金融市場ウィークリー 2017 年 3 月 10 日号 [経済・金融市場動向] ◆ 金融市場見通し・内外経済指標 米FOMCでは利上げを予想。ただし、利上げはすでに 織り込まれており、長期金利とドル相場への影響は 限定的。株価は米経済政策への期待から高値圏 [トピックス] ◆ 独メルケル首相は続投できるか ドイツでは9月に総選挙が実施される。シュルツ前欧 州議会議長の出馬を受け、「メルケル首相が4選を果 たす」という従来のコンセンサスが揺らいでいる ✣[目次]✣ 今週の注目チャート ···················································· 1 Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3 金融市場見通し·································································· 3 金融市場レビュー ································································ 4 内外経済指標の解説と予測 ························································ 5 Ⅱ.トピックス ························································ 8 独メルケル首相は続投できるか ···················································· 8 Ⅲ.参考資料 ························································· 10 今週・来週の主要経済指標 ······················································· 10 月次・四半期のスケジュール ····················································· 12 今週の金融市場の動き ··························································· 15 最新リポート一覧 ······························································· 16 〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰 利上げに前のめりとなるFOMC 調査本部本部長代理 長谷川克之 来週の米 FOMC(連邦公開市場委員会)では利上げが確実視されている。大きな波乱なく市場に利 上げを織り込ませた FOMC メンバーとしては、 「してやったり」といったところだろうか。 2 月末以降、 利上げを示唆する連銀高官の相次ぐ発言を受けて、市場は利上げを急速に織り込んだ。 FF金利先物からみる 3 月会合での利上げ確率は過去 10 営業日間に 30%台から一気に 100%にまで 高まった。これほど短期間に市場が利上げを織り込むことも珍しい。昨年 12 月の利上げの際には、 利上げ確率が 30%台からほぼ 100%に達するまでに 3 カ月も要したこととは大違いだ。 FOMC の利上げ意欲をかき立てているものは何か。想定以上に良好な足元の米経済指標。連日のよ うに高値を更新する株式市場の活況。トランプ政権の減税やインフラ投資による景気刺激期待。新興 国を含めた海外経済・金融市場の安定。背景は様々だが、従来は早すぎる利上げによる弊害を懸念し ていた FOMC は今や遅すぎる利上げの弊害も懸念している。加えて、必要以上に緩和的な金融環境を 維持することが、金融の安定性を損なうリスクも意識し始めているようだ。実際、社債の発行ブーム が続き、低格付け社債にも資金が殺到し、クレジットスプレッドは歴史的な低水準にまで低下してい る。自動車ローン市場では信用力の劣るサブプライム層向けの貸出も増加している。 勿論、欧州の政治情勢や地政学リスクなどの不透明感は強い。トランプ政権の政策の真贋を見極め る必要もある。しかし、FOMC としては来週の利上げ後も継続的に追加利上げの機会を模索すること となり、従来想定されていた以上に今後の利上げの回数やペースが高まるリスクが増してきたと判断 するべきだろう。そうなれば、現状では総じて底堅さを保っている米国の株式、債券市場がシナリオ 転換を迫られる展開もあり得る。 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) ~今週の注目チャート~ 【 ECBが保有する独国債の保有残高と平均残存期間 】 ECBが預金ファシリティ金利よりも低い利回りの国債を買い入れている可能性 8.5 (百万ユーロ) (年) 400,000 平均残存期間 8.0 350,000 保有残高(右目盛) 7.5 300,000 7.0 250,000 6.5 200,000 6.0 150,000 5.5 100,000 16/1 16/2 16/3 16/4 16/5 16/6 16/7 16/8 16/9 16/10 16/11 16/12 17/1 17/2 (年/月) (資料)ECBより、みずほ総合研究所作成 【解説】ECBが預金ファシリティ金利を下回る利回りの国債買入れを行っている可能性がある。ECBが 保有する独国債の平均残存期間をみると、1 月末から 2 月末にかけて短くなっている。独国債利回り(2 月平 均値)を年限別でみると、5 年物(▲0.45%)まで預金ファシリティ金利(▲0.4%)を下回っている。預金 ファシリティ金利を下回る独国債をECBが買い入れていることが示唆され、独金利の上昇を抑制しそうだ。 【 TOPIX と東証規模別株価指数(小型、大型)の推移 】 大型株に比べて堅調な小型株 (2014年末=100) 130 東証規模別株価指数(大型) TOPIX 同(小型) 120 110 100 90 80 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 16/10 17/1 (年/月) (資料)NEEDS-FinancialQUESTより、みずほ総合研究所作成 【解説】2016 年以降、円高や金利低下を受け、自動車や銀行といった大型株のパフォーマンスよりも内需関 連の銘柄が多い小型株が上回る傾向に転じていたが、足元でその傾向がさらに強まっている。新興企業で構 成される日経ジャスダック平均も 20 連騰し 1991 年以来の高値まで上昇する等、中小型株の活況ぶりは顕著 である。米トランプ大統領の政策に対する不透明感が一段と中小型株への資金流入を促しているようだ。 1 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) 【 投資家のリスクセンチメントとドル円相場 】 リスクセンチメントの改善が一服 (円/ドル) (指数) ▲3 125 ドル円相場 リスクセンチメント指数(右目盛) 120 ▲5 115 ▲7 110 ▲9 105 ▲ 11 100 ▲ 13 95 15/10 ▲ 15 15/12 16/2 16/4 16/6 16/8 16/10 16/12 17/2 リスクセンチメント 改善 (年/月) リスクセンチメント 悪化 (注)リスクセンチメント指数は、株・金利・為替・国債・コモディティなど 16 指標よりグローバル金融市場の相関性の度合いを示した もの。2005 年末を基準とした累積変化値。みずほ総合研究所推計。 (資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成 【解説】昨年後半から続いていた投資家のリスクセンチメントの改善が一服している。米国の経済政策の内 容がいまだ不透明であること、また資源価格の持ち直しが一服していることなどから、投資家の様子見姿勢 が強まっているようだ。足元米利上げ期待から円安ドル高地合いになっているが、資源価格が低下し投資家 のリスクセンチメントが悪化する事態となれば、円高圧力として働く可能性がある。注視が必要だろう。 【 中国・全人代で発表された 2017 年の経済目標 】 安定成長を目指す中国 指標 2016年 2017年 目標 目標 実績 実質GDP成長率(前年比) 6.5%前後 6.5~7% 6.7% 消費者物価上昇率(前年比) 3.0%前後 3.0%前後 2.0% 全社会固定資産投資(前年比) 9.0%前後 10.5%前後 7.9% 社会消費品小売総額(前年比) 10.0%前後 11.0%前後 10.4% 輸出入総額(前年比) 安定・好転 安定・好転 ▲0.9% 社会融資総額伸び率(前年比) 12.0%前後 13.0%前後 12.8% 1,100万人以上 1,000万人以上 1,314万人 失業率 4.5%以内 4.5%以内 4.02% 財政赤字 2.38兆元 2.18兆元 2.18兆元 3.0% 3.0% 2.9% 都市部新規就業者数 対GDP比 (注)輸出入総額はドル建て額。 (資料)中国政府ホームページ、新華社より、みずほ総合研究所作成 【解説】中国では日本の国会にあたる全国人民代表大会(全人代、3/5~15)が開幕し、2017 年の成長率を 前年比+6.5%前後とするなどの経済目標が発表された。6.5%という目標設定には、財政政策による景気の 下支えで雇用を確保する狙いがあり、GDPを 2020 年までの 10 年間で倍増させる中期目標にも沿っている。 中国が計画通りに安定成長を維持することは、世界経済の持続的成長にとっても不可欠となっている。 2 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) Ⅰ.経済・金融市場動向 ~金融市場見通し~ 利上げが確実視される米 来週は米国でFOMC(3/14・15)が開催され、さらに2/28の両院議会演説 FOMC は政策金利見通しが では持ち越しとなっていたインフラ投資や減税などトランプノミクスの実 ポイント 像が明らかになる2018年度の予算教書演説(3/16頃)も予定されている。 FOMCについては、すでに利上げの実施が市場のコンセンサスとなっており、 FF金利先物には利上げの実施が100%織り込まれている。イエレン議長を はじめとするFRBの関係者から利上げを示唆する発言が相次いでいるこ とを考えれば、今晩発表される米国の雇用統計(3/10)が予想を大幅に下 回る結果にならない限り、利上げの実施は間違いないだろう。ただし、米 国の10年債利回りはすでに2.6%台に上昇しており、利上げ直後の米金利や ドル相場の反応は落ち着いたものになると予想している。FOMCでポイント となるのは、政策金利見通しが修正されるか、修正されるとすればどの程 度の修正になるのかという点である。FF金利先物には年内に4回以上の 利上げを予想する見方も20%以上の確率で織り込まているが、政策金利見 通しの上方修正が急速なドル高と米国景気の下押しに対しての懸念を連想 させれば、市場にリスクオフのセンチメントが広がる可能性もある。また、 FOMCと同じ日に行われるオランダの総選挙において、EU離脱を訴える自 由党が勝利する可能性があることも、市場の様子見姿勢につながりやすい。 為替市場ではドル高加速 利上げ後も為替相場が限定的なドル高にとどまるとみている背景には、 のリスクも。株は日米とも トランプ政権のドル高けん制に対する市場の思惑もある。ただし、足元で 底堅いも上値は限定的 は原油相場が急落している影響から、ドルへの資金回帰が加速するリスク がある。また、持ち直し基調にあった新興国市場でも、米株の上昇一服や 原油の下落を受けて、株・通貨ともに再び軟調な展開となっている。トラ ンプ大統領の誕生を境に改善してきた市場マインドの脆弱さには留意が必 要である。株式相場については、予算教書演説でトランプノミクスによる 景気回復期待が維持されるとみられ、日米株とも底堅い展開を予想するが、 上値は限定的であろう。 (井上淳) 【 来週の予想 】 項目 内外金利 内外株式 為 替 予想レンジ USD LIBOR 3カ月(%) 米10年国債(%) 円 TIBOR 3カ月(%) 10年国債(%) ダウ平均(ドル) NASDAQ総合指数(ポイント) 日経平均(円) TOPIX(ポイント) 円/ドル ドル/ユーロ 円/ユーロ 3 1.100 2.40 0.03 0.05 20,600 5,760 19,100 1,530 113.0 1.035 119.0 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 1.140 2.80 0.07 0.15 21,100 5,910 19,900 1,600 117.5 1.080 125.0 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) ~金融市場レビュー~ <内外金利動向> 先週末以降の米 10 年国債利回りは小幅に上昇した。米雇用統計の先行指 米 10 年国債利回りは小幅 標といわれる 2 月米ADP雇用統計(3/8)が事前予想を大幅に上回る良好 に上昇。ECB政策理事 な結果であったことを受けて、市場参加者は 3 月の利上げ実施に対する確 会後、欧州では全体的に 信をますます強めた模様である。3 月ECB政策理事会(3/9)では、事前 金利上昇 予想通り金融政策の据え置きが決定された。他方、ユーロ圏の実質GDP 成長率見通しが上方修正されたほか、更なる追加緩和について緊急性がな くなったとのドラギ総裁の発言があった。それを受けて、ECBがテーパ リングに向かうことが意識され、欧州では全体的に金利が上昇した。日本 の 10 年国債利回りは小幅に上昇した。 <内外株式動向> (坂中弥生) 先週末以降の米株式相場は下落した。先週末はイエレンFRB議長が 3 米株は雇用統計を控えて 月利上げを示唆したものの、既にFRB高官による同様の発言が相次いで 投資家の様子見姿勢強く いたことから株式市場への影響は限定的だった。週明け後も 2 月の雇用統 下落、日本株は円安を追 計を控えた投資家の様子見姿勢は強く下落基調となった。週末にかけては い風に上昇 原油相場の大幅下落が悪材料となり、下げ幅を拡大させた。日本株は上昇 した。週前半は地政学的リスクの高まりを受けた円高推移が嫌気され下落 し、日本市場でも今週末以降の海外重要イベントを控え軟調な推移となっ た。週後半は、欧米金利の上昇を手掛かりに円安が進行し上昇に転じると、 日経平均は終値で年初につけた高値(19,594 円)を更新した。(小池睦子) <為替動向> 先週末以降のドル円相場は今週半ば以降に円安ドル高が進む展開。1 月の 米金利上昇を受け、対円、 米製造業受注指数(3/6)が堅調に推移し、1 月の米貿易統計(3/7)も輸出 対ユーロともにドル高進 の増加が確認されたが、ドル円相場は動意に乏しい展開となった。中国貿 展 易収支(3/8)は市場予想に反し赤字となったが、リスクオフによる円買い の動きは限定的だった。しかしその後 2 月米ADP雇用統計が市場予想を 上回ったことから、ドル円相場は円安ドル高が進んだ。ユーロドル相場は ドル高ユーロ安地合い。週末にかけて進んだ米長期金利上昇がドル高圧力 として働いた。3 月ECB政策理事会では、GDP見通しが上方修正された が、ユーロドル相場への影響は限定的であった。 (有田賢太郎) <新興・資源国動向> 新興国市場では新興国通貨が軒並み続落している。来週の米 FOMC におい 米国の 3 月利上げ予想を て利上げを予想する見方がコンセンサスとなっていることが背景にある。 背景に新興国通貨は続落 なかでも 10~12 月期のGDP成長率が市場予想を下回ったブラジル(3/7) と南アフリカ(3/7)の通貨下落が顕著なほか、トルコリラの下落も大きい。 トルコについては、ドイツが国内トルコ人居住者によるトルコ改憲集会の 開催許可を取り消したことで、ドイツとの間で政治的な緊張が高まってお り、2 月のインフレ率が 10%を超えたことも通貨安要因となっている。ま た、原油急落を受けロシアルーブルの下落幅も大きく、ロシアとブラジル (井上淳) については、総じて軟調な株式相場の中でも株価の下落が大きい。 4 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) ~内外経済指標の解説と予測~ <国 内> 今週発表の指標は、概ね日本経済の回復を示す内容だった。 10~12 月期の成長率(2 10~12月期の実質GDP成長率(2次速報、3/8)は前期比+0.3%と、1 次速報)は小幅に上方修正 次速報(同+0.2%)から小幅に上方修正された。設備投資の上方修正の影 響が、在庫投資・公共投資の下方修正の影響を上回ったためだ。全体とし てみると、海外経済の改善を背景に、輸出・設備投資を中心に景気が緩や かな回復基調を辿っていることが、1次速報よりも鮮明になったと評価でき る。先行きについては、輸出・設備投資を中心に景気回復が続くと見込ま れる。もっとも、トランプ政権の財政・通商政策や欧州主要選挙の行方等 を巡る不確実性は依然として高く、下振れリスクには注意が必要だ。 経常収支は黒字幅がやや 1月の経常収支(3/8)は、15.1兆円(年率換算値)の黒字と、前月(19.9 縮小 兆円の黒字)から黒字幅が縮小した。内訳をみると、輸出金額が春節や米 国向け自動車の増勢一服から減少した一方、輸入金額が原油価格上昇を背 景に増加したため、貿易収支の黒字幅が大幅に縮小した。一方、サービス 収支の赤字幅は縮小している。 名目賃金は 3 カ月連続の 1月の毎月勤労統計(速報値、3/9)によると、名目賃金は前年比+0.5% 増加 (12月同+0.5%)と3カ月連続の増加となった。特別給与が減少したもの の、所定内給与のプラスが続いたほか、所定外給与が8カ月ぶりに増加した。 来週は、機械受注統計や第 3 次産業活動指数が発表される。 1 月の機械受注(3/13)は、前月比+3.4%と予想する。昨年後半以降増 機械受注は底堅く推移 加基調が続いていた一般機械や電気機械が一服するも、建設機械の拡大が 寄与し、底堅く推移する見通しである。 第 3 次産業活動指数は前 1月の第3次産業活動指数(3/13)は前月比+0.3%と予想する。卸売業が 月比プラス やや弱含んだ一方、金融保険業や事業者向け関連サービスなどが持ち直し たことから、プラスに転じるとみている。 【 機械受注(船舶・電力を除く民需)の推移 】 (大野晴香) 【 第3次産業活指数の推移 】 (2010年=100) (2010年=100) 150 106 予測値 予測値 105 140 月次 104 130 103 102 120 101 110 100 3カ月後方 移動平均 100 99 98 13/01 13/07 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 16/07 17/01 90 13/01 13/07 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 16/07 (注)2017年1月の値は、みずほ総合研究所による予測値。 (資料)内閣府「機械受注統計調査報告」より、みずほ総合研究所作成 17/01 (年/月) (年/月) (注)2017年1月の値はみずほ総合研究所による予測値。 (資料)経済産業省「第3次産業活動指数」より、みずほ総合研究所作成 5 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) <海 外(米国)> 非製造業の業況改善ペー スは拡大 2 月の非製造業ISM指数(3/3、57.6)は 2015 年 10 月以来の高水準と なった。事業活動指数、新規受注指数ともに上昇した。業種別にみると、 18 業種中 16 業種が「業況改善」を報告し(1 月:12 業種)、「業況悪化」 は情報と不動産・リースの 2 業種にとどまった。 輸出入ともに増加 1 月の貿易統計(3/7)では、実質財輸出が 12 月(前月比+3.6%)に高 い伸びとなった後、1 月(同+0.4%)も増加した。中国向け等の資本財輸 出が減少したが、幅広い品目が増加し、全体を押し上げた。実質財輸入は 同+2.0%と 4 カ月連続で増加し、実質貿易収支は赤字幅が拡大した。 2 月の雇用統計は堅調な 内容になると予想 今晩発表の 2 月雇用統計(3/10)では、非農業部門雇用者数の伸びが前 月差+21 万人になると予想する。イエレンFRB議長が 3 日の講演で指摘 した、「長期的な傾向でみた、労働市場に新規参入する労働者の数(7.5 万 人~12.5 万人)」を大幅に上回るだろう。失業率は低下し、1 月に鈍化し た時間当たり賃金の前年比上昇率は、再び緩やかに加速するとみられる。2 月雇用統計が大きく下振れなければ、14・15 日 FOMC で利上げが実施される だろう。 来週は重要指標の発表が 来週発表の指標では、2 月の小売売上高(3/15)は 5 カ月ぶりに減少する 続く。総じて底堅い結果 見通しである。価格低下に伴うガソリンスタンドの販売減少が足を引っ張 になる見通し った模様である。しかし、コア小売売上高は増加が続くとみられる。2 月の コアCPI上昇率(3/15)は前月比+0.2%となり、前年比では+2.2%と 小幅に減速する見通しである。2 月の住宅着工件数(3/16)は、先行指標で ある住宅建設許可件数の 1~2 カ月前の水準から判断すると、2 カ月ぶりに 増加すると予想する。3 月の地区連銀製造業業況指数(ニューヨーク:3/15、 フィラデルフィア:3/16)は、製造業業況の堅調さを示す水準が続くとみ られる。2 月の鉱工業生産指数(3/17)は、製造業の増産を主因に、2 カ月 (風間春香) ぶりに上昇すると予想する。 【 製造業・非製造業ISM指数 】 【 小売売上高 】 (前月比、%) 62 製造業ISM指数 60 非製造業ISM指数 2.0 1.5 コア小売 自動車・部品 建材・造園 ガソリン 外食 小売売上高 58 1.0 56 54 0.5 52 0.0 50 ▲0.5 48 ▲1.0 16/2 46 15/2 15/8 16/2 16/8 16/5 16/8 16/11 17/2 (年/月) 17/2 (注)2 月はみずほ総合研究所予測値。 (資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成 (年/月) (資料)米サプライマネジメント協会より、みずほ総合研究所作成 6 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) <海 外(欧州)> 10~12 月期のユーロ圏 10~12 月期のユーロ圏GDP(3/7、3 次推計値)は前期比+0.4%と増 GDPは内需中心に増加 加した。需要項目の内訳では所得改善により個人消費が拡大したほか、固 定投資が増加に転じた。一方、輸出の増加率が輸入の増加率を下回った結 果、成長率に対する外需寄与度はマイナスとなった。 1 月のユーロ圏小売数量 1 月のユーロ圏小売数量(3/3)は前月比▲0.1%と、3 カ月連続で減少し は 3 カ月連続で減少 た。発表済みの 1 月の新車販売が減速している点も踏まえると、物価上昇 を背景に、年明け後の個人消費は鈍化している模様だ。 1 月のドイツ生産は急増。 1 月のドイツ鉱工業生産(3/8)は前月比+3.3%と大幅な増産に転じた。 一方で受注は減少 12 月の急激な落ち込み(同▲2.4%)が一時的だったことを示された。もっ とも、生産の先行指標であるドイツ製造業受注(3/7、大型輸送機械を除く) は 1 月(同▲3.7%)に減少した。昨夏から年末にかけての受注の急回復が 一服したことが示唆され、今春以降の増産基調は緩やかとなりそうだ。 欧州中央銀行(ECB)は政策理事会(3/9)で、金融政策の据え置きを ECBは金融政策を据え 決定した。ECBは景気に対する楽観度を強めており、四半期ごとのスタ 置き ッフ見通しでは 2017・18 年のGDP成長率予測が小幅に上方修正され、声 明文からは「目標達成に必要ならば、責務の範囲内で全ての措置を講じる」 という文言が削除された。一方、物価に対しては、「基調的なインフレ率 が上向く兆候がみられない」という従来の慎重な表現が踏襲された。 今晩以降はユーロ圏の経 今晩以降は、1 月のドイツ輸出金額(3/10)や同月のユーロ圏鉱工業生産 済指標などに加えて、オ (3/14)、2 月のユーロ圏新車登録台数(3/16)などの経済指標のほか、オ ランダ総選挙が注目点 ランダの総選挙(3/15)が注目される。輸出や生産は改善するだろう。新 車登録台数は一段と伸び率が鈍化するとみられる。オランダの総選挙では、 反イスラム・反EUを掲げる右派政党「自由党」が勝利する可能性がある。 しかし自由党が単独で過半議席を獲得することは困難と思われること、他 党が自由党との連携を拒否していることから、自由党の政権入りは無さそ うだ。自由党を除く政党での連立協議は、難航・長期化の公算が大きい。 投票結果の大勢は、日本時間 3/16 の午後に判明するとみられる。(松本惇) 【 ユーロ圏GDP成長率 】 【 ドイツ鉱工業生産・受注 】 (前期比、%) 0.8 109 0.6 107 (2014/1=100) 鉱工業生産 製造業受注 0.4 105 0.2 103 0.0 101 ▲ 0.2 99 ▲ 0.4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 2014 在庫投資 政府支出 15 外需 個人消費 16 固定投資 実質GDP 97 2015/7 15/10 (年/四半期) (資料) Eurostat より、みずほ総合研究所作成 16/1 16/4 16/7 16/10 17/1 (年/月) (資料)独連邦統計庁・連銀より、みずほ総合研究所作成 7 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) Ⅱ.トピックス ~独メルケル首相は続投できるか~ 2017 年の重要な欧州政治 ドイツでは、下院にあたる連邦議会の選挙が 9 月 24 日に行われる。これ イベントの 1 つであるド までドイツでは、与党であるキリスト教民主同盟(CDU)を率いるメル イツ総選挙は 9 月 24 日に ケル首相が 4 選を果たすというのがコンセンサスだった。しかし足元では、 CDUと連立政権を組む社会民主党(SPD)の支持率が急上昇しており、 メルケル首相の続投シナリオが揺らいでいる。 揺らぐメルケル首相 4 選 背景にはSPDの党首交代がある。当初SPDでは、2009 年より党首を シナリオ。背景にあるのは 務めるジグマー・ガブリエル氏が首相候補として出馬するとみられていた。 シュルツ前欧州議会議長 しかし、2017 年 1 月末に同氏は党首を辞任し、マルティン・シュルツ前欧 の出馬 州議会議長を党首・首相候補に推すことを党幹部会に伝えて了承された。 シュルツ氏の党首就任・連邦議会選への出馬が発表された後、世論調査で はシュルツ氏(50%)の支持がメルケル首相(34%)への支持を上回り、 SPD支持率(32%)もCDU支持率(31%)並みに急上昇した(図表 1)。 シュルツ氏が支持を集めた理由として、2 点が指摘できる。第 1 に、性格 である。シュルツ氏は感情的な話し方をし、「首相になりたい」と豪語す るなど自分の意見を明確に述べるとされる。何を考えているのか分かり易 いことが、支持を集めた可能性がある。冷静・慎重であって多くを語らず、 面白みを欠くと評されることのあるメルケル首相とは対照的と言える。 第 2 に、挫折から立ち直ったという経歴への共感である。シュルツ氏は 若い頃、怪我でサッカー選手になるという夢を断念した後、自暴自棄とな ってアルコール中毒に陥った。しかし、治療を受けたシュルツ氏は立ち直 り、本屋を開店し、20 代で市議会議員、30 代で市長を務めた後、欧州議会 議員に転じ、2012 年からは欧州議会議長となった(次頁図表 2)。 SPDの躍進に、CDUは危機感を強めている模様だ。CDUは選挙に 危機感を強めるCDU 向けて、関係が悪化していた姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)と の関係修復に加え、景気回復や失業減、財政健全化目標の達成などを現政 権の成果として主張することで支持拡大を狙うとみられる。また、難民政 【 図表 1:ドイツ主要政党の支持率 】 50 (%) CDU/CSU SPD グリーン FDP AfD 45 CDU/CSUとSPDの 支持率は拮抗 40 難民流入の 急増を背景に低下 35 30 25 20 15 10 5 0 2014/2 14/8 15/2 15/8 16/2 16/8 17/2 (年/月) (資料) INSA、YouGovよりみずほ総合研究所作成 8 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) 策をより厳格化し、国民の関心が高い分野で一段と成果をあげようとする 可能性がある。もっとも、11 年という長期政権を率いたメルケル首相が飽 きられ、新風としてシュルツ氏率いる「新SPD」が期待されているなら ば、CDUは、これまでの成果を訴えるだけでは支持を伸ばすことが難し いように思われる。 SPDが講じ得る 2 つの 選挙戦術 一方、SPDが講じる戦術としては 2 つの方法が想定され、SPDがど ちらを選ぶかは、自党の支持率低迷の主因を何に求めるかに依存する。1 つ 目は、政策面でCDUとの差別化を図る戦術だ。大連立政権の下でCDU に政策を取り込まれ、SPDが存在感を失ったことが支持率低迷の主因と 判断されれば、こうした戦術が講じられるとみられる。ただし、世論調査 では 70%超が現政権の政策を「良い」と評価しており、差別化が困難だっ たり、差別化が裏目に出る可能性があったりする点に注意が必要だ。 2 つ目は、政策の継続性を強調した上でシュルツ氏を全面に押し出す戦術 である。発言などに一貫性が無かったガブリエル前党首の不人気が支持率 低迷に繋がっていたと判断されれば、この戦術が講じられよう。現政権の 政策に対する国民の不満が小さい中、かつて自分達がそうされたように、 SPDがCDUの政策を取り込んで継続性を強調した上、選挙戦の構図を、 政策の違いではなくリーダーシップの対立にするのだ。国民がメルケル首 相に飽きてきており、この戦術は奏功するかもしれない。ただし、シュル ツ氏の国政での経験不足や、かつての親欧州的な発言(ユーロ共同債の導 入など)が批判される可能性はある。 連邦議会選の実施まで半年程となる中、目先の注目点は 3 月と 5 月に一 目先の注目点は今春の地 方選の結果 部州で実施される地方選の結果だ。これらは、足元のシュルツ氏・SPD 人気が持続的かなどを知る上で、そして、連邦議会選の結果を占う上で地 方選の結果は重要な手掛かりとなるだろう。 (松本惇) ※詳細は 2017 年 2 月 24 日公表の「独メルケル首相は続投できるか~Mr. Europe の出馬 で揺らぐ 4 選シナリオ~」をご覧下さい。 https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu170224.pdf 【 図表 2:メルケル・シュルツ両氏のプロフィール 】 メルケル独首相、CDU党首 シュルツSPD党首 誕生日 1954年7月17日、62歳(2017年2月現在) 1955年12月20日、61歳(2017年2月現在) 旧東独で育ち物理学者の道を歩む 夢が潰えて自暴自棄となった時期も 怪我によりサッカー選手になるという夢を断念、 アルコール中毒に陥る。リハビリを経て復活 本屋や出版社勤めの後、1982年に本屋を開店 1986年、物理学博士号を取得。 1990年迄、ベルリンにある科学アカデミーに在籍 政治への参加は35歳の時 政治への参加は19歳の時 1989年、旧東独の新政党「民主主義の出発」入党 経歴 その他 1974年、SPD入党 1990年、デメジエール政権で副報道官に。 「民主主義の出発」解党の後、CDU入党 1991年、メクレンブルク=フォアポンメルン州から出馬・当選。 コール政権で連邦女性・青少年相に 1994年、同政権で連邦環境・自然保護・原子力安全相に 1994年、欧州議会選に出馬・当選 1998年、CDU幹事長に 2012年、欧州議会議長に 2000年、CDU党首に 2017年、同議長を辞任 2005年以降、ドイツ連邦首相に 2017年、SPD党首に 「メルケル」は1人目の夫の苗字。現在の夫はザウワー氏 ロシア語が特に堪能、英仏語も話す (資料) 各種資料・報道よりみずほ総合研究所作成 9 1984年、ヴュアゼーレン市議会選に出馬・当選 1987年、ヴュアゼーレン市長に 5カ国語を話す(独語+英仏伊蘭語) 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) Ⅲ.参考資料 今週の主要経済指標 日 付 3/3(金) 経 済 指 標 等 米 非製造業ISM指数(2月) 今回実績 57.6 前回実績 予想 56.5 56.5 イエレンFRB議長講演(シカゴ) 3/7(火) 日 30年利付国債入札:最高利回り 0.829%、 平均利回り 0.821%、 入札倍率 3.14倍 米 貿易収支(1月) 財・サ収支 ▲485億㌦ ▲485億㌦ ▲443億㌦ 3年国債入札:最高利回り 1.630%、 平均利回り 1.570%、 入札倍率 2.74倍 3/8(水) 日 前期比 +0.3% +0.4% 7~9月期 +0.3% 現状判断DI 48.6 50.0 49.8 経常収支 (前年比) 貿易収支 (前年比) +655億円 ▲88.9% ▲8,534億円 - +2,700億円 ▲54.2% ▲8,002億円 ‐ +1兆1,122億円 +18.3% +8,068億円 +315.2% 先行DI 一致DI 先行CI 一致CI 88.9% 85.7% 105.5 114.9 N.A. N.A. 105.4 R 114.3 R 81.8% 88.9% 104.9 115.6 中 貿易収支(2月) 米ドル ▲92億㌦ +270億㌦ R +514億㌦ 輸出総額(2月) 前年比 ▲1.3% +14.0% +7.9% 輸入総額(2月) 前年比 +38.1% +20.0% +16.7% GDP(10~12月期2次速報) 景気ウォッチャー調査(2月) 国際収支(1月速報) 景気動向指数(1月速報) 3/9(木) 米 10年国債入札:最高利回り 2.560%、 平均利回り 2.510%、 入札倍率 2.66倍 日 M2 前年比 +4.2% +4.2% R +3.6% マネーストック(2月速報) M3 前年比 +3.6% 広義流動性 前年比 +2.6% N.A. R 毎月勤労統計(1月速報) 名目賃金 前年比 +0.5% +0.4% R 5年利付国債入札:最高利回り ▲0.110%、 平均利回り ▲0.118%、 入札倍率 2.86倍 中 消費者物価指数(2月) +1.7% 前年比 +0.8% 米 30年国債入札:最高利回り 3.170%、 平均利回り 3.120%、 入札倍率 2.34倍 失業保険新規申請件数(~3/4) 243千人 238千人 +4.0% +3.5% +2.3% +0.5% +2.5% 223千人 欧 ECB政策理事会 3/10(金) 日 法人企業景気予測調査(1~3月期) 予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters 等)の取りまとめた予想コンセンサス。 米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。 R は改定値。 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、 泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア 10 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) 来週の主要経済指標 日 付 3/10(金) 米 経 済 指 標 等 予 想 雇用統計(2月) 失業率 非農業部門雇用者数 前月差 時間当たり賃金(全従業員ベース) 前月比 3/13(月) 日 前々回 [4.7%] [+210千人] [+0.3%] 4.8% +227千人 +0.1% 4.7% +157千人 +0.2% 機械受注(1月) [船舶・電力を除く民需] 前月比 前年比 [+3.4%] [▲1.6%] +6.7% +6.7% ▲5.1% +10.4% 第3次産業活動指数(1月) 前月比 [+0.3%] ▲0.4% +0.3% 国内企業物価指数(2月) 前月比 前年比 [+0.1%] [+0.9%] +0.7% ▲1.2% +0.4% ▲2.3% +6.2% 12月 +6.0% 11月 +6.0% +0.1% +0.2% +0.6% +0.4% +0.2% +0.1% N.A. 101.6 101.0 前月比 [▲0.2%] +0.4% +1.0% 前月比 前月比 [0.0%] [+0.2%] +0.6% +0.3% +0.3% +0.2% [+17.0] +18.7 +6.5 [125.0万件] [125.0万件] 124.6万件 129.3万件 127.9万件 122.8万件 [+30.0] +43.3 +23.6 [230千人] 243千人 223千人 [+0.3%] 75.5% ▲0.3% 75.3% +0.6% 75.6% [96.4] 96.3 98.5 3/14(火) 日 20年利付国債入札 中 鉱工業生産(1~2月) 米 前 回 生産者物価指数(2月) [食品・エネルギーを除く] 3/15(水) 日 設備稼働率(1月) 米 小売売上高(2月) 消費者物価指数(2月) [食品・エネルギーを除く] 前年比 前月比 前月比 ニューヨーク連銀製造業業況指数(3月) FOMC(14・15日) 3/16(木) 日 日銀金融政策決定会合(15・16日) 日銀総裁定例記者会見 米 住宅着工件数(2月) 住宅着工許可件数(2月) 年率 年率 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(3月) 失業保険新規申請件数(~3/11) 英 英中銀金融政策委員会(15・16日) 尼 金融政策決定会合(15・16日) 3/17(金) 日 資金循環統計(10~12月期速報) 米 鉱工業生産指数(2月) 設備稼働率(2月) 前月比 ミシガン大消費者信頼感指数(3月速報) 予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg 等)。予定は変更になる可能性があります。 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、 泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア 11 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) 3 月のスケジュール 国 内 米 1 法人企業統計調査(10~12 月期) 新車販売台数(2 月) 1 2 10 年利付国債入札 2 3 4 消費者物価(1 月全国・2 月都区部) ,労働力調査(1 月) 3 消費動向調査(2 月),家計調査(1 月) 4 5 5 6 6 7 30 年利付国債入札 国 他 米 製造業ISM指数(2 月) 個人所得・消費支出(1 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) 米 イエレンFRB議長講演(シカゴ) 非製造業ISM指数(2 月) 米 製造業新規受注(1 月) 7 米 貿易収支(1 月),3 年国債入札 GDP(10~12 月期 2 次速報) 景気ウォッチャー調査(2 月),国際収支(1 月速報) 景気動向指数(1 月速報) 9 マネーストック(2 月速報),毎月勤労統計(1 月速報) 5 年利付国債入札 10 法人企業景気予測調査(1~3 月期) 8 米 労働生産性(10~12 月期改訂) 10 年国債入札 11 11 12 12 13 機械受注統計(1 月),第 3 次産業活動指数(1 月) 企業物価指数(2 月) 14 20 年利付国債入札 13 15 設備稼働率(1 月) 18 15 米 FOMC(14・15 日),小売売上高(2 月),CPI(2 月) ネット対米証券投資(1 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(3 月) 16 英 英中銀金融政策委員会(15・16 日) 米 住宅着工・許可件数(2 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(3 月) 17 米 鉱工業生産・設備稼働率(2 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(3 月速報) 景気先行指数(2 月) 18 19 19 20 春分の日(日本休場) 20 21 21 米 経常収支(10~12 月期) 22 日銀金融政策決定会合議事要旨(1/30・31 分) 全産業活動指数(1 月),貿易統計(2 月) 40 年利付国債入札 23 22 米 中古住宅販売件数(2 月) 8 16 日銀金融政策決定会合(15・16 日) 日銀総裁定例記者会見 17 資金循環統計(10~12 月期速報) 欧 ECB政策理事会 米 30 年国債入札 10 米 雇用統計(2 月),連邦財政収支(2 月) 9 14 米 PPI(2 月) 24 23 米 イエレンFRB議長講演(ワシントン D.C.) 新築住宅販売件数(2 月) 24 米 耐久財受注(2 月) 25 25 26 26 27 日銀金融政策決定会合における主な意見(3/15・16 分) 27 米 2 年国債入札 独 ifo景況感指数(3 月) 28 28 米 5 年国債入札 S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・1 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(3 月) 29 商業動態統計(2 月速報) 29 7 年国債入札 30 2 年利付国債入札 30 米 GDP(10~12 月期確定),企業収益(10~12 月期) 31 消費者物価(2 月全国・3 月都区部) 鉱工業生産(2 月速報),住宅着工統計(2 月) 労働力調査(2 月),家計調査(2 月) 31 米 個人所得・消費支出(2 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(3 月確報) シカゴPMI指数(3 月) *印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ 12 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) 4 月のスケジュール 国 内 1 4 国 他 1 2 3 米 2 日銀短観(3 月調査) 新車販売台数(3 月) 10 年利付国債入札 5 3 米 製造業ISM指数(3 月) 4 米 貿易収支(2 月) 製造業新規受注(2 月) 米 非製造業ISM指数(3 月) FOMC 議事録(3/14・15) 5 6 消費動向調査(3 月) 6 7 毎月勤労統計(2 月速報) 景気動向指数(2 月速報) 7 米 雇用統計(3 月) 8 9 8 9 10 景気ウォッチャー調査(3 月) 国際収支(2 月速報) 11 10 年物価連動国債入札 10 米 3 年国債入札 12 機械受注統計(2 月) 12 米 連邦財政収支(3 月) 30 年国債入札 13 米 PPI(3 月) 13 マネーストック(3 月速報) 企業物価指数(3 月) 30 年利付国債入札 14 11 米 10 年国債入札 15 14 米 小売売上高(3 月) CPI(3 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(4 月速報) 15 16 16 17 19 17 米 ネット対米証券投資(2 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(4 月) 18 米 鉱工業生産・設備稼働率(3 月) 住宅着工・許可件数(3 月) 19 米 ベージュブック(地区連銀経済報告) 20 貿易統計(3 月) 20 年利付国債入札 21 第 3 次産業活動指数(2 月) 20 米 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(4 月) 景気先行指数(3 月) 21 米 中古住宅販売件数(3 月) 22 22 23 23 24 24 独 ifo景況感指数(4 月) 25 26 全産業活動指数(2 月) 25 米 新築住宅販売件数(3 月) 2 年国債入札 S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・2 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(4 月) 26 米 5 年国債入札 27 日銀金融政策決定会合(26・27 日) 日銀総裁定例記者会見 日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解) 28 鉱工業生産(3 月速報) 住宅着工統計(3 月) 商業動態統計(3 月速報) 2 年利付国債入札 29 昭和の日(日本休場) 27 欧 ECB政策理事会 米 耐久財受注(3 月) 7 年国債入札 28 米 GDP(1~3 月期速報) ミシガン大学消費者信頼感指数(4 月確報) シカゴPMI指数(4 月) 雇用コスト指数(1~3 月期) 29 30 30 18 5 年利付国債入札 *印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕 日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ 13 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) 四半期スケジュール 5月 日 本 1 8 9 10 11 12 15 16 17 18 22 23 25 30 31 米 国 1 3 4 5 9 10 11 12 15 16 18 23 24 25 26 30 31 6月 新車販売台数(4 月) 消費動向調査(4 月) 10 年利付国債入札 毎月勤労統計(3 月速報) 景気動向指数(3 月速報) 景気ウォッチャー調査(4 月) 国際収支(3 月速報) 30 年利付国債入札 マネーストック(4 月速報) 企業物価指数(4 月) 第 3 次産業活動指数(3 月) 5 年利付国債入札 機械受注統計(3 月) GDP(1~3 月期 1 次速報) 20 年利付国債入札 貿易統計(4 月) 全産業活動指数(3 月) 40 年利付国債入札 商業動態統計(4 月速報) 2 年利付国債入札 労働力調査(4 月) 家計調査(4 月) 鉱工業生産(4 月速報) 1 製造業ISM指数(4 月) 個人所得・消費支出(3 月) FOMC(2・3 日) 非製造業ISM指数(4 月) 貿易収支(3 月) 労働生産性(1~3 月期暫定) 雇用統計(4 月) 3 年国債入札 連邦財政収支(4 月) 10 年国債入札 PPI(4 月) 30 年国債入札 ミシガン大学消費者信頼感指数(5 月速報) 小売売上高(4 月) CPI(4 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(5 月) 鉱工業生産・設備稼働率(4 月) 住宅着工・許可件数(4 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(5 月) 景気先行指数(4 月) 新築住宅販売件数(4 月) 2 年国債入札 FOMC 議事録(5/2・3) 中古住宅販売件数(4 月) 5 年国債入札 7 年国債入札 GDP(1~3 月期暫定) 企業収益(1~3 月期暫定) 耐久財受注(4 月) 個人所得・消費支出(4 月) S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市 ・3 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(5 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) シカゴPMI指数(5 月) 1 欧 州 11 英中銀金融政策委員会(10・11 日) 2 6 7 8 9 12 13 16 19 21 27 29 30 2 5 12 13 14 15 16 20 21 22 23 26 27 28 29 30 法人企業統計調査(1~3 月期) 新車販売台数(5 月) 消費動向調査(5 月) 毎月勤労統計(4 月速報) 景気動向指数(4 月速報) 景気ウォッチャー調査(5 月) 国際収支(4 月速報) GDP(1~3 月期 2 次速報) マネーストック(5 月速報) 第 3 次産業活動指数(4 月) 企業物価指数(5 月) 機械受注統計(4 月) 法人企業景気予測調査(4~6 月期) 日銀金融政策決定会合(15・16 日) 日銀総裁定例記者会見 貿易統計(5 月) 全産業活動指数(4 月) 資金循環統計(1~3 月期速報) 商業動態統計(5 月速報) 鉱工業生産(5 月速報) 労働力調査(5 月) 家計調査(5 月) 製造業ISM指数(5 月) 労働生産性(1~3 月期改訂) 貿易収支(4 月) 雇用統計(5 月) 非製造業ISM指数(5 月) 連邦財政収支(5 月) 3 年国債入札 10 年国債入札 PPI(5 月) 30 年国債入札 FOMC(13・14 日) 小売売上高(5 月) CPI(5 月) 鉱工業生産・設備稼働率(5 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(6 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(6 月) 住宅着工・許可件数(5 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(6 月速報) 経常収支(1~3 月期) 中古住宅販売件数(5 月) 景気先行指数(5 月) 新築住宅販売件数(5 月) 耐久財受注(5 月) 2 年国債入札 S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市 ・4 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(6 月) 5 年国債入札 7 年国債入札 GDP(1~3 月期確定) 企業収益(1~3 月期改訂) 個人所得・消費支出(5 月) シカゴPMI指数(6 月) 8 ECB政策理事会 15 英中銀金融政策委員会(14・15 日) 7月 3 7 10 11 12 20 28 30 31 3 5 6 7 11 12 13 14 17 19 20 24 25 26 27 28 31 消費動向調査(6 月) 日銀短観(6 月調査) 新車販売台数(6 月) 景気動向指数(5 月速報) 毎月勤労統計(5 月速報) 景気ウォッチャー調査(6 月) 機械受注統計(5 月) 国際収支(5 月速報) マネーストック(6 月速報) 第 3 次産業活動指数(5 月) 企業物価指数(6 月) 日銀金融政策決定会合(19・20 日) 日銀総裁定例記者会見 日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解) 全産業活動指数(5 月) 貿易統計(6 月) 商業動態統計(6 月速報) 労働力調査(6 月) 家計調査(6 月) 鉱工業生産(6 月速報) 製造業ISM指数(6 月) FOMC 議事録(6/13・14) 非製造業ISM指数(6 月) 貿易収支(5 月) 雇用統計(6 月) 3 年国債入札 ベージュブック(地区連銀経済報告) 10 年国債入札 連邦財政収支(6 月) PPI(6 月) 30 年国債入札 鉱工業生産・設備稼働率(6 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(7 月速報) 小売売上高(6 月) CPI(6 月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(7 月) 住宅着工・許可件数(6 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(7 月) 景気先行指数(6 月) 中古住宅販売件数(6 月) S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市 ・5 月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(7 月) 2 年国債入札 FOMC(25・26 日) 新築住宅販売件数(6 月) 5 年国債入札 耐久財受注(6 月) 7 年国債入札 GDP(4~6 月期速報) 雇用コスト指数(4~6 月期) シカゴPMI指数(7 月) 20 ECB政策理事会 *印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕 14 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) 今週の金融市場の動き [海外金利] ドルLIBOR 3M(%) ユーロドル金先(Jun17) 3/2 3/3 3/6 3/7 3/8 3/9 3/10 前週末比 1.10000 1.10167 1.10622 1.10622 1.10900 1.11956 0.01789 98.670 98.685 98.695 98.695 98.680 98.665 ▲ 0.020 米国債(10年、%) 2.478 2.478 2.500 2.518 2.560 2.605 0.127 スワップ金利(10年、%) 2.457 2.455 2.463 2.466 2.514 2.572 0.117 独国債(10年、%) 0.317 0.356 0.342 0.319 0.370 0.426 0.070 英国債(10年、%) 1.212 1.185 1.213 1.193 1.218 1.225 0.040 [内外株式] 3/2 ダウ平均(㌦) 3/3 3/6 3/7 3/8 3/9 3/10 前週末比 21,002.97 21,005.71 20,954.34 20,924.76 20,855.73 20,858.19 ▲ 147.52 S&P500指数 2,381.92 2,383.12 2,375.31 2,368.39 2,362.98 2,364.87 ▲ 18.25 NASDAQ総合指数 5,861.22 5,870.75 5,849.18 5,833.93 5,837.55 5,838.81 ▲ 31.95 19,564.80 19,469.17 19,379.14 19,344.15 19,254.03 19,318.58 19,604.61 135.44 1,564.69 1,558.05 1,554.90 1,555.04 1,550.25 1,554.68 1,574.01 15.96 日経平均(円) TOPIX(Pt.) 出来高(百万株) 2,210.38 1,717.45 1,408.97 1,575.97 1,626.04 1,595.02 2,267.16 549.71 売買代金(億円) 25,328.84 21,856.05 17,209.58 19,866.38 20,144.06 18,791.37 29,483.50 7,627.45 3,016.27 3,024.55 3,039.86 3,043.94 3,050.54 3,064.02 3,064.23 39.68 3/2 3/3 3/6 3/7 3/8 3/9 3/10 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 日経JASDAQ平均(円) [円金利] TIBOR 3カ月(%) 前週末比 0.00000 ユーロ円金先(Jun17) 99.945 99.945 99.945 99.945 99.945 99.945 99.945 0.000 新発国債(10年、%) 0.065 0.075 0.070 0.070 0.070 0.090 0.085 0.010 長国先物(Jun17) 150.08 150.17 150.17 150.27 150.20 149.96 149.94 ▲ 0.230 スワップ金利(5年、%) 0.098 0.091 0.091 0.090 0.096 0.113 0.113 0.022 [為替] 3/2 3/3 3/6 3/7 3/8 3/9 3/10 前週末比 円/$ 114.41 114.04 113.89 113.98 114.35 114.95 115.40 1.36 $/EUR 1.0507 1.0622 1.0582 1.0566 1.0541 1.0577 1.0597 ▲ 0.0025 円/EUR 120.21 121.13 120.52 120.44 120.54 121.58 122.29 1.16 (注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。 東京市場の発行日表示値は終値もしくは 15:00 時点値。 米国 10 年債、米金利スワップ 10 年物は Bloomberg の終値。 日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。 TIBOR は全銀協発表のユーロ円 TIBOR 平均値。 新発 10 年国債は日本相互証券発表の気配値。 金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3 ヵ月金利先物。 独・英 10 年国債は Bloomberg の提示する終値。 為替は NY 時間終値(発行日のみ東京時間 15:00 時点、出所:Bloomberg) 。 15 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号) 最新リポート一覧 <みずほインサイト> 2017 年 3 月 10 日 ブラジル・レアル安定の条件~米利上げの逆風に耐えられるか~ https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us170310.pdf 2017 年 3 月 6 日 トランプ米政権の「通商政策課題」~ユニラテラリズムへの傾斜強める米通商政策~ https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl170306.pdf 2017 年 3 月 6 日 オランダ総選挙の注目点~極右・自由党の台頭が示す EU の「構造問題」~ https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu170306.pdf 2017 年 3 月 1 日 トランプの政策が為替相場に与える影響と日本経済への波及の考察 https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/mk170301.pdf <内外経済見通し> 2017 年 3 月 8 日 2016・17・18 年度 内外経済見通し(2016 年 10~12 月期 GDP2 次速報後改訂) ~企業部門を中心とした日本経済の回復が鮮明に~ https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_170308.pdf 2017 年 2 月 14 日 2016・17・18 年度 内外経済見通し ~世界経済は拡大基調へ、米国政策や欧州政治が波乱要因~ https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_170214.pdf 2016 年 5 月 10 日 MIZUHO Research & Analysis no.1 特集 グローバル経済の中長期展望と日本産業の将来像~パラダイムシフトと日本の針路~ https://www.mizuho-fg.co.jp/company/activity/onethinktank/vol001/pdf/all.pdf 執筆担当者 ・市場調査部 武内浩二 野口雄裕 井上 淳 大塚理恵子 坂中弥生 小池睦子 03-3591-1244 03-3591-1249 03-3591-1197 03-3591-1420 03-3591-1242 03-3591-1386 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] ・欧米調査部 小野 亮 吉田健一郎 松本 惇 風間春香 03-3591-1219 03-3591-1265 03-3591-1199 03-3591-1418 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] ・経済調査部 有田賢太郎 大野晴香 佐藤 高 上里 啓 高瀬美帆 03-3591-1419 03-3591-1243 03-3591-1294 03-3591-1284 03-3591-1416 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] 当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。本資料は、当 社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。 また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。 発行・編集/みずほ総合研究所 調査本部 〒100-0011 東京都千代田区内幸町 1-2-1 16 TEL.03-3591-1296 金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 10 日号)
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