浜銀総合研究所 調査部 2017年3月1日 調 査 速 報 国内新車販売統計(2017年2月) 国内新車販売台数の季調値は2か月連続で減少。輸出 失速で在庫が増加。国内生産への減産圧力が強まる。 主任研究員 深尾 三四郎 045-225-2375 [email protected] 要 約 国内新車販売の減速続く。車検更新車両増加に伴う買替え需要の盛り上がりが一服。 1月は輸出失速で在庫が増加。生産は堅調に推移しているが、内外需の減退圧力高まり楽観は禁物。 1月中古乗用車輸出(季調値)も2か月連続の減少で厳しい市場環境が続く。 1.17 年2月国内新車販売台数は季節調整済年率換算値で前月比 1.7%減の 511 万台 3月1日発表の 2017 年2月の国内新車販売台数(登録車+軽自動車、貨物車含む)は前年同月比 7.4% 増と4か月連続の前年超えとなったが、季調済年率換算値(X-12-ARIMA にて当社試算、以下 SAAR)でみた2 月の販売台数は前月比 1.7%減の 511 万台と2か月連続で減少した(図表1) 。7か月連続で年率 500 万台 超えとなり水準は高いままであるが、車検更新車両の増加に伴う買い替え需要の盛り上がりが一服したと 推察する。年度末に向けて収益性を犠牲にした積極販売が強化されるリスクに要注意である。昨年 12 月ま で車検更新車両台数は増加の一途を辿ったが、2月以降トレンド転換する可能性がある(図表2) 。なお、過 去の SAAR 実績から試算した継続検査件数(車検)の理論値は本年1月がピークとなり、2月は減少基調に 転じたと推察する(図表3) 。足元で、国内新車販売は減少トレンドに入った可能性が高いと考えており、新 年度を迎える業界団体及び自動車メーカーがどのような市場見通しを出すかに要注目である。なお、16 年 4月~17 年2月までの SAAR 平均は 509 万台である。3月の販売が足元の需要レベルとなった場合、16 年 度国内新車販売台数は 509 万台になると予想され、日本自動車工業会見通しの 485 万台を上回る公算だ が、前述のように内需が減少基調に入った可能性があるため楽観すべきではない。 内訳をみると、2月の乗用車(登録車+軽)販売台数の SAAR は前月比 1.6%減の 429 万台となり(図表 4) 、このうち登録乗用車は同 4.0%減の 284 万台と2か月連続で減少した一方(図表5) 、軽乗用車の販 売台数(SAAR)は前月比 3.4%増の 144 万台(図表6)と増加した。貨物車(普通+小型トラック)販売 台数の2月の SAAR は前月比 0.9%増の 44.9 万台とほぼ前月並みとなった(図表7) 。 鉱工業指数をみると、1月の乗用車生 産は5か月ぶりに下落し、在庫は増加し た。在庫は健全な水準を維持している が、米国を中心とした海外での自動車需 要の減速懸念が払しょくできないこと 図表1 2月国内新車販売(SAAR)は2か月連続の減少 季調済、千台 7,000 新車販売台数(登録車+軽自動車、貨物車含む) 前年同月比、% 100 17年2月SAAR 511万台 80 前月比▲1.7% 60 6,500 6,000 5,500 40 や、車検更新車両が減少局面に入ること 5,000 20 で内需が減退する可能性があり、今後、乗 4,500 0 用車生産に対する下方圧力が高まるリス クには要警戒である。 中古乗用車の1月の輸出台数(SAAR) は前月比 1.1%減の 94 万台と2か月連続 の減少となった。輸出金額は前年比2 桁%の減少が 11 か月も続いており、厳し 4,000 -20 16年4月~17年2月SAAR平均 509万台 (15年度実績494万台) 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 3,500 3,000 -40 -60 前年同月比(右軸) 2,500 -80 . 2011年 12 13 14 15 16 17 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会より作成 い状況が続いている。 1 浜 銀 総 研 調 査 速 報 図表2 継続検査件数(車検)の増加基調が続く 百万台 30 図表3 車検更新車両の「理論値」は1月がピーク 車検更新期を迎える乗用車(軽含む)の推移 前年同月比、% 25 継続検査件数(車検)の推移 SAAR(t-60か月)、(右軸) 16,000 28 20 26 15 24 10 22 5 10,000 20 0 8,000 18 -5 16 -10 千台 SAAR(t-36か月)、(右軸) 千台 2016年12月 10,000 SAAR(t-84か月)、(右軸) 乗用車SAAR(t-36か月)+(t-60か月)+(t-84か月)、(左軸) 14,000 原数値年率換算 14 8,000 12,000 車検更新車両台数は 17年1月をピークに減速 特に初回(3年目)車検更新車両の増加が顕著 4,000 6,000 4,000 -15 2,000 SAAR(季節調整済年率換算値) 12 SAARの後方3か月移動平均値 6,000 -20 2,000 -25 0 YoY 10 . . 2010年 11 12 13 14 . 15 16 . 0 . 17 2011年 注1: 赤いマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARはX-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が算出。 出所: 国土交通省のデータを基に作成 乗用車新車販売台数(登録車+軽) 6,000 14 15 16 17 図表5 登録乗用車販売が減少 前年同月比、% 季調済、千台 17年2月SAAR 429万台 前月比▲1.6% 5,500 13 . 注1: 赤いマーカーは各年の1月実績値。 赤いマーカーは各年の1月実績値 注2: SAARはX-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が算出。 SAARはX-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が算出 出所: 日本自動車販売協会連合会のデータを基に作成 図表4 乗用車販売(SAAR)が2か月連続の減少 季調済、千台 6,500 12 . 120 4,500 100 4,000 80 5,000 登録乗用車新車販売台数 100 80 17年2月SAAR 284万台 前月比▲4.0% 3,500 60 前年同月比、% 60 40 4,500 40 3,000 4,000 20 2,500 20 3,500 0 2,000 0 3,000 -20 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 前年同月比(右軸) 2,500 2,000 -40 -60 1,500 -80 -20 1,500 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 前年同月比(右軸) 1,000 -40 -60 500 . . 2011年 12 13 14 15 16 12 13 14 15 16 17 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 日本自動車販売協会連合会より作成 17 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 日本自動車販売協会連合会及び全国軽自動車協会連合会より作成 図表6 軽乗用車販売は増加 軽乗用車販売台数 図表7 貨物車販売は大幅減となった前月並み 2,500 前年同月比、% 80 17年2月SAAR 144万台 前月比+3.4% 60 2,000 40 1,500 20 1,000 0 季調済、千台 3,000 季調済、千台 500 前年同月比、% 100 貨物車販売台数 450 80 400 60 350 300 40 17年2月SAAR 44.9万台 前月比+0.9% 250 500 0 -20 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 前年同月比(右軸) 200 -40 150 . 0 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) -20 -40 . 12 13 14 15 16 17 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 全国軽自動車協会連合会より作成 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 日本自動車販売協会連合会より作成 2 20 . 17 浜 銀 総 研 調 査 速 報 2.普通乗用車の「意図せざる在庫」が積み上がり始めている 鉱工業指数(速報値)を見ると、1月の乗用車生産は5か月ぶりの下落となった。減産幅以上に出荷が 減少したため、在庫水準は4か月ぶりに上昇した。実需に合った適切な生産活動が続いていたが、輸出が 失速(後述)したため、在庫が積み上がった。在庫循環図上では(注)、12 月に続き1月も乗用車生産は「意 図せざる在庫減局面」にあり、在庫は健全な水準を維持している(図表8) 。しかし、米国を中心とした海 外での自動車需要の減速懸念が払しょくできないことや、車検更新車両が減少局面に入ることで内需が減 退する可能性があり、今後、乗用車生産に対する下方圧力が高まるリスクには要警戒である。 図表9~11 では鉱工業指数から、普通、小型、軽乗用車別の各指数(生産、出荷、在庫)の推移と在庫 循環図を示している。1月の普通乗用車の在庫(季調値)は減少したが、生産活動は「在庫積み増し局面」 から「在庫積み上がり局面」に移行しており、在庫過剰感が生まれ始めている。米国向けを中心に輸出が 落ち込んでいることが、意図せざる在庫の増加に繋がっていると考える。 一方、1月の小型乗用車の在庫は増加したものの、生産活動は「在庫積み増し局面」が続いている。国 内外の需要減少リスクには引き続き要警戒だが、小型乗用車の在庫水準は健全で、前向きな在庫の積み増 しが続いている。 軽乗用車の在庫も増加したが、生産は「意図せざる在庫減局面」に止まっており、在庫水準は適正であ る。 (注)新モデルが発売されるタイミングで乗用車の出荷と在庫は大きく振れるため、各月の出荷・在庫(原数値)を3か月 後方移動平均で均してから前年同月比と比較し、それぞれ変化率を X-軸(出荷)と Y-軸(在庫)でプロットしている。 図表8 乗用車の良好な需給環境が続くが、在庫は増加 季調済、2010年平均 140 乗用車の在庫循環図 鉱工業指数の推移:乗用車 60 在庫積み上がり局面 在 庫 ( ( 40 120 3 か 月 後 方 移 動 平 均 -60 値 100 80 ) ) ・ 前 年 同 月 比 % 60 生産 出荷 在庫 2012 2013 2014 2015 2016 2010年 2011 注: 赤いマーカーは各年の1月実績。 出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成 . . 40 2017 20 在 庫 調 整 局 面 0 -40 -20 0 20 40 2009年1月 -20 -40 在 庫 積 み 増 60 し 局 面 直近月 (2017年1月) 意図せざる在庫減局面 -60 出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比% 注: 14年実績は□(黄色)、15年○(赤)、16年◇(緑)、17年□(青)でハイライト。 出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成 3 浜 銀 総 研 調 査 速 報 図表9 普通乗用車の生産は「在庫積み増し局面」から「在庫積み上がり局面」に移行 普通乗用車の在庫循環図 20 鉱工業指数の推移:普通乗用車 在庫積み上がり局面 季調済、2010年平均=100 120 ( 在 庫 2011年1月 3 か 月 後 方 在 移 庫 動 調 平 整 -20 均 局 値 100 80 ) ・ 前 年 同 月 比 % 60 生産 出荷 在庫 在 直近月 庫 (2017年1月) 積 0 面 2011 2012 2013 2014 2015 2016 意図せざる在庫減局面 . . 40 2010年 み 増 20 し 局 面 0 2017 -20 出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比% 注: 14年実績は□(黄色)、15年○(赤)、16年◇(緑)、17年□(青)でハイライト。 出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成 注: 赤いマーカーは各年の1月実績。 出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成 図表 10 小型乗用車は「在庫積み増し局面」が続く 小型乗用車の在庫循環図 鉱工業指数の推移:小型乗用車 100 季調済、2010年平均=100 200 在庫積み上がり局面 出荷 在 在 庫 庫 在庫 3 3 か か 月 月 後 後 方 方 移 移 動 動 平 平 均-100 均 値 値 ・・ 前 前 年 年 同 同 月 月 比 比 % % 160 140 120 ) ) 100 80 60 2016 在 庫 調 整 局 面 在 庫 積 み 増 し 局 面 0 0 100 意図せざる在庫減局面 . . 40 2011 2012 2013 2014 2015 2010年 注: 赤いマーカーは各年の1月実績。 出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成 直近月 (2017年1月) ( ( 生産 180 2017 -100 出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比% 注: 14年実績は□(黄色)、15年○(赤)、16年◇(緑)、17年□(青)でハイライト。 出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成 図表 11 軽乗用車も「意図せざる在庫減局面」が続き、在庫水準は健全 軽乗用車の在庫循環図 鉱工業指数の推移:軽乗用車 100 季調済、2010年平均=100 在庫積み上がり局面 400 在 庫 320 3 か 月 後 方 移 動 平 均-100 値 ( 360 280 240 生産 出荷 在庫 200 ) 160 ・ 前 年 同 月 比 % 120 80 2010年 2011 2012 2013 2014 2015 2016 . . 40 2017 50 在 庫 調 整 局 面 0 -50 0 50 在 庫 積 み 増 し 局 面 100 -50 直近月 (2017年1月) 意図せざる在庫減局面 注: 赤いマーカーは各年の1月実績。 出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成 -100 出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比% 注: 14年実績は□(黄色)、15年○(赤)、16年◇(緑)、17年□(青)でハイライト。 出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成 4 浜 銀 総 研 調 査 速 報 3.1月新車乗用車輸出(季調値)は失速 2月 24 日に公表された1月の乗用車輸出台数 (軽乗用車と中古車を除く) は前年同月比 15.3%減と 20 か 月ぶりの前年割れとなり、SAAR も前月比 19.5%減の 340 万台と3か月連続の減少で大きく失速した(図表 12) 。3か月後方移動平均値でみたトレンドも下向き始めた。中華圏での旧正月で休港日数の変動が一過性 要因として輸出の足かせとなった可能性も考えられるため、2月の実績と均してみる必要があるが、11 月 に始まった下落トレンドは無視できない。主要仕向地別でみると(図表 13) 、中東と豪州向け以外の主要 地域向け輸出が押し並べて大きく減少した。 日本にとって最大の輸出先である米国の新車販売台数(SAAR)は、1月に前月比 1.1%増の 1,805 万台 (当社試算)と増加した(図表 14) 。もっとも、3か月後方移動平均値でみたトレンドは頭打ちの状況で ある。メーカー各社による販売奨励金が高水準で推移していることから、足元の需要は脆弱性の高い需要 と言えよう。長らく拡大基調にあった米国新車市場は、今後、 「息切れ」する可能性が高い。同国向けの輸 出が今後切り上がって、輸出の大きな押し上げ要因になると期待するのは難しい状況と考える。 米国に次ぐ主要仕向け地である欧州でも需要に頭打ち感があり、1月の販売台数(SAAR)が前月比 1.3% 減少した(図表 15) 。16 年の欧州の新車販売は堅調であったが、主要市場である英国の新車販売において は、同国EU(欧州連合)離脱に伴う通貨安を起因とした自動車価格の値上げが逆風となるため、同地域 向けの輸出も今後更に上向いていくと予想するのは難しい。 最後に、中国の1月の乗用車小売台数は 11 か月ぶりに前年割れとなり、流通在庫は急増し一気に過剰な 状況に陥った(図表 16) 。乗用車販売台数(生産に近い工場出荷ベース)も、1月の SAAR は前月比 18.8% 減となり、3か月後方移動平均値で見るトレンドは減速感が強まっている(図表 17) 。16 年を通して中国 の内需は小型車減税を背景に堅調に推移したが、1月に減税幅が半分にされたことから、これまでに発生 した駆け込み需要の反動減及び実質増税が大きな逆風となっている。中国向けの輸出に関しても楽観でき る状況ではない。 上記のように、米国および欧州の新車市場の減速及び中国での内需減少懸念から、今後、日本からの自 動車輸出に対し下方圧力が高まる可能性がある点には引き続き要警戒である。 図表 12 1月乗用車輸出(SAAR)は失速 新車乗用車輸出台数:全国 季調済、千台 5,000 前年同月比、% 100 17年1月SAAR 340万台 前月比▲19.5% 4,500 80 4,000 60 3,500 40 3,000 20 2,500 0 2,000 -20 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 1,500 1,000 500 12年 399万 前年比+8.6% 13年 391万台 前年比▲1.9% 14年 372万台 前年比▲4.8% 15年 387万台 前年比+4.1% -40 -60 -80 16年 402万台 前年比+3.7% 0 . . -100 12 13 14 15 16 17 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 5 浜 銀 総 研 調 査 速 報 図表 13 中東と豪州以外の主要地域への輸出が減少 米国向け新車乗用車輸出台数 季調済、千台 2,000 1,500 1,000 500 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 12年 167万台 前年比+19% 13年 170万台 前年比+2% 14年 151万 前年比▲11% 17年1月SAAR 141万台 前月比▲24.5% 15年 158万台 前年比+4% EU圏(28か国)向け新車乗用車輸出台数 季調済、千台 800 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 前年同月比、% 80 60 700 40 600 40 20 500 20 0 400 0 -20 300 -20 -40 200 -40 -60 100 16年 171万台 前年比+8% 300 200 13年 41万台 前年比+13% 14年 43万台 前年比+5% 15年 50万台 前年比+15% 450 60 . 350 60 40 300 20 0 250 0 -20 200 -20 -40 150 -40 100 50 12年 36万台 前年比+19% 13年 33万台 前年比▲10% 14年 29万台 前年比▲10% 15年 31万台 前年比+4% -60 16年 31万台 前年比+1% 0 . -80 . . 12 13 14 15 16 17 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 ASEAN向け新車乗用車輸出台数 前年同月比、% 季調済、千台 前年同月比、% 80 120 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 17年1月SAAR 5.5万台 80 SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 60 300 100 SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 前月比▲11.4% 60 40 250 20 200 0 150 -20 17年1月SAAR 15万台 前月比▲25.1% 100 50 前年同月比、% 80 17年1月SAAR 39万台 前月比+33.3% 20 12 13 14 15 16 17 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 中国向け新車乗用車輸出台数 季調済、千台 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 400 SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 350 -80 0 . 400 -60 16年 35万台 前年比▲25% -60 16年 60万台 前年比+18% -80 . 前月比+20.0% 400 12年 36万台 前年比+26% 15年 51万台 前年比+12% 豪州向け新車乗用車輸出台数 季調済、千台 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 500 40 100 14年 45万台 前年比+23% 12 13 14 15 16 17 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 中東向け新車乗用車輸出台数 季調済、千台 前年同月比、% 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 17年1月SAAR 42万台 80 600 SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 13年 37万台 前年比▲7% . 12 13 14 15 16 17 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 500 12年 40万台 前年比▲24% 0 -80 . 0 SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 前年同月比、% 17年1月SAAR40万台 80 前月比▲37.6% 60 12年 17万台 前年比▲12% 13年 18万台 前年比+3% 14年 22万台 前年比+22% 15年 17万台 前年比▲21% 20 60 0 -20 40 -40 -60 20 16年 19万台 前年比+14% 0 . 40 80 . -40 12年 7.4万台 前年比×1.3 13年 5.2万台 前年比▲30% 14年 5.0万台 前年比▲5% 15年 5.7万台 前年比+16% -60 16年 7.0万台 前年比+22% -80 0 -80 . 12 13 14 15 16 17 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 12 13 14 15 16 17 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 6 浜 銀 総 研 . 調 査 速 報 図表 14 米国新車販売(SAAR)は 1800 万台レベルで高水準も減速リスク高い 季調済、百万台 19 前年同月比、% 40 米国新車販売台数 18 30 17 20 16 10 15 0 14 -10 17年1月SAAR 1,805万台 前月比+1.1% 13 12 -20 -30 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 11 10 -40 -50 9 -60 . 09 10 11 12 13 14 15 16 17 2007 08 年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: Autodata、Bloombergのデータより作成 図表 15 1月欧州新車販売(SAAR)は減少 EU27か国乗用車新車登録台数 季調済、百万台 前年同月比、% 16 30 14 20 12 10 10 0 17年1月SAAR 1,544万台 前月比▲1.3% 8 6 -10 -20 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 4 -30 . 2008年 09 10 11 12 13 14 15 16 . 17 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 欧州自動車工業会(ACEA)のデータより作成 図表 16 中国乗用車小売販売は失速:過剰在庫積み上がる VIA指数 中国:在庫早期警戒指数(VIA)と乗用車小売台数の推移 季調済、百万台 前年同月比、% 75 50 70 40 65 30 60 20 55 10 50 0 45 -10 40 30 28 26 24 22 20 18 16 14 12 10 8 6 -20 35 VIA:在庫早期警戒指数(左軸) -30 30 乗用車小売台数前年同月比(右軸) -40 25 -50 . . 2013年 14 15 16 図表 17 中国乗用車販売(出荷)も失速 . 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 2013年 1,793万台 前年比+16% . 17 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: 乗用車小売台数は微型バン(軽自動車バン)を除く。 注3: VIAは50を下回る場合がディーラーでの在庫水準が適正、50を上回る場合が在庫過多。 出所: 中国汽車流通協会(CADA)、全国乗用車市場信息連席会(CPCA)データより浜銀総合研究所作成 7 前年同月比、% 中国乗用車販売台数 2014年 1,970万台 前年比+10% 17年1月SAAR 2,185万台 前月比▲18.8% 2015年 2,111万台 前年比+7% 80 70 60 50 40 30 20 10 0 -10 -20 -30 -40 2016年 2,438万台 前年比+15% . 11 12 13 14 15 16 17 2010年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: 工場出荷ベース。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 中国汽車工業協会(CAAM)のデータより作成 浜 銀 総 研 . 調 査 速 報 4.1月中古乗用車輸出台数(SAAR)は前月比 1.1%減の 94 万台と2か月連続の減少 国内流通業者に注目されている中古乗用車の輸出市場に目を向けると、1月の中古車輸出台数は前年同 月比 5.2%減と3か月ぶりに前年割れし、 SAAR も前月比 1.1%減の 94 万台と2か月連続の減少となった。 3 か月後方移動平均値でみるトレンドは前年9月を底に上向いて推移し、長らく底の見えない状況が続いて いた中古車輸出台数に回復の兆しが出始めていたが、1月は再び減少基調に転じた(図表 18) 。1月の中 古乗用車の輸出金額は前年同月比 15.7%減と 11 か月連続の減少となり、中古車輸出市場を取り巻く環境 は引き続き厳しい状況が続いている(図表 19) 。 1月の中古乗用車輸出台数を仕向地別で見ると、バングラデシュ向けは大幅に増加したが、それ以外の 主要仕向け地向けでは押し並べて減少した(図表 20) 。輸出価格に目を向けると、全世界向け中古乗用車 の FOB 平均価格の低迷が続いている。台数ベースで最大の仕向け先であるアフリカ地域向け中古乗用車の FOB 平均価格は 1 月に若干上昇したが依然として低位にあり、収益性を犠牲にした激しい価格競争が収ま る様子は統計からは見受けられない(図表 21) 。 中古車流通業者の間で高成長市場として注目されてきたスリランカ向けの1月の輸出台数(SAAR)は、前 月比 78.5%増の 3.2 万台と急伸した 12 月から一転して1月は同 57.7%減の 1.4 万台と失速した(図表 22) 。とりわけ、同国固有で人気が高い軽乗用車の日本からの輸出台数は1月に大幅に減少した(図表 23) 。この1月の失速の背景には、2月に日本で新型軽乗用車の発売を控えていたことで、同モデルの調達 を狙った現地輸入業者が様子見のスタンスをとったということが挙げられる。2月以降の動きをみてか ら、スリランカ向けの輸出動向を判断したい。 最後に、スリランカと同様に高単価車両の輸出先であるシンガポール向けの1月の輸出台数(SAAR)は、前 月比 60.4%減の 0.4 万台と7か月連続の減少で「完全休戦」状態となっている(図表 24) 。同国では自動 車所有権証(COE: Certificate of Entitlement)の発行数が増加しており、自動車の買い替え需要が盛り 上がっていたが、マクロ景気の悪化が足かせとなり、減少トレンドが続いている。 図表 18 中古乗用車輸出台数(SAAR)は2か月連続の減少 中古乗用車輸出台数の推移 季調済、万台 140 120 前年同月比、% 80 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 17年1月 SAAR 94万台 前月比▲1.1% 60 100 40 80 20 60 0 40 -20 20 11年 70.0万台 前年比+4.1% 12年 83.1万台 前年比+18.7% 13年 94.8万台 14年 106.0万台 前年比+14.1% 前年比+11.8% 15年 102.2万台 前年比▲3.2% 16年 96.0万台 前年比▲6.0% 0 -40 -60 . 2011年 12 13 14 15 . 16 . 17 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 8 浜 銀 総 研 調 査 速 報 図表 19 輸出金額は 11 か月連続の前年割れ 中古乗用車輸出金額の推移 億円 図表20 バングラデシュ向け以外押し並べて減少 仕向地別中古乗用車輸出台数の推移 季調済、万台 ロシア(17年1月SAAR 3.5万台) ニュージーランド(10.6万台) 25 ミャンマー(8.4万台) アラブ首長国連邦(12.0万台) チリ(10.2万台) アフリカ南部・東部6か国(16.6万台) スリランカ(1.4万台) シンガポール(0.4万台) バングラデシュ(5.9万台) 20 前年同月比、% 800 80 輸出金額 前年同月比(右軸) 700 60 17年1月289億円 前年同月比▲15.7% 600 40 15 500 20 400 0 300 -20 200 10 5 -40 11年 3,529億円 前年比+2.2% 12年 3,933億円 前年比+11.4% 13年 4,959億円 前年比+26.1% 14年 6,013億円 前年比+21.2% 15年 6,614億円 前年比+10.0% 0 16年 5.294億円 前年比▲20.0% 100 . -60 . 2011年 12 13 14 . 15 16 仕向地別中古乗用車FOB平均価格の推移 13 14 . 15 . 16 17 注1: アフリカ南部3か国:南アフリカ、モザンビーク、ザンビア、東部3か国:ケニア、タンザニア、ウガンダ。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 17 図表 22 スリランカ向けは1月に失速 図表 21 中古輸出乗用車の市況低迷続く 千円 12 2011年 . 季調済、千台 80 千円 800 800 700 700 70 600 600 60 500 500 50 400 400 300 300 200 200 スリランカ向け中古乗用車輸出台数とFOB平均価格の推移 千円/台 3,000 17年1月 SAAR 1.4万台 前月比▲57.7% FOB平均価格(右軸) 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 2,500 2,000 12年 0.7万台 前年比▲74.1% 40 1,500 30 100 0 ロシア アラブ首長国連邦 全世界 ニュージーランド チリ ミャンマー アフリカ南部・東部6か国 12 100 10 0 . 2011年 13 14 . 15 16 . 17 5,000 4,000 3,000 13年 1.7万台 14年 3.2万台 15年 5.2万台 16年 2.1万台 前年比×1.4% 前年比+90.5% 前年比+62.1% 前年比▲60.1% 0 . 12 2011年 13 14 15 . 16 . 17 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 図表 23 スリランカ向け中古軽乗用車輸出が大幅減 台 500 11年 2.7万台 前年比+20.3% 0 注1: アフリカ南部3か国:南アフリカ、モザンビーク、ザンビア、東部3か国:ケニア、タンザニア、ウガンダ。 注2: FOB平均価格は輸出金額を輸出数量で除した。 出所: 財務省「貿易統計」より浜銀総合研究所が作成 6,000 1,000 20 図表 24 シンガポール向け輸出は完全休戦状態 シンガポール向け中古乗用車輸出台数とFOB平均価格の推移 中古軽乗用車輸出台数とスリランカ向けFOB平均単価の推移 万円 140 季調済、千台 その他地域向け輸出台数(左軸) スリランカ向け輸出台数(左軸) スリランカ向けFOB平均単価(右軸) 80 120 70 FOB平均価格(右軸) 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 100 60 スリランカ中古軽乗用車 輸出台数 2016年累計 5,388台 FOB平均価格 98万円 80 60 3,500 17年1月 SAAR 0.4万台 前月比▲60.4% 3,000 2,500 50 40 2,000 16年 21,306台 前年比+43.1 15年 14,885台 前年比4.2倍 30 2,000 千円/台 4,000 1,500 40 20 1,000 過去最高 15年7月 2,185台 20 . 2012 13 14 15 16 13年 1,186台 前年比+19.1% 1,000 14年 2,857台 前年比1.4倍 500 10 0 0 11年 1,403台 12年 996台 前年比▲1.1% 前年比▲29.0% 0 0 . . 17 2011年 注1: スリランカ向けFOB平均単価が計算できない月は輸出台数が0台であった。 出所: 財務省「貿易統計」を基に浜銀総合研究所が作成 12 13 14 15 . 16 . 17 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 本レポートの目的は情報の提供であり、売買の勧誘ではありません。本レポートに記載されている情報は、浜銀総合研究 所・調査部が信頼できると考える情報源に基づいたものですが、その正確性、完全性を保証するものではありません。 9 浜 銀 総 研
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