Weekly Market Report - Feb 27, 2017(PDF:698KB)

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Feb 27, 2017
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
トランプ⽶⼤統領の議会演説にて具体的な減税策発表の有無に注目
USD/JPY (1週間の値動き)
FRB高官タカ派発言等
週間安値
111.93円
コメント
(出所)Bloomberg
先週の為替相場は⽅向感を⽋く展開。週初、北⽶市場が休場となる中、ドル円も小幅な値動き。21日、FRB高官のタカ派発言等もありド
ル円は113円台後半まで上昇。22⽇、仏⼤統領選をめぐる不透明感を背景にユーロ売りが先⾏し、ユーロドルは⼀時1.05割れを示現して
いる。ユーロドルの下落がドル買いを誘い、112円台まで下落していたドル円も再び113.66円まで上昇。週後半はドル売りに転じ、週末にか
けてドル円は一時111円台後半まで下落、ユーロドルも1.06台までドル売りが進む場⾯も⾒られた。今週28⽇はトランプ⽶⼤統領の議会演
説が予定されており、減税策などの具体的な内容が発表されるかどうかに注目が集まる。トランプ⽶⼤統領は税制改⾰について「驚くべき提案
をする」と発⾔しており、市場の期待値は⾼く、失望を誘う内容となった際にはさらにドル売り圧⼒が強まるだろう。但し、減税策の発表は後ズ
レするとの⾒⽅もあり、市場の期待通りの結果になるか否かは不透明な状況だ。
(市場営業部/淺川)
USD/JPY(2年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
2/28(火)
(米国)GDP改定値
+2.1%
2/28(火)
(⽶国)トランプ⼤統領議会演説
-
3/1(水)
(米国)ISM製造業指数
56.0
3/1(水)
(米国)ベージュブック
-
3/3(⾦)
(⽶国)イエレン議⻑講演
-
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
川合隆⾏
110.00-114.50
28⽇のトランプ⼤統領議会演説が市場の期待に応えられない場合、利上げ後退観測の後押しもありドル売りの展開か。
國井靖子
110.50-115.50
トランプ⽶⼤統領の議会演説に注目。予想を超える減税施策が発表されても実現性の低い内容であれば失望のドル売りも。
1
Feb 27, 2017
2. 円⾦利相場概況
日銀オペへの警戒感が後退。米財政政策の動向に注目。
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
10年債利回り
債券先物
コメント
(出所)Bloomberg
先週の円⾦利は、週を通じて低下基調となった。22⽇に⾏われた⽇銀オペでは、中期ゾーンがスキップされる事無く、市場参加者の期待通
りにオペが⼊った事や⽇銀オペの事前通告が検討されている等の報道を材料に買いが⼊り⾦利低下した。23⽇に⾏われた20年債⼊札で
はテールや応札倍率が前回⼊札よりも良好な結果だった事から超⻑期ゾーンを中⼼に買いが入った。これまで円債市場は、日銀のオペへの
警戒感から、⾦利上昇圧⼒が掛かっていた。先週のオペが市場参加者の期待通りに入った事や、事前通告の検討等でその警戒感が後退
しており、需給面も改善傾向にある事から、円債は買われやすい地合いとなるだろう。28⽇にトランプ⽶⼤統領の議会演説があるが、⽶国
の財政政策への期待感の剥落や欧州政治リスクが台頭する事があれば、⽶⾦利を中⼼に海外⾦利が低下し、円⾦利も低下圧⼒が掛か
る事になるだろう。
(市場営業部/吉岡)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(2年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
伊藤功⼀郎
伊⾖浦有⾥恵
今週のレンジ
0.02%-
0.07%
0.03%-
0.07%
予想のポイント
⽶⼤統領演説を前に様⼦⾒ムードも、⽇銀⾦融スタンスが鮮明及び3⽉は国債⼤量償還あることから⼩じっかりとした展開。
⽶⼤統領議会演説が波乱要因。国内では⽇銀⾦融政策スタンスから円債の好需給を想定、⾦利低下しやすい地合いに。
2
Feb 27, 2017
3. 今週のトピックス
株式バリュエーション
トランプ相場の本質
【図A】 2017年パフォーマンス(国・地域別)
予想
予想
PER(倍) EV/EBITDA(倍)
トータルリターン(%)
国・地域 株価指数
トルコ
9.0
5.6
ブラジル
13.2
9.5
香港
12.1
6.2
インド
20.1
9.4
シンガポール
14.5
10.8
ベトナム
14.6
7.8
アメリカ
18.2
10.4
チリ
15.7
7.2
ハンガリー
12.4
7.6
中国
13.8
9.9
ドイツ
13.8
12.4
カナダ
17.2
12.2
メキシコ
17.3
4.2
韓国
9.9
9.8
イギリス
14.8
8.4
南アフリカ
15.1
10.1
日本
16.0
10.7
スペイン
13.6
9.1
インドネシア
15.7
8.1
ギリシャ
9.0
7.4
フランス
14.4
6.0
ロシア
6.4
8.8
ポルトガル
9.9
9.2
イタリア
12.9
10.3
【図B】 バリュエーション等
トータル
リターン
予想
PER
先進国
1.9%
14.0倍
-19.6%
9.6倍
-4.4%
新興国
6.2%
13.5倍
-2.5%
8.2倍
-5.9%
年初来
変化率
予想
EV/EBITDA
( 出所:Bloombergデータを基に当⾏にて加⼯ )
年初来
変化率
トランプに一喜一憂する市場参加者
2017年もトランプ⼤統領の放言に市場参加者が一喜一憂する
状況が続いている。先⾏きを予想するには非常に不確実な要素が
多いが、ここは冷静に現状を分析する必要があるだろう。今回は、
世界の株式市場の2017年のここまでを振り返る。
(2017年2月24日、日本時間の夕方時点)
トータルリターン
【図A】の通り、2017年の株式市場は世界的に好調である。
トランプ⼤統領の⼊国制限策による混乱や通商交渉の不透明感
に⾦融市場は振り回されている印象があるが、真逆の結果となって
いる。
個人的に、特に意外に感じたのは新興国市場が好調なこと。米
FRBの利上げスタンスがタカ派寄りに変化してきていることから、昨
年初の動き(⽶利上げ→ドル高→新興国安→新興国からの資
本流出懸念)と同様かそれに近い動きを想像していたが、実際は
好調に推移している。
バリュエーション
【図B】は予想PER、予想EV/EBITDA倍率と、各指標の年始か
らの変化率を先進国、新興国別に表にまとめたもの。
ご覧の通り、両指標共にバリュエーションは割安方向へシフトしてい
る。従って、同期間の株価上昇は実態を伴わないバブル的なもので
はなく、企業収益の拡大(予想)を背景とした、極々真っ当なブ
ル相場と言えそうである。気になるのは、マーケットに与えるインパクト
が大きい米国市場に多少割高感が⾒られることぐらいか。(但し、
この傾向は昨年来続いているので今更珍しくない)
トランプ相場の本質は「企業収益の拡大」
トランプ⼤統領が「2〜3週間の内に驚くべき減税策を提示出来る
だろう」と述べて以来、⽶国株式は史上最⾼値を更新している。実
際の減税策は蓋を開けて⾒なければ分からないし、世界的な株価
上昇は米国市場に引っ張られている面が大きいと考えられるため、
先⾏きについて不透明感がある点は否定しない。
だが、2017年のここまでの株式市場の動きを⾒る限り、個⼈的に
はトランプ相場の本質は大型減税や雇用増を背景とする企業収
益の拡⼤=成⻑路線であり、基本的には「株⾼」がベースストーリ
ーだと考えている。
勿論、トランプ⼤統領独特の言動によって一時的にリスクオフ的な
反応を市場が⾒せることもあるだろうが、同⽒の政策は基本的には
ドル(米国)を強くするもの。大きく調整した局面では粛々と買い
向かう戦略が吉の政権だと考えている。
(市場営業部/高橋(敦))
3
Feb 27, 2017
ご留意事項
・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、取引の申し込みでも、取引締結の
推奨でもなく、売買若しくは何らかの取引を⾏うことを助⾔したり、または勧誘したりするものでもあ
りません。
・本資料の内容につき、当⾏はその正確性及び完全性を保証するものではなく、⼀切の責任を
負いません。ご利⽤に際しては、ご⾃⾝のご判断でお願いします。
・本資料に基づき、お客さまが投資のご判断をされた結果に基づき生じた損害・損失等について
は、当⾏は⼀切責任を負いません。
・本資料は著作物であり、著作権法により保護されております。無断で本資料の全部または⼀部
を複製、送信、転載、譲渡および配布することはできません。
・本資料に掲載された各⾒通しは本資料作成時点での各執筆者の個⼈的⾒解に基づいており、
それらは必ずしも当⾏の⾒解を反映しているとは限らず、また、予告なしに変更される場合があり
ます。
商号:株式会社あおぞら銀⾏ (登録⾦融機関 関東財務局⻑(登⾦)第8号)
加入協会:日本証券業協会、⼀般社団法⼈⾦融先物取引業協会、日本商品先物取引協会
4