2017 年第 2 号 (2017.3.3) * 「今シニア」「新シニア」の暮らしとライフスタイル ~日経新シニアライフデザイン研究会、JTB 総合研究所共同調査~ 協力:株式会社デンソー,株式会社富士通総研 経済研究所,クリナップ株式会社 おいしい暮らし研究所,大和ハウス工業株式会社 ◆◆ 要約 ◆◆ 【年代別にみる現在の生活や暮らし】 現在の生活には若い世代より余裕が感じられるが、景気の見通しには悲観的。将来の不安のトップは健康 近隣の人との関わりは「顔を合わせた時に挨拶する程度」がシニアでも過半数(全体 57.0%、60 歳以上 52.4%)。 70 代女性は「サークルや趣味の活動」、男性は「清掃活動やボランティア活動」での関わりが大きい。 全年代の 7 割以上は幸せを感じる。60 歳以上は「幸せ」が多い傾向。最も幸せ度が低いのは 50 代 【みんなが考えるセカンドライフ(老後)とは】 セカンドライフの開始は「65 歳から」と考える人が最多。次に多いのは「60 歳から」 今シニアの理想のセカンドライフは「経済的な余裕」 「時間に追われずゆったりすごす」 「話し相手がいる」 自宅や土地を所有せずに「借りて済ませてもよい」は若い世代に多い。自宅(49 歳以下 44.7%、50~64 歳 29.7%、65 歳以上 22.0%)、土地(49 歳以下 25.2%、50~64 歳 21.0%、65 歳以上 16.0%) 新シニア女性は「一人暮らしを覚悟」。今シニア女性は「自立して一人で暮らしたい」と現実的な課題に。 (プロフィールより、70 代一人暮らし割合は男性 8.8%、女性 20.4%) 女性は日常は一人で、非日常(旅)は誰かと。男性は日常は誰かと、非日常は一人で。 【今シニアからみる“幸せシニア”のポイントと“働く”ことの重要性】 “幸せシニア”を下支えすることは「医食住(健康や暮らし) ・行(移動や旅行、学び) ・働(仕事・役割)」 経済と健康をベースに「人や地域との交わり」「学びの機会」「社会への役割意識」 「仕事をしたくない」今シニアは 11.0%。定年退職後も働きたい人が多い。経済的な基盤と社会との接 点や役割意識を持つための“働”が重要に 【セカンドライフにおける「旅のチカラ」】 旅行するだけではなく、サービス提供側としてのシニアの可能性に注目。宿泊場所やガイド、料理作りな ど、時間や知識のシェアサービスも、 “働”の選択肢の一つに。 普段のお出かけがおっくうにならないための日々の「きっかけ」づくりは旅行寿命の延長に大切。 セカンドライフの理想の旅行は今シニアと新シニアでは違うことに注意。新シニアは同じ時間をかける旅 でも「趣味を深める」「暮らすように楽しむ」ことを思い描きながら、今を過ごす *「今シニア」:完全退職が広がる 65 歳以上の現役シニア 「新シニア」:シニアへの準備段階である 50~64 歳(日経新シニアライフデザイン研究会では 40~49 歳も含む) ~1~ 【はじめに】 日経新シニアライフデザイン研究会は 2014 年以来、業種業態を超えた企業の参加を得て、これからの社会の さまざまな課題を掘り下げ、新たなビジネスチャンスの開発を目指してきました。今回、シニアの暮らしの意識 とライフスタイルを調査することで、あらためて今のシニアを捉え直し、マーケティング活動やビジネス開発に 役立て、これからの社会の姿をイメージするための一助としたいと考えました。 今回の調査には、日経新シニアライフデザイン研究会、JTB 総合研究所の他に、同研究会のメンバー企業の 中から、大和ハウス工業株式会社、株式会社デンソー、クリナップ株式会社、株式会社富士通総研に参画いただ き、それぞれの分野の専門的な知見を反映させることができました。 セカンドライフの始まりは 65 歳から:今からちょうど 60 年前の 1956 年(昭和 31 年)に 65 歳以上が高齢者 と定義されました。その時の平均寿命が 65 歳。この 60 年はすなわち未経験の人生を生きることが大きな課題 であったことがわかります。60 年間で多くのことが変わりました。今の 65 歳は 60 年前とはまったく違います。 セカンドライフの入り口に立ち、残りの 20 年なり 30 年なりをどのように生きるかを問われています。今回の 調査からそのあたりの意識がある程度抽出できたのではないかと考えます。 調査からわかってきたことは、 “今シニア”はこれから 20 年、30 年と生きることを念頭に、今後の経済見通 しを厳しく持ち、節約するところは節約するが、これはというものには支出も厭わない、人生を楽しむというこ とも考えている、守るべきところはしっかり守り、攻めるときはチャンスを逃さない、理想的なサッカーの試合 運びを思わせるような「しっかりシニア」であるということです。また、今シニアの予備軍である 50 代は逆に 多くの課題や不安に直面する悩み多き世代であることも浮き彫りになりました。 「新シニア」は 40 歳からを指しています。悩み多き 50 代を踏まえて 60 歳、65 歳で本格的なセカンドライフ を送るためにも、40 代から滑走路を設けて準備することが必要だとの考えから生まれたコンセプトです。 ・ キーワードは医食住(健康や暮らし)・行(移動や旅行、学び)・働(仕事・役割):その中でも、働き方改革 元年と呼ばれる今年に時をあわせ、「働」というキーワードが見えてきました。長く生きるために、経済的な要 素は避けて通れませんし、生きる目的として多様な意味で「働」を考える人が多くなってきているのがわかりま す。 団塊の世代がまさに 70 代に入っていく今年、企業にとっても今までのマーケティング、今までのやり方は大き く変わらなければなりません。課題にしっかり向き合うことで、あらたなビジネスチャンスを掴むために、本調 査の結果が役立てば幸いです。 (日経新シニアライフデザイン研究会) ~2~ ・ 【シニアの医食住(健康や暮らし)・行(移動や旅行、学び)・働(仕事・役割)】 1. プロフィール (図1)世帯年収(性年代別) (単一回答) ては図の通りです。世帯年収は、60 ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 世帯年収(性年代別) ~400万未満 200万未満 0% 全体(8066) 10% ~600万未満 20% 9.2 男性 18~29歳(311) 30% 7.3 男性 40代(626) 7.5 男性 50代(948) 7.9 男性 60代(1084) 40% 50% 60% 21.9 19.3 7.7 女性 60代(824) 13.2 女性 70代(1095) 14.0 11.3 10.5 6.3 7.6 35.4 6.1 17.8 29.6 36.2 6.6 14.7 24.9 40.4 5.4 11.5 18.5 を持っていると考えられます。就業 5.9 6.4 2.5 15.6 25.0 得、パートタイム勤務、自営業など) 17.2 31.8 26.8 財テク、アパート経営などの不労所 8.6 10.4 7.7 12.7 29.3 21.2 9.3 7.3 18.2 8.4 26.5 8.8 状況については、60 代男性の 6 割以 上はパート・アルバイトなども含め、 13.2 11.0 万円未満、残りの半数は 400 万円以 上で、年金以外の収入源(株などの 9.3 5.1 10.7 24.6 35.7 100% 9.5 12.9 15.2 32.9 31.2 7.4 90% 22.5 43.2 女性 50代(975) 80% 35.9 15.4 1000万円以上 14.2 28.3 15.9 女性 40代(287) 70% 26.7 25.7 6.4 代~70 代の男女の約半数が年収 400 ~1000万未満 26.8 20.6 4.8 女性 18~29歳(157) 女性 30代(314) ~800万未満 36.0 10.6 男性 70代(1130) *わからない、無回答除く 30.9 10.0 男性 30代(315) シニアの年収や働き方などについ 何らかの形で働いていますが、70 6.3 4.8 5.6 代になると 2 割程度まで下がります。 (図2)職業(性年代別) (単一回答) は約 3 割、70 代では 1 割強でした。 ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 職業(性年代別) 公務員・会社員 0% 自営業・自由業 10% 全体(10000) 20% 30% 40% 8.7 男性 30代(381) 学生 60% 4.8 2.5 11.2 専業主婦(主夫) 70% 80% 2.7 10.5 14.9 71.0 14.8 5.1 10.3 女性 29歳以下(308) 14.0 26.0 女性 30代(446) 女性 40代(396) 6.0 6.0 16.9 2.6 22.4 25.5 13.7 40.1 3.4 2.5 2.8 40.2 3.4 10.7 61.1 女性 70代(1250) 1.13.6 5.1 3.6 69.2 ど公的なデータとも同じような傾 向が見られました(図 1~3) 。 17.4 (図3)世帯形態(性年代別) (単一回答) 現在の住まいについては、男女 共に 60 歳以上で 80%強が「持ち家」 世帯形態(性年代別) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 ト調査ではありますが、国勢調査な 4.5 36.6 4.0 27.8 6.8 5.2 25.0 3.40.4 18.2 4.8 18.3 女性の 70 代は 20.4%と 5 人に 1 人 64.3 2.7 26.3 女性 50代(1250) り世帯は全体の 15.0%でした。特に はひとり世帯でした。インターネッ 37.8 4.9 0.3 1.9 30.7 7.4 3.1 7.9 0.3 3.3 4.0 4.2 3.1 3.2 0.3 6.4 15.9 34.4 5.9 ーのみの 34.0%が続きました。ひと 18.9 6.0 42.6%と最も多く、夫婦・パートナ 100% 0.2 10.4 28.9 73.5 男性 60代(1250) 無職 90% 24.3 13.4 71.7 男性 50代(1100) 女性 60代(1050) その他 50% 3.1 41.3 男性 40代(731) 男性 70代(1250) 世帯形態は、全体では 2 世代が パート・アルバイト 29.7 男性 29歳以下(588) 一方、女性の 60 代で働いている人 と回答しており、生活の基盤となる ひとり 夫婦・パートナーのみ 0% 全体(10000) 10% 17.8 男性 40代(731) 19.2 男性 50代(1100) 男性 70代(1250) 女性 30代(446) 60% 70% 80% 19.6 52.7 4.9 3.1 8.0 33.8 11.0 9.6 10.3 7.6 2.5 50.7 46.5 6.8 5.4 2.2 59.6 28.7 20.4 7.8 59.2 20.7 13.2 1.82.5 25.6 49.7 22.2 3.5 4.6 2.9 61.4 19.5 5.8 6.6 2.6 58.7 8.8 100% 7.1 64.8 14.1 45.2 16.2 90% 4.9 3.6 50.2 8.1 13.5 女性 40代(396) 女性 70代(1250) 50% 42.6 7.7 16.2 女性 50代(1250) 女性 60代(1050) 40% その他 3世代 34.0 29.3 男性 30代(381) 女性 29歳以下(308) 30% 15.0 男性 29歳以下(588) 男性 60代(1250) 20% 2世代 6.6 3.6 33.8 46.4 26.1 ~3~ 2.6 3.9 2.6 4.5 住まいを有する割合は高いようで す(図 4)。 (図4)現在の住まい(性年代別) (単一回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 現在の住まい(性年代別) 持ち家・一戸建て 0% 10% 持ち家・マンション 20% 30% 全体(10000) 男性 29歳以下(588) 0.4 2.9 18.1 15.4 4.2 10.0 2.3 0.3 3.2 13.5 17.4 0.6 2.9 6.5 4.32.0 19.2 8.5 1.12.9 48.2 女性 50代(1250) 7.5 19.5 42.6 女性 40代(396) 8.3 2.7 14.4 70.7 4.51.32.6 100% 14.7 0.34.8 66.4 37.0 10.2 15.5 15.3 56.3 90% 23.1 12.3 0.34.2 男性 70代(1250) 80% 16.2 52.9 男性 50代(1100) 賃貸・一戸建て 70% 17.2 48.8 男性 60代(1250) 2. 60% 8.0 1.24.1 男性 40代(731) 女性 30代(446) 50% 58.3 40.0 男性 30代(381) 女性 29歳以下(308) 持ち家・アパート 40% 6.8 1.8 0.2 1.64.61.9 1.4 28.9 18.2 1.04.0 57.1 6.5 22.9 17.4 20.8 0.2 2.2 3.8 11.4 9.5 2.5 7.8 2.2 女性 60代(1050) 64.2 21.0 0.3 3.0 6.5 3.21.7 女性 70代(1250) 64.1 21.0 0.2 2.0 6.5 3.23.0 年代別にみる現在の生活や暮らし ●現在の生活には若い世代と比べ余裕が感じられるが、景気の見通しには悲観的。将来の不安のトップは健康 まず、景気や生活の状況についての意識をみてみます。全体では「節約するが買いたいものは買う(50.7%)」 「貯蓄を増やしたい(42.1%)」 「生活に余裕がない(31.6%)」が高くなりましたが、60 代女性、70 代男女では 「節約するが買いたいものは買っている」が全体より高いとともに、「生活に余裕がない」は全体より低い傾向 となり、現在は比較的余裕のある生活を送っている人が多そうです。ただし、 「景気の見通しが悪くなった」 「株 や資産価値の上昇は期待できない」「海外の景気悪化が日本経済に及ぼす影響が心配」などは男女共に年齢が高 くなるにつれて上昇する傾向でした。また、 「自分の健康」が将来の不安のトップ(全体 75.3%)となり、60 代、 70 代では 8 割以上が自分の健康についての不安を抱えていました。60 代男性と 50 代女性は年金への不安も高く、 今後の生活や暮らしについては決して楽観的というわけではなさそうです(図 5、6)。 (図5)現在の景気や為替、生活の状況についての意識 ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 90% (複数回答) 現在の景気や為替、生活の状況についての意識 男性 18~29歳(95) 男性 30代(103) 男性 40代(103) 男性 50代(309) 男性 60代(309) 男性 70代(309) 女性 18~29歳(96) 女性 30代(103) 女性 40代(103) 女性 50代(309) 女性 60代(309) 女性 70代(309) 全体(2472) 60% 50.7 42.1 31.6 26.5 30% 19.4 19.3 17.7 海外 の景気 悪化が 日本経済に及ぼす 影響が心配 もっと円安にな るべ き ~4~ 株や資産 価値 の上昇 は 期待 できない 給料やボーナスの上 昇は 期待できない 景気 の見通しが 悪くなった 生活に余裕がない 貯金を増やしたい 節約す るが、 買いたいも のは買う 0% 25.4 (図6)将来の不安 (複数回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 将来の不安 90% 75.3 男性 18~29歳(95) 男性 30代(103) 男性 40代(103) 男性 50代(309) 男性 60代(309) 男性 70代(309) 女性 18~29歳(96) 女性 30代(103) 女性 40代(103) 女性 50代(309) 女性 60代(309) 女性 70代(309) 全体(2472) 61.0 60% 43.9 42.8 30% 20.4 19.2 16.3 14.2 12.2 11.2 10.2 子供 の教育 や将来 相続 家族や友 人と の 人間関係 家 のメンテナンスなど 自宅や実家の 維持管 理、売 却 自 分の終 活と 死後 親 の介護 仕事 年金 家計など経済状 況 家族 の健康 自 分の健康 0% 21.6 ●近隣の人との関わりは「顔を合わせた時に挨拶する程度」がシニアでも過半数(全体 57.0%、60 歳以上 52.4%) 男性 70 代、女性 60 代、70 代で地域との繋がりが高くなる 70 代女性は「サークルや趣味の活動」、男性は「清掃活動やボランティア活動」での関わりが大きい 続いて、地域との繋がりや普段の活動についてみていきます。近隣や地元の人との関わりについては、「顔を 合わせた時に挨拶する程度」は全体では 57.0%、60 代、70 代でも約半数ありました。70 代男性、60 代、70 代 女性では「近隣の居住者とお土産やおすそ分けのやり取り」が最も高くなりました。60 代の男性はまだ仕事を している人も多いことから、男性は 70 代から、女性は 60 代から、地域との繋がりが強まる傾向があるようです。 また、男女の違いを見てみると、70 代女性は「電話やメールなどでやり取り」 「サークルや趣味の会などに参加」 の割合が高く、70 代男性よりコミュニケーション中心の繋がりが強い傾向が見られました。一方「地元の清掃 活動やボランティア活動などに参加」は 70 代男性の割合が 70 代女性を上回りました。男性にとって黙々と作業 をすることのできる活動の方が、敷居が低いのかもしれません。 普段行っている活動の上位は全体では、 「お出かけを兼ねたショッピング(80.5%)」「友人との飲み会や食事 (75.9%)」 「国内宿泊観光旅行(75.6%)」「日帰り観光旅行(71.1%)」 。65 歳以上の男女で共に全体より高く なったのは、 「散歩や軽い運動」「園芸やペットの世話」「趣味のサークルや集まり」などでした(図 7、8)。 (図7)近隣や地元の人との関わり(性年代別) 普段の地域との関わり ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 80% 70% (複数回答) 男性 18~29歳(95) 男性 30代(103) 男性 40代(103) 男性 50代(309) 男性 60代(309) 男性 70代(309) 女性 18~29歳(96) 女性 30代(103) 女性 40代(103) 女性 50代(309) 女性 60代(309) 女性 70代(309) 全体(2472) 57.0 60% 50% 32.4 40% 23.1 30% 18.0 16.3 15.6 8.3 14.0 5.3 でつながっている SNS 10% ~5~ 地 元のサークルや趣味 の会などに参加 町内会や PTA の役員 ・ 委員として活動 電話やメー ルなどで やり取り 地 元の清掃活動やボ ラン ティア活動などに参加 散歩などで定期的に 合う人たちと雑談 近隣 の居住 者とお土産や おすそ分けのやり取り 近隣 の居住者と顔を 合 わせた時に挨拶 0% 関わりなし 8.1 地 元で働いており、 関わりがある 20% (図8)普段行っている活動(性年代別) 普段、行っている活動 ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 男性 18~29歳(588) 男性 70代(1250) 女性 60代(1050) (複数回答) 男性 30代(381) 女性 18~29歳(308) 女性 70代(1250) 男性 40代(731) 女性 30代(446) 全体(10000) 男性 50代(1100) 女性 40代(396) 男性 60代(1250) 女性 50代(1250) 100% 90% 80.5 75.9 72.9 75.6 68.3 80% 71.1 70% 59.3 60% 55.5 41.3 47.4 50% 40.8 38.4 28.3 40% 30% 20% 10% ボ ランティア 趣味 のサークルや 集まり 海 外旅 行 ( 観光) 子供や孫 の世話 園芸やペットの 世話など コンサートや音楽会 の鑑賞 美術館や博物館 めぐり 理容や美容 の ためのこと 日帰り旅 行 ( 観光) 散歩や体操など 軽い運動 国内 の宿泊旅 行 ( 観光) 友 人との飲み会や 食事など お出かけを兼ねた ショッピング 0% ●シニアが健康と感じるのは「お腹が空いた時」。規則正しく、バランスの取れた食事を心がける 将来の不安のトップにあげられた「健康」についての意識はどうでしょうか。健康と感じる時については、全 体では「朝の目覚めがスッキリしていたとき」が 51.5%で最も高くなりましたが、70 代の男女では、 「食欲があ りお腹が空いたと感じたとき」や「旅行や外出したい気分になったとき」などが高くなりました。普段の食事に ついても、60 代男女、70 代男女は「野菜を多くとる」「3食、規則正しく食べる」「遅い時間には食事をとらな い」 「塩分を控える」などが高く、若い世代に比べて食事にはとても気を使っている様子が伺えます(図 9、10) 。 (図9)健康と感じるとき(性年代別) (複数回答) 健康と感じるとき ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 男性 18~29歳(95) 男性 30代(103) 男性 40代(103) 男性 50代(309) 男性 60代(309) 男性 70代(309) 女性 18~29歳(96) 女性 30代(103) 女性 40代(103) 女性 50代(309) 女性 60代(309) 女性 70代(309) 全体(2472) 70% 60% 51.5 50.6 49.2 42.8 50% 38.1 33.8 40% 29.2 24.7 30% 13.3 20% 0.6 9.8 10% 意識しない その他 お酒を飲みたい 気 分にな ったとき ~6~ 新しいことにチャレンジ したくなったとき 家族や友人と楽しく 会話ができたとき 薬に頼らず 生活 でき ているとき 旅 行や外出したい 気分にな ったとき お通じがあ り、 すっきりしたとき 運動など で、 すっきりしたとき 食欲があ り、お腹が すいたと感じたとき 朝 の目覚 めがす っきり していたとき 0% (図 10)普段の食事で気をつけていること(性年代別) 普段の食事で気を付けていること ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 男性 18~29歳(95) 男性 70代(309) 女性 60代(309) (複数回答) 男性 30代(103) 女性 18~29歳(96) 女性 70代(309) 男性 40代(103) 女性 30代(103) 全体(2472) 男性 50代(309) 女性 40代(103) 男性 60代(309) 女性 50代(309) 90% 80% 70% 64.6 54.4 60% 45.3 38.6 50% 35.2 40% 26.0 20.6 25.0 30% 22.7 22.1 19.3 12.1 20% 7.2 10% プリン体を控える 自然なも のをとる カルシウムや鉄 分など を取る 健康食 品やサプリメン トをとる 外食を控える 糖 質を控える 過度 の飲 酒を控える カロリーを抑える 腹 八分 目を心がける 塩 分を控える 夜 遅い時 間には食事 をとらない 日 1 食3、規 則 正しく 食べる 3. 野菜を多くとる 0% 全年代の 7 割以上は幸せを感じる。60 歳以上は「幸せ」が多い傾向。最も幸せ度が低いのは 50 代 現在の暮らしについて幸せかどうかを回答してもらった結果を見ると、幸せと感じている人(「幸せ」と「や や幸せ」の合算)は全体で 71.6%、全体的に男性より女性の方が「幸せ」と感じている人の割合が高くなりま した。若い世代から中年に差し掛かるにしたがって「幸せ」と感じる割合が下がり、男女共に 50 代の幸せ度が 低いのが注目されます。仕事の忙しさや、役職定年など今後の進路への不安、また、子供の教育費や結婚費用が かさんだり、親の介護に自身の身体の不調などを感じ始めたりと、精神、肉体的にも経済的にも大変な時期なの かもしれません。60 代、70 代になるにつれ、「幸せ」と感じる割合は上昇し、男性 70 代は男性全年代の中で最 も高く、女性 70 代は 40 代に次いで 2 番目に高くなります(図 11)。 (図 11)現在の幸せ度(性年代別) (単一回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 現在の幸せ度(性年代別) 幸せ 0% 全体(2472) 男性 18~29歳(95) 男性 30代(103) 男性 40代(103) 男性 50代(309) 男性 60代(309) 男性 70代(309) 女性 18~29歳(96) 女性 30代(103) 女性 40代(103) 女性 50代(309) 女性 60代(309) 女性 70代(309) 10% やや幸せ どちらでもない 20% 40% 30% 23.4 9.5 50% 19.4 9.5 9.7 8.1 53.4 30.4 18.4 54.7 19.8 21.4 42.7 49.2 48.9 3.6 1.9 1.9 0.3 4.2 1.0 4.9 5.8 16.5 7.8 18.4 50.5 1.0 3.9 16.2 45.8 40.8 32.0 25.2 3.9 5.8 28.5 29.2 2.2 7.4 34.0 26.9 23.0 100% 5.2 27.2 45.3 27.2 90% 35.8 39.8 22.7 不幸せ 80% 21.0 41.7 14.2 70% 48.2 37.9 17.5 やや不幸せ 60% 1.0 6.8 2.6 18.1 16.8 ~7~ 4.2 1.9 3.6 0.3 【セカンドライフ(老後)とは? みんなが考えるセカンドライフの姿と理想のくらし】 4. セカンドライフの開始は「65 歳から」と考える人が最多。次に多いのは「60 歳から」 セカンドライフ(老後)と一口に言っても、人それぞれ人生設計の考え方には違いがあり、一概に〇〇歳以降 とは言い切れません。多くの人が考える「セカンドライフ(老後)」とは、いつごろのことを指すのか、聞いて みました。その結果、全体では 35.7%の回答者が「セカンドライフの始まりは“65 歳から”」としました。 次に多かったのは、60 歳の 29.0%でした。 (図 12)セカンドライフの開始年齢 回答が多く、70 代になると、70 歳という回答も多く ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 セカンドライフの始まりと考える年齢(年代別) 20代 30代 年代別にみると、40 代までの若い層は 60 歳という (自由回答) 40代 50代 60代 なりましたが、総じて完全リタイヤを迎える 65 歳を 全体 70代 セカンドライフ(老後)の始まりと考える人が多いよ 50% 40% うです(図 12)。 35.7% 29.0% 30% 17.6% 20% 10% 4.0% 5.1% 1.5% 2.8% 0% 50歳 5. 55歳 60歳 65歳 70歳 75歳 80歳 今シニアの理想のセカンドライフは「経済的な余裕」「時間に追われずゆったりすごす」「話相手がいる」 次に理想とするセカンドライフについて、最も多くの人がセカンドライフ開始と考えている「65 歳以上」と、 セカンドライフの準備期間となる「50~64 歳」、それ以前の「49 歳以下」と、回答者を 3 つの年代に分け、それ ぞれの考え方を比較しました。結果は全年代で「経済的な余裕がある(77.3%)」 「時間に追われずゆったり過ご す(60.9%) 」「多彩な趣味を楽しんでいる(59.7%)」が上位となりました。 しかしながら、経済的な余裕を前提とすれば、すでにセカンドライフを送っている 65 歳以上で特徴的に高い 項目は「時間に追われずゆったりすごす(65.6%、全体 60.9%) 」 「話し相手がいる(64.6%、全体 58.6%)」が 重要なことがわかります。他に、年齢を重ねるほど高くなる項目としては、 「いつまでも若々しく見られる(47.3%、 全体 44.0%) 、「交友関係が広い(36.3%、全体 30.3%)」「世の中に貢献できる自分の役割がある(32.6%、全 体 27.9%)」 「地域活動を行っている(27.2%、全体 21.1%) 」でした。シニアにとって、人や地域とのつながり や役割意識などが理想のセカンドライフに重要であることが伺えます(図 13)。 (図 13)理想とするセカンドライフ(年代別) (複数回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 理想とするセカンドライフ(年代別) 90% 18~49歳(618) 77.3 60.9 59.7 50~64歳(930) 全体(2472) 65~79歳(924) 58.6 52.8 60% 47.8 44.0 30.3 27.9 22.4 30% 21.1 17.2 9.9 18.4 27.2 21.4 7.8 地域活動を おこなっている 子や孫、兄弟姉妹 と近居や同居 自給自 足を している ~8~ 0.81.3 その他 32.6 生涯現役 で 働いている 36.3 世 の中に貢献 できる 自分 の役割がある 47.3 交友関係が広い 48.2 いつま でも若 々しく みられる 多彩な趣味を 楽しんでいる 52.9 旅行や長期滞在を 楽しんでいる 時 間に追われず ゆったり過ごす 64.6 家族に囲まれ て いる 58.8 話し相手がいる 65.6 経済的な 余裕がある 0% 78.0 続いて、 「生きがい」をみると、全体では、 「家族の役に立つこと(41.5%)」 「健康を向上させること(40.1%)」 「初めての場所で新しい風景や地域の文化・暮らしに触れること(35.7%)」などが高くなりました。65 歳以上 では、「健康を向上させること(55.2%、全体 40.1%)」が最も高くなりました。様々な調査でシニアが望むこ ととして、常に旅行やお出かけに関することは上位に上がりますが、「健康」はそういった、自分がしたいこと を実現するための基盤として大変重要であることがわかります(図 14) 。 (図 14)生きがい (複数回答) 生きがい(年代別) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 18~49歳(618) 50~64歳(930) 全体(2472) 65~79歳(924) 60% 41.5 40.1 35.7 35.5 26.6 30% 26.3 24.9 21.2 17.7 16.6 16.3 11.4 9.1 8.6 34.1 31.8 20.0 28.2 20.0 20.7 8.0 10.2 14.5 8.7 7.3 5.1 8.5 8.7 初 めての場所で新しい 風景や地域 の文化… 自 分の夢や目標を 実 現す ること 他者とのコミュニケー ションを楽しむ こと 周囲 の人に自分の存在を 認めてもらうこと 新たな分野を学 んだり、 発見したりす ること 過去に体験した ことのない 新たな体験をす ること ペットや植物など の 世話を楽しむ こと 努 力をしてお金を 稼ぐこと 新しい技 術 ・ 技能を 身につけること 若い世代 の成長を サポートする こと 同性から評判が良いこと 他者に比べて勝 てる も のがあ ること 異性からも てる こと 周囲の調整役として 貢献す ること 地域を盛り上げ る こと 4.1 4.8 3.6 5.2 2.0 2.1 その他 43.6 これま での人生を 記録としてまとめる こと 55.2 率 先して人 の上に立ち、 指導す ること 6.1 43.5 健康を向 上させること 6. 9.3 家族 の役に立 つこと 0% 10.8 自宅や土地を所有せずに「借りて済ませてもよい」は若い世代に多い。自宅(49 歳以下 44.7%、50~64 歳 29.7%、65 歳以上 22.0%)、土地(49 歳以下 25.2%、50~64 歳 21.0%、65 歳以上 16.0%) では、セカンドライフではどんな場所に居を構えたいと考えているのでしょうか。全体では 57.9%が「現在 住んでいる場所」としました。今シニアである 65 歳以上男性の 70.6%、女性の 75.6%が「現在住んでいる場所」 でした。女性は現在の居住場所 1 か所を拠点としたいと考えている人が多いのに対し、男性は現在の住まいを拠 点としつつも、他の場所に居住することを念頭に置いている人が多いようです(図 15)。 他の場所に居住希望のある人に具体的にどんな場所に住みたいのかを聞いた結果では、全体で「気候や自然環 境の良い所(49.8%) 」「交通機関や買い物が便利なところ(33.3%)」「治安や人間関係など安心できるところ (27.6%)」が上位となりました。65 歳以上が全体と比べて高い割合を示したのは、「気候や自然環境の良いと ころ(58.6%)」「趣味の活動ができる場所(30.1%)」「福祉関係が充実している場所(24.5%)」「子供の近く (19.7%)」 「歴史や文化のある場所(14.5%) 」などでした。 (図 15)セカンドライフで住みたいところ (単一回答) たのは、「交通機関や買い物に便利な場所」「物価 ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 セカンドライフで住みたいところ が安い場所」 「活気やにぎわいのある場所」など、 現在住んでいる場所 現在とは違う場所 2箇所以上(原住地+その他) 2箇所以上(原住地とは違う場所) 0% 全体(2472) 男性 50~64歳(454) 男性 65~79歳(473) 女性 50~64歳(476) 女性 65~79歳(451) 20% 一方、次世代シニアの 50~64 歳が比較的高かっ 40% 57.9 60% 80% 24.8 51.3 70.6 60.9 19.6 9.7 22.3 75.6 100% 14.4 26.0 合理的な生活が送れるような場所となり、65 歳以 2.8 3.1 17.8 1.9 14.5 2.3 11.8 10.2 2.4 ~9~ 上とは違う傾向でした(図 16)。 (図 16)住みたい場所(現在の場所だけに住みたい人は除く) (複数回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 住みたい場所 60% (現在の場所だけに住みたい人は除く) 49.8 50~64歳(407) 65~79歳(249) 全体(1040) 33.3 27.6 23.9 30% 23.4 21.7 52.1 34.9 その他 配偶者の実家や 生まれ育 ったところ 所有せずに借りて済ませてもよいと思うもの 18~49歳(618) 50~64歳(930) 65~79歳(924) 全体(2472) 40% 30.0 2.3 1.7 3.2 近年では新しい経済の形として個人が持つリソースを 使わない時に他人と共有するシェアリングエコノミー ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 50% 活気やにぎわいの ある場所 (図 17)借りて済ませてもよいと思うもの(複数回答) 歴史や文化 の ある場所 活躍できる場、やり たい仕事がある場所 子供 の近く 福祉関係が充実 している場所 趣味 の活動が できる場所 自分 の実家や 生まれ育 ったところ 交通機関や買い物 に便 利な場所 物価が安い場所 34.1 13.7 12.4 12.2 11.3 6.0 25.3 22.9 19.2 18.7 28.9 24.9 18.5 30.1 24.5 12.519.7 11.512.4 14.014.5 12.312.0 3.2 4.4 26.5 治安や人間関係など 安 心 できる場所 58.6 気候や自然環境 のよいところ 0% 20.8 が広がっています(図 17)。 「所有せずに借りてすませて もよいと思うもの」について聞いた結果では、若い年代 ほど、「自宅」や「土地」を借りて済ませてもよいと思 う割合が高くなりました。家や土地、大型の耐久消費財 29.6 30% 19.9 18.9 25.2 21.0 16.0 19.7 19.2 18.2 20% が今後増えれば、生涯における消費のあり方も変化する 10% 44.7 29.7 22.0 26.0 30.4 30.9 時計や 宝飾 品 土地 車 自宅 0% などを保有するのではなく、合理的に借りて済ませる人 可能性があると考えられます。以上の考え方の違いが年 齢による違いなのか、世代による違いなのかは、今後継 続的に調査をしていく必要がありそうです。 7. 新シニア女性は「一人暮らしを覚悟」 。今シニア女性は「自立して一人で暮らしたい」と現実的。 女性は日常は一人、非日常(旅行)は誰かと共に。男性は日常は誰かと、非日常は一人で。 一人暮らしについて聞いた結果では、女性は「自立して一人で暮らしたい」が多いのに対して、男性は「一人 よりも家族で暮らしたい」が多く、大きく男女で違いが見られました。50~64 歳の新シニアに関しても、女性 では一人暮らしの覚悟が必要と考えている人が 41.0%でしたが、男性は 21.4%と半分程度に留まりました。 一人で食事をする頻度についても一人暮らし同様に女性の方が高い傾向がみられ、65 歳以上女性の 24.3%が 「ほぼ毎日」と回答しましたが、男性の 65 歳以上では 9.0%でした。また、女性では、今後一人で食事をする ことについて、「このままでよい」と考えている人が 9 割近いことも特筆すべきポイントです。シニア女性は、 普段の生活は一人で送ることを、ある程度想定あるいは前提としている人が多いと考えられます(図 18~20)。 一方、非日常である「旅行」については、男性 65 歳以上は「目的がはっきりした旅は一人で」が 41.8%、 「マ イペースで旅したい時は一人で」が 35.5%と、それぞれ女性 65 歳以上の 26.8%、25.8%を大きく上回りました (図 21)。男性は日常では誰かと過ごしたい気持ちが強く、非日常では一人になりたいのに対し、女性は日常で は一人、非日常では誰かと過ごしたいと考える人が多いようです。 ~ 10 ~ (図 18)一人暮らしの考え方(年代別) (複数回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 一人暮らしの考え方(年代別) 60% 43.0 46.3 47.8 46.9 男性 18~49歳(309) 男性 50~64歳(454) 男性 65~79歳(473) 女性 18~49歳(309) 女性 50~64歳(476) 女性 65~79歳(451) 41.5 41.0 30% 22.7 21.7 16.9 自立して 一人で 暮 らしたい 一人暮 らしの 覚悟は必 要だ 一人よりも家族と 暮 らしたい 0% 30.9 27.1 23.3 20.4 21.4 19.7 32.4 31.9 29.0 (図 19)一人で食事をする頻度 (単一回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 一人で食事をする頻度 ほぼ毎日 週に4~5日 0% 週に2~3日 20% 全体(2472) 15.9 男性 18~49歳(309) 7.8 19.4 男性 50~64歳(454) 9.6 男性 65~79歳(473) 9.0 3.0 6.0 女性 18~49歳(309) 9.4 10.8 女性 50~64歳(476) 14.4 女性 65~79歳(451) 8.5 8.8 8.6 24.3 8.9 6.3 7.8 20.2 8.9 16.8 23.2 23.5 13.1 5.3 10.1 24.4 34.6 9.9 6.1 20.5 13.7 12.6 15.3 10.8 26.8 27.0 7.8 なし 100% 26.5 12.9 10.4 それ以下 80% 12.1 11.7 8.4 月に1~2日 60% 8.6 12.1 17.8 週に1日 40% 21.7 25.1 23.5 (図 20)今後の一人で食事をする頻度について (単一回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 今後の一人で食事をする頻度について 増やしていきたい 0% 20% このままでよい 40% 全体(2472) 1.8 男性 18~49歳(309) 減らしていきたい 60% 80% 81.9 4.5 80.3 男性 50~64歳(454) 1.2 78.3 男性 65~79歳(473) 0.3 79.8 女性 18~49歳(309) 3.2 100% 16.3 15.2 20.5 19.9 76.3 20.5 女性 50~64歳(476) 1.7 87.3 11.0 女性 65~79歳(451) 1.7 86.8 11.6 (図 21)一人旅についての考え方 (複数回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 一人旅についての考え方 男性 18~49歳(309) 女性 18~49歳(309) 全体(2472) 50% 40% 30% 男性 50~64歳(454) 女性 50~64歳(476) 男性 65~79歳(473) 女性 65~79歳(451) 42.8 41.8 34.9 35.5 31.0 26.8 36.3 33.6 30.4 25.8 24.3 18.3 19.3 20% 18.8 17.3 10.1 10.7 10% 5.2 5.1 3.3 0.7 1.0 1.2 ~ 11 ~ 一人旅は したくない そ の他 一人旅はよくする が、本音は誰かと 旅したい いつも 一人旅がし たい 国内は 一人でよい が海外は誰かと行 きたい ツアー などに参加 しやす ければ 一人 旅したい マイペー スで動きた い時は 一人で旅し たい 目的がはっきりし ている時は 一人旅 したい 0% 5.6 【「今シニア」からみる“幸せシニア”のポイントと“働く”ことの重要性】 第二章で現在の幸せ度を見てみたところ、シニア世代は全体的に他の世代と比べ、幸せ度が高いことがわかり ましたが、その中でも幸せと感じている人たちの傾向から、幸せなセカンドライフを送るためのヒントが得られ ないでしょうか。多くの人がセカンドライフの開始と考える“65 歳以上”の回答者のうち、「幸せ~やや幸せ」 と感じている人(以下、幸せシニア)と、 「どちらでもない~不幸せ」と感じている人との違いをみていきます。 8. ・ “幸せシニア”を下支えすることは医食住(健康や暮らし)・行(移動や旅行、学び)・働(仕事・役割) 経済と健康をベースに「人や地域との交わり」「学びの機会」「社会や若い世代へのサポート」 近隣や地元の人との関わりについては、全体では 57.0%の人が「顔を合わせた時に挨拶をする程度」でした が、65 歳以上の幸せシニアでも「顔を合わせた時に挨拶をする程度」が半数いましたが、 「お土産やおすそ分け のやり取り」をする人もほぼ同数しました。また、幸せシニアは「散歩などで定期的に会う人たちと雑談」や「地 元の清掃やボランティアに参加」「地元のサークルや趣味の会に参加」が高い傾向が見られました(図 22)。 生きがいについては、「健康を向上させること」が最も高いものの、幸せシニアとそうでないシニアとの違い は大きくありませんでした。幸せシニアの方がそうでないシニアより高い項目としては、 「家族の役に立つこと」 「初めての場所で新しい風景や地域の文化・暮らしに触れること」 「自分の夢や目標を達成すること」 「他者との コミュニケーションを楽しむこと」など、人や地域とのつながりに関わることが上位となりました(図 23)。 続いて、理想のセカンドライフをみると、全体としては「経済的な余裕がある」が最も高くなりました。経済 的な下支えはやはり重要な要素と言えます。また「話し相手がいる」「世の中に貢献できる自分の役割がある」 「地域活動を行っている」などは、全体より幸せシニアの方が高い傾向となりました(図 24)。理想のセカンド ライフにおいても、幸せシニアであるためには経済的な安定を基盤に、 「人や地域との交わり」 「学びの機会」 「社 会や若い世代へのサポート」を持つことが重要なポイントと言えそうです。 (図 22)近隣や地元の人との関わり (複数回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 60% 近隣や地元の人との関わり 57.0 65~79歳 幸せ~やや幸せ(733) 50% 65~79歳 どちらでもない~不幸せ(191) 40% 32.4 30% 全体(2472) 23.1 18.0 20% 16.3 15.6 14.0 8.1 10% 8.3 5.3 0.5 ~ 12 ~ 関わりなし その他 でつながっている SNS 地 元で働いており、 関わりがある 地 元のサークルや趣 味 の会等 の参加 町内会や PTA の役員 ・ 委員として活動 電話やメールなどで やり 取り 地 元の清掃やボ ラン ティア活動に参加 散歩など で定期的に 合う 人たちと雑談 お土産やおすそ分け のやり取り 顔を合わせた時に 挨拶をする 0% (図 23)生きがい (複数回答) 生きがい 60% 41.5 65~79歳 幸せ~やや幸せ(733) 65~79歳 どちらでもない~不幸せ(191) 40.1 35.7 全体(2472) 35.5 26.6 30% 26.3 24.9 21.2 17.7 16.6 16.3 11.4 9.3 9.1 8.6 3.6 これま での人生を 記録としてまとめること 2.0 その他 4.1 率先して人の上に立ち、 指導する こと 6.1 地域を盛 り上げ る こと 周囲の調整役として 貢献する こと 異性からもてる こと 他者に比べて勝 てる も のがある こと 同性から評判が良いこと 若い世代の成 長を サポートする こと 新しい技術 ・ 技能を 身につける こと 努 力をしてお金を 稼ぐこと ペットや植物など の 世話を楽しむ こと 過去に体験した ことのない 新たな体験をすること 新たな分野を学んだり、 発見したりする こと 周囲の人に自分の存在を 認めても らうこと 他者とのコミュニケー ションを楽しむ こと 自分 の夢や目標を 実 現すること 初めての場所で新しい 風景や地域の文化 ・ 暮 らしに触れる こと 健康を向 上させる こと 家族 の役に立つこと 0% 10.8 ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 (図 24)理想とするセカンドライフ (複数回答) 理想とするセカンドライフ ©新シニアライフデザイン研究会 65~79歳 幸せ~やや幸せ(733) 90% 77.3 60.9 59.7 58.6 52.8 60% 30% 44.0 その他 自給自 足を している 子や孫、兄弟姉妹 と近居や同居 地域 活動を おこな っている 生涯 現役 で 働いている 世 の中に貢献 でき る 自 分の役割があ る 交友関係が広い いつま でも若 々しく みられる 旅 行や長期滞在を 楽しんでいる 家族に囲まれ て いる 話し相 手がいる 多彩な趣味を 楽しんでいる 時 間に追われず ゆったり過ごす 9. 47.8 79.7 30.3 27.9 71.7 68.3 67.8 22.4 62.1 21.1 56.8 55.0 17.2 52.4 51.3 48.343.5 46.1 38.2 9.9 37.8 36.1 30.4 35.3 29.9 23.3 22.0 17.720.9 0.8 16.8 14.1 7.011.0 1.2 1.6 経済的な 余裕がある 0% 65~79歳 どちらでもない~不幸せ(191) 全体(2472) 「仕事をしたくない」今シニアは 11.0%。定年退職後も働きたい人が多い。経済的な基盤と社会との接点 や役割意識を持つための“働”が重要に 次に定年退職後の働き方について聞きました。「仕事はしたくない」と考えている 65 歳以上の今シニアは 11.0%で、残りの 89.0%の人は何らかの形で働く意思を持っています。また今シニアは、定年後も生活のため と言うよりも、 「社会との接点を持つこと」のために、仕事をしたいと考えています。一方、50~64 歳の新シニ アは、「生活費や年金の補填のため」の割合が高くなりました。また、好きなことをする費用を得るためや、趣 味や特技を追求するためなど、自らがやりたいことを続けるためにも仕事をしたいと考えています。4 割以上が 副業にも関心を持っているようです(図 25、26)。 愛媛県、観音寺の商店街は商店主の高齢化により、店じまいをする店舗が多く、シャッター街となっていまし た。しかし、店の一部を若い世代に安価に場貸しする仕組みを作ったことで、シニア世代と若い世代の交流も生 まれ、町の活性化に繋がりました。必ずしも経済的な利益のためではなく、世代やジェンダー、地域を超えたつ ながりを生むために時間や空間を「シェア」するという考え方が、今後の高齢化社会の課題解決にとって重要と なるのではないでしょうか。また、従来の働き方だけではなく、交流に重点を置いた、よりフレキシブルな働き 方など、定年退職を迎える前の段階から、セカンドライフの基盤や生きがいの源泉となる「働き方」を考え、準 備しておくことも幸せシニアとなるためのポイントと考えられます。 ~ 13 ~ (図 25)定年退職後の働き方について (複数回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 定年退職後の働き方について 60% 50~64歳(634) 37.8 全体(1321) 65~79歳(218) 35.0 29.6 28.6 30% 18.8 15.7 13.0 6.3 自 己実現の ために仕事 4.9 7.8 (図 26)副業について 0.60.50.9 13.7 11.0 仕事は したくない 9.8 15.1 その他 19.2 17.4 自 分の事 業を起業 27.3 29.4 空き時 間にできる、 ちょっとした仕事 生活費や年金 の 補填 のために仕事 30.1 22.0 自分の趣味や特技 を追求できる仕事 37.4 31.7 好きな こと をする費 用の ために仕事 35.8 51.4 社会との接点を 持つために仕事 0% (単一回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 副業について 副業している したいが勤務先が禁止 0% 20% 40% 将来的には考えたい 60% 副業はしない 80% 全体(1321) 11.6 4.7 28.5 55.3 50~64歳(634) 11.4 4.1 28.9 55.7 65~79歳(218) 11.9 0.5 13.8 100% 73.9 【セカンドライフにおける「旅のチカラ」】 ●旅行するだけではなく、サービス提供側としてのシニアの可能性に注目。宿泊場所やガイド、料理作りなど、 時間や知識のシェアサービスも、“働”の選択肢の一つに。 旅行者としてではなく、旅行者へ「サービスを提供する側」としての意識を聞いたところ、シニアの回答が全 体を上回ったものは「地元の歴史や文化を伝えたい(65 歳以上 41.1%、全体 37.0%)」 「地元に伝わる生活の知 恵などを伝えたい(65 歳以上 33.4%、全体 31.3%) 」でした。旅行者との関わりは、経済的なものだけではな く、幸せと感じるための人との繋がりも生むことが予想されます。また、サービスを提供したい相手として、訪 日外国人旅行者への抵抗も比較的低いことがわかりました。訪日旅行者自身も JTB 総合研究所の過去の調査結果 から、地域の人々との交流を望んでいることから、シニアのプチワークの選択肢の一つとして、今後増加が見込 まれる訪日外国人旅行者も含め、旅行者へ歴史や文化を伝えるサービスに可能性がありそうです(図 27、28)。 ~ 14 ~ (図 27)旅行者に提供してみたいサービス(複数回答) (図 28)地元の歴史や文化を伝えたい相手(複数回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 旅行者に提供してみたいサービス 50% 37.0 31.3 地元の歴史や文化を伝えたい相手 18~49歳(618) 50~64歳(930) 65~79歳(924) 全体(2472) 日本人旅行者 0% 27.0 26.6 18.0 41.1 33.4 25.1 20% 30% どちらでもよい 40% 50% 26.1 25% 27.5 24.7 全体(2472) 15.4 18~49歳(618) 自 宅の 空き部 屋 を貸したい ネットを通じて地 元の 魅 力を伝えたい 交通手段 ( ライドシェアなど) を提供したい 料 理を教えたり 食事 をしたい 地 元に伝わる生活の 知恵を教えたい 地 元の歴史や 文化を伝えたい 0% 訪日外国人旅行者 10% 50~64歳(930) 65~79歳(924) 7.0 10.1 8.3 5.6 7.7 22.7 11.7 8.5 19.4 21.6 10.6 26.1 ●普段のお出かけがおっくうにならないための日々の「きっかけ」づくりは旅行寿命の延長に大切。 自分がサービスを受ける側としてあったらよいと思うものとして、全体で高かったのは「予約不要で好きな時 に参加できるアクティビティ(63.8%)」でしたが、シニアが全体を上回ったのは、 「旅行に詳しい人が気軽に旅 行計画の立て方を教えてくれるサービス(65 歳以上 54.8%、全体 53.0%)、 「旅行の計画を立て、一緒にでかけ るサークルや集まり(65 歳以上 41.2%、全体 39.2%)」でした。 過去の調査結果より、50 歳ごろから徐々に旅行の計画がおっくうになり始め、最終的に旅行頻度が下がって しまうことがわかっています。今回の調査結果をみても、「旅行の計画段階」のサポートサービスを提供するこ とが、より長く旅行を楽しんでいただくために有効と言えるのではないでしょうか。 (図 29)あったら便利だと思う旅行のサービス (複数回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 あったら便利だと思う旅行のサービス 80% 63.8 58.7 60% 65~79歳(924) 54.2 全体(2472) 53.0 43.6 39.2 40% 20% 62.6 56.5 53.2 54.8 41.3 41.2 旅行の計 画 を立て、 一緒 にでかける サークルや集まり 計 画を立てれば、自 動 的に申 込みま でしてく れ るサービ ス 旅 行会社をリタイヤし た人など旅行に詳しい 人が気軽に旅 行計 画の 立て方を教えてくれる サービ ス おおざ っぱな希 望を伝 えれば、旅行の行程な ど の計 画を立 ててくれ るサービ ス 自 分に合った テー マの 旅 行情報をネット上 で まとめて教えてくれる サービ ス 予約が 不要で、好きな 時に参加できるような アクティビ ティ 0% ●セカンドライフの理想の旅行は今シニアと新シニアでは違うことに注意。新シニアは同じ時間をかける旅で も「趣味を深める」「暮らすように楽しむ」ことを思い描きながら、今を過ごす セカンドライフにおける理想の旅行を聞いたところ、今シニアと新シニアでは、理想の旅行とするものに違い が見られました。今シニアは「ローカル線の旅」や「行き当たりばったりの旅」「クルーズ」など、移動自体の プロセスを楽しみたいと考えているようです。また「買い物や観光」にも比較的関心が高い傾向が見られました。 一方、新シニアは「自分の趣味を深める旅行」「暮らすように楽しむ旅」など、旅行先でも自分の興味関心や ペースを大切にしたいといった意識が垣間見られました(図 30) 。 ~ 15 ~ (図 30)セカンドライフにおける理想の旅行 (複数回答) ©新シニアライフデザイン研究会×JTB総合研究所 セカンドライフにおける理想の旅行 50% 41.1 40.3 35.9 18~49歳(618) 50~64歳(930) 全体(2472) 65~79歳(924) 29.2 20.6 25% 16.3 13.5 10.8 10.2 8.2 7.6 7.5 7.3 5.9 5.6 2.7 その他 週末農業を楽しむ旅 ボ ランティア活動など 社会 貢献 の旅 時間をかける旅 ( 語学 や趣味の留学) 映 画やアニメなどの 舞 台を訪ねる旅 世界 一周 ( 飛行機) 登 山を楽しむ旅 旅先から出発する クルーズ 最北端めぐりなど 目的を達成する旅 国内 のクルーズ旅 行 世界 一周クルーズ 時間をかける旅 ( 暮ら すように楽しむ旅 ) 行き 当たりば ったり にでかける旅 自分 の趣味を 深める旅 時間をかける旅 ( 遠 距離 の旅 行など) 買い物や観光を 楽しむ旅 行 時間をかける旅 ( ローカル線 の旅) 0% 16.8 11.まとめ これまで、シニアへの旅行サービスはユニバーサルデザインやバリアフリーツーリズムなど、旅へ出かける人 ができるだけ不便なく旅行ができるようなサポートが中心でした。それは大変重要なことであり、今後も継続し た取り組みが必要だと考えられます。 しかしながら今後は、そういった取り組みに加え、家に引きこもりがちになってしまうシニアに対し、いかに 外出する気持を誘発することができるか、おでかけの楽しみを味わえる環境づくりのための、“旅マエ”サポー トの重要性も忘れてはなりません。 普段の生活において、 「生きがい」や「役割意識」を持つことで心身共に健康に、旅行へ出かけられるベース を作ることも不可欠です。 今回の調査結果の中で、シニアが旅行者に対し、地域の歴史や文化を伝えたり、料理を一緒に作ったりなど、 サービスを提供する側になることにも可能性が感じられました。シニアの知識や得意分野を活用した“働”環境 を提供していくことも旅へ出かける環境づくりの一歩ではないでしょうか。 【調査概要】 調査方法:インターネットアンケート調査 調査対象:日本全国に住む 18 歳から 79 歳までの男女 2,472 名 過去1年以内に1回以上、旅行(国内外問わず、日帰り含む。ビジネス旅行は除く)経験あり 調査期間:2016 年 10 月 25 日~11 月 10 日 <お問い合わせ> (株)JTB総合研究所 (広報担当 調査分析担当:早野陽子 早野・三ツ橋・波潟) 03-6722-0759 www.tourism.jp ~ 16 ~
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