(7) 2016年(平成年)9月14日 (水曜日) (第三種郵便物認可) 「カナリヤ通信」では、さまざまな考え方をもった女性が、 社会の中で逞しく、それでいて女性らしく声を出して、人 生を楽しみながら働く姿を表現していきます。 第 号 ~ 働き方について考え、気づく ~ 権利取得が容易に マタハラ防止も義務化 働く上で妊娠・出産は大きなライフイベントとなります。産休・育休を経て職場復 帰し働き続ける人、産休に入ると同時に退職する人、さらに、保育園など子どもの預 け先が決まらず辞めざるをえない人など、さまざまなケースがあります。法律や就業 規則が整備され、働き続けるという選択肢を選ぶ人にとっては、ここ数年で環境が格 ■不利益取り扱いについて これら3つの法律では、女性が妊娠・ 出産した場合や会社にこれまで説明した ような権利を請求した場合、それを理由 にして不利益な取り扱いをしてはならな いとしています。例えば降格、減給、解 雇、契約打ち切り、不当な配置転換など がこれに当たります。また、産休や育休 から職場に復帰する際は、休み前の業務 への復帰が原則となります。さらに、育 休や時短を取得したからといってそれを 理由に評価を下げるなどは決してあって はいけません。 なお、これまで説明したさまざまな制 度は、労働者が請求することにより初め て会社が対応しなければならないもの と、労働者の意思にかかわらず禁止され ているものがあります。前者の場合、労 働者が請求してもいないのに会社が勝手 に措置を取る(たとえば、本人が請求し てもいないのに会社が一方的に勤務時間 を短縮させる)ことは、「不利益取り扱 い」に当たることがありますので注意し てください。 段によくなっています。そこで、労働者の妊娠にかかわる法律や不利益な取り扱いな どについて、弁護士の雪竹奈緒先生にお聞きしました。 ■妊娠・出産に関する法律 妊娠・出産する労働者を保護する法律 には①労働基準法②男女雇用機会均等法 ③育児介護休業法の3つがあります。① と②は主に女性を守る法律で③は育児す る男女ともにかかわる法律となっていま す。 (育児介護休業法について今回は略) ■妊婦の軽易作業への変更、残業・深夜 労働制限 【労働基準法】 まず、妊娠が判明した後、会社に申し 出れば担当業務を軽易作業に変更するよ う請求することができます。また、妊産 婦(妊娠中から産後1年まで)は会社に 申し出れば残業や変形労働、深夜労働を 拒否することもできます。 ■妊婦の危険有害業務等の禁止 【労働基準法】 妊産婦に重い物を持たせる業務や有害 ガスが出る場所で作業をさせること(危 険有害業務)や、妊婦(および本人が申 し出た場合には産後1年までの女性)に 坑内業務をさせることは法律によって禁 止されています。建設関係で言うと、現 場での作業、特に重量物を持ち上げる作 業、高所作業やトンネル内での掘削作業 などはこれに該当します。 ■産前産後休暇 【労働基準法】 産前6週(多胎児の場合週)から産 後8週まで休暇を取れる制度です。産前 については妊婦から請求があった場合、 休暇を取得することが可能です(産前産 後休業)。 産後については、出産後6週間はいか なる理由があっても働かせてはいけませ ん。68週までについては本人の申し 出がある場合に医師が可能と判断した業 務のみ復職が可能となります。産前産後 休暇は原則無給ですが、健康保険から出 産手当金が支給されます。 ■母性健康管理措置 【男女雇用機会均等法】 会社は妊婦健診を受けさせるために必 要な時間を確保する義務があります。ま た健診の結果、医師が母性健康管理指導 事項連絡カード等によって母子の健康を 守るための指導をした場合、事業主はそ の指示に従って必要な措置を講じなくて はいけません。例えば立ち作業の制限、 勤務時間短縮、休業などが 挙げられま す。この場合の休業については、会社の 就業規則によりますが、原則無給となり ます。 弁護士 雪竹 奈緒氏 旬報弁護士事務所 ■女性を取り巻く環境 法律や会社の積極的な整備などによっ て、妊娠・出産、育児に関連した権利を 取得しやすくなりました。しかし、マタ ニティーハラスメント(マタハラ)やパ ワーハラスメント(パワハラ)の嫌がら せなどが散見され労働紛争にもなってい ます。産休・育休を取得すると周りの人 たちにしわ寄せがいくため同僚の不満が たまり、マタハラにつながるケースもあ ります。そういったことから、新しく、 会社が「マタハラを防止する」措置をと る義務が新設され、社内の環境を整備す るなど特段の配慮をする必要がありま す。 また、働く女性が多くなったことで高 齢になってから子どもを持ちたいと願う 人が増えることで、妊娠できず不妊治療 に挑む人たちもいます。不妊治療は治療 法によって月に何度も病院に行かなくて はいけないため、仕事と治療を両立でき るような法整備をすることが男女雇用機 会均等法改正の際の附帯決議事項となっ ており、今後の検討が待たれます。 ゆきたけ・なお(第二東京弁護士会) 専門的知識を、一般の方に分かりやすく説明し、ともにトラブルを 解決していくことが法律家の役割だと思っています。 「こんなことを聞いていいのかな」などと思わず、何でもお気軽に ご相談下さい。 電話 妊 娠 ・ 出 産 に 関 わ る 制 度 次 回 は 月 日 で す テ マ は キ リ ア ア プ で す 監修:竹田省医師(順天堂大学医学部産婦人科学講座主任教授)、雪竹奈緒弁護士(旬報弁護士事務所) まかないこすめ№1 絶妙レシピのハンドクリーム ディーフィット これからの季節、手が荒れて大変!とい う人も多いはず。乾燥や寒さで「あかぎれ ができて水仕事をするのが辛い」なんて声 をよく聞きます。 そこで今回のおすすめは、「絶妙レシピ のハンドクリーム(乳香の香り)」。柿渋、 鶏卵の薄皮、大豆など天然成分由来の肌に 優しいクリームで、つけるとしっとりすべ すべに。食品主成分に含まれる保湿成分が 肌の表面にベールをつくり、うるおいを保 ちます。ベタつかずすぐにサラッとするの に、優しいうるおいが持続する「絶妙」の 配合で、 お料理や手仕事の直前や途中など、 どんな場面でも使えるかしこいクリームで す。 乳香(フランキンセンス)は肌をやわら かくして乾燥を防ぐと言われるやさしい香 りで嗅覚からもアプローチします。内容量 はg、価格は , 円(税抜)。まかな いこすめ人気№1というのもうなずける優 れもの。石油系界面活性剤や合成防腐剤、 香料を使わないので安全で環境にもやさし いクリームです。 詳しくは、 HP(http: //e-makanai.com/goods/shohin_id/7256 77/)。 A 今の法律は、働く妊婦さんに寄り添った内容 になっているね。私が産休をとったのは年前だ けれど、その時よりも格段に良くなっていると思 う B 私も2年前に出産したけれど、先輩たちが言うような 苦労はなかった A 私たちの時代は、産休・育休取得第1号 世代だから、会社も同僚もどう対応したらいいのか分からなか ったと思うんだよね C このごろマタハラ(マタニティーハ 編集部 放 談 ■ 「絶妙レシピのハンドクリーム」 を抽選で3名にプレゼント 住所、氏名、 電話番号を明記 の上、編集部に ファクスかウェ ブからご応募下 さい。締め切り は9月日 (月) です。 ■まかないこすめ (株式会社ディーフィット) 「まかないこすめ」は、創業百余年の 金沢の老舗金箔屋から生まれた和コスメ ブランド。 年にわたり試行錯誤を繰 り返されてきた美肌のための知恵が詰ま ったコスメは、肌にやさしくダメージに 強い、 天然成分による確かなコスメです。 ラスメント)で悩んでいる人の話をよく聞くよ D 僕の未来 の奥さんが、妊娠中にマタハラを受けたら夫はどうすればいい んだろう B まず、奥さんの悩みに寄り添ってあげて、必要 であれば弁護士さんに相談してみるといいかもよ A 昔と比べて制度も法律も整備はされてきているけれど、 待機児童など職場復帰をはばむ問題もたくさんあるので、今後 も取り上げていこうね 重要なのはコミュニケーション能力 京都大学教授 河合 江理子先生 京都大学の教 授として就任す る 年まで、 年間にわたり 欧州 (英国、 フラ ンス、 スイス、 ポーランド)で資産 運用の仕事をしてきた。いつも自 分の能力アップということにエネ ルギーを使ってきた。海外では日 本のように、仕事のローテーショ ンも定期的な昇進制度もないので 自分でキャリアアップを求めない 限り、昇進する機会は限られる。 そのため積極的にネットワークを 活用して情報収集に励んだ。仕事 を任されるためには専門知識を磨 くことも大切だが、コミュニケー ション能力を高める必要がある。 連絡先は こちら→ 自分から発信しないと相 手に理解してもらえな い。コミュニケーション 能力の必要性はチームメンバーの 動機付け、 交渉、 プレゼン、 あらゆ る場面で感じたし、日本人である 自分の弱点とも感じた。 民間企業、 国際機関でも仕事をしてきたが、 どこの職場でも円滑な人間関係を 構築することが重要と感じた。 メッセージ「いつもチャレンジ 精神をもって、ポジティブに物事 を考え積極的に行動をすること」 たとえ失敗をしても人生勉強をさ せてもらったと考え、挑戦を続け ること。難しい状況でもいい仕事 をするためには、いいメンターを 見つけてほしい。 ■お問い合わせ 株式会社日刊建設通信新聞社 カナリヤ通信編集部 TEL03-3259-8711 FAX03-3259-8730 ■ご意見・ご感想、 プレゼントの応募は [email protected]までお寄せください。 「カナリヤ通信」 は、 日刊建設通信新聞社の登録商標です。 webで公開中
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