平成28年2月 奥野会長からのメッセージ特別編(PDF)

JA全中 Monthly
Report
併せてJA全中ホームページ(http://www.zenchu-ja.or.jp/)もご覧ください。
奥野会長 2 月定例会見・会長からのメッセージ
の精神” を社会に根付かせてい
く活動を行う必要があると考え
ています。
奥野会長は 2 月 9 日、定例会見を
行いました。当日、理事会で決定し
た酪農制度改革に関する政策提案を
山本有二農相に要請したことを受け
て、
「日本の酪農がしっかりと立って
いられる制度にしていきたい」と述
べました。また、トランプ大統領就
任後初となる日米首脳会談を目前に
して、
「米国や欧州での保護主義や
自国優先主義の潮流に危うさを感じ
る」と警戒感を示しました。
イツのライファイゼンによる信
日本の就農者の平均年齢が67
用協同組合や、生活協同組合の
歳を超えましたが、今は世代の
先駆けである英国のロッチデー
切り替わりでもあり、若い人の
ル公正先駆者組合など、19世紀
就農も増えています。ピンチは
に誕生した協同組合は、いろい
チャンスの裏返しで、この機を
ろな組織形態で各地に広がり、
逃さず新しい農業に構造改善し
欧州では、今でも大きな認知度
なけ れ ば なりませ ん。そして、
があります。日本でも1900年、
国民の共通理解として、
「自国の
品川弥二郎と平田東助によって
食料は自分たちで守る」という
産業組合法が成立し、協同組合
議論を行う必要があります。
の 歴 史 が 始まりました。現 在、
「協同組合」がユネスコの無形
全国で6,500万人の組合員が活
文化遺産に登録されました。ド
動しています。私は “相互扶助
る意見広告を掲載しました。
「指定生乳生産者団体」の
役割と意義について
意見広告を掲載
昨秋の「農業改革」をめぐる報道で
「指定団体」や酪農・乳業関係の仕組
み等について誤解を生じさせるよう
会長メッセージはJAグループのウェブサ
イト(http://org.ja-group.jp/message)に
も掲載しています。
農業改革をテーマに
「食料フォーラム2016」
開催されました
2月9日付の『日本経済新聞』
(朝
な記事やテレビ番組もありました。
2 月10日、食料・農業・農村への
刊)と2月16日発売の『週刊新潮』
『日本経済新聞』では、ビジネス
理解促進を目的に、
「食料フォーラ
に「 指 定 生 乳 生 産 者 団 体 」
(以下
パーソンに向け、
「Q & A 方式」で、
ム2016『農業改革と日本農業の未
写真・イラストや図表を多用しなが
来~人口減少に立ち向かう~』
」
(主
「指定団体」
)の役割と意義を訴求す
安全・安心な
牛乳・乳製品
広 告
Q&A
~安定供給するための
「指定生乳生産者団体」
の役割~
毎日の食卓に欠かせない牛乳や乳製品。
全国各地の酪農家が生産した新鮮な牛乳が、皆さんのお手元までどのように届いているかご存じですか。
日本の酪農を守り、安全・安心な牛乳・乳製品を安定的に供給する仕組みをご説明します。
Q.1
A
Q.3 安定的に供給する仕組みって?
生乳を乳業メーカーに
日本の酪農ってどうなっているの?
酪農家は、全国で約 1 万 7
千戸。その4割が北海道で、
主に乳製品向けの生乳を供給
産しています。生乳を搾る乳牛は、
◎酪農家戸数:6,490戸
全国に約 87 万頭、このうち北海道
A
北海道
日本の生乳生産量の半分以上を生
生乳は、栄養豊富な反面傷みやすいといった特性があります。また、乳牛は暑い夏に
は乳量が減少し、寒い冬には増えるなど季節ごとに大きく乳量が変動します。さらに、
乳牛から生乳を搾るには生後 2 年以上が必要なため、需要と生産を一致させることが難しい
面があります。毎日の販売調整が必要で、個別の酪農家では生乳を乳業メーカーに安定供給
◎生乳生産量:390万トン/年
することは困難なため、
「指定生乳生産者団体制度」という仕組みがつくられています。
に約47万頭がいます。最近では、高
生乳生産の特徴
齢化や後継者不足に加え、国際交
渉の進展などによる将来不安から
32
急速に酪農家が減少し、生乳生産量
4
酪農家が乳牛から搾った生乳は乳業メーカーに販売され、牛乳やヨーグルト、バター、
チーズなどの乳製品に加工されて消費者に届けられます。また、製菓やパンメーカー、
飲料メーカーなどに販売されたバターや脱脂粉乳などは、さらに加工されて、菓子やパン、飲料
など様々な食品となります。
生乳取引・生乳流通の仕組み
5
6
月
月
7
月
8
月
9
月
10 11 12
月
月
月
1
月
2
月
3
月
約10カ月
約15カ月
搾乳開始
約10カ月
20
(万トン)
(注)
生乳・牛乳とも平成26年度の数値をもとに作成
◎資料:農林水産省
『牛乳乳製品統計』
◎全中作成
Q.4 どのような役割を果たしているの?
「指定生乳生産者団体」は
A
指定生乳生産者団体(指定団体)は、生産条件の異なる多くの酪農家から生乳の販売の
委託を受け、安全・安心な生乳を安定的に供給することを支えています。乳業メーカー
との価格交渉や、生乳の品質検査、生乳をまとめて輸送することによるコストの低減、広域的な
販売ルートを確保し、酪農家の所得向上と同時に消費者に安定的な価格で牛乳・乳製品をお届
卸・小売
けすることに寄与しています。
指定生乳生産者団体の機能
販売
生乳廃棄
発生
指定団体を
通じた取引
の場合
酪 農 家B
パン工場・
飲料メーカー など
販売
余剰分の生乳は
受け取れない!
酪 農 家A
乳業メーカーとの
相対取引
の場合
実需者
酪 農 家B
販売
酪 農 家A
製品
納入
消費者
卸売業者
酪農家
生乳を
販売
販売
【処理・殺菌】
【加工】
【加工】
牛乳・はっ酵乳 など 生クリーム など バター・脱脂粉乳
チーズ など
酪農家
販売
指定生乳生産者団体
委託販売
乳業メーカー
生乳を
用途別に
販売
月
:生乳の生産量
:牛乳の生産量
分娩
21
23
受胎
牛乳や乳製品は
どのように消費者に届いているの?
22
牛乳
生乳
◎生乳生産量:351万トン/年
1頭1頭で
乳量が異なる
20
Q.2
誕生から2 年
23
26
(万トン)
A
生産拡大には約3年が必要
24
気温が25℃を超えると
乳成分や乳量が低下
29
l
1000m
◎酪農家戸数:10,500戸
誕生
都府県
主に飲用製品向けの生乳を供給
◎資料:牛乳乳製品統計[平成
27年度]、畜産統計[平成28年2
月1日現在]
(ともに農林水産省)
乳牛の搾乳開始までの流れ
授精
も減少傾向にあります。
指定団体
注文は多いけど
生乳が足りない!
指定団体が
販売先を調整し
廃棄を防ぐ
○○乳業
△△乳業
◎全中作成
ニッポンの酪農を守り、
安全・安心な牛乳・乳製品を食卓にお届けするために
指定生乳生産者団体は、酪農家が集まって構成する農業協同組合および連合会です。消費者に安全・安心でおいしい
牛乳・乳製品をお届けするため、着実な努力を積み重ねてきました。これからも、酪農家の減少や生乳生産量の伸び
悩みなどの課題に立ち向かい、牛乳・乳製品の安定供給や酪農家の所得向上に努めていきます。
○○乳業
△△乳業
◎全中作成
ら、
「指定団体」が安全・安
催:
「ふるさとの食 にっぽんの食」
心な生乳の生産・流通、牛
全国実行委員会、同東京実行委員
乳や乳製品の価格安定に役
会)が開催されました。
立っていることを伝えまし
会場の東京・大手町の日経ホー
た。
『週刊新潮』では、矢坂
ルには、多くの参加者が集まりまし
雅充東大大学院准教授によ
た。
る「日本の酪農を守るために」
シンポジウムではJAの自己改革
論文を掲載しました。
を含めた農業改革を基に、何を守り、
都市在住の方々に酪農や
何を改革すべきか、奥野会長をはじ
生乳の流通について正しく
め、齋藤健農林水産副大臣、浅田
理解してもらえるよう、積極
克己日本生協連会長、十倉雅和経団
的に情報を発信していきま
連副会長、片山善博慶応大学教授を
す。
招いて、活発な議論を行いました。
『日本経済新聞』
『週刊新潮』の意
シンポジウムの模様は、NHK E
見広告 PDF は、
『月刊JA』のホ
テレで、 3 月 5 日(日)14時から、
ームページにアップしています。
©よい食P
14
2
月
月刊 JA
2017/03
放送される予定です。