第 5 回全国弓道指導者研修会 使い方や心がけによって、『道』の修行も変わって 射法八節を丁寧に解説し、はじめに手の内から指導 くるのではないかと考えた。そこで私はナンバ歩き を始めた。さらに徒手での射法八節を全員で行い、 を行ったり、甲冑を手作りする中で、道場での稽古 続いて弓を持って執弓の姿勢、矢番え、離れの指導 以外の時間を有意義に活用するようにしている」 を行った。その後、弽を着けて巻藁稽古を行った。 続いて、与謝野町・宮津市中学校組合立橋立中 午後は 10m ほどの射距離から始めて、徐々に離れ 学校の弓道授業実践例の発表が行われた。同校は ながら 1m のアーチェリー的に向かった。特に初心 全校生徒 243 名の近畿地方としては中規模校であ 者は初めて的に向かうことに不安や期待など様々な かけ 最終日のビンゴゲーム る。授業用の弱い弓がなかなか集まらず、弽も子供 反応があり、的前稽古に取り組んだ。 のサイズのものがなく大変で、はじめは 6 時間の授 学校部活動班のうち、二段以下は基本動作の確認 業時数の中で安全第一に弓道は楽しいものというこ を行ったあと、15m、20m と射距離を伸ばしながら とを伝えるための指導を行った。その後、全日本弓 射技の確認を行った。矢取りの際などには、部活動 道連盟から弓具一式が寄贈され、2 年目は、全員が を行う上で一番重要な安全確認について、引いてい 一緒に練習できるように不足分を京都府連が揃えた。 る人がいないことを確認してから的場に入ることを 1 時間目はオリエンテーションを、2 時間目は礼儀 徹底するよう説明がなされた。 作法を行った。授業の終わりには班別に競射を行い、 学校部活動班のうち、三段以上は弓道場での研修 生徒はとても盛り上がった。昨年度は授業時間の調 となり、個人の射技向上やグループ内で教え合う中 第 5 回全国弓道指導者研修会(主催=日本武道館、 で、指導者が大事です。日本を代表する先生の指導 整ができず、準備、片付けの無駄な時間が多かった での指導力向上を目指した。 全日本弓道連盟)は 2 月 17 〜 19 日の 3 日間、千 を受けて、指導法、個人指導、一斉指導の課題、初 が、今年度は連続の時間を確保して授業をできるよ 夜は夕食を兼ねた懇親会が開かれ、会場のあちら 葉県勝浦市の日本武道館研修センターで、中学校保 心者の方も指導力の向上に成果をあげていただきた うにした。生徒たちから弓道授業の良い点として日 こちらで弓道談義や学校現場における弓道指導の意 健体育科教員を含む 89 名が参加して行われた。本 いと思います。弓道は魅力のある武道なので、弓具 本古来の武道に触れられたこと、自分にもできると 見交換などが活発に行われて、全国から集まった学 事業は平成 24 年度から完全実施された中学校保健 や弓道場、指導者など課題はありますが魅力を学校 いう意欲が生まれたこと、礼儀作法が覚えられたこ 校弓道指導者の交流が深まった。 体育科における武道授業の充実に向けて、弓道の授 現場に伝えていただければ今後伸びていきます。中 とが挙げられた。発表者から課題として、指導に関 業が効果的に展開されるよう指導者の指導力向上を 学校の武道必修化においては、よりよい弓道のあり わる教員の専門性を高める必要性が挙げられた。 ■ 3 日目(19 日) 目的に開催されている。 かた、 授業の仕方を学んでいただきたいと思います」 桑田秀子講師より弓道の動きを行うための紐の使 6 時半より大道場で全員が準備体操を行い、その 澤田欣一主任講師が講師を代表して挨拶を述べた。 い方の解説がなされた。続いて、10 班に分かれて 後前日の班別に分かれて、目的別研修となった。目 ■ 1 日目(17 日) 「研修生同士のコミュニケーションを図っていただ グループ討議が行われた。夕食を挟んで、班ごとに 的別研修は朝食を挟んで 10 時半まで行われた。特 開講式では、はじめに窪田史郎全日本弓道連盟業 き、指導者としての心を見つめ直すよい機会となる 討議内容が発表された。参加者からは授業や部活を に初心者班と学校授業対応班は合同で研修し、前日 務執行理事が主催者挨拶に立った。 でしょう。何をどのように指導すべきか、必要な知 行うにあたって、弓具を揃えることの難しさや、指 に学んだ基本動作の確認、巻藁稽古に続いて、紙に 「全国各地から多くの参加者を迎え、主催者として 識と技についても会得してほしいと思います」 導にあたっては生徒の興味を引くため、的中を追う 八寸(約 24cm)程度の円を縦横 3 つずつ書いた的 大変嬉しく思います。個人の技量の研鑽はもとより 開講式後はウィリアム・リード特別講師が「日常 中で体配の指導を行う、卒業後に生徒に弓を続けて を用意し、弓道によるビンゴゲームを全員で行った。 ですが、指導者としていかにあるべきか、いかに指 を道場にする創意工夫——武道とともに歩んだ半世 もらうためには弓道を好きになってもらうのが一番、 1 チーム 8 名の 3 チーム対抗戦で行われ、中った場 導していくべきかという視点に立って研修に臨んで 紀」と題して、講演を行った。 などの意見が出された。 所、ビンゴ完成数に応じた得点で競われた。弓道独 ください。指導者として身につけるべき知識、技能、 「武道は長く続けないと話にならない。合気道を 倫理観などにつきまして、初心に帰って改めて学び 45 年稽古しているが、同じように続いている人は ■ 2 日目(18 日) 間の行射に熱い視線を送り、その的中に一喜一憂し を深めていってほしいと思います。本研修会は盛り いない。それは出会う先生にもよるし環境にもよる。 6 時半より大道場で弓道ができるように参加者全 て、研修会一番の笑顔が多く見られた。 沢山の内容が組まれており、朝も早いようなので健 私は『THE POWER OF AIKIDO』という本に出 員で設営を行った。朝食を挟んで、澤田主任講師が 研修の最後に澤田主任講師、桑田講師、松本講師 康にも留意して臨んでください」 合って合気道を始めた。合気道を始めてから『道』 射法八節について講義した。その後、学校授業対応、 が特別演武として一つ的座射礼を披露。その後、参 次に三藤芳生日本武道館理事・事務局長が挨拶を は極めるのに 10,000 時間かかるといわれ、計算す 学校部活動、初心者の班別となり、大道場、弓道場 加者全員で大道場の原状復帰を行った。閉講式では 述べた。 ると 3 年かけて毎日 9 時間稽古する時間が必要と の 2 箇所で研修が行われた。 参加者を代表して岩田茜衣氏に修了証が手渡され、 「弓道は非日常の運動で特別な訓練を必要とするの なる。しかし、それは大変難しく、道場外の時間の 初心者班、学校授業対応班では松本代志博講師が 澤田主任講師が講評を述べて閉会となった。 あた 特の静謐の中で、初心者、経験者の別なく一様に仲 あ か ね
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