金融市場ウィークリー

金融市場ウィークリー
2017 年 3 月 3 日号
[経済・金融市場動向]
◆ 金融市場見通し・内外経済指標
3月の米利上げ期待が急上昇、市場は利上げを織り込
んでおり米金利・ドルは現在の水準を維持する見通
し。議長講演、雇用統計が利上げ実施への手掛かり
[トピックス]
◆ 混戦が続くフランス大統領選挙
4~5月に行われる仏大統領選挙は、ルペン党首が決
選投票に駒を進める公算大。同党首が勝利し、EU
離脱に向かうには「3つのハードル」がある
✣[目次]✣
今週の注目チャート ···················································· 1
Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3
金融市場見通し·································································· 3
金融市場レビュー ································································ 4
内外経済指標の解説と予測 ························································ 5
Ⅱ.トピックス ························································ 8
混戦が続くフランス大統領選挙 ···················································· 8
Ⅲ.参考資料 ························································· 10
今週・来週の主要経済指標 ······················································· 10
月次・四半期のスケジュール ····················································· 12
今週の金融市場の動き ··························································· 15
最新リポート一覧 ······························································· 16
〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰
米自動車販売の光と影
調査本部本部長代理 長谷川克之
2 月の米自動車販売台数は年率 1,758 万台、
との発表が今週あった。予想を僅かに下回ったものの、
歴史的な高水準を維持している。消費者のマインド指数も良好であり、自動車販売、そして個人消費
は堅調に推移することが期待されている。しかし、自動車販売に関して気になる点が 3 点ある。
第一は、日系自動車メーカーの存在感の高まりである。社によって、また、車種によって好不調は
あるが、日系としての市場シェアは 4 割弱に達している。そのこと自体は日本人としては喜ばしい限
りだが、輸入車のウェイトが高まっている会社も多く、日米通商摩擦の火種ともなり得る。
第二は、足元の好調な自動車販売がインセンティブ(販売奨励金)によって支えられている点であ
る。2 月の 1 台当たりのインセンティブは前年比 1 割以上増加し、過去最大に達している。
第三は、自動車ローンの拡大である。歴史的な超低金利が続く中で、自動車ローンの貸出実行額は
昨年、過去最高を記録した。残高は 1.16 兆ドルに達し、2008 年末の約 1.5 倍の水準となっている。
懸念されるのは、自動車ローンの質の劣化が進んでいることだ。貸出期間は長期化する傾向。また、
信用力が相対的に劣るサブプライム層向けの自動車ローン残高も過去最高水準にまで増大し、自動車
ローン全体に占める比率は約 25%となっている。
ニューヨーク連銀は延滞率の上昇を警戒しており、
また、米国で最も尊敬される銀行経営者とも言われるダイモンJPモルガン・チェースCEOも自動
車ローン市場の過熱を警戒する発言を行っている。
自動車ローンは延滞した際でも担保処分が相対的に容易とされる。証券化の対象となるローンの比
率も必ずしも高くなく、サブプライム危機時とは状況は異なっている。しかし、リスク規律の弛緩が
生じているとすれば、自動車販売だけでなく、金融政策の先行きを展望する上でも看過できない。
〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
~今週の注目チャート~
【 米利上げ確率(3 月 FOMC) 】
市場参加者は 3 月利上げを急速に織り込み
100
(%)
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
1/2
1/9
1/16
1/23
1/30
2/6
2/13
2/20
2/27
(月/日)
(注)FF金利先物市場から算出した 3 月 FOMC における利上げ確率
(資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成
【解説】金融市場では、3 月利上げを織り込む動きが急速に進んでいる。米大統領の議会演説(2/28)を無
難に通過し、政策期待が続いていることに加え、複数のFRB高官が早期利上げに言及していることが背景
として挙げられる。来週にかけて、イエレン議長やフィッシャー副議長など、投票権を持つFRB高官の講
演が予定されている。利上げ時期や先行きの利上げペースに関する発言が注目される。
【 S&P500 業種別指数の推移 】
金融業種が株価上昇をけん引
(2015年初=100)
130
一般消費財・サービス
120
110
100
S&P500
90
金融
80
70
15/1
15/4
15/7
15/10
16/1
16/4
16/7
16/10
17/1
(年/月)
(資料)Bloombergより、みずほ総合研究所作成
【解説】今週は、ダウ平均株価が史上初となる 21,000 ドルを終値で突破したが、株価上昇をけん引したのは
金融業種であった。金融業種は、長期金利上昇や規制緩和期待から大統領選挙後の株価上昇が著しい。2016
年前半にかけて、金融業種の株価は、底堅かった米国の内需に関連した一般消費財・サービス等に比べると
出遅れていたのが足元で追い付いてきており、投資家のセクターローテーションの側面もある。
1
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
【 ドルの名目実効為替レート
】
対新興国通貨を中心にドル安に戻す動き
(2016/1/1=100)
110
ドル名目実効レート
ドル名目実効レート(Major、主として先進国通貨)
ドル名目実効レート(OITP、主として新興国通貨)
105
100
95
90
16/1
16/2 16/3
16/4
16/5
16/6
16/7
16/8
16/9 16/10 16/11 16/12 17/1
17/2 17/3 (年/月)
(注)2017/2/27 以降はみずほ総合研究所予測値。
(資料)FRB、Bloomberg より、みずほ総合研究所作成
【解説】米大統領選後進んだドル高が一服し、1 月半ば頃から対新興国通貨を中心にドル安に戻している。
トランプ政権の政策への期待先行で進んだドル相場が調整局面入りした側面が大きいが、新興国経済が持ち
直しつつあることも、新興国への資金還流に繋がったようだ。ただ今週に入り米利上げ期待が高まっており、
今後ドル高が進めば、再び新興国の資金流出リスクに市場の関心が集まる恐れもある。注視が必要だ。
【 新興国株の推移 】
一部の新興国では政情不安が懸念材料に
(2015/9/1=100)
160
150
ブラジル
140
130
米国(参考)
120
ロシア
110
韓国
南アフリカ
中国
100
90
80
15/9
15/11
16/1
16/3
16/5
16/7
16/9
16/11
17/1
17/3
(年/月)
(資料) Thomson Reuters より、みずほ総合研究所作成
【解説】株式市場では世界的な株高地合いが続いている。特に 2016 年後半以降はトランプノミクスへの期待
感から米国株の上昇が顕著で、そうした株高の流れが新興国株にも広がっている。また、新興国経済のファ
ンダメンタルズが持ち直していることも、株高の大きな要因となっている。しかし、南アフリカや韓国など
株価のモメンタムが弱い国もあり、国内の政情に不安を抱えていることが一因となっている。
2
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
Ⅰ.経済・金融市場動向
~金融市場見通し~
議会演説を無事に通過、来
今週はトランプ大統領の議会演説(2/28)が行われた。トランプ大統領
週以降は高まった利上げ
が驚異的な税制改革を発表するのではと注目が集まっていたが、具体的な
観測が維持されるのか議
政策の発表はなされなかった。ただし、今までの批判的な態度が抑えられ
長講演・雇用統計が注目材
た冷静で融和的な論調は好感された。またFRB高官が相次いで3月利上げ
料
を示唆したことにより、米長期金利が上昇し、ドル高が進行した。来週に
かけて米国の利上げを占う材料として注目されるのは、イエレンFRB議
長やフィッシャー副議長の講演(3/3)だ。3月の利上げ確率が90%まで上
昇している中、3月のFOMC(3/14・15)を控えた最後の講演であり、3月の
利上げに対する市場の期待を高める内容になるのか、関心が集まる。経済
指標では2月の非製造業ISM指数(3/3)
、ADP雇用統計(3/8)
、雇用統
計(3/10)が発表される。いずれも良好な数字が予想されており、予想を
上回ればさらに利上げ観測は高まるだろう。
中国全人代では財政政策
中国では来週から全人代(3/5~)が開催される。成長率を何%に設定す
の内容に注目、ECBは金
るのか、財政支出が拡大するのか、初日に発表されるとみられる今年の経
融政策据え置き
済目標に注目したい。ECB政策理事会(3/9)では、金融政策は現状維持
の予想だが、経済見通しの変化などが注目される。日本の10~12月期実質
GDP2次速報(3/8)は、1次速報から若干上方修正されると予想する。
米利上げを意識した動き
市場はすでに利上げを織り込んでおり、米国の10年国債利回りの上昇幅
になるが、利上げ期待がは
は限られ現在の水準を維持するであろう。米国株は地合いの良さが継続す
く落した時の市場インパ
るだろう。ただし、週末は雇用統計発表を控えて利益確定売りも出易いと
クトには注意
予想する。日本の10年国債利回りは、0.1%近傍での推移を想定するが、米
金利上昇を受け上昇圧力がかかりやすいだろう。日本株は、為替動向をに
らみつつ、高値圏でもみ合うと予想する。為替相場では、対円・ユーロと
もに現在のドル高水準が継続すると見込む。ただし、足元で利上げ期待が
急上昇しており、議長講演を受け期待が後退した場合には金利低下・ドル
安に振れる可能性には留意が必要だ。
(小池睦子)
【 来週の予想 】
項目
内外金利
内外株式
為 替
予想レンジ
USD LIBOR 3カ月(%)
米10年国債(%)
円 TIBOR 3カ月(%)
10年国債(%)
ダウ平均(ドル)
NASDAQ総合指数(ポイント)
日経平均(円)
TOPIX(ポイント)
円/ドル
ドル/ユーロ
円/ユーロ
3
1.070
2.30
0.03
0.05
20,750
5,780
19,000
1,520
112.5
1.025
117.0
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
1.100
2.60
0.07
0.15
21,250
5,930
19,800
1,590
117.0
1.070
123.0
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
~金融市場レビュー~
<内外金利動向>
先週末以降の米 10 年国債利回りは 2.5%近傍まで上昇した。米大統領の
FRB高官の早期利上げ
議会演説(2/28)では具体的な政策の内容は発表されなかったものの、過
に関する言及が相次ぎ、
激さが抑制されていたことが評価され、市場参加者の米政権に対する期待
米 10 年国債利回りは上昇
を繋いだ。その後、ハト派といわれるダドリーNY連銀総裁やブレイナー
ド理事を含め、複数のFRB高官が早期利上げに対して積極的な姿勢をみ
せたことから、3 月利上げを織り込む動きが急速に広がり、利回りが上昇し
た。日本の 10 年国債利回りは、海外金利上昇の影響もあり、小幅に上昇し
ている。日銀は 2 月 28 日に 3 月の国債買い入れ計画と共に具体的な実施予
定日も公表した。
<内外株式動向>
(坂中弥生)
先週末以降の米株式相場は上昇した。先週末からトランプ大統領の議会
米株は波乱なき議会演説
演説まで、投資家の様子見姿勢は強くこう着感漂う相場展開が続いた。議
と金融株がけん引し初の
会演説では具体的な政策は語られなかったものの、減税やインフラ投資に
21,000 ドル突破、日本株
意欲を示したことが好感された。FRB高官の早期利上げ示唆による長期
は円安が追い風となり上
金利上昇が金融業種の収益改善期待を高め、金融株上昇によりダウ平均は
昇
初の 21,000 ドル台で引けた。日本株は上昇した。週初は、トランプ大統領
の議会演説に対する警戒感から下落して始まった。その後は好感された議
会演説と、早期利上げ観測の高まりによる円安進行が株価を押し上げ、
TOPIX は約 1 年 2 か月ぶりに高値をつけた。
<為替動向>
(小池睦子)
先週末以降のドル円相場は円安ドル高が進んだ。1 月の米耐久財受注
早期米利上げへの期待か
(2/27)が市場予想を上回ったものの、ドル円相場への影響は限定的であ
らドル高が進展
った。トランプ米大統領の議会演説では目新しい材料はなかったものの、
波乱なく終わったことから投資家の警戒感が和らぎ、ドル円相場はリスク
オンによる円安が進んだ。またハト派とされるFRBブレイナード理事の
早期利上げを示唆する発言(3/1)が、米利上げ期待を高めドル高圧力とし
て働いた。米ISM製造業指数(3/1)が市場予想を上回ったことも、ドル
高をサポートした。ユーロドル相場はドル高ユーロ安地合い。米金利上昇
を受け独米金利差の拡大とともに、ドル買いが進んだ。
(有田賢太郎)
<新興・資源国動向>
新興国市場では、米国の早期利上げに対する期待からドル高・新興国通
米国利上げ期待を背景に
貨安の地合いとなっている。対ドルレートの今週の減価幅は総じて小幅だ
新興国通貨は総じて軟調
が、アジアでは 2 月以降上値の重い展開が続いており、ユーロ安の影響を
受けて 1 月末から下落が続く中東欧通貨については通貨安基調が一段と鮮
明になっている。なかでも大統領の権限強化を意図した憲法改正の行方が
注目されるトルコでは、今週、通貨リラが 3%下落した。国内の政情に加え、
支援するシリア反政府軍の進軍で地政学的リスクが意識されたことが影響
している。新興国株は米株高が下支えとなり総じて上昇基調を維持してい
るが、ロシアのように足元で株価の弱含みが顕著な国もある。 (井上淳)
4
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
~内外経済指標の解説と予測~
<国 内>
今週発表された指標は、消費関連指標が下げ止まった一方で、生産は増
消費関連指標が下げ止ま
勢一服を示す内容となった。1 月の小売業販売額(2/28)を実質ベース(み
る一方、生産は増勢一服
ずほ総合研究所による試算値)でみると前月比+0.7%と 3 カ月ぶりのプラ
スとなり、1 月の実質消費支出(3/3)も同+0.5%と 4 カ月ぶりのプラスに
転じた。
鉱工業生産は 6 カ月ぶり
のマイナス
1月の鉱工業生産指数(2/28)は、前月比▲0.8%(12月同+0.7%)と6
カ月ぶりのマイナスとなった。昨年後半にみられた輸送機械工業の熊本地
震などからのばん回生産が一巡した。先行きについては、1~3月期の伸び
率は前期から鈍化する見通しであるが、その後は世界経済の緩やかな回復
などにより再び持ち直すだろう。
全国コアCPIは 13 カ月
ぶりに前年比プラス
1月の全国コアCPI(3/3)は前年比+0.1%と13カ月ぶりにプラスに転
じた。エネルギー価格上昇を受けて、ガソリンや灯油価格が大幅に上昇し
たことなどが物価上昇に寄与した。一方で、先行して発表される2月の都区
部コアCPIは同▲0.3%と前月から横ばいだった。
来週は、実質GDP成長率(2次速報)や国際収支などが発表される。
実質GDP2 次速報は 1 次
速報から小幅に上方修正
10~12月期の実質GDP成長率(2次速報)(3/8)は、前期比+0.3%(年
率+1.3%)と、1次速報(前期比+0.2%、年率+1.0%)から小幅な上方
修正を予想する。公共投資が下方修正されるものの、設備投資が上方修正
される見込みである。全体として、企業部門を中心に景気が緩やかに回復
していることが、1次速報よりも鮮明になるだろう。
経常収支は前年から黒字
幅縮小
1月の国際収支(3/8)では、3,636億円の経常黒字を見込む。第一次所得
収支が大幅な黒字を維持するものの、輸出の増勢一服や、原油価格の持ち
直しに伴う輸入額増加を受けて貿易収支が12カ月ぶりの赤字に転じること
から、経常黒字幅は前年同月(5,901億円)から縮小を予想する。(佐藤高)
【 実質GDP成長率の推移 】
【 経常収支の推移 】
(兆円)
4
(前期比、%)
2.0
予測値
第一次所得収支
経常収支
3
1.5
民間設備投資
1.0
家計
(消費+住宅)
実質GDP
成長率
(予測)
2
外需
1
0.5
0
0.0
▲1
▲ 0.5
公的需要
▲ 1.0
Q1
Q2
Q3
2015
Q4
Q1
Q2
Q3
貿易収支
▲2
民間在庫投資
第二次所得収支
サービス収支
▲3
Q4
14/01
2016
14/07
15/01
15/07
16/01
(注)2017年1月の値は、みずほ総合研究所による予測値。
(資料)財務省「国際収支統計」より、みずほ総合研究所作成
16/07
17/01
(年/月)
(注)2016年10~12月期の値は、みずほ総合研究所による予測値。
(資料)内閣府「四半期別GDP速報」より、みずほ総合研究所作成
5
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
<海 外(米国)>
1 月のコア資本財受注は 4
1 月の耐久財受注統計(2/27)では、コア資本財の受注額が前月比▲0.4%
カ月ぶりの減少も、前月
と、4 カ月ぶりに減少した。しかし、12 月分は上方修正された(同+0.7%
分は上方修正
→同+1.1%)。3 カ月移動平均値は引き続き上向き基調を示しており、機
械関連投資の持ち直し傾向は継続しているとみられる。
2 月の実質個人消費は一
時的に減少
2 月のカンファレンスボード消費者信頼感指数(2/28)は 2001 年 7 月以
来の水準に上昇した。消費者マインドは良好だが、1 月の実質個人消費(3/1)
は前月比▲0.3%と 5 カ月ぶりに減少した。暖冬による電力・ガス代の減少
や自動車支出の減少が足を引っ張った。雇用・所得の改善や、株価上昇に
よる資産効果を踏まえれば、1 月の落ち込みは一時的だろう。
コアPCEデフレーター
物価面では、1 月のコアPCEデフレーター上昇率(3/1)が財の価格上
上昇率は安定的に推移。
昇を主因に、前月比+0.3%と加速した。前年比では+1.7%と前月から伸
他方、エネルギー物価は
び率は変わらなかった。ヘッドラインのインフレ率はエネルギー物価の一
一段と加速
段の加速を受けて、前年比+1.9%(前月同+1.6%)となり、FRBのイ
ンフレ目標である 2%間近の水準となった。
トランプ政権による政策
2 月の製造業ISM指数(3/1、57.7)は 6 カ月連続で上昇し、2014 年 8
変更への懸念があるなか
月以来の高さとなった。新規輸出受注指数も上昇した。製造業活動の回復
でも、製造業の業況は堅
は 2 月中旬までの情報に基づきまとめられた地区連銀景況報告(3/1)でも
調
報告された。もっとも、一部の地区では、トランプ政権下における国境調
整税の導入や移民に対するビザ発給制限の不確実性を懸念する製造業者も
多かった。
今晩以降発表される経済
今晩以降発表される指標では、2 月の非製造業ISM指数(3/3)が底堅
指標は、非製造業の業況
い水準となるだろう。2 月の雇用統計(3/10)について、非農業部門雇用者
の底堅さと労働市場の改
数の伸びは、前月差+20 万人超となった 1 月から減速するとみられるが、
善を示す見通し
+17 万人程度のペースになると予想する。失業率は低下し、1 月に鈍化し
た時間当たり賃金の前年比上昇率は、再び緩やかに加速するとみられる。
(風間春香)
【 コア資本財受注 】
【 製造業・非製造業ISM指数 】
(10億ドル)
68
3カ月移動平均
67
62
製造業ISM指数
60
非製造業ISM指数
57.7
58
56
66
56.5
54
65
52
64
50
63
48
62
15/1
15/7
16/1
16/7
46
17/1
15/2
(年/月)
15/8
16/2
16/8
17/2
(年/月)
(注)国防・民間航空機除く資本財。
(資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成
(注)非製造業の 2 月はみずほ総合研究所予測値。
(資料)米サプライマネジメント協会より、みずほ総合研究所作成
6
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
<海 外(欧州)>
1 月の仏財消費は増加
1 月のフランス実質財消費支出(2/28)は前月比+0.6%と増加した。エ
ネルギー消費の持ち直しが主因であり、寒波を背景とした暖房需要の増加
が影響したと思われる。
2 月のユーロ圏インフレ
2 月のユーロ圏インフレ率(3/2、速報値)は前年比+2.0%と、エネルギ
率は一段と上昇。景気の
ー物価を中心に 1 月(同+1.8%)から上昇した。基調的な物価動向を表す
回復モメンタムが強まり
コア・インフレ率(食品・エネルギー等を除く総合)は同+0.9%と、1 月
つつある中、コア・イン
と同水準となった。
フレ率の上昇ペースが加
速する可能性も
今後もインフレ率は、油価上昇を背景に高めの水準を維持する見通しだ。
一方、コア・インフレ率の上昇ペースは緩慢だろう。2 月の欧州委員会景気
調査(2/27)では、消費関連業種の値上げ見通しが小幅な改善にとどまり、
値上げに対する企業の慎重さが示唆されている。ただし、ユーロ圏景気の
回復モメンタムが強まりつつある中、コア・インフレ率の上昇ペースが加
速する可能性があり、今後の値上げ動向を注視する必要がある。
欧州委は今後の欧州統合
に関する白書を公表
欧州委員会のユンケル委員長は、今後の欧州統合への取り組みに関する
白書を公表した(3/1)。この中では、現状通りにEU全体で統合を進める
という案や、現状以上の統合は統合深化に積極的な一部の国だけで進める
という案など 5 つの案が示された。これらの案はEUサミットで討議され、
年末までに結論が模索される予定だ。
今晩以降はドイツ企業関
今晩以降は、10~12 月期のユーロ圏GDP(3/7、3 次推計値)や 1 月の
連統計などの経済指標の
ユーロ圏小売数量(3/3)、1 月のドイツ製造業受注(3/7)や同鉱工業生産
発表に加えてECB理事
(3/8)などの経済指標のほか、欧州中央銀行(ECB)政策理事会(3/9)
会が注目点
が予定されている。GDPでは需要項目の内訳が発表され、内需中心の景
気回復だったことが示されるだろう。小売数量は改善が続く見通しだ。ド
イツでは、受注拡大が期待されるほか、前月に急減した生産は反発が見込
まれる。ECBは、金融政策を据え置くと予想される。最近の景気指標の
上振れを踏まえて、経済に対する現状認識や見通しがどのように変化する
(松本惇)
かが注目される。
【 フランス実質財消費支出 】
【 ユーロ圏インフレ率 】
(前年比、%)
2.1
(前月比、%)
1.5
1.0
0.5
(前年比、%)
6.0
1.8
5.0
1.5
4.0
3.0
1.2
2.0
0.9
0.0
1.0
0.6
▲ 0.5
▲ 1.0
▲ 1.0
0.0
▲ 2.0
▲ 0.3
▲ 3.0
▲ 4.0
▲ 0.6
▲ 1.5
2016/1
16/4
16/7
16/10
その他
エネルギー
衣料品
家庭用耐久財
自動車
食料
実質財消費
(資料) INESEE より、みずほ総合研究所作成
0.0
0.3
2016/2
17/1
(年/月)
16/5
16/8
16/11
17/2
ユーロ圏インフレ率
(年/月)
コア・インフレ率
エネルギー・食品・アルコール・煙草(右目盛)
(資料)Eurostat より、みずほ総合研究所作成
7
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
Ⅱ.トピックス
~混戦が続くフランス大統領選挙~
フランス大統領選挙では
4 月 23 日、5 月 7 日に予定されているフランスの大統領選挙は、混戦の
国民戦線のルペン党首が
様相を呈している。直近の世論調査に基づけば、反欧州連合(EU)を掲
決選投票に進む公算大
げる極右政党、国民戦線のマリーヌ・ルペン党首が決選投票に進む公算が
高まっている。同国の大統領選挙は単記二回投票制であり、初回投票で 50%
以上の票を得る候補がいなければ上記二名による決選投票となる。
決選投票の相手が誰であれ、ルペン氏は決選投票では敗北するというの
が現時点でのメインシナリオだが、最有力候補と見なされていた共和党の
フランシス・フィヨン元首相がスキャンダルにより支持率を落とす中、大
統領選挙の行方は流動化している。フランスのEU離脱を問う国民投票実
施を公約とするルペン氏が大統領選挙で勝利した場合、金融市場の混乱が
予想されるだけでなく、EU自体が崩壊の危機に瀕する可能性がある。
フランスEU離脱の実現
に向けた 3 つのハードル
その1:ルペン氏の当選
フランスのEU離脱の可能性はどこまであるのか。実現は容易ではなく、
ルペン氏には、越えねばならないハードルが少なくとも三つある。
第一は、ルペン氏の大統領当選というハードルだ。仏調査会社 Ifop の世
論調査によれば、ルペン氏は初回投票を仮定した支持率ではトップである
が、エマニュエル・マクロン前経済相との支持率差は縮まっている(図表 1)。
また、冒頭で述べたとおり、決選投票を仮定した支持率では、ルペン氏は
相手がマクロン氏であれフィヨン氏であれ勝つことは出来ないとの見方が
コンセンサスとなっている(図表 2)。
しかし、フィヨン氏との一騎打ちとなれば、ルペン氏が逆転勝利を収め
る可能性もある。フィヨン氏が決選投票に進むと仮定した場合のフィヨン
氏とルペン氏の支持率差(15%pt)は、マクロン氏とルペン氏の決選投票
を仮定した場合の支持率差(22%pt)と比して小さい。フィヨン氏とルペ
ン氏という右派同士の決選投票となった場合、社会党など第 3 位以下の左
【 図表 1:仏大統領選支持率(初回投票) 】
ルペン党首(国民戦線)
マクロン前経済相(前進!)
メランション党首(左翼党)
(%)
30
【 図表 2:仏大統領選支持率(決選投票) 】
フィヨン元首相(共和党)
アモン前教育相(社会党)
①ルペン党首v.s.フィヨン元首相
ルペン氏 42.5%
フィヨン氏 57.5%
25
20
②ルペン党首v.s.マクロン前経済相
15
10
マクロン氏61%
ルペン氏 39%
5
0
2/1
2/3
2/7
2/9
2/13 2/15 2/17 2/21 2/23 2/27
(資料)Ifopより、みずほ総合研究所作成
0
3/1
50
(注)調査期間は、2017年2月27日~3月2日。
(資料)Ifopより、みずほ総合研究所作成
(月/日)
8
100
(%)
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
派候補者に初回投票で投票した有権者は「棄権」するとの回答が多い(図
表 3)。そこで左派的な政策も掲げるルペン党首が、決選投票で左派の投票
棄権者の掘り起こしに成功すれば、決選投票の行方は分からなくなる。
その 2:EU離脱に向け国
民投票が実施できるか?
第二のハードルは、国民投票が出来るかどうかである。フランス憲法第
88 条第 1 項には、「フランスはEUの一員である」との記載がある。従っ
て、フランスにおけるEU離脱の是非を問う国民投票とは、実質的には憲
法改正の是非を問う国民投票に他ならない。憲法改正手続きを定めた同 89
条によれば、憲法改正には議会承認が必要となるが、国民戦線が 6 月に行
われる下院選挙で過半議席を取るのは容易ではない。
但し、ルペン氏には憲法第 11 条を用いて、議会の承認を経ずに憲法改正
に繋がるEU離脱の国民投票を実施する道も残されている。過去、1962 年
にド・ゴール大統領は、憲法改正に際して第 89 条を使わず、第 11 条に基
づき国民投票を実施し憲法を改正した。第 11 条とは、一定の法案を国民投
票に付託できる大統領権限を定めたもので、議会承認は不要である。第 11
条を利用した憲法改正は、違憲議論が巻き起こる可能性があるが、ド・ゴ
ール大統領が行った憲法改正については、「今日では多くの法学者が明確
には違憲とは言えないとしている」との指摘があり(小林(2014))、ル
ペン氏がド・ゴール大統領の手段をまねた場合、議会承認を経ずに憲法改
正を実施することは不可能とは言い切れない。
その 3:国民投票で離脱が
選択されるか?
最後のハードルは、国民投票が行われた場合に離脱が選択されるのか、
である。フランス国民のうち「国民投票があれば離脱に投票」と答えた人
の割合は 41%となっており、残留の支持率が大きく離脱を上回っているわ
けでは無い(図表 4)。
(吉田健一郎)
(参考文献)小林公夫(2014)、「主要国の憲法改正手続き」、基本情報
シリーズ⑯、国立国会図書館
【 図表 3:フィヨン氏とルペン氏が決選投票に進んだ 【 図表 4:EU離脱国民投票に関するアンケート】
場合の支持者の投票行動に関する世論調査 】
フィヨンに投票
棄権/保留
ルペンに投票
イタリア
ルペン氏支持者(右派)
フランス
スウェーデン
フィヨン氏支持者(右派)
ベルギー
バイル氏支持者(中道)
ポーランド
マクロン氏支持者(中道)
ドイツ
アモン氏支持者(左派)
スペイン
国民投票すべき
あれば離脱に投票
ハンガリー
メランション氏支持者(左派)
0
20
40
60
80
0
100
10
20
30
40
50
60
(%)
(%)
(注)調査期間は、2017年2月14日~17日。なお、2月22日にバイル氏は立候補を取り下げ、マク
ロン氏支持を表明しているため、「潜在的なバイル支持者」になる。
(資料)Ifopより、みずほ総合研究所作成
(注)調査期間は、2016年3月25日~4月8日。
(資料)IpsosMORIより、みずほ総合研究所作成
9
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
Ⅲ.参考資料
今週の主要経済指標
経 済 指 標 等
日 付
2/24(金) 米 新築住宅販売件数(1月)
今回実績
年率
ミシガン大消費者信頼感指数(2月確報)
55.5万件
96.3
前回実績
予想
57.1万件 R
53.5万件
96.0
1月確報
98.5
2/27(月) 米 中古住宅販売仮契約指数(1月)
前月比
▲2.8%
+0.6% R
+0.8%
耐久財受注(1月)
前月比
+1.8%
+1.6% R
▲0.8%
百貨店・スーパー販売額[既存店](1月速報)
小売業販売額(1月速報)
前年比
前年比
▲1.1%
+1.0%
▲1.0%
+1.0% R
▲1.3%
+0.7%
鉱工業生産(1月速報)
前月比
▲0.8%
+0.4%
+0.7%
季調済年率
100.1万戸
91.6万戸
92.3万戸
2/28(火) 日
新設住宅着工戸数(1月)
2年利付国債入札:最高利回り ▲0.240%、 平均利回り ▲0.252%、 入札倍率 3.93倍
米
GDP(10~12月期暫定)
S&P/コアロジックCS住宅価格指数[20都市](12月)
+1.9%
+2.1%
前年比
+5.6%
+5.4% R
+5.2%
114.8
111.0 R
111.6
カンファレンスボード消費者信頼感指数(2月)
3/1(水)
日
法人企業統計(10~12月期)
経常利益[全産業]
設備投資[全産業](ソフトウェア除く)
+16.9%
+3.3%
N.A.
+1.1%
7~9月期
+11.5%
▲1.4%
51.6
51.2
51.3
非製造業PMI(2月)
54.2
N.A.
54.6
財新製造業PMI(2月)
51.7
50.8
51.0
米 製造業ISM指数(2月)
57.7
56.2
56.0
+0.4%
+0.2%
+1.7%
+0.3%
+0.3%
+1.7%
+0.3%
+0.5%
+1.7%
前年比
前年比
中 製造業PMI(2月)
個人所得(1月)
消費支出(1月)
コアPCEデフレータ(1月)
3/2(木)
3/3(金)
7~9月期
+3.5%
前期比年率
前月比
前月比
前年比
ベージュブック(地区連銀経済報告)
日 10年利付国債入札:最高利回り 0.086%、 平均利回り 0.082%、 入札倍率 3.74倍
米 失業保険新規申請件数(~2/25)
223千人
245千人 R
欧 ユーロ圏消費者物価(2月速報)
前年比
+2.0%
+2.0%
馬 金融政策決定会合
242千人
+1.8%
日
消費者物価(1月全国)
[除・生鮮食品]
消費者物価(2月東京都区部)
[除・生鮮食品]
消費動向調査(2月)
前年比
前年比
前年比
前年比
+0.4%
+0.1%
▲0.3%
▲0.3%
+0.4%
0.0%
▲0.1%
▲0.2%
+0.3%
▲0.2%
+0.1%
▲0.3%
消費者態度指数
43.1
43.5
43.2
1.43倍
1.44倍
1.43倍
3.0%
3.0%
3.1%
▲1.2%
▲0.4%
▲0.3%
52.6
N.A.
53.1
有効求人倍率(1月)
完全失業率(1月)
実質消費支出[二人以上の全世帯](1月)
前年比
中 財新サービスPMI(2月)
予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters 等)の取りまとめた予想コンセンサス。
米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。
R は改定値。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、
泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア
10
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
来週の主要経済指標
日 付
3/3(金)
経 済 指 標 等
米 非製造業ISM指数(2月)
前 回
予 想
前々回
[56.5]
56.5
56.6
▲457億㌦
▲443億㌦
▲457億㌦
10~12月期
1次速報
+0.2%
7~9月期
+0.5%
イエレンFRB議長講演(シカゴ)
3/7(火)
日 30年利付国債入札
米 貿易収支(1月)
財・サ収支
3年国債入札
3/8(水)
日
GDP(10~12月期2次速報)
前期比
経常収支 [+3,636億円]
(前年比)
[▲38.4%]
貿易収支 [▲5,838億円]
(前年比)
[-]
国際収支(1月速報)
先行DI
一致DI
先行CI
一致CI
景気動向指数(1月速報)
[88.9%]
[62.5%]
[106.0]
[112.9]
+1兆1,122億円 +1兆4,155億円
+28.0%
+18.3%
+3,134億円
+8,068億円
+315.2%
70.0%
100.0%
102.6
115.1
80.0%
88.9%
104.8
114.8
現状判断DI
N.A.
49.8
51.4
米ドル
+264億㌦
+513億㌦
+407億㌦
輸出総額(2月)
前年比
+14.0%
+7.9%
▲6.2%
輸入総額(2月)
前年比
+20.3%
+16.7%
+3.1%
前年比
N.A.
+0.5%
+0.5%
前年比
前年比
前年比
+4.2%
+3.6%
N.A.
+4.1%
+3.5%
+2.2%
+4.0%
+3.4%
+2.1%
前年比
+1.8%
+2.5%
+2.1%
[245千人]
223千人
242千人
[4.7%]
[+170千人]
[0.2%]
4.8%
+227千人
+0.1%
4.7%
+157千人
+0.2%
景気ウォッチャー調査(2月)
中 貿易収支(2月)
3/9(木)
[+0.3%]
米 10年国債入札
日 毎月勤労統計(1月速報)
名目賃金
マネーストック(2月速報)
M2
M3
広義流動性
5年利付国債入札
中 消費者物価指数(2月)
米 失業保険新規申請件数(~3/4)
30年国債入札
欧 ECB政策理事会
3/10(金) 日 法人企業景気予測調査(1~3月期)
米
雇用統計(2月)
失業率
非農業部門雇用者数
時間当たり賃金(全従業員ベース)
前月差
前月比
予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg 等)。予定は変更になる可能性があります。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、
泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア
11
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
3 月のスケジュール
国
1
2
3
内
法人企業統計調査(10~12 月期)
新車販売台数(2 月)
10 年利付国債入札
米
1
国 他
米 製造業ISM指数(2 月),個人所得・消費支出(1 月)
ベージュブック(地区連銀経済報告)
2
4
消費者物価(1 月全国・2 月都区部), 労働力調査(1 月) 3
消費動向調査(2 月),家計調査(1 月)
4
5
5
6
6
米 製造業新規受注(1 月)
7
米 貿易収支(1 月),3 年国債入札
GDP(10~12 月期 2 次速報)
景気ウォッチャー調査(2 月),国際収支(1 月速報)
景気動向指数(1 月速報)
9 マネーストック(2 月速報),毎月勤労統計(1 月速報)
5 年利付国債入札
10 法人企業景気予測調査(1~3 月期)
8
米 労働生産性(10~12 月期改訂)
10 年国債入札
11
11
12
12
13 機械受注統計(1 月),第 3 次産業活動指数(1 月)
企業物価指数(2 月)
14 20 年利付国債入札
13
15 設備稼働率(1 月)
18
15 米 FOMC(14・15 日),小売売上高(2 月),CPI(2 月)
ネット対米証券投資(1 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(3 月)
16 英 英中銀金融政策委員会(15・16 日)
米 住宅着工・許可件数(2 月)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(3 月)
17 米 鉱工業生産・設備稼働率(2 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(3 月速報)
景気先行指数(2 月)
18
19
19
20 春分の日(日本休場)
20
21
21 米 経常収支(10~12 月期)
22 日銀金融政策決定会合議事要旨(1/30・31 分)
全産業活動指数(1 月),貿易統計(2 月)
40 年利付国債入札
23
22 米 中古住宅販売件数(2 月)
7
30 年利付国債入札
8
16 日銀金融政策決定会合(15・16 日)
日銀総裁定例記者会見
17 資金循環統計(10~12 月期速報)
米 イエレンFRB議長講演(シカゴ)
非製造業ISM指数(2 月)
9
欧 ECB政策理事会
米 30 年国債入札
10 米 雇用統計(2 月),連邦財政収支(2 月)
14 米 PPI(2 月)
24
23 米 イエレンFRB議長講演(ワシントン D.C.)
新築住宅販売件数(2 月)
24 米 耐久財受注(2 月)
25
25
26
26
27 日銀金融政策決定会合における主な意見(3/15・16 分) 27 米 2 年国債入札
独 ifo景況感指数(3 月)
28
28 米 5 年国債入札
S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・1 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(3 月)
29 商業動態統計(2 月速報)
29
7 年国債入札
30 2 年利付国債入札
30 米 GDP(10~12 月期確定),企業収益(10~12 月期)
31 消費者物価(2 月全国・3 月都区部)
鉱工業生産(2 月速報),住宅着工統計(2 月)
労働力調査(2 月),家計調査(2 月)
31 米 個人所得・消費支出(2 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(3 月確報)
シカゴPMI指数(3 月)
*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ
12
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
4 月のスケジュール
国
内
1
4
国 他
1
2
3
米
2
日銀短観(3 月調査)
新車販売台数(3 月)
10 年利付国債入札
5
3
米 製造業ISM指数(3 月)
4
米 貿易収支(2 月)
製造業新規受注(2 月)
米 非製造業ISM指数(3 月)
FOMC 議事録(3/14・15)
5
6
消費動向調査(3 月)
6
7
毎月勤労統計(2 月速報)
景気動向指数(2 月速報)
7
米 雇用統計(3 月)
8
9
8
9
10 景気ウォッチャー調査(3 月)
国際収支(2 月速報)
11 10 年物価連動国債入札
10 米 3 年国債入札
12 機械受注統計(2 月)
12 米 連邦財政収支(3 月)
30 年国債入札
13 米 PPI(3 月)
13 マネーストック(3 月速報)
企業物価指数(3 月)
30 年利付国債入札
14
11 米 10 年国債入札
15
14 米 小売売上高(3 月)
CPI(3 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(4 月速報)
15
16
16
17
19
17 米 ネット対米証券投資(2 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(4 月)
18 米 鉱工業生産・設備稼働率(3 月)
住宅着工・許可件数(3 月)
19 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
20 貿易統計(3 月)
20 年利付国債入札
21 第 3 次産業活動指数(2 月)
20 米 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(4 月)
景気先行指数(3 月)
21 米 中古住宅販売件数(3 月)
22
22
23
23
24
24 独 ifo景況感指数(4 月)
25
26 全産業活動指数(2 月)
25 米 新築住宅販売件数(3 月)
2 年国債入札
S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・2 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(4 月)
26 米 5 年国債入札
27 日銀金融政策決定会合(26・27 日)
日銀総裁定例記者会見
日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)
28 鉱工業生産(3 月速報)
住宅着工統計(3 月)
商業動態統計(3 月速報)
2 年利付国債入札
29 昭和の日(日本休場)
27 欧 ECB政策理事会
米 耐久財受注(3 月)
7 年国債入札
28 米 GDP(1~3 月期速報)
ミシガン大学消費者信頼感指数(4 月確報)
シカゴPMI指数(4 月)
雇用コスト指数(1~3 月期)
29
30
30
18 5 年利付国債入札
*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ
13
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
四半期スケジュール
5月
日 本 1
8
9
10
11
12
15
16
17
18
22
23
25
30
31
米 国 1
3
4
5
9
10
11
12
15
16
18
23
24
25
26
30
31
新車販売台数(4 月)
消費動向調査(4 月)
10 年利付国債入札
景気動向指数(3 月速報)
景気ウォッチャー調査(4 月)
国際収支(3 月速報)
30 年利付国債入札
マネーストック(4 月速報)
企業物価指数(4 月)
第 3 次産業活動指数(3 月)
5 年利付国債入札
機械受注統計(3 月)
GDP(1~3 月期 1 次速報)
20 年利付国債入札
貿易統計(4 月)
全産業活動指数(3 月)
40 年利付国債入札
商業動態統計(4 月速報)
2 年利付国債入札
労働力調査(4 月)
家計調査(4 月)
鉱工業生産(4 月速報)
製造業ISM指数(4 月)
個人所得・消費支出(3 月)
FOMC(2・3 日)
非製造業ISM指数(4 月)
貿易収支(3 月)
労働生産性(1~3 月期暫定)
雇用統計(4 月)
3 年国債入札
連邦財政収支(4 月)
10 年国債入札
PPI(4 月)
30 年国債入札
ミシガン大学消費者信頼感指数(5 月速報)
小売売上高(4 月)
CPI(4 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(5 月)
鉱工業生産・設備稼働率(4 月)
住宅着工・許可件数(4 月)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(5 月)
景気先行指数(4 月)
新築住宅販売件数(4 月)
2 年国債入札
FOMC 議事録(5/2・3)
中古住宅販売件数(4 月)
5 年国債入札
7 年国債入札
GDP(1~3 月期暫定)
企業収益(1~3 月期暫定)
耐久財受注(4 月)
個人所得・消費支出(4 月)
S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市
・3 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(5 月)
ベージュブック(地区連銀経済報告)
シカゴPMI指数(5 月)
欧 州 11 英中銀金融政策委員会(10・11 日)
6月
1
2
7
8
9
12
13
16
19
21
27
29
30
1
2
5
12
13
14
15
16
20
21
22
23
26
27
28
29
30
法人企業統計調査(1~3 月期)
新車販売台数(5 月)
消費動向調査(5 月)
景気動向指数(4 月速報)
景気ウォッチャー調査(5 月)
国際収支(4 月速報)
GDP(1~3 月期 2 次速報)
マネーストック(5 月速報)
第 3 次産業活動指数(4 月)
企業物価指数(5 月)
機械受注統計(4 月)
法人企業景気予測調査(4~6 月期)
日銀金融政策決定会合(15・16 日)
日銀総裁定例記者会見
貿易統計(5 月)
全産業活動指数(4 月)
資金循環統計(1~3 月期速報)
商業動態統計(5 月速報)
鉱工業生産(5 月速報)
労働力調査(5 月)
家計調査(5 月)
製造業ISM指数(5 月)
労働生産性(1~3 月期改訂)
貿易収支(4 月)
雇用統計(5 月)
非製造業ISM指数(5 月)
連邦財政収支(5 月)
3 年国債入札
10 年国債入札
PPI(5 月)
30 年国債入札
FOMC(13・14 日)
小売売上高(5 月)
CPI(5 月)
鉱工業生産・設備稼働率(5 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(6 月)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(6 月)
住宅着工・許可件数(5 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(6 月速報)
経常収支(1~3 月期)
中古住宅販売件数(5 月)
景気先行指数(5 月)
新築住宅販売件数(5 月)
耐久財受注(5 月)
2 年国債入札
S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市
・4 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(6 月)
5 年国債入札
7 年国債入札
GDP(1~3 月期確定)
企業収益(1~3 月期改訂)
個人所得・消費支出(5 月)
シカゴPMI指数(6 月)
8 ECB政策理事会
15 英中銀金融政策委員会(14・15 日)
7月
3
7
10
11
12
20
28
30
31
3
5
6
7
11
12
13
14
17
19
20
24
25
26
27
28
31
消費動向調査(6 月)
日銀短観(6 月調査)
新車販売台数(6 月)
景気動向指数(5 月速報)
景気ウォッチャー調査(6 月)
機械受注統計(5 月)
国際収支(5 月速報)
マネーストック(6 月速報)
第 3 次産業活動指数(5 月)
企業物価指数(6 月)
日銀金融政策決定会合(19・20 日)
日銀総裁定例記者会見
日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)
全産業活動指数(5 月)
貿易統計(6 月)
商業動態統計(6 月速報)
労働力調査(6 月)
家計調査(6 月)
鉱工業生産(6 月速報)
製造業ISM指数(6 月)
FOMC 議事録(6/13・14)
非製造業ISM指数(6 月)
貿易収支(5 月)
雇用統計(6 月)
3 年国債入札
ベージュブック(地区連銀経済報告)
10 年国債入札
連邦財政収支(6 月)
PPI(6 月)
30 年国債入札
鉱工業生産・設備稼働率(6 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(7 月速報)
小売売上高(6 月)
CPI(6 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(7 月)
住宅着工・許可件数(6 月)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(7 月)
景気先行指数(6 月)
中古住宅販売件数(6 月)
S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市
・5 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(7 月)
2 年国債入札
FOMC(25・26 日)
新築住宅販売件数(6 月)
5 年国債入札
耐久財受注(6 月)
7 年国債入札
GDP(4~6 月期速報)
雇用コスト指数(4~6 月期)
シカゴPMI指数(7 月)
20 ECB政策理事会
*印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕
14
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
今週の金融市場の動き
[海外金利]
2/23
ドルLIBOR 3M(%)
ユーロドル金先(Jun17)
2/24
2/27
2/28
3/1
3/2
3/3
前週末比
1.05233
1.05400
1.05456
1.06400
1.09278
1.10000
0.04600
98.740
98.750
98.720
98.715
98.690
98.670
▲ 0.080
米国債(10年、%)
2.372
2.312
2.365
2.390
2.453
2.478
0.166
スワップ金利(10年、%)
2.351
2.288
2.343
2.374
2.421
2.457
0.169
独国債(10年、%)
0.233
0.186
0.198
0.208
0.282
0.317
0.131
英国債(10年、%)
1.154
1.078
1.150
1.151
1.194
1.212
0.134
[内外株式]
2/23
ダウ平均(㌦)
2/24
2/27
2/28
3/1
3/2
3/3
前週末比
20,810.32
20,821.76
20,837.44
20,812.24
21,115.55
21,002.97
181.21
S&P500指数
2,363.81
2,367.34
2,369.75
2,363.64
2,395.96
2,381.92
14.58
NASDAQ総合指数
5,835.51
5,845.31
5,861.90
5,825.44
5,904.03
5,861.22
15.92
19,371.46
19,283.54
19,107.47
19,118.99
19,393.54
19,564.80
19,469.17
185.63
1,556.25
1,550.14
1,534.00
1,535.32
1,553.09
1,564.69
1,558.05
7.91
日経平均(円)
TOPIX(Pt.)
出来高(百万株)
1,961.07
2,112.83
1,838.34
1,984.00
1,993.64
2,210.38
1,717.45
▲ 395.38
売買代金(億円)
20,043.54
20,729.72
21,394.64
24,611.03
23,890.82
25,328.84
21,856.05
1,126.33
2,977.49
2,982.63
2,987.27
2,989.33
3,004.44
3,016.27
3,024.55
41.92
2/23
2/24
2/27
2/28
3/1
3/2
3/3
日経JASDAQ平均(円)
[円金利]
TIBOR 3カ月(%)
0.05600
0.05600
0.05600
0.05600
0.05600
0.05600
0.05600
前週末比
0.00000
ユーロ円金先(Mar17)
99.940
99.945
99.945
99.945
99.945
99.945
99.945
0.000
新発国債(10年、%)
0.075
0.060
0.050
0.050
0.060
0.065
0.075
0.015
長国先物(Mar17)
150.16
150.39
150.59
150.58
150.47
150.51
150.60
0.210
スワップ金利(5年、%)
0.105
0.098
0.086
0.088
0.098
0.098
0.091
▲ 0.006
[為替]
2/23
2/24
2/27
2/28
3/1
3/2
3/3
前週末比
円/$
112.61
112.12
112.70
112.77
113.73
114.41
114.22
2.10
$/EUR
1.0582
1.0563
1.0587
1.0576
1.0547
1.0507
1.0518
▲ 0.0045
円/EUR
119.17
118.44
119.32
119.27
119.95
120.21
120.14
1.70
(注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。
東京市場の発行日表示値は終値もしくは 15:00 時点値。
米国 10 年債、米金利スワップ 10 年物は Bloomberg の終値。
日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。
TIBOR は全銀協発表のユーロ円 TIBOR 平均値。
新発 10 年国債は日本相互証券発表の気配値。
金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3 ヵ月金利先物。
独・英 10 年国債は Bloomberg の提示する終値。
為替は NY 時間終値(発行日のみ東京時間 15:00 時点、出所:Bloomberg)
。
15
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)
最新リポート一覧
<みずほインサイト>
2017 年 3 月 1 日 トランプの政策が為替相場に与える影響と日本経済への波及の考察
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/mk170301.pdf
2017 年 2 月 27 日 電子部品の出荷拡大は続くのか~短期ではスマホ、中期では中国の動向がリスクに~
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp170227.pdf
2017 年 2 月 24 日 独メルケル首相は続投できるか~Mr.Europe の出馬で揺らぐ 4 選シナリオ~
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu170224.pdf
2017 年 2 月 23 日 フランス大統領選まであと 2 カ月~ルペン党首は EU 離脱の国民投票を実施できるか?~
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu170223.pdf
<内外経済見通し>
2017 年 2 月 14 日
2016・17・18 年度 内外経済見通し
~世界経済は拡大基調へ、米国政策や欧州政治が波乱要因~
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_170214.pdf
2016 年 5 月 10 日
MIZUHO Research & Analysis no.1
特集 グローバル経済の中長期展望と日本産業の将来像~パラダイムシフトと日本の針路~
https://www.mizuho-fg.co.jp/company/activity/onethinktank/vol001/pdf/all.pdf
執筆担当者
・市場調査部
武内浩二
野口雄裕
井上 淳
大塚理恵子
坂中弥生
小池睦子
03-3591-1244
03-3591-1249
03-3591-1197
03-3591-1420
03-3591-1242
03-3591-1386
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
・欧米調査部
小野 亮
吉田健一郎
松本 惇
風間春香
03-3591-1219
03-3591-1265
03-3591-1199
03-3591-1418
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
・経済調査部
有田賢太郎
大野晴香
佐藤 高
上里 啓
高瀬美帆
03-3591-1419
03-3591-1243
03-3591-1294
03-3591-1284
03-3591-1416
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。
本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証
するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。
発行・編集/みずほ総合研究所 調査本部
〒100-0011 東京都千代田区内幸町 1-2-1 TEL.03-3591-1296
16
金融市場ウィークリー(2017 年 3 月 3 日号)