基本構想 - 宇城市

基本構想
第1章
まちづくりの目指す方向
第2章
熊本地震からの復旧・復興方針
第3章
施策分野別における基本方針
第2部
第1章
1
基本構想
まちづくりの目指す方向
将来都市像
ま
ち
『 ちょうどいい!住みやすさを実感できる都市 ・宇城 』
2
目標人口
本 市で は、人口 減少 対策に つい てこ れま で取 り組ん でき たも のの 、歯 止めが かか って いな い
現状で 、2015(平成 27)年の 国勢 調査で は 59,756 人と、ついに 60,000 人を下 回り まし
た。 こ の 人口 も 、 2025(平 成 37)年 に は 、国 立社 会 保 障・ 人 口 問題 研 究所 の 推 計に よ ると
55,459 人、2015( 平 成 27)年 に策 定した 宇 城市人 口ビ ジョ ンに よる 推計で は 54,750 人
と試算 され てい ます 。主 な要因 とし ては 、若 い世 代が仕 事を 求め て市 外へ 転出し てい くこ とや 、
晩婚化 の進 展も 相ま って 子ども の数 が減 少し てい ること など が考 えら れま す。
このま ま人 口減 少が 続け ば、雇 用の 減少 や行 政サ ービス の低 下を 引き 起こ すとと もに 、地 域
活動の 担い 手不 足な どへ の悪影 響に より さら に人 口減少 が加 速す るも のと 想定さ れま す。その
た め 、 計 画 終 了 時 点 で 人 口 55,000 人 以 上 を 維 持 で き る 持 続 可 能 な コ ン パ ク ト シ テ ィ ー (※ )
の形成 によ り、市民 一人 ひとり にと って「ち ょう どいい !住 みや すさ を実 感でき る都 市( まち )」
を目指 しま す。
区
分
総人口
0 歳~14 歳
2024(平成 36) 年
59,756 人
55,000 人
(年 少人 口)
7,833 人 ( 13.1%)
7,030 人 ( 12.8%)
15 歳~64 歳 (生 産人 口)
33,129 人 ( 55.5%)
27,940 人 ( 50.8%)
65 歳以上
18,738 人 ( 31.4%)
20,030 人 ( 36.4%)
21,432 世帯 ( 2.8 人)
21,390 世帯 ( 2.6 人)
(老 年人 口)
世帯数 (1 世帯 当た り人 口)
3
2015(平成 27) 年
就業人口推計
区
分
2015(平成 27) 年
2024(平成 36) 年
第1次 産業
4,090 人 (
15.7%)
3,340 人 (
15.0%)
第2次 産業
4,830 人 (
18.5%)
3,080 人 (
13.8%)
第3次 産業
17,140 人 (
65.8%)
15,900 人 (
71.2%)
合
計
26,060 人 ( 100.0%)
- 16 -
22,320 人 ( 100.0%)
第2部
4
基本構想
まちづくりの基本目標
将来都 市像 の実 現に 向け て、次 の6 つの まち づく り基本 目標 を掲 げ取 り組 んでい きま す。
「復興する」まちづくり
(生活基 盤・ 社会 基盤 ・産 業基盤 )
県の「 平成 28 年 熊本 地震か らの 復旧・復興プ ラン 」で 掲げ られ た3原 則「 Ⅰ 被災 され た方 々
の痛み を最 小化 する 」
「 Ⅱ 単に 元あっ た姿 に戻 すだけ でな く、創 造的 な 復興を 目指 す」
「Ⅲ 復 旧・
復興を 熊本 の更 なる 発展 につな げる 」に もと づき 、国や 県、被災 した 県内 自治体 と連 携し 早期 の
復旧・ 復興 に向 けた まち づくり を進 めま す。
【重点 プロ ジェ クト 】
・復興 住宅 (災 害公 営住 宅)建 設に よる 被災 者の 自立支 援
・被災 者の 生活 再建 に向 けた継 続支 援
・被災 した 事業 者へ の継 続的な 再建 支援
・豊川 海岸 、不 知火 海岸 および 鐙ケ 鼻た め池 の堤 防亀裂 の完 全修 復
・道路 、橋 梁、 上下 水道 など、 生活 に関 わる 都市 基盤の 早期 復旧
・自治 公民 館や 地域 コミ ュニテ ィー 施設 など の身 近な集 会施 設の 早期 復旧
「育てる」まちづくり
(学 校教育 ・子 育て 支援 )
本市の 次代 を担 う子 ども たちが 、将 来に わた って 主体的 かつ 社会 の変 化に 柔軟に 対応 して いく
ための 幅広 い知 識と 教養 を身に つけ 、豊 かな 人間 性と健 やか な身 体を 養い 、たく まし く成 長で き
る教育 環境 と子 育て 支援 が充実 した まち づく りを 進めま す。
【重点 プロ ジェ クト 】
・教育 支援 員の 充実 によ る教育 体制 の整 備
・小中 学校 への エア コン 設置に よる 教育 環境 の整 備
・安全 安心 かつ 効率 的な 運営に 向け た給 食セ ンタ ーの新 設
・小中 学校 連携 なら びに 小中学 校一 貫教 育の 推進
・放課 後児 童の 健全 育成 に向け た学 童保 育所 など の充実
・被災 した 不知 火小 学校 舎およ び松 橋中 学校 体育 館の新 築
・公立 保育 施設 への 民間 活力導 入に よる 官民 協働 の子育 て支 援環 境の 整備
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第2部
基本構想
「住み続ける」まちづくり
(生活環 境・ 健康 福祉 ・社 会福祉 )
全 て の 市 民 が 、「 ち ょ う ど い い ! 住 み や す さ 」 を 実 感 で き る 医 療 や 保 健 、 福 祉 、 介 護 を は じ め
とした 各種 行政 サー ビス や生活 環境 の整 備、そし て災害 対策 の充 実や 防犯 対策の 向上 を図 るこ と
で、将 来に わた って 安全 で安心 して 住み 続け られ るまち づく りを 進め ます 。
【重点 プロ ジェ クト 】
・障が い福 祉サ ービ ス支 援の体 制強 化
・年代 に応 じた 健康 管理 ・食育 の推 進
・医療 ・介 護連 携に よる 包括ケ アシ ステ ムの 実現
・医療 扶助 の適 正化 とジ ェネリ ック 医薬 品の 推進
・子育 て家 庭に おけ る経 済的負 担軽 減の 充実
・生涯 スポ ーツ ・文 化活 動の推 進に よる 高齢 者の 生きが い支 援
・廃棄 物の 減量 化徹 底と リサイ クル の推 進
・防災 消防 体制 と組 織連 携の強 化
・済生 会み すみ 病院 の移 転支援
「持続する」まちづくり
(産業経 済・ 都市 機能 ・行 財政改 革)
土地の 有効 活用 によ る乱 開発抑 制や 農地・緑 地の 保全や 少子 高齢 化に 対応 するた めの コン パク
ト シ ティ (※)の 形 成 、ま た 継 続的 な 流 入 や 移 住者 の 迎 え入 れ を 可 能 に する 産 業 基盤 や 都 市 機 能の
整備を 図る こと で持 続し ていく まち づく りを 進め ます。
【重点 プロ ジェ クト 】
・国営 事業 によ る農 地の 集積と 農業 基盤 の整 備
・不知 火海 湾奥 の浅 海化 対策に 向け た活 動促 進
・雇用 機会 の拡 大に 向け た企業 誘致 の促 進
・空地 ・空 き家 の有 効利 用の促 進
・JR 松 橋駅お よび 小川 駅周辺 の整 備計 画・ 推進
・宇城 氷川 スマ ート IC(※)の利 用促 進
・国道 3 号 およ び 218 号の4 車線 化実 現に 向け た活動 促進
・熊本 天草 幹線 高規 格道 路の早 期事 業化 推進
・大野 川リ バー サイ ド整 備によ る交 通渋 滞緩 和と 宅地化 促進
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第2部
「選ばれる」まちづくり
基本構想
(観光物 産・ 移住 定住 )
将来に わた って 豊か で安 心でき る生 活の ため には 持続的 発展 が不 可欠 であ るため 、交 流人 口や
移 住 ・ 定 住 者 の 増 加 、「 ち ょ う ど い い ! 」 と 実 感 で き る 環 境 や 基 盤 の 整 備 、 そ し て 、 本 市 ブ ラ ン
ドの確立と向上に向けた戦略的取り組みにより、さまざまな目的に選ばれるまちづくり進めま
す。
【重点 プロ ジェ クト 】
・三角 西港 ~東 港エ リア の総合 的な 観光 拠点 づく りと一 体的 な PR 展 開
・三角 西港 の世 界文 化遺 産とし ての ブラ ンド 力の 強化と 情報 発信 ・観 光振 興
・農林 水産 品の ブラ ンド 化と販 路の 確立
・金桁 温泉 のブ ラン ド復 活と観 光拠 点整 備
・豊野 小中 一貫 教育 によ る充実 した 子育 て環 境 の PR によ る定 住促 進
「活躍する」まちづくり
(雇用・ 男女 共同 参画 ・交 流・文 化ス ポー ツ)
さまざ まな 交流 の機 会や 住民が 主役 とな るま ちづ くり活 動や コミ ュニ ティ ービジ ネス など 、市
民が参 画す る機 会の 創出 により 、障 がい 者や 定年 を迎え た高 齢者 層、 子育 てが一 段落 した 女性 、
若者な ど、 まち づく りの 担い手 とし ての 役割 や仕 事で活 躍で きる まち づく りを進 めま す。
【重点 プロ ジェ クト 】
・障が いの ある 方へ の就 労支援 と自 立支 援の 充実
・女性 が輝 ける 社会 に向 けた男 女共 同参 画の 推進
・スポ ーツ 指導 者育 成に よる競 技レ ベル の向 上
・ボラ ンテ ィア や市 民・ NPO 活動 の支 援充 実
・若年 層を 中心 とし た交 流創出 によ る参 加型 イベ ントの 新設
・総合 型地 域ス ポー ツク ラブと の連 携に よる 社会 体育の 充実
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第2部
5
基本構想
土地利用構想
(1) 土地 利用 の考 え方
土地は 、生 活や 産業 活動 などの 共通 基盤 であ り、多様な 機能 を有 する 市民 の限り ある 貴重 な
資源で す。そ のた め、利 用に当 たっ ては 市域 の均 衡ある 発展 を目 指し、長 期的か つ総 合的 な展
望に立 ち、緑豊 かな 自然 環境と の調 和を 基本 に、社会的 、経 済的 、歴 史的 、文化 的諸 条件 など
に配慮 する 必要 があ りま す。ま た、環 境の保 全や 公共の 福祉 に重 点を 置く 一方、都市と して の
秩序あ る自 立性 に向 けて 総合的 な土 地利 用を 合理 的かつ 有効 に進 めて いく 必要が あり ます 。
①
共 に支 えあ い安 全で 安心し て暮 らせ る土 地利 用
日常生 活に 必要 な公 共施 設、商業 施設 、医療施 設 、レ クリ エー ショ ン施設 など 、多 くの 人
が利用 する 施設 がよ り身 近に利 用で き、ま ち全 体 が市民 一人 ひと りに とっ て安全 で安 心し て
暮らせ る生 活空 間と して まとま りを 持つ こと が重 要です 。
②
市 民と 行政 が協 働し て進め る魅 力あ る土 地利 用
地方分 権の 今、市民と 行 政が役 割を 分担 しな がら 、協働 して 土地 利用を 進 めてい くこ とが
重要で あり 、と りわ け、 市民や 地域 が主 体的 に自 らの地 域を どの よう にし ていく かを 考え、
それぞ れの 特性 や実 情に 応じた 魅力 あふ れる まち を築い てい くこ とが 重要 です。
③
自 然と 共生 する ゆと りと潤 いの ある 土地 利用
豊かな 自然 、美し い景観 を引き 続き 守り 、育み 、生かし てい くと とも に、その中 で市 民が
安らぎ 、健 康で 文化 的な 生活が 確保 でき よう な土 地利用 を進 めて いく こと が重要 です 。
(2) 土地 利用 配置 の基 本方針
都市空 間構 成を 基調 とし ながら 、都市的 土地 利用 と自然 的土 地利 用が 共生 できる 調和 のと れ
た土地 利用 形成 を図 るも のとし ます 。
①
都 市的 土地 利用
人口が 集中 する 中心 市街 地や JR 松 橋駅 、小 川駅 および 三角 駅周 辺、高 速 道路イ ンタ ーチ
ェンジ 周辺 につ いて は定 住化や 企業 誘致 など の拠 点とし て計 画的 な環 境整 備を進 めま す。
②
自 然的 土地 利用
市街地 の外 周と なる 緑豊 かな山 林と 、集 落の周 り に広が る田 園に より 構成 された 自然 環境
に対し 、引 き続 き保 全を 基本と した 土地 利用 を図 るもの とし ます 。
(3) 土地 利用 のエ リア ゾーニ ング
良好な 環境 を形 成し 機能 的な都 市活 動の 展開 を図 るため には 、適 正な 土地 利用を 誘導 する 必
要があ りま す。 そこ で「 市街化 を推 進す る都 市的 エリア 」と 「開 発を 抑制 する自 然的 エリ ア」
の2つ にゾ ーニ ング して 効果的 な土 地利 用を 促進 します 。
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第2部
①
基本構想
市 街化 を推 進す る都 市的エ リア
ア
業 務・ 商業 核( 中心 商業・ 業務 地区 )
市役所 、 JR 各駅 など の 公共・ 交通 機能 を核 に、 計画的 住宅 街区 や大 規模 店舗な どが
集積し た 、魅 力ある 中心 地とし て計 画・整備 を進 めます 。地区 整備に 当た っては 、単に
施設の 整備 だけ でな く、中心商 業地 区と して の魅 力を提 供す る観 点か ら、快適性 とと も
に回遊 性を 有す る商 業空 間の形 成を 図る もの とし ます。
イ
沿 道商 業地 区
市街地 との 適正 な機 能分 担・連携 を図 りな がら、沿道サ ービ ス施 設の 整備・誘 導を 図
るとと もに 、これら と住 宅が共 存す る地 区と して 、そ の環 境整 備を進 めま す。また 、国
道 3 号の整 備に 伴い、沿 道土地 利用 の変 化が みら れます が、乱 開発 を防 止 し、市 のイメ
ージを 発信 でき るよ うな 景観の 形成 を図 ると とも に、活気 ある商 業サ ービ ス業な どの 秩
序ある 立地 を促 す方 向で 整備さ れる よう 推進 しま す。
ウ
工 業地 区
今後の 優良 企業 の受 け皿 として、工業 適地 指定 な どの活 用で 工業 用地 を供 給する もの
とし、 現工 業地 にお いて は、施 設周 辺の 整備 およ び環境 に配 慮し た整 備を 推進し ます 。
エ
住 宅地 区
既成市 街地 およ びそ の周 辺は、主とし て良 好な 居 住環境 の維 持・誘 導と 宅 地供給 を図
るもの とし ます 。こ の中 で、中 層住 宅や 高齢 者向 け共同 住宅 など を一 団と して整 備し 、
土地の 高度 利用 と良 質の 新住宅 地の 供給 を推 進し ます。
オ
集 落地 区( 田園 居住 地区)
市街地 周辺 の既 存集 落地 を中心 に、 地域 特性 に配 慮した 生活 環境 の拡 充を 進めま す。
特に 、コ ミュ ニティ ー施 設や教 育・子 育て支 援施 設など の整 備・充実 を図 り、地域 住民
の交流 の場 の確 保や 余暇 需要に 対応 した 整備 を促 進しま す。
②
開 発を 抑制 する 自然 的エリ ア
ア
農地
水田を 中心 に生 産性 の高 い農業 ゾー ンを 配置 し、土地基 盤の 整備 と農 業生 産性機 能の
高度化 を図 ると とも に、 農村景 観の 保全 を推 進し ます。
イ
山林
山林は 、国土 保全 機能 や 景観 確 保の 観点 から、森 林資源 の適 正な 保全 策を 講じる もの
としま す 。ま た 、保有 す る自然・歴史・文化な ど の諸資 源を 、保全 と活用 の両目 的で 一
体的な 整備 を行 い、市 民 の有益 な余 暇空 間と して 提供を 図り、かつ 市民 の 心的シ ンボ ル
の自然 環境 保全 ゾー ンと して保 全整 備を 図り ます 。
ウ
河 川・ 水面
河川は、災害 防止 と安全 性の確 保お よび 水資 源の 確保を 図り ます。また、整備に 当た
っては、防災 面で の河 川 改修を はじ め、地 域の 自 然環境 や水 資源 を損 なわ ないよ うに 配
慮する とと もに 、市民が 水と親 しめ る空 間の 確保 のため 、積極 的に 親水的 整備・多 自然
型整備 など を進 めま す。
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第2部
基本構想
第2章
1
熊本地震からの復旧・復興方針
趣旨
2016(平成 28)年 4 月 14 日から 4 月 16 日 にかけ て、 本市で は震 度 6強を 含む 突然 の
強い揺 れに 襲わ れ、被災 した市 民の 生活 は一 変し ました 。震 災で 被害 を受 けた暮 らし の再 建と
産業の 再生 を果 たし 、一 日も早 い震 災か らの 復旧・復興を成 し遂 げる こと がこれ から のま ちづ
くりに おい て最 重要 課題 ととら えて いま す。
そ こ で 、「 震 災 か ら の 復 旧 ・ 復 興 方 針 」 と し て 、 ま ち づ く り の 最 上 位 計 画 で あ る 総 合 計 画 の
基本構 想で 掲げ るも ので す。
2
役割と期間
(1)役割
復旧・復 興に向 けた 方針 を市民 に分 かり やす く示 すこと によ り、市民 と目 標を共 有し 、復
興に向 けた 取り 組み への 理解と 協力 を促 進し て、 効率的 かつ 効果 的に 事業 展開を 進め ます。
(2)期間
2017(平成 29)年 度 から 2024( 平 成 36) 年度ま での 8年 間で 、前 期4年 間を イン
フラの 復旧 、応 急仮 設住 宅の解 消、住宅 や都 市基 盤の再 建・整備 など を目 指す「 復旧・復 興
期」、後 期4年 間を 復旧 したイ ンフ ラや 生活・都 市基盤 を基 に、地域 の活 力向上 を目 指す「再
生・発 展期 」と して 設定 して取 り組 みま す。
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
2024
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
(H33)
(H34)
(H35)
(H36)
復旧・復興期【4 年】
再生・発展期【4年】
3
位置づけ
熊本地 震か らの 復旧・復 興にお いて は、第 2 次宇 城市総 合計 画に おけ る最 優先課 題と 位置 づ
けて 、基 本構 想に復 旧・復興の 方向 性を 示す「熊 本地震 から の復 旧・復興 方針 」を 、基 本計 画
にはそ の方 針を 具体 化す るため に「震 災復 興」を 施策分 野の 一つ と設 定し 、基本 目標の 一つ に
“「 復興 する」 まち づく り”を 掲げ て目 標年 次に 向けて 取り 組ん でい きま す。
- 22 -
第2部
4
基本構想
推進体制
庁内組 織の 推進 体制 を強 化する こと で、情報 共有 を徹底 し地 域課 題や 市民 ニーズ への 柔軟 な
対応 を 図 りま す 。ま た 、 市民 や NPO、 企 業、 議 会な ど と 意見 交 換で き る 仕組 み づ くり と して
「震災 復興 宇城 市民 会議 (仮称 )」を創 設、 協働 して“「 復興す る」 まち づくり ”を 進め ます 。
事業の 評価 手法 とし ては 、PDCA<計 画(Plan)→実行(Do)→評 価( Check)→ 改善(Act)
> サ イ ク ル を 用 い て 、 客 観 的 に 行 い ま す 。 ま た 、 評 価 に お い て は 担 当 部 署 の み な ら ず 、「 震 災
復 興 宇 城 市 民 会 議 ( 仮 称 )」 に お い て も 計 画 を 評 価 ( Check) し 、 市 民 ニ ー ズ や 満 足 度 を 捉 え
て適切 な評 価結 果を もと に改善 ( Act)につ なげ ていき ます 。
また推 進に 当た って は次 の方針 に基 づき 進め てい きます 。
5
①
国 ・県 の復 興支 援制 度を活 用し た復 旧・ 復興 の推進
②
健 全財 政運 営に 基づ く復旧 ・復 興の 推進
③
市 民参 画に よる 復旧 ・復興 の推 進
④
主 体別 の役 割に 基づ く復旧 ・復 興の 推進
⑤
広 域連 携に よる 復旧 ・復興 の推 進
現状と課題
本市に おい ては 、多 くの 住居な どが 被災 し倒 壊し た建物 も多 数あ りま した が、幸 いに も建 物
倒壊が 原因 で死 亡し た人 はいま せん でし た。こ れ は、人 命を最 優先 に、学 校施設 を含 めた 公共
施設で 耐震 補強 工事 が実 施され てい たこ とや 市民 の防災 意識 の高 さな どか ら、人 的な 被害 が少
なかっ たと 考え られ ます 。しか し、 市内 の多 くの 地域で 、震 度 6 弱 の前 震、震 度 6 強 の本 震
が襲い、一般 の住 宅な ど の建物 や公 共施 設、特 に 学校施 設や 社会 教育・社 会体育 施設、上下水
道や道 路な どに 甚大 な被 害を及 ぼし 、復 旧に は相 当な時 間と 費用 を必 要と してい ます 。
さらに 、合 併し た 5 町が 基礎自 治体 とし ての 必要 性から 整備 した 施設 で、目的が 重複 する 施
設も複 数存 在し てい るこ とから 、公 共施 設の 復旧 に当た って は、今後 の行 政運営 を効 率的 なも
のにし てい くた め、この ような 市政 の課 題解 決も 視野に 入れ なが ら、公共 施設の 統廃 合を 視野
に入れ た再 構築 を図 って いく必 要に 迫ら れて いま す。
このこ とか ら、公 共施 設 、特に 建物の 復旧 を進 め るに当 たっ ては、単に 元 通りに 戻す という
のでは なく、それ ぞれ の 施設の 利用 状況 や将 来の 見通し 、他に 代わ る施 設 がない か、類 似の 施
設と統 合し ては どう かな ど、さ まざ まな 面か ら検 討する 必要 があ りま す。
そして 何よ りも 、一 日も 早い生 活の 再建 を目 指し 、市民 への 支援 や生 活の 基盤と なる 産業 の
振興、産 業や 保健、医療 、福祉な どの 分野 にお い て、近隣 市町 など との 連 携を基 盤と した 圏域
の復旧 ・復 興が 求め られ ていま す。
- 23 -
第2部
6
基本構想
基本的な考え方
熊本地 震に よる 被災 を乗 り越え、早期 の復 旧・復 興に向 けて、本市 が目 指 す将来 都市 像「ち
ょ うど い い !住 み や す さ を 実感 で き る都 市 (ま ち)・ 宇城 」 の 実現 に 向 け て ま ちづ く り を進 め て
いきま す。
(1) 被災 者生 活の 再建
住宅に 被害 を受 けた 市民 への住 宅再 建支 援や、生 活再建 の支 援を 行う ほか 、生活 環境 の再
建を図 りま す。 また 、保 健・医 療・ 福祉 の充 実や 、安心 して 暮ら せる 環境 を整え ます 。
(2) 産業 ・経 済の 復興
産業の 復興 とさ らな る振 興を目 指し 、農 林業施 設 の復旧 や企 業な どの 生産 基盤の 復旧 に向
け、ハード とソ フト 両面 での対 応を 行い ます 。ま た、併せて 雇用 の創 出や 確保を 目指 し対 策
を進め ます 。
(3) 公共 土木 施設 ・ラ イフラ イン の復 旧
市民の 利便 性や 安全 性の 確保の ため 、道 路や河 川 などの 公共 土木 施設 につ いて、国や 県と
連携を 図り なが ら早 期復 旧を進 めま す。また 、上 下水道 など 、ラ イフ ライ ンの早 期復 旧に 取
り組み ます 。
(4) 教育 環境 の復 旧
市内各 地で 震災 によ り大 きな被 害を 受け た学 校施 設や社 会教 育施 設、社 会 体育施 設の 復旧
を進め ると とも に、施 設 配置の 見直 しや 類似 施設 の統合 によ る施 設機 能の 充実を 図り 、本市
教育環 境の 復旧 と振 興を 図りま す。
(5) 新た な安 全で 安心 なまち づく り
今 回 の 震 災 か ら 得 た 教 訓 を 踏 ま え 、 防 災 体 制 の 強 化 を 図 っ て い く と と も に 、 安 全 ・安 心 な
まちづ くり を進 めま す。
(6) 近隣 市町 など との 連携
県の「平 成 28 年熊 本地 震から の復 旧・復 興プ ラ ン」を踏 まえ、国や 県、近隣市 町、各 種
団体と 連携 し、適 切な 役 割分担 のも とに それ ぞれ の総力 を結 集し て圏 域の 復興と さら なる 発
展を目 指し ます 。
(7) 復旧 ・復 興の ため の財源 確保
現在 、復 旧・復 興に当 た っては 進行 中で すが 、今 後も継 続し て進 めて いく ために は 、地 方
交付税 や災 害復 興交 付金 などの 国に よる 財源 措置 が不可 欠で す。こ のた め 、県や 他市 町村と
の連携 を図 りな がら 国に 強く働 きか けて 財源 の確 保を図 りま す。
- 24 -
第2部
第3章
1
基本構想
施策分野別における基本方針
震災復興
(1)くらし・生活の早期再建を目指します
・
仮 設住 宅入 居者 など の恒久 的な 住ま いの 確保
・
被災 者の 生活 見守り と医 療・ 福祉 の経 済的支 援の 充実
・
地震 対応 の検 証など によ る防 災計 画や 訓練な どの 見直 しに よる 災害対 応強 化
(2)社会基盤の早期整備を目指します
・
被災 した 道路 ・河川 ・公 園・ 上下 水道 などの 公共 土木 施設 整備
・
復旧 とと もに 今後を 見据 えた 新た な教 育関係 施設 整備
・
防災 拠点 施設 の整備 や民 間施 設を 含め た耐震 化に よる 災害 に強 いまち づく りの 促進
(3)地域産業の早期再生を目指します
2
・
農地 や農 業施 設など の生 産施 設の 復旧 や改修 によ る農 林水 産業 の再生 支援
・
被災 した 商工 業の店 舗・ 工場 など の復 旧によ る産 業活 動支 援
・
新し いコ ミュ ニティ ービ ジネ スの 展開 支援に よる 新産 業創 出
教育文化
(1)充実した教育環境による児童生徒の育成を目指します
・
確か な学 力、 健やか な体 、豊 かな 心を 育む教 育の 充実
・
安心 して 学校 教育を 受け られ る環 境整 備の促 進
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安全 な学 校給 食の提 供、 食育 の推 進お よび地 産地 消の 推進
(2)人権の尊重による男女共同参画社会の形成を目指します
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基本 的人 権の 尊重と 差別 意識 の解 消に 向けた 教育 強化
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啓発 イベ ント などを 活用 した 男女 共同 参画社 会の 推進
(3)後世に残す芸術文化、伝統芸能、文化財の保存と活用を目指します
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文化 活動 の推 進と 伝統文 化の 継承 およ び文 化施設 の活 用促 進
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文 化財 およ び世 界文化 遺産 の保 存・ 活用 の拡充
(4)社会教育、スポーツのさらなる推進を目指します
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市民 一人 ひと りの生 涯を 通じ た生 きが いづく りの 充実
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スポ ーツ を通 し、心 身と もに 健康 で暮 らせる まち づく りの 推進
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第2部
3
基本構想
生活環境
(1)安全で安心して生活できる環境づくりを目指します
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消防 団を 中心 とした 地域 消防 の充 実
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災害 被害 の最 小限化 に向 けた 防災 意識 ・危機 管理 意識 の高 揚
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災害 に強 いま ちづく りの 促進
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交通 安全 施設 の整備 や交 通安 全活 動の 促進
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防犯 施設 の整 備や防 犯意 識の 高揚
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消費 者問 題の 未然防 止に 向け た相 談体 制の充 実と 啓発 活動 の拡 充
(2)きれいで住みやすい環境づくりを目指します
4
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ご みの 減量 化と リサ イクル の推 進
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ごみ のな い美 しいま ちづ くり に向 けた 不法投 棄の 防止 強化
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環境 負荷 の少 ない処 理施 設建 設の 推進
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豊か な自 然が 残る水 辺環 境の 保全
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恵ま れた 自然 環境の 保全 に向 けた 環境 学習機 会の 創出
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爽や かな 澄ん だ大気 や清 らか な水 環境 の保全
健康福祉
(1)共に支え合う福祉社会の実現を目指します
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「自 助・ 互助 ・共助 ・公 助」 の視 点に 立った 地域 福祉 の充 実
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妊産 婦と 子ど もと子 育て 家庭 の総 合的 な支援 の充 実
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障が いへ の理 解と障 がい 福祉 サー ビス の充実
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高齢 者の 生き がい対 策と 高齢 者福 祉の 充実
(2)健康で安心して暮らせるまちづくりを目指します
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健康 づく りの 推進に よる 病気 の重 症化 や要介 護状 態の 予防
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地域 医療 と救 急医療 体制 の充 実
(3)自立を支える社会保障制度の適正化を目指します
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介護 保険 事業 の適正 運営 と 介 護予 防の 推進
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国民 健康 保険 事業な どの 適正 運営 と疾 病予防 の推 進
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生活 保護 など の適正 実施 と生 活援 護・ 自立支 援の 強化
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第2部
5
基本構想
産業経済
(1)農業の基盤強化を目指します
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経 営感 覚に 優れ た農 業の担 い手 の育 成強 化と 営農継 続の 支援 拡大
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農 地の 大区 画化 や排 水改良 など によ る農 地集 積の促 進
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高 収益 な作 物・ 栽培 体系へ の転 換推 進と 安全 安心な 農産 物の 生産 強化 ・販路 拡大
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鳥 獣被 害防 止に 向け た取り 組み 支援
(2)森林機能の保全を目指します
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森林 の水 源涵 養機能 の維 持と 適切 な管 理
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山地 災害 防止 機能の 維持 と強 化
(3)水産業の振興を目指します
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「つ くり 育て る」漁 業の 振興 と良 好な 漁場環 境の 整備
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新し い魚 介類 の育成 とブ ラン ド化 によ る販路 拡大
(4)商工業の経営基盤の確立を目指します
6
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魅力 ある 商店 街の整 備・ 活動 の支 援と 空き店 舗を 利用 した 取り 組みの 強化
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起業 や成 長が 見込め る産 業分 野へ の取 り組み 支援
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観光 施設 の充 実や特 産品 開発 の推 進お よび DMO(※)に よる 稼 げる観 光業 の確 立
都市基盤
(1)安心して暮らせる都市基盤を目指します
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災 害時 にお いて も飲料 水の 安定 供給 が可 能な水 道施 設の 整備
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上 水道 事業 と簡 易水道 事業 を統 合し た水 道事業 の安 定化
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汚 水処 理の 促進 と公衆 衛生 確保 およ び公 共用水 域の 水質 保全
(2)安全で快適な道路環境を目指します
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幹 線道 路を 結ぶ 道路網 整備 によ る市 街地 の渋滞 緩和
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交 通安 全性 に 配 慮した 生活 道路 の整 備
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老 朽化 した 道路 や橋り ょう の災 害対 策強 化
(3)ずっと住みつづけたい都市環境を目指します
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景 観保 全に 配慮 し生活 機能 を集 約し たコ ンパク トな まち づく りの 推進
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誰 もが 利用 しや すい災 害拠 点機 能を 備え た公園 の整 備
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地 域公 共交 通網 の再編 成と 交通 機関 の結 節点の 整備
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第2部
7
基本構想
地域経営
(1)市民と共に考え、共に行動する経営を目指します
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市 民に 分か りや すい 経営の 徹底
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市 民の 経営 に対 する 意識の 高揚
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市 民と 行政 の信 頼関 係の強 化
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市 民が 参加 ・協 働し やすい 環境 の整 備
(2)「あしたの宇城市」を実現する経営を目指します
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PDCA サイク ルを 基本と する 経営 の推 進
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地 域の ニー ズに 対応 したき め細 かな 対応 強化
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広 域連 携に よる 行政 サービ スの 効率 化
(3)無駄のない効率的な経営を目指します
8
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持 続可 能で 健全 な財 政の運 営
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効 率的 な組 織体 制と 行政改 革の 推進
地方創生
(1)「稼ぐ力」を高め、良質な雇用(※)の創出を目指します
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付 加価 値向 上や 販路 拡大に 向け た金 融機 関な どとの 連携 強化
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農 業関 係者 など と連 携し稼 ぐ農 業の 推進 と担 い手確 保の 促進
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金 融機 関な どと 連携 し創業 支援 によ る稼 ぐビ ジネス の創 出
(2)「稼ぐ力」を高める人の流れの創出と繋がりの拡大を目指します
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観光 地域 づく りによ る稼 げる 観光 の推 進
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稼 げる 人材 にタ ーゲ ットを 絞っ た戦 略的 な移 住促進
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UIJ タ ーン(※)や企 業誘 致な どの 促 進に向 けた 地元 出身 者と の関係 強化
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地域 の核 とな る市内 高校 の活 性化 と市 内就職 の促 進に よる 若年 層の流 出抑 制
(3)「稼ぐ力」を高めるための競争力強化と地域システムの構築を目指します
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住宅 会社 や金 融機関 など と連 携し た宅 地開発 よる 子育 て世 代の 流入拡 大
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民間 の保 育所 や事業 所な どと 連携 した 「子育 てを した い町 」 の PR 強化
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地域 ごと の担 い手育 成や 公共 交通 ・買 い物支 援な どの 対策 強化
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