeoxyuridine: EdU)を,
あるいは UVSS 症例由来細胞に CSA,CSB の cDNA を発
RRS の評価には,RNA 前駆体であるウリジンの誘導体と
現させた場合にも,RRS の回復は見られなかったことか
1
3
8
〔生化学 第8
5巻 第3号
図4 UVSSA タンパク質の機能ドメイン解析
(a)ユビキチンとヒト STAM1-VHS ドメインの結晶構造.ユビキチンの4
4番目イソロイシン残基と STAM1-VHS ドメインの2
6
番目トリプトファン残基が相互作用する.
(b)XP7
0TO 症例で確認された Cys3
2Arg 変異をスーパーインポーズした.
(c)
UVSSA アミノ酸置換変異体一覧(下線で示した変異体は機能喪失変異体)
.
(d)UVSSA アミノ酸置換変異体発現ウイルスによ
る RRS 相補性試験.VHS ドメインの3置換変異体で RRS 回復が見られない.
1
3
9
2
0
1
3年 3月〕
図5 UVSSA タンパク質と TC-NER 因子の相互作用
(a)紫外線未照射の細胞では,野生型,VHS ドメイン Cys3
2Arg アミノ酸置換変異体共に同程度の強度で TFIIH 複合体,
CSB タンパク質と相互作用する.
(b)紫外線照射後には,Cys3
2Arg 変異体では相互作用の減弱が見られる.
ら,UVSS-A と CS は同じ TC-NER の欠損でありながら,
れている,機能未知の DUF2
0
4
3(domain of unknown func-
互いに臨床的にも分子機構的にもオーバーラップを許しな
tion 2
0
4
3)が確認された(図2/図4)
.また,C 末端,中
がらも明確に異なるプロセスに関与していることが考えら
央領域に二つの核移行シグナル(nuclear localisation signal:
れた.以上の結果をもって,UVSS-A 相補性群の責任遺伝
NLS1,NLS2)が 存 在 し,抗 UVSSA 抗 体 と タ グ 付 加
子が KIAA1
530/UVSSA であると証明された.
UVSSA タンパク質の蛍光免疫染色により核局在性を示す
ことが明らかとなった.これら機能ドメインの不可欠性を
3. UVSSA の分子機能解析
調査するために UVSSA 部分断片化タンパク質を発現する
S
UV S と CS に共通す る 責 任 遺 伝 子 産 物 で あ る CSA,
cDNA を作製し,UVSS 症例由来細胞に導入して RRS 相補
CSB タンパク質は,TC-NER の開始反応に重要な役割を果
性試験を実施したところ,VHS ドメイン,DUF2
0
4
3のど
たしていることは確かであるが,その分子機構の詳細は一
ちらか一方を欠いたタンパク質は修復機能を喪失すること
部の断片的な情報を除いて依然として不明瞭な点が多い.
が確認された.さらに,線虫からヒトの間で保存度の高い
分子作用仮説の一つとして,CSB タンパク質複合体 が
アミノ酸残基3
2箇所について置換変異体を作製し,それ
DNA 損傷を受けたクロマチン部位へ CSA タンパク質複合
らの RRS 活性を測定したところ,VHS ドメイン内部の三
体を誘導し,CSA タンパク質複合体に内在する E3ユビキ
つの変異(C3
2R,W1
2
0A,R1
5
7E|K1
5
8E|R1
5
9E)で RRS
チンリガーゼ活性によって,DNA 損傷箇所で停止してい
の 欠 失 が 見 ら れ た.そ の 他 の 変 異 に つ い て は 野 生 型
る RNA ポリメラーゼのプロセシングを行うことにより,
UVSSA タンパク質と同程度の活性であった.以上のこと
1
3)
TC-NER 反応を進行させることが提唱されている .
から,UVSSA タンパク質の機能に VHS ドメインが重要な
UVSSA 遺伝子は,既知のタンパク質ファミリーと相同
役割を果たしていることが示唆された.VHS ドメインを
性を示さない,機能未知のタンパク質をコードしていた
持ついくつかのタンパク質については,ユビキチン結合活
が,アミノ酸構造解析の結果,N 末端1∼1
6
3アミノ酸の
性が報告されており,特にヒト STAM1タンパク質の VHS
領域に VHS(Vps-2
7, Hrs and STAM)ドメイン,C 末端領
ドメインについては,ユビキチンとの共結晶構造解析に関
域には他生物種の UVSSA タンパク質との間で良く保存さ
する報告がある.この中で,ヒト STAM1-VHS ドメイン
1
4
0
〔生化学 第8
5巻 第3号
図6 紫外線 DNA 損傷による RNA polIIo のユビキチン化修飾
(b)his-ユビ
(a)UVSS-A 症例由来細胞では,紫外線照射後に RNA polIIo のユビキチン化修飾が見られず,分解が生じている.
キチン発現細胞からのプルダウンにより,紫外線照射後の RNA polIIo の高分子量側へのバンドシフトがユビキチン化修飾であ
ることが確認される.
(c)UVSSA タンパク質は,ユビキチン化した RNA polIIo と結合する.紫外線照射後のサンプルから
UVSSA タンパク質をプルダウンするとユビキチン化 RNA polIIo の濃縮が確認される.
の2
6番目のトリプトファン残基がユビキチンの4
4番目の
2
0)
れる可能性が示唆された.
イソロイシン残基と相互作用することが示されている .
UVSSA タンパク質と他の TC-NER に関与する各種因子
UVSSA に対して,STAM1-VHS ドメイン結晶構造を鋳型
の 相 互 作 用 を 調 査 し た と こ ろ,TFIIH 複 合 体 の 各 因 子
とした立体構造予測を行ったところ,
UVSS 症例(XP7
0TO)
(XPB,XPD,p6
2)
,サイクリン依存性キナーゼ活性化キ
で 見 つ か っ た UVSSA タ ン パ ク 質 の ア ミ ノ 酸 置 換 変 異
ナーゼ(cyclin dependent kinase activating kinase: CAK)の
p.Cys3
2Arg は,STAM1-VHS ドメインの2
6番目のトリプ
各因子(MAT1,サイクリ ン H,CDK7)
,さ ら に CSB タ
ト フ ァ ン 残 基 が 含 ま れ る α2-ヘ リ ッ ク ス と 相 似 す る
ンパク質との相互作用が確認された(図5)
.これら TC-
UVSSA の α2-ヘリックス中のアミノ酸に生じており,そ
NER 因子との相互作用の程度は野生型 UVSSA タンパク質
の結果,VHS-ドメインとユビキチンの相互作用が阻害さ
では紫外線損傷の有無に依存しなかったが,UVSS 症例で
1
4
1
2
0
1
3年 3月〕
図7 RNA polIIo のユビキチン化修飾には UVSSA の VHS ドメインが必須である
(a)野生型 UVSSA 遺伝子を発現するレンチウイルスの感染により,UVSS-A 症例由来細胞での
紫外線照射後の RNA polIIo の分解が抑制され,ユビキチン化修飾が回復する.
(b)VHS ドメイ
ン Cys3
2Arg 変異体の発現では RNA polIIo ユビキチン化の回復は見られない.
確認された p.Cys3
2Arg 変異を持つ変異 UVSSA タンパク
に関与するかについては互いに矛盾する報告もあり,現在
質では,紫外線照射後に相互作用の減弱が見られた.
でも議論の余地がある22,23).そこで我々は,UVSS 症例由来
UVSSA タンパク質とユビキチン化タンパク質との相互
細胞で DNA 損傷処理後の RNA polIIo のユビキチン化状
作用が TC-NER 反応に重要な役割を果たしていると考え,
態の調査を行った(図6)
.RNA PolII の最大サブユニット
そのターゲットとして転写進行中の RNA polIIo に注目し
RBP1の C 末端ドメイン(CTD)には,生物種間に共通の
た.RNA polIIo は,通常の転写,あるいは DNA 損傷など
反復アミノ酸配列(Tyr1-Ser2-Pro3-Thr4-Ser5-Pro6-Ser7)から
に伴う転写の伸長阻害によってユビキチン化を受けること
なるヘプタペプチドが存在し,CTD 中のセリン残基のリ
2
1)
が知られている .RNA polIIo のユビキチン化に関与する
ン酸化状態が,転写の状態(アイドル,転写の開始,転写
ユビキチン E3リガーゼにはいくつかの報告があり,CS
の進行)に応じて変化する.転写反応の開始時には5番目
原 因 タ ン パ ク 質 を 含 む CSA 複 合 体,BRCA1/BARD1,
のセリン残基(Ser5)が TFIIH-CAK 複合体の CDK7によ
NEDD4などが知られているが,どの E3リガーゼが反応
りリン酸化され,その後のプロセシブな転写伸長反応の過
1
4
2
〔生化学 第8
5巻 第3号
図8 UVSSA による RNA polIIo のプロセシングと TC-NER 分子機構
(a)RNA polIIo は転写鎖(上側)に DNA 損傷(▼印)が存在すると停止する.
(b)停止した polIIo は CS タンパク質複合体(CScom)
と UVSSA により,ポリユビキチン化修飾を受ける.(c)修飾された polIIo は TFIIS の作用によりバックトラッキングされることで,
NER 切り出し反応が進行する.
(d)修復が完了すると polIIo による mRNA の転写が再開する.
(e)polIIo のポリユビキチン化には
安定型と不安定型が存在すると考えられ,UVSSA が関与しないユビキチン化によって polIIo は分解される.
(f)UVSS-A 症例ではこ
の反応が支配的であるが,損傷箇所で停止した polIIo は分解され,ゲノム全体の NER 機構により DNA 損傷は修復される.
(h)CS
患者では,polIIo の持続的な停止により,転写が長期間阻害されることで重篤な病態を引き起こすことが示唆される.
程で2番目のセリン残基(Ser2)がさらにリン酸化され
現する細胞を用いたプルダウン実験により,RNA polIIo
る24).リン酸化 Ser2を選択的に認識する H5抗体を使用
のユビキチン化修飾であることが確認された.UVSS 症例
し,転写型 RNA polII(RNA polIIo)の修飾状態を調べた
由来の細胞について確認したところ,このユビキチン化修
ところ,健常人由来細胞である4
8BR では,紫外線 DNA
飾に由来するバンドシフトは見られなかった.また,以前
損傷処理後に RNA polIIo の高分子量側へのバンドシフト
の報告にもあるが,CS-A,CS-B 症例由来細胞でもユビキ
が検出された.このバンドシフトは,His-ユビキチンを発
チン化修飾は起こらない.興味深いことに,UVSS 症例由
1
4
3
2
0
1
3年 3月〕
来細胞では,紫外線照射後に RNA polIIo の分解に由来す
で は,TC-NER を 促 進 す る 安 定 的 な ユ ビ キ チ ン 化 も,
ると考えられる低分子量へのバンドシフトが観察された.
polIIo を分解に誘導する CS 複合体依存性のユビキチン化
この低分子量バンドシフトは,健常人由来細胞や CS 症例
も生じないために,polIIo の持続的な停止が発生し,これ
由来細胞では確認されなかったことから,UVSS 症例由来
により転写が長期間阻害される.転写の阻害はアポトーシ
細胞に特徴的な反応と考えられる.ここで,さらに紫外線
スを誘導し重篤な病態を引き起こすことが示唆される2).
照射後の UVSSA タンパク質と RNA polIIo との相互作用
以上の考察から,UVSS-A と CS の病態の重篤度の違いに
をプルダウン実験により確認したところ,UVSSA と相互
は,polIIo のユビキチン化修飾の状態と転写阻害の程度に
作用する RNA polIIo はユビキチン化修飾したものが濃縮
より規定されていると考えることが可能である.今後,
S
されていることが明らかになった.UV S 症例由来細胞
UVSSA/CS 複合体の関与する TC-NER 開始反応の詳細な
で,紫外線照射後に RNA polIIo のユビキチン化修飾が行
解析が進むことで,CS 等の重篤な症状を示す転写異常疾
われずに分解を受ける現象が,UVSSA の欠損に起因する
患の緩和薬,あるいは抗老化薬の候補等の開発につながる
こ と を 確 認 す る た め に,UVSS 症 例 由 来 細 胞 に 野 生 型
と期待される.
UVSSA を発現するウイルスを感染させたところ,ユビキ
チン化修飾が回復し,polIIo の分解も抑制された(図7)
.
文
献
また,VHS ドメインの Cys3
2Arg 変異 UVSSA を発現させ
た場合には,ユビキチン化修飾は欠損したままであり,
polIIo の 分 解 も 抑 制 さ れ な か っ た.以 上 の こ と か ら,
UVSSA タンパク質は,DNA 損傷箇所で停止した RNA ポ
リメラーゼのユビキチン化修飾に必須であり,この RNA
polIIo のユビキチン化によって,TC-NER 反応が制御され
ていると考えられた.
4. UVSSA による RNA polIIo ユビキチン化修飾と
新しい作用モデル
これまで,TC-NER 反応の開始は CSA/CSB 複合体によ
り制御されていると考えられてきたが,UVSS-A 相補性群
責任遺伝子のクローニングと UVSSA タンパク質の分子機
能解析の結果,DNA 損傷箇所で停止した RNA polIIo のプ
ロセシングには CSA/CSB タンパク質の他に,UVSSA タ
ンパク質が必須であることが明らかにされた.これらの結
果に基づいて,TC-NER の作用仮説をまとめた(図8)
.
DNA 損傷箇所で停止した RNA polIIo は,CS タンパク質
複合体と UVSSA の作用により,ポリユビキチン化修飾を
受ける.この修飾された polIIo は TFIIH をリクルートし,
ヘリカーゼ活性による巻き戻しと,TFIIS の作用により
バックトラッキング(待避)されることで,NER 切り出
し反応が進行する.最終的に修復が完了すると polIIo によ
る mRNA の転写が再開すると考えられる.polIIo のユビ
キチン化には安定型と不安定型が存在すると考えられ,現
時点では,そのどちらのユビキチン化修飾についても,ユ
ビキチン E3リガーゼは同定されていないか,あるいは論
争がある.UVSSA の作用を必要とするユビキチン化は,
polIIo を安定的に修飾することで TC-NER 反応を促進す
る.一方で,UVSSA が関与しないユビキチン化によって
polIIo は分解される.UVSS-A 症例ではこの反応が支配的
であるが,損傷箇所で停止した polIIo は分解され,ゲノム
全体の NER 機構により DNA 損傷は修復される.CS 症例
1)Itoh, T., Fujiwara, Y., Ono, T., & Yamaizumi, M.(1
9
9
5)Am.
2
7
6.
J. Hum. Genet.,5
6,1
2
6
7―1
2)Spivak, G.(2
0
0
5)Mutat. Res.,5
7
7,1
6
2―1
6
9.
3)Fujiwara, Y., Ichihashi, M., Kano, Y., Goto, K., & Shimizu, K.
(1
9
8
1)J. Invest. Dermatol.,7
7,2
5
6―2
6
3.
4)Kraemer, K.H., Patronas, N.J., Schiffmann, R., Brooks, B.P.,
Tamura, D., DiGiovanna, J.J.(2
0
0
7)Neuroscience,1
4
5,1
3
8
8―
1
3
9
6.
5)Friedberg, E.C., Walker, G.C., Siede, W., Wood, R.D., Schultz,
R.A., & Ellenberger, T.(2
0
0
5)DNA Repair and Mutagenesis,
ASM Press.
6)Itoh, T., Ono, T., & Yamaizumi, M.(1
9
9
4)Mutat. Res., 3
1
4,
2
3
3―2
4
8.
7)Fujiwara, Y., Uehara, Y., Ichihashi, M., Yamamoto, Y., &
Nishioka, K.(1
9
8
5)Mutat. Res.,1
4
5,5
5―6
1.
8)Kawada, A., Satoh, Y., & Fujiwara, Y.(1
9
8
6)Photodermatology,3,2
3
3―2
3
8.
9)Miyauchi-Hashimoto, H., Akaeda, T., Maihara, T., Ikenaga, M.,
& Horio, T.(1
9
9
8)J. Am. Acad. Dermatol.,3
9,5
6
5―5
7
0.
1
0)Nakazawa, Y., Sasaki, K., Mitsutake, N., Matsuse, M., Shimada,
M., Nardo, T., Takahashi, Y., Ohyama, K., Ito, K., Mishima,
H., Nomura, M., Kinoshita, A., Ono, S., Takenaka, K.,
Masuyama, R., Kudo, T., Slor, H., Utani, A., Tateishi, S.,
Yamashita, S., Stefanini, M., Lehmann, A., Yoshiura, K., &
Ogi, T.(2
0
1
2)Nat. Genet.,4
4,5
8
6―5
9
2.
1
1)Itoh, T., Linn, S., Ono, T., & Yamaizumi, M.(2
0
0
0)J. Invest.
Dermatol.,1
1
4,1
0
2
2―1
0
2
9.
1
2)Gillet, L.C. & Scharer, O.D.(2
0
0
6)Chem. Rev., 1
0
6, 2
5
3―
2
7
6.
1
3)Hanawalt, P.C. & Spivak, G.(2
0
0
8)Nat. Rev. Mol. Cell Biol.,
9,9
5
8―9
7
0.
1
4)Horibata, K., Iwamoto, Y., Kuraoka, I., Jaspers, N.G., Kurimasa, A., Oshimura, M., Ichihashi, M., & Tanaka, K.(2
0
0
4)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1
0
1,1
5
4
1
0―1
5
4
1
5.
1
5)Nardo, T., Oneda, R., Spivak, G., Vaz, B., Mortier, L., Thomas, P., Orioli, D., Laugel, V., Stary, A., Hanawalt, P.C.,
Sarasin, A., & Stefanini, M.(2
0
0
9)Proc. Natl. Acad. Sci.
USA,1
0
6,6
2
0
9―6
2
1
4.
1
6)Schwertman, P., Lagarou, A., Dekkers, D.H., Raams, A., van
der Hoek, A.C., Laffeber, C., Hoeijmakers, J.H., Demmers, J.
A., Fousteri, M., Vermeulen, W., & Marteijn, J.A.(2
0
1
2)Nat.
Genet.,4
4,5
9
8―6
0
2.
1
4
4
1
7)Zhang, X., Horibata, K., Saijo, M., Ishigami, C., Ukai, A.,
Kanno, S., Tahara, H., Neilan, E.G., Honma, M., Nohmi, T.,
Yasui, A., & Tanaka, K.(2
0
1
2)Nat. Genet.,4
4,5
9
3―5
9
7.
1
8)Limsirichaikul, S., Niimi, A., Fawcett, H., Lehmann, A.,
Yamashita, S., & Ogi, T.(2
0
0
9)Nucleic Acids Res.,3
7, e3
1.
1
9)Nakazawa, Y., Yamashita, S., Lehmann, A.R., & Ogi, T.
(2
0
1
0)DNA Repair(Amst.)
,9,5
0
6―5
1
6.
2
0)Ren, X. & Hurley, J.H.(2
0
1
0)EMBO J.,2
9,1
0
4
5―1
0
5
4.
2
1)Bregman, D.B., Halaban, R., van Gool, A.J., Henning, K.A.,
〔生化学 第8
5巻 第3号
Friedberg, E.C., & Warren, S.L.(1
9
9
6)Proc. Natl. Acad. Sci.
USA,9
3,1
1
5
8
6―1
1
5
9
0.
2
2)Anindya, R., Aygun, O., & Svejstrup, J.Q.(2
0
0
7)Mol. Cell,
2
8,3
8
6―3
9
7.
2
3)Starita, L.M., Horwitz, A.A., Keogh, M.C., Ishioka, C., Parvin,
J.D., & Chiba, N.(2
0
0
5)J. Biol. Chem.,2
8
0,2
4
4
9
8―2
4
5
0
5.
2
4)Compe, E. & Egly, J.M.(2
0
1
2)Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 1
3,
3
4
3―3
5
4.