文学研究科 教育学専攻 F I E L D O F S T U DY ◆ 専 攻 の ポイント PICK UP 広い学問領域での専門性を追究 学内外の研究者や 教育哲学、教育史学、教育社会学、教育心理学、教育方 Education 他大学の大学院生との交流促進 法学、社会教育学、芸術教育などに亘る広い学問領域 の中での専門性を追究します。 問いを問い続ける営みそのものである 「教育とは何か」 。 この問いは人間の歴史とともに問われ続けてきており、 答えのない問いかもしれません。 教育現象は、 「今、ここ」の相互行為のなかにも、 教育現象の分析と方法論の探究 世界規模の動きのなかにも、 見ることができます。 学問を性格づけているのは方法論です。それゆえ方法 ですから大学院生は、一つのテーマについて深く 掘りさげていくことと同時に視野を広げていくこ の探究と同時に、分析という批判的営みを通して新た な知見の獲得をめざすことになります。 ともまた求められています。そのために教育学専 高度専門職業人や研究者の養成 との交流促進のためのさまざまな仕掛けを試みて 高度専門職業人養成と研究者養成、社会人および教員 会の開催、共同研究の実施など、実に多様な形態 攻の教員は、学内外の研究者や他大学の大学院生 います。たとえば、国際シンポジウムや各種講演 の再教育を行います。また学外専門家、実践者との積 の研究活動を企画運営しています。 極的な相互交流があります。 しかし、答えのない問いを問い続けることで 教育学専攻 「人間とは何か」という問いと同じく根源的であると同時に 文学研究科 「教育学」とは、人間にとっての根源的な 新たな知見を提示していくことにこそ 「教育学」という学問の魅力があります。 教 育 学 専 攻 専 任 教 員 / 研 究テーマ 有本真紀 教授(2017 年度春学期 研究休暇予定) 伊藤実歩子 准教授 前田一男 教授 歴史社会学の視点から、特に明治期・大正期の学校 教育を対象として、各地に残る学校史料を訪ねつつ 研究を進めている。とりわけ、①唱歌が人びとにも たらした「記憶」の意味、②子どもに向けられた評 価のまなざし、の 2 点について考察することを課題 としている。音楽科教育への実践的な関心からは、 小学校音楽科の指導法と評価に関する研究を行って いる。 教育方法学を専門としている。現在取り組んでいる 研究テーマは、ドイツ語圏の教育評価と学力の問題 である。PISA 以降の同地域の教育評価の動向及び その背景となっている理論や歴史について検討して いる。また別のテーマとして、日本に長く蓄積され てきた教育実践の検討も行っている。特に社会科の 実践や生活綴方の実践に興味を持っている。よい授 業と何か、 子どもたちはどのような学力を身につけ、 その学力はどのように評価すればよいのか、という ことに関心を持っている。 ①近代日本教育史(特に戦時下国民学校期の教育実 践や戦争孤児)②教師文化・教員文化の社会史的研 究③教師教育論を研究テーマとする。①では、国民 学校を「近代学校」批判の系譜として歴史的にたど ること、また教育実践にかかわる歴史的方法論を探 究すること、②③では、小学校現場の教師にかかわ る諸問題を、教師の日常性の歴史や、教師たちの教 職経験から明らかにしていくことを課題にしてい る。 市川誠 教授 比較教育学を研究テーマとし、異なる国や地域の比 較検討を通じ、 普遍的な示唆の抽出をめざしている。 主にフィリピンを研究対象とし、共同研究ではアジ ア諸国を中心に比較研究を行っている。最近は、ト ランス・ナショナルなフィリピン人の移動を教育の 視点から究明している。 石黒広昭 教授 乳幼児から学齢期の子ども達を中心に、人間の発達 と学習の過程を社会文化歴史的アプローチに立つ心 理学の立場から研究している。家庭、就学前施設、 学校、障害者施設など、多様な生態学的環境におけ る人々の日常生活実践を継続的に観察し、視聴覚 データから相互行為分析や談話分析を行う。人々の 発達支援のための理論的、 介入的研究も行っている。 24 北澤毅 教授 少年非行や犯罪といった逸脱行動についての理論研 究と実証研究を進めている。理論研究としては、ラ ベリング論や構築主義、エスノメソドロジーといった 相互行為論的理論のさらなる展開をめざしている。 また、 「いじめ」や「不登校」のような教育問題にも、 相互行為論的アプローチから分析を試みている。 河野哲也 教授 教育哲学を中心的テーマとする。①「教育とは何か」 「教育の目的とは何か」といった教育哲学の根源的 な問題を、民主主義、リベラリズム、経済と職業の関 連で考察する。②特別支援教育。エコロジカル・ア プローチを基礎としながら、しょうがいを持った子 供や人への支援方法や福祉・教育理念を考察する。 ③哲学対話、 及び、 対話による道徳教育。哲学カフェ、 哲学コンサルティングなどの対話的教育研究と実 践。 森田満夫 教授 人権としての教育の制度的表現である 「教育の平等」 論が内在する相剋を問うことを研究テーマとする。 例えば、なぜ「全国的な教育の機会均等と教育水準 の維持向上」の確保(肯定的契機)が、教育の国家 統制(否定的契機)を進める論理(新教育基本法第 16 条〈教育行政〉)を導きうるのか?こうした教育 と政治をめぐる問いに、歴史的アプローチで取り組 んでいる。 中村百合子 准教授 図書館および図書館専門職の社会的な役割と意義 を、教育学の視点から検討している。特に、学校図 書館とその専門職に関心がある。具体的には、20 世紀前半期における日本とまた米国の学校図書館の 理論的発展と専門職の成立に関する研究を進めてい る。一方で、国際図書館連盟(IFLA)への参加等を とおして、日米を含む諸国の文化、教育と学校図書 館の発展の関係性に関しても考察を進めている。 奈須恵子 教授 近代日本教育史を研究テーマとする。とりわけ、近 代「日本」における対「外」認識の形成を中心とし て研究を行っている。歴史や地理などの教科教育の 歴史に即した分析を行い、例えば「東洋」と「西洋」 、 「アジア」という認識がどのように形成されてきた のか、また、そこにはどのような問題があったのか を明らかにすることに取り組んでいる。 下地秀樹 教授 教育人間学、教育思想史を研究テーマとする。人間 形成の閉塞状況がささやかれる現代において、教育 学になお固有の役割があるとすれば何なのか。この 原理的課題を掘り下げる第一歩として、近代的ディ シプリンとしての教育学の系譜を、N. ルーマンの社 会システム理論に依拠して再検討している。 渡辺哲男 准教授 近代国語教育論の思想史的研究をおもな研究テーマ とし、特に 1930 年代以降のソシュール言語学の日本 への流通と国語教育論の影響関係に着目している。 近年はさらに時代を遡り、 大正新教育期における 「西 田哲学」と国語教育論の関係についての研究を進め ている。また、学校現場での指導助言などの経験か ら、教師が改めて国語教科書のテクストと向き合い、 あるいは学習者が国語教科書で「哲学する」ための 教材開発に取り組んでいる。 和田悠 准教授 現代日本社会における「市民」形成という問題意識 を起点にして、 「市民主義」と称される思想的潮流 を担った戦後日本の知識人の思想や行動や、高度成 長期の社会運動・市民運動について民衆史的な視座 から考察し、その社会教育・生涯学習論的意味を解 明することを研究テーマとしている(社会運動の教 育学) 。また、シティズンシップ教育への実践的な関 心から、学校教育における社会科教育実践について の批評も行なっている。 ◆ 前期課程授業科目/単位 教育哲学特殊研究 ………………………………… 4単位 日本教育史特殊研究 ……………………………… 4単位 外国教育史特殊研究 ……………………………… 4単位 教育社会学特殊研究 ……………………………… 4単位 教育心理学特殊研究 ……………………………… 4単位 教育方法特殊研究 ………………………………… 4単位 社会教育特殊研究 ………………………………… 4単位 比較教育学特殊研究 ……………………………… 4単位 教育思想史特殊研究 ……………………………… 4単位 教育学特殊研究 1 A ∼2 A・1 B ∼2 B …………………… 各2単位 教育学特殊研究 3∼6 …………………… 各2単位 教育学演習 1 A ∼2 A・1 B ∼2 B …………………… 各2単位 教育学演習3・4 …………………………… 各2単位 修了に必要な単位 合計 ……………………………………………… 30 単位以上 ※修了に必要な30 単位のうち、下記⑴、⑵は合わせて 10 単位を限度として、修了に必要な単位に算入でき ます。 ⑴日本女子大学大学院人間社会研究科教育学専攻課 程との特別聴講生単位互換制度で修得した単位のう ち、10 単位まで。 ⑵文学研究科他専攻、他研究科、本学の平和・コミュ ニティ研究機構で修得した単位のうち、8単位まで。 ※授業科目の詳細は、シラバス検索をご利用ください。 https://sy.rikkyo.ac.jp/timetable/ 25
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