平成27年度施設改善実施報告

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平成 27 年度施設改善実績報告のまとめ 技術安全委員会
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1.施設改善の実施
ることで会員各自の予防保全業務の質的向上に役立てて
施設改善実績報告は、アンケート形式で任意に報告し
頂きたい。
てもらった会員の施設改善実績を集約整理し、全体の概
昨年の調査から全国の電気管理技術者協会で統計をと
況をまとめて報告するものである。電気管理技術者は、
ることになり、統計期間(従来 9 月1日から翌年 8 月 31日)
保守・点検に際し、常に問題意識をもって設備に相対し、
が、年度(4 月 1 日から翌年 3 月 31 日)に変更になった。
問題点を摘出、改善意欲をもって対処することが大切で
また今回より、最近の事故等から問題意識をもって対応
ある。統計的にあらわれた改善・改修項目の多寡から、
して頂きたい項目が追加されている。
他の会員の力点の置き所が把握できる。これを参考にす
表 1 過去 5 年間の施設改善実績
項目
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
32
施設改善・改修・取替え、設備内容
23 年度
高圧ケーブルを取替えた
752
PAS・PGS を新規に設置した(直接引込みから設置へ)
982
PAS・PGS を取替えた
UGS・UAS を新規に設置した(PDS、MDS からの変更)
580
UGS・UAS を取替えた
地絡・短絡防止対策を施した(DS・LBS 相間絶縁バリヤを設置ほか)
―
プライマリーカットアウトスイッチ(PCS)を取替えた
―
パワーヒューズ(PF)を改修(不良交換、更新、容量の適正化)した
285
LBS を取替えた
836
VCS・VMC 等の負荷開閉器を取替えた
―
遮断器を取替えた(OCB、VCB 他)
405
計器用変圧器(VT)・変流器(CT)を取替えた、または撤去をした
288
過電流継電器(OCR)を取替えた
271
地絡継電器(GR、DGR 他)の取替え、または ZCT の設置位置を変更した
303
雷害防止の為アレスターを設置または取替えた
89
クリー卜または母線支持碍子、絶縁電線の改善をした(絶縁回復剤での改善は含まない)
267
絶縁回復剤で高圧機器絶縁の維持・回復の対策を施した
―
トランスの改修(増設、減設、取替え)をした
686
絶縁油の交換または劣化防止剤を入れた
526
高圧コンデンサー・リアクトルを取替えた、PF の設置、高調波対策をした
255
小動物侵人防止対策を実施した
1213
電気室・キュービクルヘの植物・つる草類の浸入防止または伐採をした
6865
構内工事施工時の管理技術者への連絡義務化を徹底した、保安教育を改めて行った
1909
暴風雨・雪による電気設備への悪影響防止対策を実施した
462
漏電遮断器・漏電火災警報器を取替えた
―
漏電遮断器を新設した
―
ナイフスイッチ・ブレーカ等、及び電磁開閉器等を改修した
1226
低圧幹線・コンセント・低圧コンデンサ等の改修(過熱・緩み・絶縁不良等)をした
2021
低圧 CV 電線の紫外線劣化対策、紫外線劣化による張替を実施した
―
接地抵抗値の改善、接地線等の改修を実施した
460
キュービクル・電気室のリニューアルを行った
299
キュービクル他環境整備(塗装、錆穴補修、排水改善、昇降階段等安全改善)をした
664
自家発電装置を改修(整備、取替え、新設を含む)した
525
その他
161
合 計
22330
24 年度
928
25 年度
740
26 年度
980
1164
913
1116
706
604
725
―
―
264
952
―
494
320
383
341
101
359
―
667
593
283
1448
7958
1954
541
―
―
1341
2167
―
455
303
853
596
416
25587
―
―
235
784
―
404
269
310
270
82
299
―
533
493
200
1297
6667
1494
509
―
―
1091
1869
―
426
265
613
421
200
20988
―
―
251
940
―
482
300
365
271
72
239
―
591
511
291
1455
7087
1425
960
―
―
1170
1663
―
396
311
575
462
185
22823
27 年度
998
258
787
598
69
179
111
281
780
97
378
259
337
246
62
222
2234
460
460
301
1444
6297
1234
685
484
346
693
1140
76
328
322
652
367
167
23352
電 気 管 理 技 術 2016 年 10 月号
2.施設改善件数の年度比較
の実態に応じ、それぞれの工夫を加えて維持・改善・改
27 年度を含め過去 5 年間の施設改善件数実績は、表 1
修を実施していくことが必要である。
(前頁)
に示すとおりである。(改善項目は今回変更あり)
図 1 は、変電設備環境と、低圧関係の過去 5 年間の改
改善総件数は、年間 20000 件~ 26000 件となってる。
善件数を示す。内訳を見ると「植物・つる草類対策」が
調査項目変更の影響もあるが、昨年度比で約 2%の微増
圧倒的に多く、27 年度も 6297 件となっている。
となった。
今回から追加した「絶縁回復剤での維持・回復」は
2 番目に多く、2234 件となっている。ただこの手法は、
3.改善件数の推移
設備維持を目的として多くの客先で使用している会員が
自家用電気工作物の維持管理には予防保全的見地から
いる一方、多くの会員は回復目的の必要時のみの使用に
施設の改善・改修が極めて重要となる。自家用構内で通
限定されている。
常行われる各種環境整備や改善・改修は、高度な技術や
図 2(次頁)は、高圧関係の過去 5 年間の推移を示す
多額な経費を伴う場合だけでなく、草取りや清掃と言っ
グラフである。27 年度は 26 年度に比べ全体的に減少し
た地道なものまで幅広くある。電気管理技術者は、施設
ている。今回より PAS と UGS の新設と改修の項目を分
項目
施設改善・改修・取替え、設備内容
件数
0
1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000
17
絶縁回復剤で高圧機器絶縁の
維持・回復の対策を施した
21
小動物侵人防止対策を実施した
22
電気室・キュービクルヘの植物・つる草類の
浸入防止または伐採をした
23
構内工事施工時の管理技術者への連絡義務
化を徹底した、保安教育を改めて行った
24
暴風雨・雪による電気設備への悪影響
防止対策を実施した
25
漏電遮断器・漏電火災警報器を取替えた
26
漏電遮断器を新設した
平成25年度
27
ナイフスイッチ・ブレーカ等、及び
電磁開閉器等を改修した
平成26年度
28
低圧幹線・コンセント・低圧コンデンサ等の
改修(過熱・緩み・絶縁不良等)をした
29
低圧CV電線の紫外線劣化による
対策、張替を実施した
30
接地抵抗値の改善、接地線等の改修を実施し
た
32
キュービクル他環境整備(塗装、錆穴補修、
排水改善、昇降階段等安全改善)をした
33
自家発電装置を改修
(整備、取替え、新設を含む)した
平成23年度
平成24年度
平成27年度
図 1 変電設備環境等・低圧関係の過去 5 年間の改善件数
電 気 管 理 技 術 2016 年 10 月号
33
項目
1
施設改善・改修・取替え、設備内容
件数
0
200
400
600
800
1000
1200
高圧ケーブルを取替えた
2、3
PAS・PGSを設置・改修した
(平成27年度より、設置と改修を分ける)
4、5
UGS・UASを設置・改修した
(平成27年度より、設置と改修を分ける)
6
地絡・短絡防止対策を施した(DS・LBS
相間絶縁バリヤを設置ほか)
7
プライマリーカットアウトスイッチ(PCS)
を取替えた
8
パワーヒューズ(PF)を改修(不良交換、更新、
容量の適正化)した
9
LBSを取替えた
10
VCS・VMC等の負荷開閉器を取替えた
11
遮断器を取替えた(OCB、VCB他)
12
計器用変圧器(VT)・変流器(CT)を
取替えた、または撤去をした
設置
改修
平成23年度
平成24年度
平成25年度
13
過電流継電器(OCR)を取替えた
14
地絡継電器(GR、DGR他)の取替え、
またはZCTの設置位置を変更した
15
雷害防止の為アレスターを設置
または取替えた
16
クリー卜、母線支持碍子、絶縁電線の
改善をした(絶縁回復剤での改善は含まない)
18
トランスの改修(増設、減設、取替え)をした
19
絶縁油の交換または劣化防止剤を入れた
20
高圧コンデンサー・リアクトルを取替えた、
PFの設置、高調波対策をした
31
キュービクル・電気室のリニューアルを行った
平成26年度
平成27年度
図 2 高圧関係の過去 5 年間の改善件数
34
電 気 管 理 技 術 2016 年 10 月号
けたが、PAS は更新時期を迎えている設備が多くなっ
当たりの施設改善件数をグラフ化したものである。会員
ているためか、新設より改修が多くなっている。PAS・
の施設改善に対する関心度や、取り組み状況がここから
UGS は、波及事故防止に重要な設備であることから経
取れるが、その評価や今後の対策については、それぞれ
年劣化改修にも一層の努力をお願いしたい。
の事情を踏まえ、各支部ごとに行って頂きたい。
なお、回答率は全支部平均で毎年増加傾向にあり、27
4.支部ごとの取り組み状況
年度は 91.6%となった。会員各位の協力に感謝したい。
図 3 は、支部ごとのアンケート回答者率と、会員一人
100%
90%
80%
平成23年度
70%
平成24年度
回 60%
答 50%
者
40%
率
30%
平成25年度
平成26年度
平成27年度
20%
10%
0%
東
京
東
支
部
東
京
西
支
部
東
京
南
支
部
東
京
北
支
部
多
摩
支
部
山
梨
支
部
神
奈
川
支
部
静
岡
支
部
埼
玉
支
部
群
馬
支
部
栃
木
支
部
千
葉
支
部
常
盤
支
部
茨
城
支
部
全
支
部
平
均
25.0
会
員
一
人
当
た
り
の
改
善
件
数
20.0
平成23年度
平成24年度
15.0
平成25年度
平成26年度
10.0
平成27年度
5.0
0.0
東
京
東
支
部
東
京
西
支
部
東
京
南
支
部
東
京
北
支
部
多
摩
支
部
山
梨
支
部
神
奈
川
支
部
静
岡
支
部
埼
玉
支
部
群
馬
支
部
栃
木
支
部
千
葉
支
部
常
盤
支
部
茨
城
支
部
全
支
部
平
均
図 3 支部ごとの回答者率(上)と会員一人当たりの施設改善件数(下)
電 気 管 理 技 術 2016 年 10 月号
35