京都府交通需要マネジメント施策基本計画 ~豊かな都市圏・交通・環境

JCOMM発表資料
MMをどうはじめるか
なぜ交通プロジェクトは進まないのか ~京都府におけるモビリティ・マネジメントの取り組みを例に~
平成18年7月9日
京都府企画環境部交通対策課 村尾俊道
地方を取り巻く情勢
• 地方分権により自ら政策形成する時代に
• 地球温暖化対策・人口減少・少子高齢化・自動車
社会の進展・バスや鉄道の利用者減・・・
• 厳しい財政状況・・ 新しいことを始めるには逆風
政策を検討する上では・・・
1 立案執行する権限と責任区分(権限はあるか、所管部署か)
2 公益性(受益を特定できない、公平性確保)
3 政策課題としての優先順位
4 政策構造と課題の整合性
地方の立場で交通プロジェクトを考えると・・
•権限は →一般的には府県には都市部の公共交通の権限がない
一方 ・・ 道路事業は責任と権限と組織がある •公益性は → 鉄道やバス事業者は民間企業でしょ
•優先順位は →渋滞対策や道路整備の要望は一杯
•整合性は →地域の活性化には、とにかく高速道路
鉄道整備と高速道路整備はトレードオフ
さらに ・・・ 行政の担当者はすぐ代わる だから交通プロジェクトは動かない
さらに新規の政策を考えると
• 問題の要因が複合化し対処方法が複雑化
(渋滞原因は道路の容量不足以外に、ライフスタイル、都市構造・・・)
• 常識が誤っているときもある(公共交通は採算が取れるのが
当たり前?渋滞を無くすと新たな自動車需要を誘発する)
• 長期的視野に立てるか
(人口減少時代、時代の転換点にあり、10年後が見通せない)
• 財政が逼迫 (政策効果や緊急性の説明ができるか)
• 新たな施策には高いハードル (前例はあるの?新しい取組
を理解しようとする態度は?組織体制も同時に構築する必要がある)
だから新規の政策は難しい
MMを始める手順
•まずは、問題・課題をしっかりと分析。
→ 行政内部にはデータはいくらでもある
パーソントリップ調査・国勢調査・事業所企業統計調査・道路交通センサス・・
データで語ると説得力が増す
・なぜそれをやるか説明できる → 要因分析
渋滞の要因は代替手段がない・短トリップ・ライフスタイル・目的地の立地
説明できないと予算が取れない
モチベーションが続かない
•意志決定する人に訴える → 推進体制を創りあげる
幹部の説得 (組織としての意志決定につながるように)
•協力者を見つける → 元気な女性団体・企業経営者
京都府のTDMプロジェクトでは
・ 政策ベンチャー(若手職員が研究会を設け、政策を知事
に直接提言する制度)
・ トップの後ろ盾
・ 部局横断的プロジェクト組織(施策の総合化)
・ 技術的知見に基づく政策立案(データを駆使)
・ 大学との連携(アドバイザー制度)
・ 多様な主体との連携
(元気な企業・学校・女性団体・NPOとの連携)
・ 社会実験による体験的周知
・ 国のモデル事業の支援(財政的支援)
京都府交通需要マネジメント施策基本計画
2005年3月策定
国土交通省環境行動計画モデル事業
環境的に持続可能な交通(EST)モデル事業 2004年12月
(EST:Environmentally Sustainable Transport)
これらの計画にモビリティ・マネジメントを位置付け
政策対象を絞り込む
・平日交通と休日交通 ・人の動きとモノの動き
・通勤か業務か買物か ・都市圏交通か地区内交通か
・都心か郊外か農村部か ・自家用車か公共交通か
広 域 交 通 網
都市圏間を結ぶ高速道路網や新幹線ネットワーク
都 市 圏 交 通 網
京都市を中心とする京都都市圏全体での道路網、鉄道網計画
京 都
京都都市圏
地区内交通網
鉄道駅からの自宅までの交通計画やバス・自転車・歩行者のネットワーク
各種データから分析する
歩いていた人が車に 自由目的が増加
トリップ手段構成の推移
高齢者の発生集中量の推移
自動車利用トリップの目的別構成の推移
クルマを利用する理由をアンケート
荷物が大きい、重い
立ち寄り先がいくつもある
目的地の利便性
出発地の利便性
生活様式
疲労
安価に行けるから
護身のため
53.4%
43,4%
38.2%
26.3%
23.7%
7.8%
6.6%
4.9%
「京都府南部地域・世帯のクルマ利用アンケート調査」
地域と共に 女性団体との取り組み
• 昼間のおでかけに必要な情報を記載したマップづくりをワークショップ形式
で実施(第1回平成17年9月2日、第2回10月12日、第3回11月14日)
• 参加団体:長岡京市女性の会、相楽郡連合婦人会、宇治市女性の会連絡協議会、
城陽市連合女性会、久御山町のってこ会、八幡市婦人会(6団体)
第2回WS 交
通行動を確認
する
第3回WS 必要な
情報を確認する
元気の良い団体は、庁内のネッ
トワークでリサーチ
コミュニティバスが走り出した地
域など交通環境が改善され地
域を選定 学校と共に
小学校でのバス交通を考える取り組み
(久御山町立佐山小学校 5年生2クラス、2学期~)
子供たちに地域の公共交通であるバスの走る意味や、バスが環境や地域
にもたらす影響を考えてもらい、自分たちの暮らしを見直すきっかけと
してもらうとともに、久御山町の将来のまちづくりへの提案をしてもら
う。これらの取り組みを通じ、家庭での公共交通の利用促進を図るもの。
実施内容
○交通ダイアリー調査
○久御山町職員による「のってこバス」出前講座
○「のってこバス」体験乗車、乗客インタビュー等
○聞き取り調査及び行動プラン作成(冬休みの宿題)
○体験乗車及び冬休みの宿題のとりまとめ・発表
○大阪大学・松村助教授による「バスを考えるはなし」
○バス利用促進策について、児童から町に提案
町教育員会や担任の先生とじっくり話!
教育の現場を尊重、大学の協力
自動車利用による地域間の人の動き
事業所に対するアンケートの結果を分析
京 都
京都市南部
鉄道駅からのバス便が
悪く自動車利用が多い
まずは足の確保が必要
企業と連携した研究会設置
宇治地域
鉄道駅から近いにもかか
わらず自動車利用が多い
MMの実施
至大阪
宇治地域通勤交通社会実験
事業所別従業員の利用交通手段割合
至奈良
企業と共に
かしこいクルマの使い方を考えるプロジェクト宇治2005
○目的:中心市街地に集中する通勤車両の整序
○実施体制:宇治地域通勤交通社会実験推進会議
(国・府・宇治市・商工会議所・地元企業・交通事業者・NPO)
○実施内容:
①ワンショットTFP(9/12配布~9/16期限)
宇治地域の事業所の全通勤者(約5000人)に情報提供と
アンケートを“one shot”で実施(通勤マップ・冊子・アンケートを配布)
②Webを活用したTFP (参加 236名) (9月~) ③かしこいクルマの使い方を考える講演会 (9/2開催)
行政向け研修(昼間)と企業向け講演会(夜)(参加150名)
(講師:東京工業大学 藤井聡助教授)
○効果計測
webを活用し個人の交通行動の変化を集計すると共に
交通量調査(9/8と9/21比較)、公共交通の利用者数を調査
商工会議所、市役所の協力
企業と共に
京都府南部地域の企業と連携した交通運営方策研究会
南区地域経済懇話会、伏見区地域経済懇話会、久御山町商工会と共に、自動
車通勤から公共交通への転換を促すための施策を考える研究会を開催
新千本通
新千本通
N
下津林
川島
樫原
京都国 道工事事
京都国道工事事
鳥羽通
鳥羽通
国道十条
国道十条
吉祥院
吉祥院
南区
南区
久世橋
久世橋
久世
京都市南区久世地区
桂川
桂川
阪急京都線
阪急京都線
向
日
町
東海道本線
東海道本線
向日 町駅
向日町駅
東海道新幹線
東海道新幹線
東 向日 駅
東向日駅
京都南IC
京都南IC
中
向日 市役 所
向日市役所
向日
向日
井ノ内
井ノ内
名神高速道路
名神高速道路
久我橋
久我橋
向日市
向日市
桂川PA
桂川PA
桂 川PA
桂川PA
久我
久我
西向 日駅
西向日駅
上植野
上植野
伏見区
伏見区
大手筋
大手筋
京都第一維持
京都第一維持
長岡
長岡
企業による
運行管理
組織
羽束師
羽束師
横大路
横大路
横大路
横大路
長岡京
長岡京
長岡 京市役所
長岡京市役所
長岡 天神 駅
長岡天神駅
神 足駅
神足駅
友岡
友岡
長
岡
京
JR向日町
運 動公園
運動公園
京都市
京都市
勝竜寺
勝竜寺
伏見区
伏見区
納所
納所
京都競馬場
京都競馬場
1000
0
1000
2000
3000m
阪急東向日
企業経営者の協力
地下鉄竹田
新たな企業の参加
モビリティ・マネジメントを始めましょう
ポイントは人・知恵・気遣い
・MMはコミュニケーション中心、担当者の皆様が相手
の立場に立ってとことん考える
・地域の課題(お困り)をしっかり把握する
・配布物にこだわる(デザインなど質の高いモノ)
・リーダーシップを持ってやる人がいて協力者がいる
・行政内部の壁を破る(外部の声、聞いてない)
・継続する枠組みを考える
人がいて、知恵を絞れば、予算はついてきます
予算がなくてもやれることはいくらでもあります
やれば、感動が待っています