前期課程授業科目/単位

文学研究科
文学研究科
史学専攻
F I E L D O F S T U DY
◆
専 攻 の ポイント
歴史学を 3 つの領域で研究
現代が問う歴史学の課題に、3 つの領域(日本史・東
History
洋史・西洋史)に亘る多彩な教授陣で対応します。各
そこに歴史家の特権がある
人類の思考と行動の無限の可能性に目を開かせてくれるでしょう。
史学専攻はそんなまなざしをもった人間を育てます。
重視し、各自が専門の研究対象地域とテーマを定めて
研究を進めます。大学院生が主体的に研究誌
『RUGAS』
情報収集・分析・論理的思考、
そしてプレゼンテーション
客観的な根拠=史料を示して論理的な考察を行うスキ
充実した研究ネットワーク
国内はもとより、中国、韓国、東南アジア諸国から北欧
諸国、イギリス、イタリア、トルコにいたるまで、教員
のもつ幅広いネットワークが研究を助けます。
史 学 専 攻 専 任 教 員 / 研 究テーマ
佐藤雄基 准教授
日本中世史、とくに中世史料論・法社会史・史学史
を専門とする。①文書の作成・利用・伝来という流
れに注目して、機能論の観点から古文書学・文書論
の再検討を進めてきた。②平安・鎌倉期を中心とし
て日本中世の訴訟・紛争解決の実態と概念を問いな
おす研究を進めている。③近代の史学史において
「中世」史学・古文書の果たした役割、比較史の観点
から、中世武家文書を英訳して欧米に紹介した朝河
貫一の再検討に取り組んでいる。
後藤雅知 教授
22
を刊行しています。
フィールドワークに基づき研究
多角的な地域の理解と全体観を養う
調査地域や研究テーマは、教員のアドバイスを受けつ
つ大学院生が自主的に決めます。地域の多角的な理解
人文地理学、文化人類学、考古学、民俗学、地域研究の
と全体観の涵養は、実社会に出ても必須の素養です。
融合による実証的な研究・教育を実施。
現代のグローバルな課題に対しても幅広い関心を示し、
充実した研究サポート体制
フィールドワークを主体とする具体的な地域での、
博士課程後期課程の大学院生には、海外に調査地を定
個別の人々との接触の中で学び育まれる専攻分野です。
めて、語学の習得から本格的に取り組み研究者をめざ
す者もいます。本研究領域で海外調査を行う者に対し
ては、「青柳真智子奨学金」制度が用意されています。
上田信 教授
松原宏之 教授
細井尚子 教授
野中健一 教授
中国社会史ならびにアジア社会論を研究テーマとす
る。前者では主に中国の明清時代を対象に、都市下
層民の生活、親族関係と地域社会との関係、森林と
社会との関係などを多面的に分析してきた。後者で
は海域アジア史・東ユーラシア史という視座から研
究を進めている。
アメリカ合衆国史、とくに 19 世紀半ばから 20 世紀
初頭の秩序再編過程の研究を専門にしている。政治
史と文化史とを架橋する政治文化史の試みを続けて
「社会衛生運動」
きた。最近は、1910 年代アメリカの
の展開をあつかって、
「長い十九世紀」の終わりに
おけるソーシャルワーカー、医師、社会科学者、テク
ノクラートらの主導権争いを追跡した。政治文化史、
ジェンダー史、社会政策史、科学史。
東アジアの演劇・演芸・芸能などを研究テーマとす
る。民俗・宗教的文脈にあるもの、民間娯楽・娯楽
市場におけるものを対象とするが、近年は文化研究
における「西洋」
「非西洋」に対する関心から、仮面
と仮頭、東アジア文化圏の娯楽市場における近代の
諸相について分析・考察を進めている。
東南アジア、南部アフリカ、日本における人々の自然
利用と認識、在来知識の形成を研究テーマとしてい
る。特に身近な生き物の利用や相克に注目して、環
境の多様性と変動性に対する人々の適応と文化の創
出およびその活用について、地理学・生態人類学的
方法による調査を行い、分析と考察を進めている。
飯島みどり 准教授
谷野典之 教授
ラテンアメリカ地域研究を研究テーマとする。特に、
中央アメリカなど小国家群におけるアイデンティ
ティ形成・国民統合の問題を扱う。また大西洋をは
さんだラテンアメリカとアフリカの相互交流や、植
民地支配の負債への向き合い方について調査研究を
続けている。
中国大陸および台湾の民間伝承・民俗学などを研究
テーマとする。漢民族の伝承神話や漢代画像石の図
像学的研究、民間信伝承から見た他界観などがその
中心となる。また地域研究として台北郊外北投地区
の近現代にまたがる歴史と民俗のフィールドワーク
も進めている。
川口幸也 教授
山下王世 教授
同時代のアフリカの美術がどのように生まれて、ど
うかたられ、
消費されているのかを追い続けている。
特に展示の場において、いわゆる美術を、美術とし
てだけかたるのではなく、背景に存在する歴史や文
化、風土を踏まえて、関連する複数の学問やローカ
ルな視点からもかたることによって、しばしば一方
的な従来のかたりとは違う新たなかたりのしかけ、
空間が立ち現れてくるのではないかと考えている。
建築文化論、中東イスラーム地域研究をテーマとす
る。とりわけ近現代トルコを中心とした地域の都市、
ならびに宗教建築を対象とし、歴史、社会、風土との
関係を中心に検討している。近年は日本国内の登録
有形文化財(建造物)に関するフィールドワークも
行っている。
弘末雅士 教授
東南アジア史を研究領域とする。インドネシアに重
点を置き、宗教社会史や海洋交易史を主要テーマと
する。広域世界秩序と地域社会の形成媒体となった
港市の支配者や住民に注目しつつ、近代以降の彼ら
の役割の変容について研究している。
東アジア古代史を研究テーマとする。日本、中華人民
共和国、大韓民国といった近代国家の枠組みにとら
われず、広く「古代東アジア」という場の中での、諸
地域・諸「民族」間の交流の具体像を追求している。
小野沢あかね 教授
青木康 教授(2017 年 3 月 退職予定)
日本近現代史・女性史・ジェンダーを研究テーマと
する。①地域社会・民衆生活・国際関係の視点から
の大正デモクラシー期∼十五年戦争期における女性
「慰
運動・社会運動、②近代日本の公娼制度と日本人
安婦」問題、③オーラル・ヒストリーの手法を取り
入れた戦後沖縄の売買春問題、などを研究している。
イギリスの 18 世紀政党政治史を研究テーマとする。
これまで、近代的な議会政党政治の成立過程とその
前提を、ホイッグ党を中心に検討してきた。政治史
と経済史の連関や、議会内の動きの相互作用に特に
注目している。近年は、中央政界で活躍した地主貴
族が、所有地のある地元の地域社会で(近隣の都市
を含む)果たしていた役割への関心も強めている。
専門は、現代日本社会経済史、昭和戦前期∼ 1990 年
代の都市や農村を対象として、地域社会の共同性や
地方自治体、国家が体現する公共性を歴史的に問い
直す研究を進めている。具体的には、①日記などの
史料を用いての農家の所有・生産・生活諸関係に
関するミクロ歴史研究、②高度成長期の都市部にお
ける農地や水辺、林野の所有と利用からみた市街地
形成に関する研究、③公害対策に関する国家や地方
自治体の政策と企業や住民の動向に関する研究が
ある。
人文地理学と文化人類学の視点から
超 域 文 化 学 専 攻 専 任 教 員 / 研 究テーマ
専門は日本近世史。特に近世の漁業社会史や地域社
会史などを研究している。①近世の房総地域を題材
とした漁業社会のありようを、生業・農村との関係・
支配のありようなどから検討してきた。②近年では
身分的周縁論などの議論にもとづきつつ、海産物の
生産・加工と流通など、モノを通した小さな全体史
をめざした研究もすすめている。③山野河海におけ
る生業や支配のありようを比較検討すべく、山間村
落の社会構造についても分析を始めている。
沼尻晃伸 教授
の生活・文化について学びます。フィールドワークを
浦野聡 教授(2017 年度春学期 研究休暇予定)
古代ローマ史ならびに古代末期史を研究テーマとす
る。特に、ローマ帝国の社会について、財政、租税制
度、生業、位階、宗教、農民などに着目しながら構造
的、かつ動態的に解明することをめざしている。
深津行徳 教授(2017 年度春学期 研究休暇予定)
小澤実 准教授
西洋中世史、とりわけ初期中世におけるスカンディ
ナヴィア人の政治的・経済的・文化的活動を専門と
する。研究では、ルーン文字で書かれた石碑のほか、
ラテン語、古英語、古アイスランド語の文字史料、さ
らには墓地や船舶等の考古資料も利用する。最近
は、西洋中世世界において重要な役割を果たしたイ
タリア半島の歴史や、遊牧諸民族と中世ヨーロッパ
世界との関係にも関心を広げている。
◆
前期課程授業科目/単位
修士論文指導演習 ………………………………… 1単位
日本史特殊研究
1 A ∼5 A・1 B ∼5 B …………………… 各2単位
日本史演習1∼6 …………………………… 各2単位
史学史 A・B ……………………………………… 各2単位
東洋史特殊研究1 A・1 B ……………… 各2単位
東洋史特殊研究2 ………………………………… 4単位
東洋史特殊研究
3 A ∼5 A・3 B ∼5 B …………………… 各2単位
東洋史演習
1 A ∼3 A・1 B ∼3 B …………………… 各2単位
西洋史特殊研究1 ………………………………… 4単位
西洋史特殊研究
2 A ∼3 A・2 B ∼3 B …………………… 各2単位
西洋史特殊研究4 ………………………………… 4単位
西洋史特殊研究5 A・5 B ……………… 各2単位
西洋史演習
1 A ∼3 A・1 B ∼3 B …………………… 各2単位
修了に必要な単位
必修科目 ………………………………………………… 2単位
自由選択科目 ……………………………… 28 単位以上
合計 ……………………………………………… 30 単位以上
※修了に必要な30 単位のうち、下記⑴、⑵は合わせて8
単位を限度として、修了に必要な単位に算入できます。
⑴ 11 大学大学院(青山学院大学・上智大学・中央
大学・東海大学・明治大学・専修大学・國學院
大學・国士舘大学・駒澤大学・東洋大学・立教
大学)特別聴講生制度により、単位互換協定校の史
学専攻課程で修得した単位のうち、8単位まで。
⑵本学の平和・コミュニティ研究機構、他研究科、文学
研究科他専攻で修得した単位のうち、8単位まで。
※授業科目の詳細は、シラバス検索をご利用ください。
https://sy.rikkyo.ac.jp/timetable/
ニャキュウサ人(タンザニア)とンコンデ人(マラ
ウィ)の生活を 1983 年から記述している。国境を
はさんでの交易、ダンスの交流が見られるが、これ
らを普遍化してタンザニア人のアジアまでおよぶ移
動について調査を進めている。
丸山浩明 教授
人文地理学・ラテンアメリカ地域研究を研究テーマ
とする。特に、日本およびブラジルにおける自然環
境や生活様式の多様性について文化生態的視点から
研究を行っている。近年はブラジルの日系移民研究
や、ブラジル北東部・アマゾン川流域・パンタナール
をフィールドに、開発と環境保全に関する調査・分
析を進めている。
PICK UP
人文地理学と文化人類学
超域文化学専攻では、大きく見れば、人文地理
学と文化人類学が補完し合って研究や教育を進め
ています。そこでは、両者の違いよりも共通の関
心がいきています。すなわち、人文地理学でも文
化人類学でも、自由な大きさや輪郭の枠組みを設
定して対象を理解しようとする点で共通してお
り、研究対象地域の広がり方はさまざまです。話
者が非常に少ない言語を使用する人々の集団や、
非常に珍しい習慣を共有する人々に関心を寄せる
こともあります。逆に国境も大陸も越えて広がる
技術や食文化に注目することもあります。
自在に研究対象の大きさと輪郭を定めること
で、
周囲を相対的に眺めることが可能になります。
万象が相対的で、相互関係をもつ存在として映る
からこそ、個別の事象のかけがえのなさも感じと
ることが出来ます。
「万象」
「個別の事象」と一般
的に紹介しましたが、具体的には「個別の文明、
民族集団、
言語、
国家、
伝承された技術、
家系、
個人」
などを当てはめて考えてみてください。
◆
栗田和明 教授(2017 年度春学期 研究休暇予定)
史学専攻/超域文化学専攻
正しく史実を探り、過去の人々の生き方を理解することは、
人文地理学および文化人類学の視点から、風土と人間
Interdisciplinary Cultural Studies
心も養います。
献していくことも目標です。
そして行く末も見すえます。
各自が専門のフィールドを定めて研究
自の個別研究を基礎に、フィールドワークで学際的関
ルを身につけます。自己表現の技術を鍛え、社会に貢
歴史へのまなざしは、私たち人間のいま、
F I E L D O F S T U DY
専 攻 の ポイント
文学研究科
過去を究め、未来を切り拓く。
超域文化学専攻
◆
前期課程授業科目/単位
地域社会研究方法論 A・B ………………
地理学特殊研究
1 A ∼3 A・1 B ∼3 B ……………………
文化人類学特殊研究
1 A ∼3 A・1 B ∼3 B ……………………
地理学調査演習 A・B ………………………
地域社会調査演習 A・B ……………………
地理学演習
1 A ∼2 A・1 B ∼2 B ……………………
文化人類学演習
1 A ∼2 A・1 B ∼2 B ……………………
超域文化学演習
1 A ∼2 A・1 B ∼2 B ……………………
各2単位
また、人文地理学でも文化人類学でもフィール
ドワークを大切にします。現在、生きている人々
から話をうかがい、生活ぶりを実見することで、
各2単位
「こうあるべきだという像」
(ノルム)からの乖離・
各2単位
各2単位
各2単位
ノルムと、それからのずれを見ることで、地域と
調整、個別の人の判断、などが分かってきます。
人間の理解に近づきたいと思っているのです。
各2単位
各2単位
各2単位
修了に必要な単位
合計 ……………………………………………… 30 単位以上
※演習科目を複数の教員から8単位以上修得すること
が必要です。
※本学の平和・コミュニティ研究機構、他研究科設置
科目、文学研究科他専攻設置科目の修得単位は、8
単位を限度に、修了に必要な単位に算入できます。
※授業科目の詳細は、シラバス検索をご利用ください。
https://sy.rikkyo.ac.jp/timetable/
23