指定生乳生産者団体制度の機能発揮に向けた要請書

指定生乳生産者団体制度の機能発揮に向けた
要
請
書
平成28年10月
北海道農協酪農・畜産対策本部
北海道は、全国の過半の生乳を生産しており、このうち乳製品
向けが 8 割を占める中で、国民に対し、安全・安心な牛乳・乳製
品を安定的に供給する役割と責任を担っている。
これまで、本道では指定生乳生産者団体制度のもと、全道各地
で生産される生乳を、災害や事故など予期せぬ事態においても適
切に集荷し、日々の需給変動に即応するため様々な輸送手段を確
保しながら多元的な用途・乳業者に販売することで、消費者への
安定供給、さらには、全道酪農家が安心して経営を持続できる環
境づくりに努力してきた。
先般、閣議決定された規制改革実施計画では、
「制度の是非や現
行の補給金の交付対象の在り方を含めた抜本的改革について検討
し、結論を得る」とされたが、酪農家の所得向上、乳業者の健全
な発展及び消費者への安定供給のためには、引き続き、指定団体
制度の機能が必要不可欠である。
したがって、今後の検討にあたっては、指定団体制度の果たす
役割の重要性を踏まえ、以下の機能が発揮できる制度となるよう
強く要請致します。
記
1.酪農家の一層の所得向上に向けて、再生産可能となる生乳の価
格形成の実現を図るため、乳業者との価格交渉機能が発揮でき
る制度とすること。
2.酪農生産基盤の強化と生乳生産拡大のためには、酪農経営の安
定と地域コミュニティの維持が必要であり、あらゆる輸送手段
により経費削減など効率的な集送乳を可能とし、地理的条件の
影響を緩和する生乳の一元集荷・多元販売機能が発揮できる制
度とすること。
3.生乳は毎日生産される一方、腐敗しやすく貯蔵性がないという
特性上、日々の需給変動に応じ、迅速かつ安定的に需要者・消
費者に対し、安全・安心な牛乳・乳製品を供給していくことが
必要であり、これに不可欠な全道、全国での広域的な需給調整
機能が発揮できる制度とすること。
4. 事故や災害等が発生した際に、指定団体間や乳業者等との連携
を通じ、生乳廃棄を最小限に抑制し、機動的な集送乳により消
費者へ安定供給するなど事故災害時への対応機能が発揮できる
制度とすること。