「受動喫煙防止法案(たたき台)」施行による外食市場への影響を調査

PRESS RELEASE
第17021号
株式会社
2017年3月3日
富士経済
〒103-0001
東京都中央区日本橋小伝馬町
1 番 5 号 PMO 日本橋江戸通
TEL.03-3664-5811 FAX.03-3661-0165
https://www.fuji-keizai.co.jp/
広報部 TEL.03-3664-5697
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
「居酒屋、バー・スナック」
「カフェ・喫茶店」
「レストラン」のアンケートから
「受動喫煙防止法案(たたき台)」施行による外食市場への影響を調査
◇ 受動喫煙防止法案(たたき台)施行による外食市場への影響は、▲8,401億円
「居酒屋、バー・スナック」▲6,554億円、
「カフェ・喫茶」▲1,173億円、
「レストラン」▲674億円
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町
社長
清口
正夫
03-3664-5811)は、2016年10月に厚生労働省が公表した「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)
」
で示された喫煙規制や罰則が実際に施行された場合、
外食市場に与える影響を外食店へのアンケート調査をもとに
算出した。その結果を報告書「受動喫煙防止法案(たたき台)がもたらす外食産業の市場展望」にまとめた。
この報告書は、電話帳で無作為抽出した東京、愛知、大阪の3都市圏の「居酒屋、バー、スナック」
「カフェ・
喫茶店」
「レストラン」のオーナー、店長など店舗運営の責任者(合計7,002店)を対象に調査票「外食産業に
おける喫煙に関する意識調査」を送付。法案が実際に施行された場合の売上予想(有効回答1,020店)をもと
に外食市場(市場規模約21兆円)のうち影響が大きいと思われる上記3業態(市場規模約13兆円)への影響を
予測した。※1,020店の内訳:居酒屋427店/バー・スナック52店、カフェ・喫茶店160店、レストラン
381店
【調査結果の概要】
◇業態別市場の影響
「居酒屋、バー・スナック」▲6,554億円
■現状、店舗面積の狭さや資金力の弱さから受動喫煙防止策を講じる店舗が少なく、全席が喫煙可能な店舗が大半
を占める。
居酒屋等は「喫煙者」の割合が53.8%と高い。また、居酒屋等の傾向として店舗面積で見ると50平米未満
の店舗が71.0%を占め、小規模な店舗の割合が高い。さらに、月商200万円未満が54.1%であり、資金面、
店舗面積からも分煙設備を設置することが難しい店舗が多いことが窺える。
現状禁煙化できていない理由として、
「喫煙室を設置するスペースが確保できないから」の割合が高い。バー・
スナックも含む業態のため、
店舗面積の狭さが受動喫煙防止策を講じることができない理由とする店舗が多くなっ
ている。
■顧客の喫煙者の割合が他の業態より高いため、全面禁煙になった時に客数減少を見込む店舗の割合が高い。
居酒屋等は店内が全面禁煙になった場合「客数が減少すると予想」が72.9%を占める。喫煙者の顧客が主体
となるために、他の業態よりも全面禁煙になった場合の来店客数への影響が大きいとみる店舗の数が多い。
「売上
減少の影響がある」と予想する要因としては、
「既存客の大半が喫煙者だから」が最も高い割合を占める。
■「1年以上・見通しが立たない」の割合が高く、短期で回復しないとの見方が強い。
喫煙客の割合が高いのに、現状は全席喫煙可能な店舗の割合が高く、受動喫煙防止対策を講じている店舗が少な
い業態であるだけに、売上金額への影響が続く期間は「1年以上・見通しが立たない」という割合が72.0%と
高く、受動喫煙防止策による売上減少影響が大きくなることを懸念している店舗が多い。
居酒屋等は喫煙者が席を立つことなく、飲酒しながら喫煙するスタイルが定着しており、顧客も店舗もこれまで
の喫煙環境を変えることは需要減退につながるとの見方が強くなっている。
「カフェ・喫茶」▲1,173億円
■喫煙客の多さと店舗面積の制約、さらに資金面により分煙環境への対応が遅れている。
カフェ・喫茶店では、全席喫煙が可能な店舗は過半数を占める。平均月商200万円未満が80.0%と高い割
合を占めている。店舗面積は50平米未満の店舗が64.4%を占めており、店舗面積の狭さに加え、平均月商2
00万円以下の店舗が多く、設備投資する資金面などから分煙環境整備する難しさもあり、全席喫煙が可能な店舗
が多い。
■来店客数への影響は「減少する」が61.3%
来店客数が減少すると見ている割合は61.3%と半数を超えている。減少に最も影響する理由としては「タバ
コを吸う目的で選ばれているから」である。アルコール飲料と同様に喫煙との親和性が比較的高い業態であり、昔
から、休息の場として多くの消費者に利用されており、喫茶とともに、喫煙空間の提供も重要なサービスの一つと
して位置づけられていることから、全面禁煙は来店客数の減少に影響するとの見方が強い。
■売上金額への影響は短期で終わらないとの見方が強い。
施行された場合の売上金額への影響は、
「1年以上・戻らない」は他の業態よりも高くなっている。影響される
期間が1年未満の割合は最も低く、短期で影響が終わらないとの見方が他の業態よりも強くなっている。
「レストラン」▲674億円
■現状、3業態の中では最も喫煙環境の対策が進んだ業態である。
レストランは「全面禁煙」
、
「店内禁煙/店外に灰皿を設置」
「仕切りがないタイプの分煙」等の割合が他の業態
よりも高く、3業態の中では最も受動喫煙防止対策が進んだ業態といえる。レストランは50∼100平米未満、
100平米以上が他の業態よりも高く、面積が広いことから、既に受動喫煙対策を導入しやすい環境にあることが
窺える。
■全面禁煙化による来店客数への影響は無いとする店舗が最も多い。
全面禁煙化による来店客数への影響は、他の業態では減少予想が最も高い割合を占めるが、レストランでは「影
響がない」が最も高い。家族連れを主体とした店舗では影響は少ないものとみられる。
レストランは一部の店舗では影響が大きいとみる店舗もあるが、
3業態の中でも最も影響が小さい業態といえる。
【外食産業における受動喫煙に関する意識調査 アンケート結果】
受動喫煙防止法案(たたき台)の認知について
内容を詳しく
知っている
全体
(n=1,020)
居酒屋等
(n=479)
カフェ・喫茶店
(n=160)
レストラン
(n=381)
4.1%
4.2%
5.6%
3.4%
本件に関するお問合せ:広報部
内容をなんとなく
知っている
無回答
知らない
45.2%
49.6%
1.1%
45.1%
49.9%
0.8%
41.3%
47.0%
(Tel.03-3664-5697
51.3%
48.6%
1.9%
1.0%
Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected])
来店客数への影響
客数が減少
すると予想
客数の増減に
影響なしと予想
全体
(n=1,020)
客数が増加
すると予想する
55.9%
居酒屋等
(n=479)
どちらとも
いえない
26.3%
15.9%
14.0%
61.3%
0.4%
1.6%
72.9%
カフェ・喫茶店
(n=160)
無回答
11.5%
0.6%
1.0%
18.8%
17.5%
0.0%
2.5%
レストラン
(n=381)
32.3%
44.9%
20.7%
1.8%
0.3%
売上金額への影響
売上が減少
すると予想
売上の増減に
影響がないと予想
全体
(n=1,020)
57.6%
居酒屋等
(n=479)
どちらとも
いえない
無回答
25.3%
14.8%
0.6%
1.7%
75.4%
11.9%
11.1%
0.4%
1.3%
カフェ・喫茶店
(n=160)
レストラン
(n=381)
売上が増加
すると予想
61.3%
22.5%
14.4%
0.0%
1.9%
33.9%
43.3%
2.1%
19.7%
1.0%
売上の減少に影響するもの
75%
50%
25%
0%
全体
(n=588)
居酒屋等
(n=361)
カフェ・喫茶店
(n=98)
レストラン
(n=129)
既存客の来店頻度が減る
62.1%
61.2%
63.3%
63.6%
既存客の大半が喫煙者だから
58.0%
67.3%
57.1%
32.6%
滞在時間が減少し、客単価が減少
34.0%
41.8%
10.2%
30.2%
周辺店舗との差別化が図れなくなる
12.6%
11.6%
11.2%
16.3%
その他
3.1%
2.2%
3.1%
5.4%
無回答
0.5%
0.6%
0.0%
0.8%
売上が減少すると回答した588名に対して、質問
本件に関するお問合せ:広報部
(Tel.03-3664-5697
Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected])
規制された場合に店内を禁煙にせざるを得ない理由【複数回答】
100%
75%
50%
25%
0%
全体
(n=364)
居酒屋等
(n=170)
カフェ・喫茶店
(n=50)
レストラン
(n=144)
喫煙室のスペースが確保できない
69.0%
75.3%
68.0%
61.8%
喫煙室の設備投資額を捻出できない
51.1%
50.6%
60.0%
48.6%
全面禁煙にしても影響はないと思ったから
16.8%
8.8%
16.0%
26.4%
賃貸の為、改装できない
9.9%
9.4%
14.0%
9.0%
テナント入居であり、改装許可が必要
4.9%
5.3%
12.0%
2.1%
その他
8.0%
8.2%
12.0%
6.3%
無回答
2.7%
2.9%
0.0%
3.5%
受動喫煙防止強化のための新法が制定された場合、喫煙環境を「店内・店外(玄関外やテラス席を含む)ともに
全面禁煙にする」または「店外(玄関外やテラス席を含む)の敷地内に灰皿を設置し、店内は禁煙する」と回答し
た364名を対象として、店内を禁煙にする理由を質問
売上金額に影響がある期間
1ヶ月以上∼
3ヶ月未満
全体
(n=605)
6ヶ月以上∼
1年未満
10.7%
18.8%
8.1%
6.8%
7.1%
6.5%
1年以上
見通しが
たたない
戻らない
無回答
11.6%
40.5%
3.5%
居酒屋等
(n=367)
10.6%
18.3%
10.4%
43.1%
4.1%
カフェ・喫茶店
(n=101)
1.0%
レストラン
(n=137)
3ヶ月以上∼
6ヶ月未満
7.9%
5.9%
25.7%
14.9%
41.6%
3.0%
14.6%
13.1%
8.0%
15.3%
12.4%
32.8%
3.6%
飲食店の全面禁煙化によって、減少または増加の影響を予想している605名を対象に、影響期間がどの程度あ
るかについて質問
受動喫煙防止のたたき台の法制化について
どちらかと
いうと賛成
賛成
全体
(n=1,020)
居酒屋等
(n=479)
カフェ・喫茶店
(n=160)
レストラン
(n=381)
21.7%
11.9%
どちらかと
いうと反対
22.6%
15.7%
26.9%
無回答
24.9%
28.6%
22.5%
31.8%
本件に関するお問合せ:広報部
反対
42.4%
25.6%
31.5%
(Tel.03-3664-5697
28.6%
1.5%
23.8%
19.9%
2.2%
13.4%
1.3%
3.4%
Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected])
<調査対象>
■市場調査
業態
:
「居酒屋、バー・スナック」
「カフェ・喫茶店」
「レストラン」
項目
:Ⅰ 外食産業の動向
1.外食産業の変遷
2.市場規模の推移
3.業態別の販売トレンド
4.上位企業の販売額推移
5.将来に与える外食産業の外的要因
Ⅱ 外食産業における受動喫煙に関する意識調査
Ⅲ 「受動喫煙防止強化についてのたたき台」が外食産業に与える影響
■アンケート調査(外食産業における喫煙に関する意識調査)
地域業態:電話帳で無作為抽出をした東京、愛知、大阪の「居酒屋、バー・スナック」
「カフェ・喫茶店」
「レス
トラン」1,020店のオーナー、店長など店舗運営の責任者
項目
:1. 回答者について
2. 店舗・喫煙環境について
3.「受動喫煙防止強化についてのたたき台」について
<調査方法>
アンケート調査と社内データベースを併用
<調査期間>
2017年1月∼2月
以上
資料タイトル:
「受動喫煙防止法案(たたき台)がもたらす外食産業の市場展望」
体
価
発
裁:A4判 73頁
格:書籍版 20,000円+税
行 所:株式会社 富士経済
〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町1番5号 PMO日本橋江戸通
TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165
URL:https://www.fuji-keizai.co.jp/
e-mail:[email protected]
調 査・編 集:東京マーケティング本部 第一部
TEL:03−3664−5821
FAX:03−3661−9514
この情報はホームページでもご覧いただけます。
本件に関するお問合せ:広報部
(Tel.03-3664-5697
URL: http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected]