「退院促進を考える」

第 1 6 4 回 「月例みーてぃんぐ」のお知らせ
*毎月、レポート・事例研究などを通じて意見交換をしています。
*お気軽においでください。事前申込み不要です。
今月のプログラム
「退院促進を考える」
―
義務的なものではなく、当然の援助として ―
社会福祉法人 巣立ち会 理事
田尾 有樹子 さん
全ての自治体に対し、生活保護における「自立支援プログラム」のひとつと
して「退院促進プログラム」を策定するように、との厚労省の意向が示されて
います。発端は、生活保護のほぼ半分を占める医療扶助費を減らそうというこ
とのようですが、
「自立支援プログラム」を持ち出すまでもなく、退院可能な人
が退院すること、必要な援助を責任ある機関が行うことは、極めて当たり前の
ことです。ところが、「忙しい」「社会的資源がない」「保健部門は非協力的」
「病状が悪化した時の入院先がない」「退院先を確保できない」・・これらは、
現実ではありますが、言い訳であるということも言えるのではないでしょうか。
「退院促進」を、
「在宅に戻る」という、ごく当たり前であるはずの援助とし
て考えていきたいと思います。
当日のアンケートから
・新たな視点で、精神障害者の方への支援を学ぶことができました。ありがと
うございました。
(更生施設 勤務)
・今日も、大変勉強になりました。どうもありがとうございました。「退院」自
体はたやすいが、その後のフォロー体制のなさを考えると、
「退院促進」は進
むのかということを考えさせられた。
・素晴らしいお話しを聞きました。ゆるぎない信念に支えられた活動が、今後
広く根を張ることを祈念しています。
「誰かのせいにしない」という姿勢にも
感動しました。
(新聞社 勤務)
・長期入院に勝る人権侵害はない。長期入院の患者が地域で暮らすためには、
地域の社会資源が必要であり、社会資源は、集め育てるものだということを
学びました。病院側は、地域のシステムや受け皿があるということを知らな
いので、退院させようとしないので、自ら迎えに行くというのが、素晴らし
いと思いました。今日はありがとうございました。
(学生)
・とても興味深いお話を聞かせてもらいました。精神障害者を受け入れていく、
地域の受け皿が広がれば地域に暮らしていく人が増えていく。そういうお話
を聞き、そうしていく為には、行政がもっと力を入れていくべきだと思いま
した。障害があるから生活できないのではなく、そこをサポートする体制が
整っていない」というのを聞き、早くサポート体制が整っていく事が大事で
あり大切だと思う。早急に動いて欲しい!!と思いました。今日は、ありが
とうございました。
(学生)
・今日は、実際に毎日実践活動されている方のお話で、とても説得力があり、
大変感動致しました。ありがとうございました。
(福祉事務所 勤務)
当日のレジュメ 当日のものを再構成しましたので、多少レイアウトが異なっています。誤りについ
ては、東京ソーシャル・ワークに責があります。
東京ソーシャルワーク 2008年5月
退院促進を考える
義務的なものではなく
当然の援助として
社会福祉法人 巣立ち会
田尾有樹子
自尊心をもって生きる
助け合える仲間がいる
地域で安心して生きがいをもって
生活する
巣立ち会事業の全体図
就労継続支援B型
∼日中活動∼
巣立ち工房
巣立ち風
こひつじ舎
その他の事
業
退院促進支援事業
グループホーム
∼居住支援∼
ピアサポート事業
巣立ち会の周辺地図
山田病
院
慈雲堂内科病院
三鷹
巣立ちホーム三鷹第2
巣立ち風
武蔵野中央病院
長谷川病院
巣立ちホーム調布
斉藤病院
根岸病院
武
蔵
境
通
り
吉祥寺
井之頭病院
人見街
道
三鷹市役所
東八道
路
吉祥寺病院
巣立ちホーム調布第2・第
3
中央高速
巣立ちホーム調布第5・第
6
巣立ちホーム
烏山病院
調布
IC
甲州街道
桜ヶ丘記念病院
こひつじ舎
調布
府中
青木病院
調布市役所
国領
柴崎
巣立ちホーム調布第4
松沢病院
山田病院
巣立ち会の通所施設
2008.01.01現在
名称
利用者
体験利用者
合計
巣立ち風
43名
18名
61名
巣立ち工房
41名
4名
45名
こひつじ舎
61名
15名
76名
合計
145名
37名
182名
巣立ち会の居住施設
名称
利用者
定員(居室数)
5名
6
14名
15
巣立ちホーム調布
5名
5
巣立ちホーム調布第2
5名
6
巣立ちホーム調布第3
6名
6
巣立ちホーム調布第4
9名
12
巣立ちホーム調布第5
7名
7
巣立ちホーム調布第6
6名
6
21名
26
78名
89
巣立ちホーム
巣立ちホ-ム三鷹第2
居住支援
合 計
63
室
巣立ち会の利用者
2008.01.01現在
名称
平均年齢
生活保護
受給者数
生活保護
受給率
巣立ち風
55.0歳
22名
51.20%
巣立ち工房
53.6歳
24名
58.50%
こひつじ舎
45.1歳
23名
37.70%
グループホームなど新築物件5件の状況
巣立ち
ホーム
巣立ち
ホーム調布
巣立ち
ホーム調布第2
巣立ち
ホーム調布第3
巣立ち
ホーム調布第5
建築年
H16.2
H17.9
H10.6
H15.1
H18.3
居室数
6
5
6
8
13
家賃
52万円
42万円
53万円
58万円
102万円
居室の家賃
65,000
63,000
65,000
60,000
69,000
地域の地主
元郵便局長
地域の地主
家主
建てて
もらう
経緯
以前、職親の
経験あり
民生委員の
経験あり
利用者が建設 東京都の用地 以前、職親を
中のアパート 買収の人を通 依頼したこと
しての情報
がある。
の不動産屋と
交渉したこと
がきっかけ。
地域の地主。
農家。
地元で事業を
している。
民営委員。
第2の家主の
親
戚
東京都の用地
買収の人を通
しての情報
巣立ち会 居住提供制度の概要
精神病院
巣立ち会メンバー
アパー
保証人は巣立ち会
がなってくれ、夕食
会には今でも通っ
ています。だんだ
ん、一人暮らしに
も慣れてきました。
契約
巣立ち会
契約
5
年
後
巣立ちホーム
5年が過ぎ、そろ
そろアパートに
出ないかと勧め
られ、卒業するこ
とにしました。
不動産会社(大家さん)
交流室
巣立ち工房
6ヶ月後
とりあえず、作業所に通ってみることにしま
した。仲間もいて、なんとなく楽しそうです。
住居支援に力を入れた理由
• 住居がなければ退院できない
• 退院できる目安が付けば人は変わる
• 家族も地域に支援者がいれば退院を受け入れる
• 利用者が孤独にならない仕組みが作れる
• 利用者が孤独にならない仕組みが作れる
• 共同で住む事でピアの力が引き出せる
• 病院も支援付き住居があれば退院を勧める
• 通所と組み合わせることでより安定した継続的
な地域支援が可能になる
最初は心配でした
が、皆の支えでだ
んだん自由が楽し
くなってきました。
退
院
促
進
支
援
の
流
れ
① アウトリーチ
出張講演・啓発活動
② インテーク
初回面接
③ 退院訓練
通所施設への通所
④ 住居支援
住居の準備
⑤ 退院準備
退院への準備・調整
⑥ 退 院
退院
⑦ アフターケア
① アウトリーチ∼その1∼
退院後の支援・相談体制
出張講演
退院を経て、現在地域生活をしている巣立ち会のメンバーおよびスタッフ
が病院の病棟に出向き、入院患者さんと病棟の職員さんに対して自己の体
験談や具体的な情報についてお話します。
メンバーが積極的に
講演に出かけます。
ピアサポートの意味
• 当事者がエンパワメントされる
• 主体的に生きることで潜在的な可能性が引き出され、自信がつく
• 同じ経験をしたものが相談・支援に効果的である
• 支援される側から支援者へと支援の輪が広がる
• 担い手の数が増える
• 共通の課題を有する人たちの定期交流の場・仲間つくりとなる
① アウトリーチ∼その2∼
啓発活動
病院と退院促進の理念や目標を共有し、事業への理解と協力を得る
ために、当会職員の訪問による事業説明および協力依頼を積極的にお
こなっております。
また、この活動では病院内に一人、また一人と退院促進の支持者を増
やしていくと共に、組織内のあらゆる方々に退院促進支援事業の周知
と理解を得ることを目指しています。
・院長との個別面談
・看護師やPSW、OTに
対するプレゼン
地 域
病 院
② インテーク
まずは病院職員の方よりご連絡を頂き、そして対象者の方、病院職員の
方と当会職員で今後の具体的な計画や支援方法について相談を致しま
す。
退院へのお気持ちがある患者さんには、今までの生活を振り返って頂
き、これからどう生きたいか、夢や希望などを共に確認致します。そしてそ
のご希望に対して、私たちがどんなお手伝いができるのかを提示し、お互
いの同意の元に契約を致します。
地域から
迎えに行く
地 域
病 院
このプログラムで退院して生活できる基準
• 服薬自己管理がある程度確立している人
→現実には退院すると服薬が出来なくなる人
もかなりいる
• 通所施設に通えること、集団に馴染めること
→ピアの支援が受けられる
• 職員との信頼関係が築けること
• ADLについては現在模索中
どのくらいの人まで地域生活が出来るのか
→年齢制限等は設けていない
③ 退院訓練
面接を経て、退院促進事業の対象となられた方には、地域への第1歩と
して病院から当会の日中活動の場(巣立ち工房・巣立ち風・こひつじ舎)の
いずれかに通って頂きます。
通所先も通所開始日も、ご本人のご希望で決めて頂けます。また通所
日数、時間などについてもご相談に応じます。
安定して通所し、そこで仲間を得ることで、自立生活への自信をつけて
頂きます。
日中活動の場
病 院
地 域
病院から通う!
④ 住居支援
通所も安定し、具体的に退院の予定が出てくると住居探しに入ります。
ご本人、ご家族、病院関係者の方々と相談しながら、場所や入居時期等
を考慮し、その方に合ったグループホームや住まいを探していきます。ま
た、ショートステイを利用した外泊訓練なども利用して頂き、退院への準
備を始めます。
ショートステイ
外泊訓練
住 居
グループホーム
根気強い部屋探し!!
巣立ち会 居住提供制度
利用者
巣立ち会
不動産会社
(大家)
①利用者は、巣立ち会の日中活動の場に3ヶ月週4日
通える実績をつくってもらいます。
②利用者、家族、病院スタッフ、巣立ち会スタッフで
カンファレンスを開き、地域生活を行うにあたって
の契約を結びます。(通院、服薬、通所など)
③巣立ち会がアパートやグループホームを探し、紹介
する、又は巣立ち会がアパートを借りて利用者に貸
すという契約をします。
④入居後は巣立ち会が指定する保険に加入してもらい
ます。
⑤巣立ち会は不動産会社(大家)に対し、病気、事故
など入居後にトラブルが生じた場合、支援を行う約
束をします。緊急時の連絡先などもお伝えします。
アパート確保の困難さ
• 本当に保証人がいないという例は少ない
• 大家や不動産屋の心配は家賃の滞納だけでな
く、あらゆる問題を含めたトラブルである
• 必要なのは単純なアパートではなく、ケアの
システムと何かあった時の対応の窓口である
→ 24時間対応できる窓口
(携帯の連絡先)の設定
⑤ 退院準備
お部屋も決まり退院が具体的に決まった方は、退院への準備に入ります。
まず重要なのが「服薬の自己管理」です。入院先の病院で服薬の自己管理
が行えるように準備をして頂きます。
そして継続した施設通所のために、通所目的や日程の確認を再度行いま
す。また退院後の住居見学も行います。
金銭管理
家族との相談
服薬管理
退 院
関係機関との
連絡調整
各種手続き
夕食会
買い物同行
⑥ 退 院
退院準備が整った方は、主治医や関係職員と相談して退院日が決まります。
退院日当日のお手伝いやお買い物等、様々なご相談に応じます。
自分らしく
楽しむぞ!
グループ
退 院
退院
おめでとう!
これからは、みん
なで助け合おう!
⑦ アフターケア
退院し、地域での生活がスタートすると日常生活の中で様々な出来
事が起こります。
ゴミの分別や、食事の管理と、不慣れな点や不安なことについて
は、職員が随時ご相談にのり、快適な地域生活が送れるよう、サポー
トしていきます。
ゴミだし
訪問看護
健康管理
公共料金
服薬確認
健康管理
住民票
いつでも相談にのります!!
グループホームの世話人業務
1.日常生活支援
対人関係・服薬支援・社会的手続き・夕食
会・清掃・金銭の使途・年金・生活保護・
就労支援・健康管理(成人病)などの相談
2.連携
医療機関・他支援施設・職場・家族・地域
住民との連携
3.入退所の支援
支援計画の作成・入居目的の確認と契約・
退去後の住居などの支援
グループホーム運営の留意点
1.スタッフの燃え尽き防止
• クライシスコールは管理者に
• 完全週休2日は担保
• 夜間の仕事はせいぜい2日まで
• 孤独にさせない
• 随時メールでも相談に乗れる体制を
• 憎まれ役は管理者に
• 訪問看護に協力依頼
グループホーム運営の留意点
2.利用者について
• 助け合う・思いやるという価値を共有しあう
• 出張講演を含めた当事者としての開示に誇り
が持てるように支援する
• 部屋への見学者をいつでも受け入れてくれる
ように頼む
• 利用者間トラブルの多くは、職員が介入して
話し合いをする
グループホーム運営の留意点
3.大家・不動産屋に対して
• いつでも連絡が取れ、必要があればいつでも
駆けつけられる体制をとる
• 行事などには必ず声をかけ、当会についての
理解を深めてもらう
• 細かなことでも報告や連絡を忘れずに、いつ
も協力者であることへの感謝をし続ける
• 評議委員などになってもらう
病院との連携
• 病院の立場を理解する
忙しさ、利用者への過小評価、地域に対する理解不足
• 病院に最初から多くを要求しない
• こちらの出来ることを考える
• 出来るだけ、出前サービスを行う
• 中に入れてもらえる機会は逃さず出かける
• なるべく利用者と一緒に行く
• カンファレンスを頻繁に行う
• 成功事例を作る
• 訪問看護になるべく来てもらう
• 結果として病院職員にもエンパワしてもらう
家族に対して
・ 20歳過ぎて退院時に家族に引取りを迫るのは酷
・ 家族にも生活がある
・ 家族に責任や負担を求めない
・ 一旦家族の精神的負担を肩代わりする
・ 再発入院時に必要なときの同意だけは担保する
・ 本人が安定すれば自然に良い関係が必ず復活する
退院に至った事例の紹介
<事例の概要>
A氏 56歳 男性 統合失調症
約35年という長期入院を経て退院した事例
B氏 64歳 男性 統合失調症
周囲の予測に反して、強い退院願望を持ち続けた事例
<退院先>
グループ
ホーム
アパート
A氏の実践例
同じ病院から
数名のメンバーが通所
・通所に関する報告
・宿泊に関する報告
・カンファレンス等
通所施設
体験通所
病院
仲間
職員
医師
同じ病院の他のメンバーと
共に、アパートへ
病院PSW
体験宿泊
グループホーム
同じ病院の
仲間たち
退院後に入居
仲間がいて
とても安心
世話人
訪問看護
金銭管理や服薬の助言
週に5日通っていまし
た。仲間と軽作業をし
ています。
B氏の実践例
医師
退 院
退院
したい
PSW 看護師
Bさん
アパート
通院
仲間
外来・ナイトケア
そ
の
後
・
・
仲間
職員
Bさんが退院?
難しいでしょう!
病院
通所施設
作業所にもアパートにも、
たくさんの仲間がいます。
副作用で手が震えるときは、
仲間が助けてくれます。
電球も換えてくれます。
休みの日も、一緒にご飯を
食べるので、寂しくない
です。
同じ病院の
仲間たち
夕食会
無理だと思ってい
たのに、こういうシ
ステムを利用すれ
ば1人暮らしもでき
るのね!!
近くのグループ
ホームの食事
会に参加して
います!
グループホーム
世話人
長期入院者の退院促進を妨げている問題
1 医療関係者の誤った認識
2 本人・家族の抵抗
・ 当事者の能力への過小評価
・ 病院完結主義
Ns
今更家へ戻って来られても、あなたの住
む場所なないよ。病気も十分良くなって
いないし、このまま病院にいてくれる方が
全て丸く収まるんです。
退院するなら病院のデイナイトケア
と病院施設の援護療に入れよう。そ
れ以外の退院は難しい!!
Dr
あの人には、一人暮らしは無理!
食事も作れないし、買い物も出来な
い、薬も飲まなくなる!
10年も入院していて、今更退院しろって
言われても、一人暮らしは出来ないよ
うぅ。退院させないで!
3 地域との連携の問題
4 退院先確保の困難さ
グループホームも援護療も一杯で退院さ
せるところはない!まったく資源が足りな
い!
頼れる家族はいない。アパート
の保証人はいない。本人はイヤ
だと言っている。病院も無理だと
いっている。ナイナイづくしで退
院支援なんか出来やしない!
病院は全然退院を勧めてこない!グ
ループホームも空いている部屋があるの
に、何故相談してこないのかしら?
巣立ち会の援助の特徴①
• 法人全体で関わっている
• チーム責任者が明確でいつでも連絡が取れ、指示
が出せる状態にある
• 1人のケースに2名以上の担当者がおり、関わっ
ているスタッフは数名以上いる
• ピアサポート体制も出来てきており、当事者がこ
のプログラムの重要な支援者になっている
• 通所訓練期間が6ヶ月以上ある
巣立ち会の援助の特徴②
・ 病院へ出かける回数が多い
(12月60回以上)
・ 利用希望者に年齢や入院期間などで条件を付し
ていない
・ 24時間電話受付の窓口を設定している(緊急時
に対応)
・15分以内に駆けつけられるスタッフが複数いる
・ 地域の関係機関と密接な連絡が取り合える関係
が出来ている
巣立ち会の援助の特徴③
・ いつも住めるアパートを準備している
(保証人がいなくても住居提供を行なう)
・ 大家さんに障害を開示している
・ 近所に仲間が住んでいる
・ 夕食会を開いている
・ 退院後も継続して支援をする
・ 交番と連携をとっている
・ 新しい利用者に対して受容的である
平成17・18・19年度の退院者の現状
H17年度
H18年度
H19年度
対 象 者
41名
50名
48名
退 院 者
17名
24名
13名
中 断 者
1名
9名
3名
平均年齢
48.8歳
51.0歳
48.5歳
退
男女比
13:4
17:7
8:5
院
平均入院期間
4373日
3671日
3313日
7.8ヶ月
6.1ヶ月
12.8ヶ月
10名
15名
6名
者 退院までの期間
生活保護受給者
H20.3.31現在
外国における精神科病床・住居施設入居者数と
わが国の比較(対1万人)
0
ア メ リカ( 2 8 床 )
カナ ダ ( 2 7 床 )
イギリス ( 2 0 床 )
日本(28床)
5
10
15
20
13
(床)
30
25
15
16
11
15
5
27
精神科病床
1
住居施設
精神科病床数の推移(OECD)
巣立ち会を利用して退院した
利用者139名についての分析
利用開始時の年齢層
2008.03.31現在
60歳以上,
20名, 14%
20歳代,
8名, 6% 30歳代,
11名, 8%
40歳代,
37名, 27%
50歳代,
63名, 45%
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳以上
n=139
総入院期間
2008.03.31現在
1年未満,
10名, 7%
20年以上,
35名, 25%
1年∼5年未満,
45名, 32%
15年∼20年未満,
8名, 6%
1年未満
1年∼5年未満
5年∼10年未満
10年∼15年未満
15年∼20年未満
20年以上
10年∼15年未満,
16名, 12%
5年∼10年未満,
25名, 18%
n=139
住居支援者の居住先
2008.03.31現在
他施設,
7名, 5%
自宅,
12名, 9%
グループホーム,
66名, 47%
グループホーム
住居提供
自宅
他施設
住居提供,
54名, 39%
n=139
退院者推移と居住施設開設時期
2008.03.31現在
30名
巣立ちホーム
調布第5・6
25名
25名
巣立ちホーム
巣立ちホーム調布
巣立ちホーム
調布第3
20名
巣立ちホーム
調布第2
住居提供
15名
住居提供
10名
10名
12名
12名
10名
8名
8名 6名
7名
8名
8名
8名
5名
6名
4名
2名
巣立ちホーム
調布第4
2名
0名
1
9
9
2
年
以
前
1
9
9
3
年
1
9
9
4
年
1
9
9
5
年
1
9
9
6
年
1
9
9
7
年
1
9
9
8
年
1
9
9
9
年
2
0
0
0
年
2
0
0
1
年
2
0
0
2
年
2
0
0
3
年
2
0
0
4
年
2
0
0
5
年
2
0
0
6
年
2
0
0
7
年
対象者の現在の状況
2008.03.31現在
中断, 3名,
2%
死亡, 12名,
9%
入院, 13名,
9%
終結, 20名,
14%
継続, 91名,
66%
継続
終結
入院
死亡
中断
n=139
15年間で起こったトラブル
・ 火事 1回 小火 2回
1回目は煙草の火の不始末
2回目は幻覚妄想状態での自殺未遂
3回目も煙草の火の不始末
• 自殺 3例
・痴漢・万引き行為で逮捕
• 飛び降り 1例
• 突然死 3例
• 水道の蛇口の閉め忘れによる浸水
• 幻覚妄想状態などで一週間ほどの行方不明
長期入院患者の退院に向けて
・退院可能だということを具体的に示すこと
・具体的に退院できる住居を示すこと
・具体的にそこへ到達するための方法を示す
こと
・具体的なモデルとしてのピアの体験やサポー
トを示すこと
障害者自立支援法の中での展開
・障害者自立支援法の一つのポイントは事業収
入が出来高制になったこと
・結果、社会資源が増えたのと同じ効果を持つ
・多くの利用者に質の良いサービスを提供して
いく
・その結果が経営的にもつながる
・一番多くのサービスを必要としている人は病
院にいる
・病院に迎えにいくという姿勢
退院促進につながるのでは?
アプローチについて
専門家をスタッフの一員に加える
外部のスーパービジョンを受ける
→福祉事務所の風通しがよくなり、チームアプロー
チのような効果をもたらす
インフォーマルな連携
不動産屋さん・大家さんとの交流会
→長期入院者には退院後の継続した支援が不可欠
対象者への先入観を持たない
→入院期間や年齢は判断材料にならない
福祉事務所との関係における留意点
・チームアプローチ体制の構築について
患者さんの人生を取り戻すためにも!
・生活保護の移管について
発生地における生保受給と受給者証の発行を!
・マル都について
区市の負担を軽減する東京都の制度を!
・退院後の生活保護申請について
退院後に申請する人にもご理解を!
最後に・・・
・生活保護制度に救われる人は大勢いる
ケースワーカーさんの存在は大きい
・長期入院という“人権侵害”に終止符を打てる
可能性を、福祉事務所は持っている
行政
病院
地域
三位一体となって精神障害者の地域移行を!
∼The End∼
ご清聴ありがとうございました
http://sudachikai.eco.to/