第10次館林市交通安全計画

第 10 次
館林市交通安全計画
(平成28年度~平成32年度)
館
林
市
ま え が き
交通安全対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、昭和45年6月、交通安
全対策基本法(昭和45年法律第110号)が制定され、これに基づき、昭和
46年度以降、9次にわたる「館林市交通安全計画」を作成し、関係機関が一
体となって各種の交通安全対策を実施してきました。
その結果、館林市における交通事故による死者数は、昭和44年の19人をピ
ークに概ね減少傾向にありましたが、平成27年の年間交通事故死者数は過去
5年で最多の7人となり、依然として、交通事故は、「市民の安全を脅かす最も
身近な危険」となっています。
このような状況から、交通事故防止は従来にも増して全力を挙げて取り組まな
ければならない喫緊の課題となっており、引き続き人命尊重の理念のもとに、
交通安全対策全般にわたる総合的かつ長期的な施策を策定し、これに基づいて
諸施策をより一層推進していかなければなりません。
「第10次館林市交通安全計画」は、このような観点から、交通安全対策基本
法第26条第1項の規定に基づき、平成28年度から平成32年度までの5年
間に講ずべき交通安全に関する施策の大綱を定めたものです。
この計画に基づき、具体的な交通安全対策を推進し、交通事故の発生を抑止し
て、交通事故による死傷者をできる限り減少させ、市民が安全で安心して暮ら
すことができるまちづくりを目指します。
目
計画の基本理念
次
................................................... 1
第1章 道路交通の安全
........................................... 3
1 道路交通事故の現状
......................................... 3
2 交通安全計画における目標
.................................... 5
3 今後の道路交通安全対策のポイント
............................ 5
(1)高齢者、障がい者及び子どもの安全確保
(2)歩行者及び自転車の安全確保
(3)生活道路における安全確保
第2章 講じようとする施策
1 道路交通環境の整備
...................... 5
................................ 6
.................................. 7
....................................... 8
.......................................... 8
(1)生活道路における人優先の安全・安心な歩行空間の整備
(2)交通安全施設等整備事業の推進
(3)自転車利用環境の総合的整備
(4)その他の環境整備
........ 8
.............................. 9
............................... 10
......................................... 10
2 交通安全思想の普及徹底
.................................... 11
(1)段階的かつ体系的な交通安全教育の推進
(2)交通安全に関する普及啓発活動の推進
..................... 11
....................... 12
(3)交通安全に関する民間団体等の主体的活動の推進
............. 15
(4)住民参加・協働の推進
..................................... 15
(5)交通指導員制度の充実
..................................... 15
3 交通事故の被害を軽減する体制づくり
(1)救助・救急体制の充実
......................... 16
..................................... 16
(2)交通事故被害者支援の推進
................................. 16
<計画の基本理念>
本市は、少子高齢化の時代を迎えており、今後、人口減少の本格化と人口構成
の大きな変化が見込まれています。将来にわたり、真に豊かで活力のある社会
を構築していくためには、誰もが安全で安心して暮らすことができる社会を実
現することが極めて重要となります。
これまでも、様々な交通安全対策がとられてきましたが、平成27年中の交
通事故による死者数は過去5年で最多となる7人という状況であり、更なる対
策を講じることにより、交通事故を防止する必要があります。
交通事故のない社会は一朝一夕に実現できるものではありませんが、悲惨な
交通事故を防止するため、交通安全対策をより一層推進していかなければなり
ません。特に、「人優先」の交通安全思想を基本とし、高齢者、障がい者、子
ども等の交通弱者の安全を確保することが大切です。
本計画においては、交通社会を構成する「人」、「交通機関」、「交通環境」
という三つの要素について、相互の関連を考慮しながら、市民の理解と協力の
もと、総合的かつ計画的に市民本位の施策を実施します。
1 人に対する安全対策
運転する人はもとより、歩行者等全ての市民に対して、交通安全意識の高揚
を図ります。
また、市民が自ら安全で安心な社会の実現を目指そうとする意識が極めて重
要であることから、交通安全に関する教育、普及啓発活動を充実させます。
2 交通機関に係る安全対策
ヒューマン・エラーが直接事故に結び付かないよう設備、装置等の安全性を
1
高めるとともに、各交通機関の社会的機能や特性を考慮した高い安全水準を常
に維持するための措置を講じ、必要な検査等を実施する体制を充実させます。
3 交通環境に係る安全対策
道路網や交通安全施設等の整備、老朽化対策等を図ります。人優先の考えの
もと、人の移動空間と自動車や鉄道等の交通機関との分離を図り、混合交通に
起因する接触の危険を排除する施策を充実させます。
また、高齢社会等の社会情勢の変化や地震等に対する防災の観点にも配慮し、
通学路、生活道路、市街地の幹線道路等における歩道の整備を積極的に実施す
るなど、人優先の交通安全対策の更なる推進を図ります。
これら三つの要素に対する施策の効果を高めるために、次の視点で交通安全
対策に取り組みます。
① 交通安全に関する施策に、計画段階から市民が参加できる仕組みをつくり、
市民が主体的に行う交通安全総点検、地域の特性に応じた取り組み等により、
参加・協働型の交通安全活動を推進します。
② 救急・救助活動、負傷者の治療の充実等を図るとともに、被害者支援の一
層の充実を図ります。
③ 地域の交通実態等に応じて、費用対効果を考慮し選択と集中を行い、交通
安全に関する施策を連携させ、総合的かつ効果的に実施します。
2
<第1章
1
道路交通の安全>
道路交通事故の現状
本市は群馬県の東南部に位置し、南は埼玉県、東は茨城県、北は栃木県と接
する県境都市であり高崎方面を結ぶ国道354号、前橋方面を結ぶ国道122
号が各々の都市間へ向かう主要幹線で、通過車両が多いことが特徴です。
表-1
交通事故の推移
区
分 平成 23 年 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 平成 27 年
事故件数
548
580
490
505
424
死 者 数
5
5
3
1
7
負傷者数
668
725
607
625
513
*「平成 27 年版館林市統計書」及び館林警察署資料
本市の交通事故による死者数は、昭和44年をピークにその後は概ね減少傾
向にあります。平成27年の交通事故発生件数は424件、死者数は7人、負
傷者数は513人となっており、過去5年間で事故件数及び負傷者数について
は最少となりましたが、死者数については最多となっています。
交通事故の発生場所では、国道・県道で半数以上を占め、幹線道路での発生が
際だっています。また、事故発生状況では、交差点付近での事故が全体の68.
9%を占めており、事故類型では、安全運転義務違反(安全不確認)による事
故が25.0%と最も多く、次に一時不停止による事故が20.0%となって
います。
自転車・歩行者関係では、自転車関係の事故は81件(死傷者等82人)発生
しており、15歳以下及び高齢者が約45%(死傷者等37人)を占めていま
3
す。歩行者関係の事故は29件(死傷者等30人)発生しており、中学生以下
及び高齢者が約63%(死傷者等19人)を占めています。
自動車保有台数及び運転免許保有者の多い地域特性、道路施設の老朽化、運
転者の高齢化や携帯電話・スマートフォンの普及による危険運転の増加等、交
通環境の実態に即した交通安全対策を今後一層推進しながら、交通事故の発生
に歯止めをかけなければなりません。
表-2
自動車保有状況 (平成 27 年 3 月末現在)
区
分
館
自動車 1 台当たりの人口
林
市 群
1.18 人
馬
県 全
1.11 人
国
1.59 人
*「平成 27 年交通年鑑」及び館林警察署資料
表-3
運転免許保有状況 (平成 27 年 12 月末現在)
区
分
館
林
市 群
馬
県
免許人口
54,714 人
1,416,614 人
うち 65 歳以上
13,156 人
347,429 人
*「平成 27 年交通年鑑」及び館林警察署資料
4
2
交通安全計画における目標
・平成32年までに、
「年間の交通事故件数、交通事故死者数及び負傷者数を
平成27年実績より25%以上減少」とします。
平成23年から平成27年までの5年間で、交通事故件数は22.6%減少、
交通事故死者数は40%増加、負傷者数は23.2%減少となりました。
本計画においては、交通事故の更なる減少を目指し、平成27年実績より
25%以上減少(交通事故件数は概ね310件以下、死者数は概ね5人以下、
負傷者数は概ね380人以下)とする目標を設定します。
3
今後の道路交通安全対策のポイント
⑴ 高齢者、障がい者及び子どもの安全確保
高齢化の進展に伴い、今後とも増加することが予想される高齢者の交通事故
を防止するため、寿連合会やふれあい・いきいきサロン等と連携し、高齢者の
交通安全教育を推進するほか、反射材の効果への理解及び反射材用品の活用を
促進し、高齢者への交通安全意識の普及・啓発の徹底を図るなど、高齢者の実
像をふまえた、きめ細かな交通安全対策を講じる必要があります。更に、今後
大幅に増加することが見込まれる高齢運転者の安全確保のため、運転者教育等
の充実を進めることが必要です。
また、高齢者や障がい者の社会参加を促進するため、歩道の整備や歩行者・
自転車の通行を優先するコミュニティ道路、歩車共存道路の整備等によるゾー
ン対策の実施とともに、見やすく分かりやすい道路標識・標示やバリアフリー
対応型信号機等の整備を推進し、高齢者や障がい者が安全で安心して暮らせる
道路交通環境づくりを推進する必要があります。
5
高齢化の進展とともに、考慮しなければならないのが少子化の進展です。近
年、子どもの関係する交通人身事故件数は減少傾向にありますが、安心して子
どもを生み、育てることができる社会を実現するため、通学路等における歩道
等の歩行空間整備の積極的な推進や、交通安全教育の充実など、子どもを交通
事故から守る交通安全対策が一層必要となります。
⑵ 歩行者及び自転車の安全確保
自動車と比較して弱い立場にある歩行者の安全確保については、高齢者や子
どもにとって身近な道路の安全性を高めることが重要であり、横断歩道におい
ては歩行者が優先であることの再徹底など、運転者をはじめとする市民一人ひ
とりの交通安全意識と交通マナーの向上を図る必要があります。加えて、通学
路、生活道路、市街地の幹線道路等において、歩道の整備等を積極的に進める
など、歩行者の安全な通行の確保を図ることが必要です。
自転車の関係する交通人身事故件数は、平成27年は前年より減少しまし
たが、全事故に占める構成率はわずかに増加しました。自転車は、自動車と
衝突した場合には被害者となる反面、歩行者と衝突した場合には加害者とな
り、高額な損害賠償を求められる可能性もあることから、自転車保険への加
入を促進するとともに、被害者・加害者それぞれについての対策を講じる必
要があります。
生活道路や市街地の幹線道路において、自動車や歩行者と自転車利用者の
共存を図ることができるよう、自転車の走行空間ネットワークの整備を積極
的に進め、自転車の安全利用を促進する必要があります。
また、自転車利用者については、理解不足による交通ルールやマナー違反が
多いことから、「自転車安全利用五則」の周知をはじめとした交通安全教育等
の充実を図る必要があります。
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【自転車安全利用五則】
1 自転車は、車道が原則、歩道は例外
2 車道は左側を通行
3 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
4 安全ルールを守る
・飲酒運転、二人乗り、並進の禁止
・夜間はライトを点灯
・交差点での信号遵守と一時停止・安全確認
5 子どもはヘルメットを着用
⑶ 生活道路における安全確保
平成27年の本市の歩行中及び自転車乗用中の死傷者は、112人(歩行者
30人、自転車乗用中82人)で、交通人身事故発生件数の44.8%が市
道の生活道路で発生しています。
このような状況を踏まえると、今後は自動車の速度抑制を図るための道路交
通環境の整備、交通指導取締りの強化、安全な走行の普及等の対策を講じると
ともに、自動車が生活道路へ流入することを防止するための幹線道路における
交通安全対策や交通流の円滑化を推進するなど、生活道路における交通の安全
を確保するための総合的な対策を一層推進する必要があります。
7
<第2章
1
講じようとする施策>
道路交通環境の整備
⑴ 生活道路における人優先の安全・安心な歩行空間の整備
① 市道整備の推進
交通事故の発生を防止し、安全かつ円滑な道路交通環境を考慮した市道
の整備を推進します。
② 災害発生に備えた安全の確保
地震、豪雨等による災害発生時における交通の安全を確保するために、
日常の安全点検に努めます。
③ 事故多発地点の重点的整備
交通事故多発地点、その他緊急に交通の安全を確保する必要のある道路
について、総合的な計画のもとに交通安全施設の整備を図ります。
④ 通学路等の歩道整備の推進
関係機関と連携した通学路点検を実施し、危険箇所の改善に努めるとと
もに、信号機や歩道等の整備、
「ゾーン30」等の車両速度や通過交通の抑
制等、安全な歩行空間の確保による交通事故対策を推進します。
【ゾーン30とは】
生活道路における歩行者等の安全な通行を確保することを目的として、
区域(ゾーン)を定めて時速30キロの速度規制を実施するとともに、そ
の他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における速度抑制や、
抜け道として通行する行為の抑制等を図る生活道路対策。
*警察庁資料
8
⑵ 交通安全施設等整備事業の推進
道路交通安全施設等の整備については、事故発生の現状を分析・検討し、事
故多発地点、通学路、その他緊急に交通の安全を確保する必要がある道路につ
いて、優先して各種交通安全施設の整備を推進します。
① 信号機の整備
交通事故の多発している交差点及び交通事故が発生する危険性の高い場
所については、道路改良と並行して信号機の設置を関係機関に働きかけて
いきます。
② 道路標識の整備
宅地開発や市道の新設、改良等により、交通流や交通量が変化しつつあ
る地区については、効果的な警戒標識の設置を推進するとともに、既存の
標識の見直しや的確な規制標識等の設置を関係機関に働きかけていきます。
③ 道路標示の整備
道路改良等により既設の標示が損傷した箇所等については速やかに補修
するとともに、学校、幼稚園、保育園等への通学等の安全を確保すること
に重点を置き、横断歩道及び歩行者路側帯標示の整備を促進します。
④ 防護柵の整備
道路上の段差の大きい箇所や急カーブ近辺においては、車両等の転落を
防止するため、また、幅員が狭く歩行者用路側帯の標示だけの箇所につい
ては、歩行者及び自転車利用者の安全性を確保するためにガードレール等
の防護柵の整備を推進します。
⑤ 道路反射鏡の整備
道路の新設や宅地開発により、見通しの悪いカーブ・交差点が今後も増
加する可能性があるため、道路反射鏡の整備を推進します。また、既設の
道路反射鏡で視認性の低下したものについては、補修、交換等に努めます。
9
⑶ 自転車利用環境の総合的整備
① 安全で快適な自転車利用環境の整備
自転車道や自転車専用通行帯、歩道上の歩行者と自転車の通行部分の指
定等、自転車走行空間ネットワークの整備を推進します。
② 自転車等の駐車対策の推進
公共の場所における自転車等の放置防止のため、放置禁止区域内の違法
駐車に対する指導取締りの強化に努めるとともに、条例に基づき、自転車
等駐車場及び放置自転車の適切な管理を行います。
⑷ その他の環境整備
① 駐車対策の推進
幹線道路、市街地における無秩序な違法駐車車両を排除し、道路交通の
安全性と円滑性を確保するため、駐車禁止等の交通ルールの普及啓発を図
るとともに、違法駐車車両の指導や取締まりを関係機関に働きかけていき
ます。
② 道路使用及び占用の適正化等
工作物の設置、工事等のための道路の使用及び占用については、安全か
つ円滑な道路交通を確保するための適正な運用と許可条件の履行、占用物
件等の維持管理の適正化を図ります。
③ 子どもの遊び場等の確保
道路上での遊戯等による交通事故を防止するため、地域の公園等の利用
促進を図ります。
④ 災害発生時における関係機関との協力
災害発生時に、混乱を最小限に抑え、緊急交通路を確保するため、警察署
等の関係機関との連携を図ります。
10
2
交通安全思想の普及徹底
交通安全教育は、「人優先」の交通安全思想のもと、交通ルールの遵守と交
通マナーの向上に努め、交通事故を起こさない意識を育てることが目的であり、
幼児から高齢者に至るまでの心身の発達段階やライフステージに応じた段階
的かつ体系的な交通安全教育について、交通安全思想の普及徹底を図ります。
⑴ 段階的かつ体系的な交通安全教育の推進
① 幼児に対する交通安全教育
基本的な交通ルールを遵守し、正しい交通マナーを実践する態度を習得
させるとともに、日常生活において道路を安全に通行するために必要な基
本的技能・知識の習得を目指し、幼稚園・保育園、家庭、地域等との連携
を図りながら、計画的かつ継続的に実施します。
② 児童生徒に対する交通安全教育
児童生徒の心身の発達段階や地域の実情に応じて、日常生活における交
通安全に必要な事柄、特に自転車の安全利用のための知識や技能を習得し、
自他の生命の尊重及び責任を持ち行動する健全な社会人を育成することを
目標として、学校、家庭、地域等との連携を図りながら、計画的かつ継続
的に実施します。
また、家庭における交通安全に関する話し合い等により、正しい交通ル
ールの習得と交通マナーの実践の習慣付けを促進するための広報啓発活動
等を推進するとともに、各学校 PTA 等の保護者組織、交通少年団、交通指
導員、児童館活動等の交通安全に関する地域活動の積極的な推進に努めま
す。
③ 成人に対する交通安全教育
自動車、オートバイ及び自転車を運転する人に対し、知識や技能の向上
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を図りつつ、自分を含めた同乗者、外部の人及び物に危害を与える可能性
を踏まえた安全意識を認識するよう、機会ある度に啓発推進を図ります。
また、社会的責任の自覚、安全運転に必要な技能・技術、危険予測・回
避能力の向上、被害者の心情等交通事故の悲惨さに対する理解、交通安全
意識・交通マナーの向上など、参加・実践型の交通安全教育を推進すると
ともに、職場・地域等における取り組みを促進します。
④ 高齢者及び障がい者に対する交通安全教育
加齢に伴う身体機能の変化が歩行者又は運転者としての交通活動に及ぼ
す影響の理解と交通状況に応じて安全に道路を通行するために必要な実践
的技能及び交通ルール等の知識の習得を目指し、寿連合会・福祉団体等の
関係機関と連携し高齢者の交通安全教育推進体制を整備します。
加えて、高齢者に対する交通安全指導者の養成や反射材用品の配付、在
宅高齢者に対する訪問事業等のほか、高齢運転者対策として、運転免許自
主返納支援制度の周知など、高齢者の実態に合わせた施策を推進します。
また、障がい者については、地域における福祉活動の場を利用するなど、
障がいの程度等に応じたきめ細かな交通安全教育の推進に努めます。
⑵ 交通安全に関する普及啓発活動の推進
① 交通安全運動の推進
交通事故防止の徹底を図るため、市及び交通安全団体が協力して、四季
の交通安全運動及び毎月1日の県民交通安全日を中心として、地域の実情
に即した幅広い交通安全運動を展開します。また、運動の実施にあたって
は、次の重点項目を中心に、創意工夫を凝らし地域住民の自主的な参加の
もとに、活発な諸活動が継続的に行われるよう配慮します。
12
○
高齢者・子ども及び若者の交通事故防止
○ シートベルト及びチャイルドシートの正しい着用の徹底
○ 薄暮・夜間における交通事故防止
○ 二輪車・自転車の安全利用の促進
○ 飲酒運転の根絶
○
交差点・追突事故防止
② 自転車の安全利用の推進
自転車利用者に正しい通行方法を周知し、交通ルールの遵守と交通マナ
ーの実践を促進することにより、自転車の交通事故防止と危険・迷惑行為
の防止を図ります。
ア 車両としての交通ルールを遵守するとともに、正しい交通マナーを実践
するよう啓発を強化します。
イ 自転車運転者講習制度の周知活動を推進します。
ウ 関係機関と連携し、自転車のマナーアップ活動を推進します。
エ 自転車乗用中の交通事故や自転車による迷惑行為を防止するため、「自
転車安全利用五則」を活用し、歩行者や他の車両に配慮した通行等、自転
車の正しい乗り方の普及啓発を強化します。
オ 自転車の歩道通行時のルールを周知・徹底します。
カ 歩行者と衝突した場合に加害者となる側面も有する者としての十分な
自覚・責任が求められることの意識の啓発を図ります。
キ 薄暮・夜間に自転車の重大事故が多発する傾向にあることを踏まえ、早
めのライト点灯の徹底と、自転車への反射材の取付けを促進します。
ク 幼児同乗中の自転車の危険性、事故実態の広報啓発を行います。
ケ 幼児・児童向け自転車用ヘルメットの着用を促進します。
コ 自転車事故に関する高額な損害賠償に対応するための自転車保険等へ
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の加入を促進します。
③ シートベルト及びチャイルドシートの正しい着用の徹底
四季の交通安全運動、講習会、広報及び街頭活動等様々な機会を利用し、
後部座席を含めたシートベルト及び子どもが同乗する際のチャイルドシー
トの正しい着用の徹底に努めます。
④ 反射材の普及促進
ア 夜間における視認性を高め、歩行者及び自転車利用者の事故防止効果
が期待できる反射材用品や自発光式ライト等の普及のための積極的な広
報啓発を推進します。
イ 反射材用品等の視認効果、使用方法等についての理解を深めるための参
加・体験・実践型の交通安全教育を実施します。
ウ 寿連合会やふれあい・いきいきサロン等の高齢者に関係する団体への反
射材用品の配付や、交通安全協会女性部が実施している「足元に生命(い
のち)の発信運動」を通じての普及・着用促進活動を推進します。
⑤ 飲酒運転根絶に向けた規範意識の確立
ア 飲酒運転の危険性や飲酒運転による交通事故の実態を周知するための
交通安全教育や広報啓発を推進します。
イ 交通安全協会や安全運転管理者、酒類提供飲食店等と連携したハンドル
キーパー運動の普及啓発など、地域や職場等における飲酒運転根絶の取り
組みを更に進め、「飲酒運転をしない、させない」という市民の規範意識
を確立します。
⑥ 効果的な広報の実施
ア 市民一人ひとりに交通安全思想の普及を図るとともに、正しい交通ルー
ルと交通マナーの実践を習慣づけさせるためには、家庭の果たす役割が極
めて大きいことから、各種広報媒体を活用することにより家庭に浸透する
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きめ細かい広報の充実に努め、子ども、高齢者等を交通事故から守るとと
もに、運転者のモラルの向上を図ります。
イ 四季の交通安全運動期間中においては、市広報車を利用し、効果的な広
報活動を行います。
⑶ 交通安全に関する民間団体等の主体的活動の推進
ア 交通安全施策に関する行政及び民間団体間の定期的な連絡協議の場の設
置や交通安全に関する各種情報の集約・提供体制の整備を図ることにより、
官民一体となった交通安全活動推進体制の強化を図ります。
イ 交通安全を目的とする民間団体が行う交通安全に関する主体的活動の支
援を行います。
⑷ 住民参加・協働の推進
ア 住民や道路利用者が「交通事故多発マップ」の作成や交通安全総点検等
に積極的に参加できる仕組みづくりなど、行政と市民の連携による交通安
全対策を推進します。
イ 重大交通事故を未然に防止するため、交通上の危険者を発見したときは速
やかに 110 番通報を行う「命を救う思いやり110番通報」制度を普及促
進します。
⑸ 交通指導員制度の充実
ア 子どもや高齢者等の交通弱者を交通事故から守るため、交通指導員が中
心となり、登校時の立哨活動や交通安全教室の開催等により、地域の交通
安全を推進します。
イ 交通指導員の知識及び技術の向上を図るため、研修会等を開催します。
15
3
交通事故の被害を軽減する体制づくり
⑴ 救助・救急体制の充実
交通事故による負傷者の救命を図り、また、被害を最小限にとどめるため、
救急医療機関、消防機関等との連携を強化します。
また、自動体外式除細動器(AED)の使用を含めた応急手当の知識・実技
の普及のための講習会等の啓発活動を推進します。
⑵ 交通事故被害者支援の推進
交通事故被害者は、身体はもとより精神的、経済的に大きな打撃を受けてい
るうえ、交通事故に関する知識や情報が乏しい場合が少なくないことから、自
転車を含む損害賠償保険等の加入促進を行うほか、群馬県交通事故相談所及び
社会福祉協議会の心配ごと・法律相談や、交通遺児育英資金等の支援制度を積
極的に利用できるよう、各種広報媒体を活用し、情報提供と交通事故被害者支
援の推進に努めます。
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