株式会社 巨峰ワイン - 福岡県中小企業振興センター

訪問
よかもん企 業
No. 4
株式会社
巨峰ワイン
巨峰ワインは全国酒類コンクールで1位となったブルーベリーワインをはじめ、ブドウやイチゴなど
を使ったオリジナリティー豊かな果実酒を製造する。自然と向き合い、造り出す果実酒には素材の良さ
を生かす、こだわりが随所に見られる。久留米市田主丸町の「巨峰ワイナリー」は森に囲まれた広大な
敷地に醸造所、地下貯蔵庫のほか、レストランや売店なども併設。山の中腹から筑後平野を一望できる
景観も魅力だ。近年は遠方からも観光客が訪れるなど、施設の充実にも力を入れている。
企業の歩み
創業は1972年。元々は江戸時代の1699年から
日本酒造りを手がける若竹屋酒造場の12代目林
田博行氏が、第2次世界大戦後に地元田主丸で栽
培が広まった「巨峰」の消費拡大と特産品創出を
目指したのがきっかけだ。だが事業化まで試行錯
誤の繰り返しだった。同じ醸造酒でも日本酒とワ
インは製造工程が全く異なる。さらに同じブドウ
でも巨峰は食用に改良された品種のため果実酒を
造るのは容易でなかった。
そのような状況下、13代目の伝兵衛氏がヨー
自然石を用いたこだわりの地下貯蔵庫
ではなく、圧搾、発酵、濾過など各工程で巨峰の
果実酒造りに合う製法を追い求め事業化に至っ
ロッパのワイン造りの手法をそのまま持ち込むの
た。
その後、手作業の工程が多く製造が不安定だっ
た果実酒造りも、醸造所の設備を整えたり地下貯
蔵庫を設けたりすることで徐々にノウハウを蓄
積、柿やイチゴなどブドウ以外の果物にも展開し
た。さらに08年にブルーベリーワインが全国酒
類コンクールのワイン部門で1位を獲得するまで
品質は向上した。
それでも「まだわからないことも多い」
(林田
浩暢オーナー)と、原料や気候などあらゆる条件
を見極めながら品質の高い果実酒造りに力を注
こだわり抜いて作り出す果実酒
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BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2017.2
ぐ。
我が社の取引拡大事例
新鮮な果物にこだわった果実酒を製造する中
を保ちたいという思いもあるからだ。
ジだ。そのためワイナリーを観光客が集まる場と
し、各種専門家による具体的な事例紹介などから
で、巨峰ワインが大事にするのはブランドイメー
する取り組みにも力を入れている。
ワイナリーに併設するレストラン「ホイリゲ」
また同センターが開催するセミナーにも参加
学ぶことで取引拡大へのヒントを得ている。
は「生ワイン」を提供する。加熱処理していない
ため、このレストランでしか飲むことができない
貴重なワインだ。建物は和の要素を取り入れた外
観、高い天井のログハウス調の内観で、ガラス張
りの開放的な店内からは筑後平野を一望でき、観
光客からも好評だ。
インターネットでの販売は(公財)福岡県中小
企業振興センターが運営する通販サイト「よかも
ん市場」を利用している。公的機関が運営する信
落ち着いた外観のレストラン「ホイリゲ」
用力に加え「自社で独自にサイトを運営、管理す
る負担がかからない」
(林 田 浩 暢 オ ー ナ ー)
点も利点に挙げる。他
の 電 子 商 取 引(EC)
サイトも利用して販路
拡大することも可能だ
が、よかもん市場に限
定するのはブランド力
ワイナリーでは多様な果実酒を製造
自然の中にたたずむワイナリー
オーナーひと言
代々引き継いできた酒造り
た自然の豊かさを求める観光客の需要に応えられ
の伝統を大切にし、これから
るように、訪れる人々が時間を忘れられるような魅
酒 造りを突き詰めていきた
い。長年、地元と密接に関わってきた当社にとって
も素材の良さを生かした果実
力ある施設を作り、地域の観光拠点にしていきた
い。そのためには刻々と変化
田主丸という街でモノやサービスを生み出し、活
合っていくことが必要だ。ま
ている。
していく自然と長い目で向き
性化させていくことが事業としての使命だと感じ
林田 浩暢 オーナー
企業概要
株式会社巨峰ワイン
表 者 林田 浩暢
在 地 久留米市田主丸町益生田246-1
E L 0943-72-2382
A X 0943-72-2483
企 業 名
U
代
Eメ ー ル
所
T
F
お問い合わせ
R
L
従業員数
事業内容
情報取引推進課 TEL:092-622-6680
http://www.kyoho-winery.com/
[email protected]
18人
果実酒の製造・販売、レストラン運営など
BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2017.2
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