海外ではすでに使用されているのに 日本では使用できない 医薬品があります 革新的な新薬が開発されたら、できる限り早く世界中の 患者さんに届けなければなりません。しかし、追加試験 や承認審査の手続きなどのために、国によって使用可能 欧米諸国をはじめ、世界の多くの国ですでに使用されて いる医薬品のうち、およそ 5 分の 1 の品目が日本では使用 できません。 2007 年に厚生労働省の「有効で安全な医薬品を迅速に 提 供するための検 討 会」は、ドラッグ・ラグの解消に向 けて、国際共同治験の推進や、医薬品医療機器総合機構 (PMDA)における審査期間の短縮化などを提言し、国は 治験を含む臨床研究体制の整備に着手しました。 になる時期が遅れることがあります。このことをドラッグ・ ラグと呼びます。 なかでも日本はドラッグ・ラグが大きく、新薬が世界で 最初に発売されてから日本国内で使用できるようになる までの平均期間は 4.7 年と、主要国の中では最長です。 ■ 新薬が世界で最初に発売されてから 各国内で発売されるまでの平均期間(2007年) 「未承認薬等開発支援センター」 では、 早期導入のための支援を行っています ドラッグ・ラグの解消をめざして、製薬協は 2009(平 成 21)年 5 月に「一般社団法人未承認薬等開発支援セ ンター」を設立しました。この支援センターでは、海外 ではすでに承認されているが日本では未承認の医薬 品の中で、医療現場での重要性が高く早期導入が必 要と判断された医薬品に対して、研究開発と承 認 取 得のための専門的支援および資金補助などを行って います。 1.2 アメリカ 1.3 イギリス 1.7 スイス 1.5 スウェーデン 1.4 ドイツ 2.0 デンマーク 2.2 フランス 4.7年 日本 0 1 2 3 4 5(年) 出典:©2011 IMS Health. IMS LifeCycle をもとに作成(転写・複製禁止) 出所:医薬産業政策研究所 政策研ニュース No.25(2008 年 7 月) 8 9
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