研 修 医 声 - 新潟県医師会

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研
修
医 声
の
叱られることの大切さ
酒
井
愛
研修医1年目は、日々不安と緊張との闘いでし
1年目はただただ毎日必死で、誰かから叱られ
た。やることなすこと、出会う人々、全てが新し
ることにおびえていました。
く初めてのことで、
「右往左往」という四字熟語
しかし2年目になって少し余裕が出てくると、
がぴったり当てはまるような日々でした。
今まで叱られてきたことの大切さが身に染みてわ
1年生のときに特に苦手だったのは、内科系の
かるようになりました。
カンファレンスと救急外来でした。
研修医が終わったら、自分で自分の判断に責任
カンファの前は気もそぞろで、前日から自分な
を持たなければいけない。上級医の先生のせいに
りに準備をして臨むのですが、それでも答えに詰
できない。自分が抜けていたり、判断を誤ってい
まってしまう質問は数知れず。
「こんなことも知
ることを、きちんと見てくれて、叱ってくれる監
らないのか」
「よく国家試験に受かったな」など
督者が居てくださるということが、いかにありが
と言われ、本当にその通りだ・・・と落ち込みなが
たいことか。
ら、教科書を調べなおす日々でした。
今は叱られても、いちいちそれで落ち込んだり
救急外来では、戦火のごとく押し寄せる救急車
することはなくなり、冷静に自分の至らなかった
の患者さんに、まず何をしたらいいかもわからず
ところを改善するようになりました。残り半年の
立ち尽くし、看護師さんから「先生、
そこ突っ立っ
研修期間も、たくさん叱られて、そのたびに勉強
てないでどいて!」
「オーダーまだ入れてないの?!
しなおして、今後の医師人生の糧としていけるよ
早く指示してくれないと私たち動けないよ!」と
う、日々邁進していきたいと思っています。
言われ、あたふたしながら診察していたのを覚え
ています。
新潟県医師会報 H29.2 № 803
(長岡赤十字病院)