フロンティア漁場整備事業(日本海西部地区)について

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東 京
─ 水産庁─
フロンティア漁場整備事業(日本海西部地区)について
1.はじめに
平成27年度末現在、32群の保護育成礁のうち、
フロンティア漁場整備事業は、排他的経済水域に
おいて国が主体となり漁場整備を実施することによ
16群の整備が完了しており、引き続き残りの16群
についても鋭意整備を進めている。
り、当該海域の水産資源の生産力を向上させ、水産
総事業費:13,700百万円
物の安定供給の確保を図る事業である。
事業期間:平成19年度〜平成33年度
今回整備する日本海西部の海域は、水深200m以
合は対馬海盆、大和海盆に至る水深1,000m以上の
急峻な地形となっている。当該海域は、このように
変化に富んだ地形を有し、アカガレイ・ズワイガニ
2,000m
浅の広い陸棚を形成しており、また、この陸棚の沖
をはじめとして、日本列島沿いに北上する対馬暖流
4~5m角
2,000m
の影響によりマイワシ、マサバ、マアジ等さまざま
な魚種の好漁場となっているものの、その漁獲量は
1群の保護育成礁のイメージ
減少傾向にあり、将来にわたる安定的な漁業活動、
これを通じた水産物の安定供給の確保ができなくな
る恐れがあることから、これら資源の増大を図り、
海域の基礎生産力を向上させる漁場が必要となった。
2.事業概要
当該地区では、隠岐の島周辺海域においてアカガ
レイ・ズワイガニを対象とした資源保護を目的とし
て漁場整備を行うもので、下図に示す但馬沖漁場、
魚礁据付状況
赤碕沖漁場、隠岐北方漁場、浜田沖漁場において計
32群(12,500ha)の保護育成礁の整備を行っている。
隠岐北方漁場(11群)
<凡例>
<凡例>
:政令指定海域
:領 :政令指定海域
海
:領 海
:日韓暫定水域
:完成箇所
(以下、H27年度末時点)
:日韓暫定水域
:製作中・
一部据付済み箇所
:完成箇所(H27年度末時点)
:追加箇所
:H28年度以降実施箇所
隠岐ノ島
但馬沖漁場(5群)
浜田沖漁場
(8群)
赤碕沖漁場
(8群)
保護育成礁内に生息するズワイガニ
漁場整備位置及び整備状況
各保護育成礁は、複数の4〜5mコンクリート魚
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3.おわりに
本事業は、今後の水産資源の回復・増産へ繋がり、
礁ブロックを2,000m×2,000mの区画に設置する
我が国水産産業の振興に寄与するものと大いに期待
ことで構成され、水深約200m以深の海中に設置し
されている。
ている。
(水産庁 漁港漁場整備部 整備課 整備係長 内山 唯士)
月刊建設16−11