第 2 次竹田市地域福祉計画 第 3 次竹田市地域福祉活動計画

第 2 次竹田市地域福祉計画
第 3 次竹田市地域福祉活動計画
(素案)
平 成 29 年
竹
田
市
竹田市社会福祉協議会
目
次
第1章 第1章策定にあたって ....................................................................................... 1
1 地域福祉を取り巻く背景等 ......................................................................................................... 1
2 計画策定の趣旨 ................................................................................................................................. 2
3 計画の位置づけ ................................................................................................................................. 3
4
第2次竹田市地域福祉計画・第3次地域福祉活動計画に盛り込むべき事項 ..................... 5
5 新たな福祉課題について.............................................................................................................. 6
6 計画の期間 ........................................................................................................................................... 6
7 計画の主体 ........................................................................................................................................... 7
8 計画策定の流れ ................................................................................................................................. 8
第2章 本市の状況と課題 .................................................................................................... 9
1 統計からみる本市の状況.............................................................................................................. 9
2 アンケート結果からみる本市の状況 ................................................................................... 12
(1)竹田市高齢者生活課題実態調査 .............................................................................. 12
(2)大分県地域福祉に関する住民ニーズ調査 .......................................................... 17
3 よっちはなそう会からの課題の抽出 ................................................................................... 25
(1)よっちはなそう会について ....................................................................................... 25
(2)具体的な意見の内容等 ................................................................................................. 27
第 3 章 新たな福祉の課題 ................................................................................................ 30
重点課題1 地域福祉の視点を持った地域づくりの推進 ............................... 30
重点課題2 地域住民と福祉の連携の広がり ....................................................... 31
重点課題3 権利擁護に関する体制整備 ................................................................. 32
重点課題4 生活困窮者への自立支援 ...................................................................... 33
重点課題5 災害時における避難行動要支援者に対する支援
................ 34
第 4 章 基本理念と基本目標.......................................................................................... 35
1 基本理念.............................................................................................................................................. 35
2 基本目標.............................................................................................................................................. 36
3 計画の体系 ......................................................................................................................................... 37
第5章 計画の取組み ............................................................................................................... 38
基本目標1 地域住民が主体的に支え合う、
人づくり仕組みづくりをめざします ......................... 38
基本目標2 誰もが安心して暮らせるサービスの提供をめざします ......................... 46
基本目標3 誰もがいきいきと暮らせる生涯現役、
元気な地域づくりをめざします .......................... 53
第 6 章 計画の推進.................................................................................................................... 55
◆竹田市社会福祉協議会が果たす役割 ................................................................. 56
地域福祉活動計画を実践するために ........................................................................................ 56
基本目標 1 地域住民が主体的に支え合う、
人づくり仕組みづくりをめざします .................... 57
基本目標2 誰もが安心して暮らせるサービスの提供をめざします .................... 59
基本目標3 誰もがいきいきと暮らせる生涯現役、
元気な地域づくりをめざします .................. 62
◆取組み事例......................................................................................................................................... 63
1章
第
策定にあたって
1 地域福祉を取り巻く背景等
今日のわが国では、平均寿命の延伸による長寿化と、晩婚化や未婚化などによる
少子化により、人口構成が大きく変化してきています。
本市においても、少子高齢化、人口減少の傾向が近年さらに加速し、これまでの
地域づくりの仕組みだけでは、市民が住み慣れた地域で、安心して暮らし続ける事
が困難な状況も生まれています。
そのような中、竹田市では先進的政策マニュアルとして新生ビジョンを策定し、
「地域力」、「人間力」、「経営力」、「行政力」の4つの力の推進による具体的な戦略
を示しながら、住民との協働による地域づくりに取組んできました。
特に、地域福祉の充実については、竹田市社会福祉協議会が行政との整合を図り
ながら第 2 次地域福祉活動計画(平成24年~平成28年)を策定し、地域住民や
関係機関と連携し取組んできました。今後、多様化・複雑化する福祉ニーズに対応
するためには包括的支援体制の構築や住民主体の支え合い、助け合いなどを含む「新
しい地域づくり」の取組みが一層と必要とされています。
本計画では「地域福祉」の考え方を各分野に取り入れ、
「住民一人ひとりが、その
人らしく地域で安心していきいきと暮らし、共に支えあう住みよいまち・たけた」
を基本理念として、市民が住み慣れた地域で安心して暮らし続ける仕組みづくりや
実践について体系的にまとめ、地域と行政、社会福祉協議会、民間、NPO等の「協
働」によるこれからの取組みの指針とするものです。
さらに、東日本大震災や平成24年 7 月九州北部豪雨、平成 28 年4月熊本地震
によるボランティアセンターやボランティアベースキャンプ*A の活動経験を活かし、
防災の理念に基づく支え合いの仕組みづくりや民間との連携など、新たな福祉の役
割や意義についても本計画の中で位置づけを行います。
*A (取組み事例 P62)参照
- 1 -
2 計画策定の趣旨
(1) 自助、互助、共助、公助、協働の視点
第 2 次竹田市地域福祉計画・第 3 次竹田市地域福祉活動計画では、地域福祉を推
進するための視点として「自助」
「互助」
「共助」
「公助」という概念を整理しました。
「自助」は、できることを自分自身の努力で行うことであり、
「互助」は、住民が
自発的に相互に支え合うことです。また、
「共助」は、地域コミュニティ(地域の様々
な単位の組織)等の組織の中で助け合うことも含めて支え合う仕組みです。「公助」
は、行政による公的サービスです。
それに加え「さまざまな立場の横のつながりによる取組み」を「協働」とする視
点も取込み、参画・連携を調整しながら、支え合いの仕組みを構築・推進していき
ます。
「自助・互助・共助・公助」
「協働」の考え方に基づく新しい福祉社会の構築をめ
ざし、地域の特性や課題に対応した活動を支援し、さまざまな視点で、地域福祉の
展開を進めながら、地域福祉力の向上をめざします。
自
助
【住民一人ひとりができること】
できることを自分の努力で行うこと
【地域でできること】
互
共
助
助
互助・・・隣近所や地域住民同士が思いやりを持
ち、自発的に互いに支え合うこと
共助・・・地域コミュニティ(地域の様々な単位の
組織)の中でシステム化された支援活動
【行政ができること】
公
助
個人や地域社会では解決できない問題への取組み
や、解決を行います
【住民と多様な関係機関・団体等が連携してできること】
協
働
いろいろな取組みを、住民・事業所・社会福祉協議会・行政・
民間など、異なる主体同士が協力して行うこと
- 2 -
(2) 地域福祉とは
福祉を考えるとき、私たちは、高齢者、障がい者、子どもなどの、対象者ごとに
分けてとらえがちです。それは、今まで対象ごとに法律や制度が作られ、必要な福
祉サービスが提供されてきた背景によるところが大きいと考えられます。
しかし、地域の生活課題の中には、一つの法律や福祉制度では対処できない複合
的な課題や、公的なサービスの対象とならないけれども生活する上で困っているこ
となど、既存の公的サービスの枠組みに当てはまらないことがたくさんあります。
地域福祉とは、地域の人と人とのつながりを大切にし、お互いに支えたり、支え
られたりする関係やその仕組みを作っていくことで、こうした人たちの生活課題を
解決し、ひいては、地域全体をより良いものにしていこうとする営みです。
社会福祉法においては、地域福祉の推進について、第 4 条に以下のように示され
ています。
(地域福祉の推進)
第 4 条 地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関す
る活動を行う者は、相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会
を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活
動に参加する機会が与えられるように、地域福祉の推進に努めなければならない。
3 計画の位置づけ
(1) 地域福祉計画とは
地域福祉計画は、社会福祉法第 107 条を根拠とし、だれもが住み慣れた地域で、
安心していきいきと暮らしていけるように、互いに助け合い、支え合うような関係
づくりを進めるため、竹田市新生ビジョンの方向性を受けて、住民、地域の関係団
体等と行政が協働して進めていくための計画です。
(2) 地域福祉活動計画とは
地域福祉活動計画は、民の立場から住民が地域でいきいきと安心して生活をする
ために、社会福祉協議会、地区社会福祉協議会や福祉関係諸団体の活動課題を明確
にし、問題解決に向けた実践の計画です。自治会、各種団体、NPO や民間との連
携を視野に入れ、地域社会全体の社会福祉諸サービスや地域福祉活動について、公
民協働を基本に作成した、住民や民間の総合的な行動計画です。
- 3 -
(3) 関連計画との連携について
地域福祉計画は、複雑化・多様化している住民の生活課題を解決するため、本市
の各種計画を横断的に連携しながら、住民の地域福祉の向上を実践するための計画
です。
したがって、本市の各分野の法定計画との整合が不可欠であり、また、安心して
暮らし続けることができる地域づくりを進めるためには、保健福祉以外の各分野計
画との調和も必要です。
そこで、本計画は、竹田市新生ビジョンの地域づくりの方向性を受け、本市の各
関連計画と連携しながら、計画を進めていきます。
【その他関連する計画等】
竹田市地域福祉計画
- 4 -
●竹田市都市計画マスタープラン
竹田市健康づくり計画
竹田市すこやか支援計画
竹田市障がい者基本計画・
竹田市障がい福祉計画
長寿いきいきプラン
(
竹 田市老人福祉計画 ・
介護保険事業計画 )
竹田市地域福祉活動計画
竹田市新生ビジョン
●人権教育・啓発基本計画
●竹田市地域防災計画
●男女共同参画プランたけた
●竹田市食育推進計画
4
第2次竹田市地域福祉計画・第3次竹田市地域福祉活動計画
に盛り込むべき事項
竹田市地域福祉計画は、社会福祉法第107条に規定された本市の行政計画であ
り、社会福祉法第4条に規定された「地域福祉の推進」を目的として策定する計画
です。
法では、下記の3つの項目を盛り込むことになっています。
① 地域における福祉サービスの適切な利用の推進に関する事項(サービスの利用促進)
② 地域における社会福祉を目的とする事業の健全な発達に関する事項(サービスの基盤
整備)
③ 地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に関する事項(地域福祉活動への住民
参加の促進)
また、第 3 次竹田市地域福祉活動計画は、地域社会全体の社会福祉諸サービスや
地域福祉活動について、公民協働を基本に作成した、住民や民間の総合的な活動計
画で、下記の項目を盛り込むことになっています。
① 行政と連携し、地域住民や民間(社会福祉協議会を含む)などが地域福祉のために何
ができるのかを考える活動計画
② 地域住民・民間団体(NPO、企業等)の福祉活動をとりまとめる社会福祉協議会の活動
計画
- 5 -
5
新たな福祉課題について
地域福祉を取り巻く課題は、地域の過疎化、少子高齢化、頻発する大災害等によ
り、ますます重要かつ広がりをみせており、市民生活を送る上で、地域福祉の考え
方が不可欠なものとなってきています。
新計画における新たな課題については、下記に示すとおりです。
•地域福祉の視点を持った地域づくりの推進
□地域福祉の視点を取り入れた生涯現役施策の推進
□地域福祉の視点を取り入れた地域づくり施策の推進
•地域住民と福祉の連携の広がり
□地域包括ケアの推進
□世代間交流や地域交流拠点の強化など
•権利擁護に関する体制整備
□「申請できない人」に適切な支援を届けるシステムづくり
□市民後見や法人後見など、成年後見制度の担い手の広がり
•生活困窮者への自立支援
□生活困窮状態から脱却するための包括的・継続的な相談支援
□地域における自立・就労支援体制の構築
•災害時における避難行動要支援者に対する支援
□要援護者の避難支援・安否確認について
□福祉避難所の確保について
6
計画の期間
第 2 次竹田市地域福祉計画及び第 3 次竹田市地域福祉活動計画は、平成 29年度
を初年度とし、平成33年度までの 5 年間を計画期間とします。
また、社会状況の変化や国・県における地域福祉施策の動向等を踏まえ、必要に
応じて見直しを行うこととします。
- 6 -
7
計画の主体
地域のつながりが薄くなっている今、地域福祉の取組みを進めていくために、ま
ず地域の住民がお互いを知り合えるようにすることや、地域活動が活発に行われる
ようにしていくことが大変重要です。また、困っている人一人ひとりにきめ細かに
対応していくためには、行政など公的な機関による施策やサービスだけでなく、住
民、地域福祉活動団体、ボランティア、事業所など、地域に関わるものの主体的な
活動やお互いの協働による取組みが必要です。
この計画の策定の過程や地域に関わるすべてのものが、それぞれ役割を分担し、
相互に協働して取組み、理念の実現をめざしていきます。
今後、さまざまな主体が地域で展開する取組みが、計画的に進められる道筋を示
すために、自分や家族、地域(自治会、地区社協、福祉団体等)で、できることを
提案します。また、市は福祉計画として、社会福祉協議会は地域福祉活動計画とし
て方針を定めます。
表の見方
(主体)
自分や家族ができる
こと
地域においてできる
こと
(主な取組み)
よっちはなそう会等で出た意見などを踏まえ、
今後、地域福祉を充実していくために、「住民
自身や家族」「地域(自治会、地区社協、福祉
団体等)」において、取組むことを提案してい
ます。
行政が取組むこと
地域住民や地域組織の活動を支援するととも
に、福祉サービスの提供など各種制度に基づく
支援を行う役割を担っている内容を記載して
います。
社会福祉協議会が取
組むこと
地域住民に寄り添い、地域組織やボランティア
などの、活動を支援しながら、地域福祉の推進
を図る役割を担っている取組み内容を記載し
ています。
- 7 -
8
計画策定の流れ
本計画は、竹田市新生ビジョンからの動きや、地区社会福祉協議会単位で実施さ
れている「よっちはなそう会」からの提案等についても、計画課題に取り入れ、施
策体系と重点方向の整理を行います。
地域福祉計画の部分については、庁内各課への施策調査を実施しながら素案作成
を実施し、地域福祉活動計画については、地域福祉の関係課で構成される作業部会
により協議・検討を行いました。
その後、両計画とも、策定委員会での審議を経て、パブリックコメントにて、市
民意見を広く募り、より多くの市民の皆さんの声を反映しながら計画づくりを進め
てきました。
第 2 次竹田市地域福祉計画・第 3 次竹田市地域福祉活動計画
竹田市新生ビジョン
策定フロー
第2次地域福祉活動計画
基礎調査
○現状の整理
基礎調査
○現状の整理
○新生ビジョン・各種計画の
実施状況等の整理
○現行計画の事業評価
地域支援プロジェクトチーム
在宅福祉プロジェクトチーム
生活支援プロジェクトチーム
総務・財政プロジェクトチーム
計画課題のまとめ
よっちはなそう会
b
計画課題のまとめ
(連携・協働)
施策体系・重点方向の整理
(連携・協働)
計画(素案)
竹田市地域福祉計画
策定委員会
竹田市地域福祉活動計画
実務者委員会
竹田市地域福祉活動計画
策定委員会
パブリックコメント
答申
竹田市
社協
施行
- 8 -
2章
第
本市の状況と課題
1 統計からみる本市の状況
(1) 少子・高齢化の進行
平成 12 年から平成 27 年にかけての竹田市の人口(国勢調査)の動きをみると、
15 歳未満は減少傾向が続き、平成 27 年の年少人口は 9.2%で、平成 17 年から
の 10 年間で 25.9%減少しています。一方 65 歳以上の高齢者人口の割合は増加
傾向がみられ、平成 22年には 4 割を超え、平成 27 年には 44.5%になっており、
超高齢化が進んでいます。
■
(人数)
表
年齢別人口の推移■
平成12年
平成17年
平成22年
平成27年
15 歳未満
3,399
2,767
2,289
2,051
15~64 歳
15,619
13,680
12,135
10,335
65 歳以上
9,663
10,080
9,954
9,937
総人口
28,681
26,527
24,378
22,323
(割合)
平成12年
平成17年
平成22年
平成27年
15 歳未満
11.8%
10.4%
9.4%
9.2%
15~64 歳
54.5%
51.6%
49.8%
46.3%
65 歳以上
33.7%
38.0%
40.8%
44.5%
資料 国勢調査
■
図
年齢別人口の割合■
100%
80%
33.7%
38.0%
40.8%
44.5%
54.5%
51.6%
49.8%
46.3%
11.8%
10.4%
9.4%
9.2%
平成12年
平成17年
平成22年
平成27年
60%
40%
20%
0%
15歳未満
15~64歳
- 9 -
65歳以上
(2) 一人暮らし高齢者の増加
本市の単独世帯数は、増加の途をたどっています。平成 17 年から平成 27 年の
10 年間で総世帯数は 873 世帯減少していますが、単独世帯数は 179 世帯、6.7%
増加しています。特に高齢単独世帯は増加が著しく、13.3%増加しています。
平成 27 年の高齢単独世帯及び夫婦ともに 65 歳以上の高齢夫婦世帯の割合は、
全世帯の 36.6%を占めており、3世帯に1世帯は高齢単独世帯、または高齢夫婦
世帯となっています。
■高齢単独世帯及び高齢夫婦世帯の割合■
平成17 年 平成20 年 平成27 年
50.0%
総人口 (A)
26,534
24,423
22,332
45.0%
総世帯数(B)
9,973
9,588
9,100
40.0%
単独世帯数(C)
高齢単独世帯数
(65 歳以上) (D)
夫婦とも 65 歳以上
の世帯
(E)
(D+E)/(B)
2,661
2,787
2,840
35.0%
1,522
1,631
1,725
30.0%
1,609
1,587
1,606
31.4%
33.6%
36.6%
36.6%
31.4%
33.6%
25.0%
20.0%
平成17年
平成20年
平成27年
資料 各年国勢調査
(3) 地区別高齢化率
本市の住民基本台帳における高齢化率は、43.9%となっています。高齢化率が3割台の地
区は、豊岡 37.1%、玉来 38.2%、松本 31.4%の3地区です。
一方、高齢化率が5割を超えている地区は、明治 54.5%、入田 56.2%、嫗岳 61.1%、
宮砥 58.8%、宮城 59.9%、城原 51.9%の6地区となっています。
- 10 -
(4) 生活困窮者の状況
平成 27 年の本市の生活保護の相談件数は 109 件、生活保護人員は 338 人とな
っています。平成 22 年から約2割増加しています。
生活福祉資金貸付相談延件数は平成 22 年 99 件であったのが、平成 27 年では
280 件に増加しており、制度の改正に伴い、件数が増加傾向にあります。
日常生活自立支援事業の利用件数については、平成 22 年 31 件であったのが、
平成 27 年では 65 件と約 2 倍になっています。
平成 27 年度から「生活困窮者自立支援制度」が開始され、一人ひとりの状況に
合わせた支援プランを作成し、総合的な支援にあたることとなっていることから、
今後増加が見込まれます。
H22
H23
H24
H25
H26
H27
94
98
102
91
87
109
生活保護世帯数
233
254
271
276
286
282
生活保護人員
277
295
318
340
345
338
99
124
137
178
359
280
7
6
9
14
12
11
31
32
42
51
57
65
生活保護相談件数
生活福祉資金貸付相談延件数
生活福祉資金貸付決定件数
日常生活自立支援事業
利用人数
資料:竹田市社会福祉課調べ
- 11 -
2 アンケート結果から見る本市の状況
(1) 竹田市高齢者生活課題実態調査
① 調査の目的
高齢者生活課題実態調査は、本市の高齢者に対して訪問調査を実施し、日常生
活についての不安や希望する生活支援サービスの内容、その他の日常生活の状況
を把握することにより、これからの地域福祉のあり方や地域で支え合う仕組みづ
くりの実現に向けての基礎資料とするもので、平成 26 年度から竹田市を竹田北
部、竹田西部、竹田東部、竹田南部、荻、直入、久住の7ブロックごとに時期を
分けて 75 歳以上の方を対象とし調査を実施しました。
(※この調査は、竹田市経済活性化促進協議会が地域住民とともに実施したも
ので、久住地区についても、平成 29 年3月までに調査を終える予定です。)
② 調査数
地区名
回収数
竹田東部
竹田、岡本、明治、豊岡
竹田西部
玉来、松本、菅生
693
竹田南部
入田、嫗岳、宮砥
934
竹田北部
宮城、城原
469
荻地区
荻
585
直入地区
直入
535
久住地区
久住、白丹、都野
- 12 -
1,104
H29 年3月までに実施
③ 結果の概要
①生活する上での不安な事柄について
地域で生活する上での不安な事柄について、竹田東部、竹田西部は「健康」が
最も多く、竹田南部は「身の回りのことが十分にできない」が最も多くなってい
ます。
竹田北部、荻地区、直入地区は1位は「特にない」が最も多くなっていますが、
2位については、竹田北部が「身の回りのことが十分にできない」
、荻地区は「移
動手段」、直入地区は「その他」となっています。
1位
2位
3位
竹 田 東 部 健康(36.2%)
特にない(23.0%)
移動手段(8.9%)
竹 田 西 部 健康(28.6%)
特にない(21.0%)
身の回りのことが十
分にできない(11.4%)
身の回りのことが十
移動手段(17.7%)
特にない(14.1%)
分にできない(20.6%)
身の回りのことが十分
竹 田 北 部 特にない(21.1%)
移動手段(15.3%)
にできない(19.1%)
竹 田 南 部
荻
地
区 特にない(65.0%)
直 入 地 区 特にない(61.1%)
②
移動手段(9.0%)
1人暮らし(7.4%)
その他(10.8%)
1人暮らし(0.1%)
楽しみややりがいを感じていること
現在の楽しみややりがいについて、全地区とも最も多かったのは「テレビを見
る」となっています。次に多いのは、竹田東部、竹田西部が「家でのんびり過ご
す」、竹田南部、竹田北部、荻地区、直入地区は「菜園づくり」となっています。
1位
竹 田 東 部 テレビを見る (15.8%)
竹 田 西 部 テレビを見る (14.8%)
2位
3位
家でのんびり過ごす
(12.5%)
家でのんびり過ごす
(11.8%)
読書(新聞含む)
(11.8%)
読書(新聞含む)
(11.6%)
家でのんびり過ごす
(11.7%)
家でのんびり過ごす
竹 田 南 部 テレビを見る (16.3%)
菜園づくり(13.2%)
竹 田 北 部 テレビを見る (13.8%)
菜園づくり(12.5%)
荻
区 テレビを見る (16.4%)
菜園づくり(14.8%)
直 入 地 区 テレビを見る (54.9%)
菜園づくり(36.1%)
地
- 13 -
(13.2%)
家でのんびり過ごす
(13.8%)
子どもや孫との交流
(35.7%)
③
日中ほぼ毎日ひとりになる割合
日中ほぼ毎日ひとりになる人の割合は、竹田東部が最も多く 37.7%となってい
ます。
竹田南部は 31.6%、直入地区は 28.2%と他地区より若干低くなっています。
④
別居家族との連絡(週1回以上)
週1回以上離れて暮らす家族と連絡をとりあっている人の割合は、竹田東部
60.7%、竹田西部 62.1%、竹田南部 74.2%、竹田北部 61.5%、荻地区 62.6%、
直入地区 61.1%となっています。
- 14 -
⑤
近所づきあいについて
お互い訪問し合う人がいる人の割合は、竹田北部 69.7%、竹田南部 71.6%が
高くなっているのに対し、竹田東部、竹田西部、荻地区は5割前後となっていま
す。直入地区は 38.1%と他地区より低くなっています。
⑥
ボランティア活動への参加意向
困っている高齢者の支援などのボランティア活動への参加意向については、竹
田東部 25.0%、竹田西部が 32.1%、竹田南部が 18.5%、竹田北部が 28.5%、
荻地区が 19.6%、直入地区が 10.3%となっています。
- 15 -
⑦
支援の緊急性
「今すぐに支援が必要」と回答した人は、各地区とも5%未満でしたが、
「数年
後が心配である」と回答した人は、竹田東部が 22.2%、竹田西部が 24.1%、竹
田南部が 34.0%、竹田北部が 17.8%、荻地区が 20.2%、直入地区が 20.6%と、
2割前後の人が心配している状況です。特に竹田南部は、3割を超えており、他
より高くなっています。
- 16 -
(2) 大分県地域福祉に関する住民ニーズ調査
① 調査の目的と概要
大分県内の 18 市町村に対し,地域福祉の課題を県内共通項目で調査する「地
域福祉に関する住民ニーズ調査」が平成 27 年 10 月に実施されました。
本調査は、地域の福祉の課題を明らかにさせることを目的とし、大分県地域福
祉推進室及び大分大学教育福祉科学部衣笠一茂教授により、調査設計、分析が行
われました。
また、分析手法については、
「生活の安定」を「経済的安定」
、
「健康的安定」、
「社
会的安定」の3点に分類し、その安定に向けた生活課題を明らかにするという視
点で、設計されています。
竹田市においては、20 歳代から 80 歳代の調査対象者 200 人に対し実施され、
回答者は 176 人となっています。
② 調査結果概要
①
年齢階層
アンケートに回答した方の年齢は、20 歳~30 歳代が 22.8%、40 歳代 7.6%、
50 歳代 17.5%、60 歳代 21.6%、70 歳代 15.8%、80 歳代以上 14.7%とな
っています。
20~30代
22.8%
40代
7.6%
50代
17.5%
60代
21.6%
70代
15.8%
80代以上
14.7%
0%
10%
20%
- 17 -
30%
40%
50%
②
家族構成
家族構成は、
「世帯夫婦と親」が最も多く 29.8%、ついで「三世代世帯」22.2%
となっており、同居率が高くなっています。
独居
16.4%
夫婦世帯
4.7%
ひとり親と子ども
10.5%
世帯夫婦と子ども
5.8%
世帯夫婦と親
29.8%
三世代世帯
22.2%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
③ 竹田市の居住年数
居住年数は、50 年以上が最も多く、39.8%を占めています。10 年未満が
16.5%、40 年未満が 15.2%、50 年未満が 12.3%となっています。
10年未満
16.5%
20年未満
7.6%
30年未満
8.2%
40年未満
15.2%
50年未満
12.3%
50年以上
39.8%
0%
10%
20%
- 18 -
30%
40%
50%
④ 所得階層
所得については、200 万円未満が 31.9%と最も多く、ついで 500 万円以上
28.2%となっています。
200万円未満
31.9%
300万円未満
21.6%
400万円未満
8.6%
500万円以上
28.2%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
⑤ 主な収入源
主な収入源は、就労収入が 35.3%、
「年金、手当・恩給」が 30.1%、
「家族の
収入」が 27.7%となっています。
就労収入
35.3%
年金、手当、恩給
30.1%
家族の収入
27.7%
0%
10%
20%
- 19 -
30%
40%
50%
⑥ 経済面の心配事
経済面の心配事は、
「生活費不足」が最も多く 69.8%、次に「入院、入所費用」
50.9%、「介護費用」43.2%の順になっています。
仕事がない
27.2%
生活費不足
69.8%
入院、入所費用
50.9%
介護費用
43.2%
子育ての費用
20.1%
特にない
8.9%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
⑦ 経済面の生活課題の解決
課題の解決については、
「行政と地域住民が協力」して解決すべきと答えた方が
35.9%、次に「本人や家族の努力」と答えた方が 34.7%「地域住民が協力する」
と答えた方が 21.0%となっています。
行政に頼む
6.0%
本人や家族の努力
34.7%
行政と地域住民が協力
35.9%
地域住民が協力する
21.0%
0%
10%
20%
- 20 -
30%
40%
50%
⑧ 健康状態
健康状態については、「まあまあよい」と回答した方が 51.7%、
「あまりよく
ない」が 21.5%、「よい」と答えた方が 19.8%となっています。
よい
19.8%
まあまあよい
51.7%
あまりよくない
21.5%
よくない
7.0%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
⑨ 健康面での生活課題
健康面での生活課題は、
「身の回りのことができなくなる」が 65.1%で最も多
くなっています。「家族の看病」(55.2%)「適切なサービスが受けられるかが心
配」
(52.9%)
「働けなくなったときの経済面」
(52.3%)といずれも半数を超え
ている状況です。
身の回りのことができなくなる
65.1%
介護者がいない
23.8%
適切なサービスが受けられるか
52.9%
家族の看病ができるか
55.2%
働けなくなったときの経済面
52.3%
0%
10%
20%
- 21 -
30%
40%
50%
60%
70%
⑩ 健康面の生活課題の解決方法
健康面の生活課題の解決方法として、「本人や家族の努力で解決」する人が最
も多く、41.2%となっています。
逆に、解決を「行政に依頼する」は 13.9%、「地域住民が協力して解決する」
が最も少なく 12.1%となっています。
行政に依頼する
13.9%
本人や家族の努力で解決
41.2%
行政と住民が協働して解決
31.5%
地域住民が協力して解決する
12.1%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
⑪ 社会関係の状態
地域社会とのつながりをみると、「常につきあっている」が最も多く 31.4%、
次が「たまに立ち話をする」の 24.9%、3番目が「あいさつ程度」の 22.5%
となっています。
また「困ったときに助け合う」は 11.2%、
「時々訪問して話す」は 8.9%となっ
ています。
常につきあっている
31.4%
困ったときに助け合う
11.2%
時々訪問して話す
8.9%
たまに立ち話
24.9%
あいさつ程度
22.5%
0%
10%
20%
- 22 -
30%
40%
50%
⑫ 望ましい社会関係とは
「望ましい社会関係」として最も多かったのは、「困ったときに助け合う」の
46.8%となっています。
「常につきあっている」についても、27.5%となっています。
「時々訪問して話す」は 8.8%、「たまに立ち話をする」は 7.0%、「あいさつ
程度」が 12.9%となっています。
常につきあっている
27.5%
困ったときに助け合う
46.8%
時々訪問して話す
8.8%
たまに立ち話
7.0%
あいさつ程度
12.9%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
⑬ 社会関係上の課題
社会関係上の課題として、最も多かったのは、
「配偶者に先立たれる」の 50.0%
となっています。次が「過疎化」の 43.5%、3番目が「助け合える人がいない」
の 41.2%となっており、核家族化、独居世帯の増加が調査結果にも現れていま
す。
配偶者に先立たれる
50.0%
助け合える人がいない
41.2%
住民の助け合いが乏しい
18.2%
住民が集まる機会が少ない
14.7%
福祉の相談窓口が少ない
14.1%
過疎化
43.5%
高齢になり地域との関わりが減少
36.5%
0%
10%
20%
- 23 -
30%
40%
50%
60%
⑭ 社会関係上の問題の解決
地域生活課題において、
「地域と住民が協力して対応」
(44.0%)が最も多くな
っています。
次に多いのが「本人や家族の努力」
(28.9%)、3番目が「行政と住民との協働」
(22.3%)となっています。
「行政に依頼する」は、3.0%に止まっています。
行政に依頼する
3.0%
本人や家族の努力
28.9%
行政と住民が協働
22.3%
地域と住民が協力して対応
44.0%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
⑮ どんな「場」が欲しいか
地域での交流の場として、
「気軽なお茶飲みの場」の回答が 59.7%と最も高く、
また、
「困ったことを相談できる場」と回答した人は 23.9%となっています。
気軽なお茶飲みの場
59.7%
困ったことを相談できる場
23.9%
高齢者が気軽に集える場
53.5%
子どもと大人の交流の場
31.4%
ボランティア活動を支える場
26.4%
退職後の男性が集える場
17.0%
0%
10%
20%
- 24 -
30%
40%
50%
60%
70%
3 よっちはなそう会からの課題の抽出
(1) よっちはなそう会について
1) よっちはなそう会とは
よっちはなそう会は、地区社会福祉協議会を中心として、地域住民のみなさん
とより良い地域づくりを目指し、話し合いの場として開催されています。
希薄となりつつある住民同士のつながりの輪を広げ、福祉の視点を持った地域
づくりを進めると同時に、住み慣れた地域で暮らし続ける上で様々な問題を抱え
ている方々に対し、行政や専門機関、市社協への橋渡しや連携も考えながら「地
域のつながり」を活かして、地域の実情に即した自主的な活動を展開し、問題解
決につなげていくことを目的としています。
2) よっちはなそう会のすすめ方
よっちはなそう会(地域住民との話し合いの場)では、参加者のみなさんと今
後どのような地域であったらよいか?「目指す地域像」を考えていきます。
そのためには「どういった助け合い活動が必要なのか?」「どういった担い手
が求められているのか?」の意見を出しあい、「今、自分にできる助け合い活動
とは何か?」といったことを探っていきます。地区社協の関係者はもとより地域
の多くの皆さんとの意見交換会の中で課題を共有し、地域課題に即した新たな助
け合い活動につなげます。
3) 市の支援体制
市は、市の各課で構成される※「新しい地域ささえ愛推進会議」を開催し、地
域課題や支援のあり方について、具体的な施策との連携をはかっていきます。
また、必要があれば、県や国及び関係団体との連携もはかりながら、課題に対
応していきます。
※「新しい地域ささえ愛推進会議」構成メンバー
竹田市高齢者福祉課・社会福祉課・保険健康課・生涯学習課
総務課・企画情報課・都市デザイン課、荻支所、久住支所、直入支所
竹田市経済活性化促進協議会、地域包括支援センター「つるかめ」、
竹田市社会福祉協議会
- 25 -
4) はなしあいの体制について
よっちはなそう会は、17の地区社会福祉協議会が核となり、それぞれの課題
について、協議体の連携のもと、開催されます。
参加者は、地域活動に興味がある地区の方であれば誰でも参加できます。
官民協働の地域づくり
(協議体と地区社協との関係)
意見集約のイメージ図
・17地区社協(小学校区単位)を核とした地域づくり
・地区社協では、地域行事や日々の見守り、敬老会、配食など地域に
密着した活動を展開
・「こういう地域になったらいいな」という「目指す地域像」をみん
なで共有
・地域単独では解決できない、より広範囲での課題や、生活支援に関
する困りごとへの対応策、
・必要な活動、体制をどうやって作り出し、つないでいくか等を協議
体で検討していく
平成 29 年 1 月現在
- 26 -
(2) 具体的な意見の内容等
よっちはなそう会で、出された意見の内容を具体的にまとめました。
① 地域の課題及び具体的提案
分
野
買い物や通院などの移動
手段
主 な 内 容
・スクールバスに、子どもたちだけでなく高齢者も乗せてくれると
よいと思う。
・散髪屋さん、パーマ屋さんが送迎してくれている。
・品物の配達や買物の時の送迎があったらよい。
・移動販売車を利用したい人をお店に知らせる、アンケートを取
ってはどうか。
・高齢者が多いので、移動手段の確保をしてほしい。
・買物の手伝い等、出来る範囲での助けあいをする。
・高齢者の買い物代行サービスがほしい。
・頼まれたときは買い物の手伝いを互いにし合うとよい。
隣近所の見守り
・お互いに声をかけ、一人暮らしの人の家を訪ねてお茶を飲む
ことが重要。
・一人暮らしの家の近くを通る時、電気がついているか気にか
け、ついていない時は行ってみるか、電話をしてみる。
・隣近所の方にゴミ出しの手伝いを必要とする人がいる。
・計画的に見守り活動が必要。今は個々に活動し共有もしてい
ないので、バラバラの状態である。チームを作って情報を共有
して計画的に訪問活動をした方がよい。
活動の場や機会の確保
・集いの場の呼びかけには、できるだけ参加する事が重要であ
る。
・みんなで集まることをできるだけしていきたい。
・地域のつどいの場をもっと作っていくことが必要である。
・男のサロン、男性の出る場をつくる、特技を広めることが必要。
・近所の会話(出会い)がほとんどない。
・一番はコミュニケーション機会が減った事=行事の企画が必
要である。
- 27 -
分
野
隣近所の支え合いの必要性
主 な 内 容
・ゴミ出しの支援がほしい。
・話し相手がいない。
・道路や水路の清掃が高齢になると大変である。
・地域の人で生活の困りごとを助けるボランティア隊をつくって
はどうか。
・高齢化が進み、農作業や草刈りの手伝いがないと地域が成り
立たない。
・認知症の人を見つけたら、市保健師や包括支援センター(つる
かめ)へつなぐ
・独居の人は、出かける時は隣か自治会長に連絡する。
・自治会の中でできる範囲で助け合っているが、個人ではなくて
システムがあると良い。
・自治会で健康教室(勉強会)を開いてほしい。
・遠くの家族が、近所の人にお願いの声かけ、電話をする。
・入院した時は、家族に情報を伝えてもらう。
・家周りの掃除をしてほしい。
・年を取ったので、家の管理仕事をしてほしい。
・すぐに相談できるシステムが必要。
後継者の育成
・若い人の就労場所の確保をしてほしい。
・移住者を受け入れる(積極的に)。
・団地内での若い人とお年寄りとの交流が少ない。
・地域の行事を復活させたい(体育祭、敬老会他)。
- 28 -
② 今後の取組み・提案について
◆買い物や通院などの移動手段の確保
・移動販売車の運行を検討する。
・スクールバス、コミュニティバスの確保(公共交通の充実)
・散髪屋、パーマ屋など送迎してくれそうな業者へ依頼する。
・高齢者等(免許返納者を含む)の買い物困難者の代行をする。
・送迎を商業者へ依頼する。
◆隣近所の見守り
・お互いに声かけをし、一人暮らしの家に注意をする。
・計画的に見守り活動をする チームを作って情報を共有し、計画的に訪問活動をする。
◆隣近所の支え合い
・地域の人で生活の困りごとを助けるボランティア隊をつくり、自治会の中で助け合うシステムをつ
くる。
・すぐに相談できるシステムをつくる。
・認知症の人を見つけたら、市保健師や包括支援センター(つるかめ)へつなぐ。
・自治会で健康教室や勉強会を開く。
・遠くの家族が、近所の人にお願いの声かけ、電話をする。入院した時は、家族に知らせてもらう。
◆活動の場や機会の確保
・皆が集まる地域の集いの場の創造、特に男性が参加できる場をつくる。
・会話をする機会を増やす。
◆後継者育成
・積極的に移住者を受け入れ、若い人の就労場所の確保に努める。
・地域の行事を復活させ、若い人とお年寄りの交流を図る。
- 29 -
第
3章
新たな福祉の課題
重点課題1 地域福祉の視点を持った地域づくりの推進
現状と課題
○ 国の「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部の提言において、福祉分野において
も、「支え手側」と「受け手側」に分かれるのではなく、地域のあらゆる住民が役
割を持ち、支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティを育成し、公
的な福祉サービスと協働して助け合いながら暮らすことのできる「地域共生社会」
を実現する必要あるとされています。
○ 少子・高齢化が進展する中、健康で意欲と能力のある限り年齢にかかわりなく働き
続けることができる生涯現役社会の実現に向けた取組みを進めていくことが重要
です。
○ また、「働く」意味については、生活費を稼ぐための働き方だけではなく、個人の
意欲の向上、能力の発揮といった働き方も含めて、今後は、地域福祉の分野におけ
る多様な働き方の開拓が期待されています。
ボランティア等と協働した新たな社会資源の創出
【勉強に不足する資源の検討】
【新たな社会資源の創出】
新たな社会資源の創出
【地域の企業等】
【自主財源の確保】
資料
厚生労働省「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部 資料
P53~54
P63
参照
- 30 -
重点課題2 地域住民と福祉の連携の広がり
現状と課題
○ 少子高齢化の進行、一人暮らし高齢者の増加の一方で、子育て支援の必要性や後継
者の育成、支援する側の体制の強化等、抱える課題の複合化、必要な支援の複雑化
が進行しています。
○ しかし、地域における全ての生活課題に対し、公的な福祉サービスだけでは対応す
ることができないことが明らかになってきており、地域における多様な生活ニーズ
への的確な対応を図る上で、成熟した社会における自立した個人が主体的に関わり、
支え合う、地域における「新たな支え合い」(共助)の領域を拡大、強化すること
が求められています。
○ 国では、「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」を掲げ、地域福祉への住民
の多様な参画のあり方や行政との協働のあり方について、提言を行っています。
○ 具体的には、①それぞれの地域がその実情に合った体制を整えることを可能とし、
複数分野の支援を総合的に提供する方法等を検討していくこと、②福祉の分野に止
まらず、環境や産業、地域づくりといった多様な分野を総合的に担う人材育成・確
保する方策、③人材の機能分化等で効果的なサービスの促進等を提言しています。
資料
厚生労働省
P38~39・42~43
P57
参照
- 31 -
重点課題3 権利擁護に関する体制整備
現状と課題
○子どもから高齢者、障がいのある方など、すべての市民の人権は尊重されなければ
なりません。特に福祉分野においては、要援護者の権利が常に尊重される社会環境
が必要です。
○あらゆる世代で人権尊重意識、福祉意識の醸成を図ることをはじめ、権利擁護に関
する制度の周知、事業者における権利擁護の徹底、人権侵害事例を発見・対応する
仕組みの強化なども重要となります。
【権利擁護に関する施策】
私たちは、自分のことを自分で決める(自己決定)、人生を主体的に生きる(自己
実現)という権利があります。しかし、少子高齢化社会においては特に、権利が無
視され、侵害されやすくなっており、これらを擁護するための施策の拡充が求めら
れています。
◆成年後見制度
家庭裁判所に申し立てて後見人を選任する制度です(法定後見制度)。認知症、
知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力が不十分な方の、財産管理や契約
行為などを本人に代わって支援できます。
平成28年5月には、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」が施行され、
成年後見制度の利用の促進について、その基本理念を定め、国や地方公共団体等
の責務を明らかにし、総合的かつ計画的に推進していくことが明記されました。
この中には、「市民の中から成年後見人等の候補者(市民後見人)を育成」する
ことも記されています。
◆虐待の防止
高齢者、障がい者、児童などの虐待に関する法律をもとに、増加傾向にある虐
待の防止や早期発見、早期解決の仕組みを強化していく必要があります。
◆消費者被害に関すること
悪質な訪問販売や住宅リフォーム、特殊詐欺などの被害も増加しており、こ
れらも権利侵害と言えます。竹田市消費生活センター、竹田市地域包括支援セ
ンター(つるかめ)等が相談窓口として位置づけられており、関係機関との連
携強化を図りつつ、被害防止に努めていきます。
P48~49
P60・59~60
参照
- 32 -
重点課題4 生活困窮者への自立支援
現状と課題
○近年の経済の伸び悩みや雇用形態の変化に伴い、生活困窮に直面している人が増加
しています。
○このような背景をもとに、平成25年12月に生活困窮者自立支援法が成立し、平
成27年4月から施行されました。
○生活困窮者のなかには、単に仕事につけないだけでなく、疾病や障がい、家庭環境
などの複合的な問題を抱えている人もおり、既存の福祉施策では、すべてに対処す
ることが難しい状況となっています。
○生活困窮者が抱える複合的な問題に対処するには、一人ひとりの状況やニーズに応
じ、自立に向けた支援を、地域住民や関係機関などとの連携により、実施すること
が必要となります。
○さらに、福祉分野のみならず、地域や住宅等、他分野との連携・協力を図るととも
に、地域住民の参画を得ながら、これまでの公的な制度では対応できなかった支援
の受け皿を拡大していく必要があります。
○以上を踏まえ、生活困窮者に対し、以下のような方向で自立支援を行います。
●包括的・個別的な支援
生活困窮者が抱える複合的な問題に対し、関係機関が連携し、包括的な対応を図る
とともに、一人ひとりの状況を把握し、個別に目標を設定したうえで、ニーズに応じ
た制度の活用を検討します。
●早期的・継続的な支援
生活困窮者は、支援を求める気力を失い、自ら声をあげることができなくなってい
ることも懸念されます。そのため、抱える問題が深刻化、複雑化する前に、早期的か
つ継続的な把握・対応を図る必要があります。
また、生活困窮に陥ってから対応するのではなく、そのおそれがある段階からの支
援を考えるという視点も重要です。
●創造的な支援
これまでの枠組みにとらわれず、新しい農業や定住促進の仕組みを取り入れた福祉
以外の分野での活躍の場の創出を実施しながら、進めます。地域づくりの支援・活性
化と連携し、生活困窮者の支援を行うことで、地域の活性化に寄与することも可能と
なる新しい形の支援の仕組みづくりが生まれます。
P50
P60
参照
- 33 -
重点課題5 災害時における避難行動要支援者に対する支援
現状と課題
○平成23年3月に発生した東日本大震災では、東北地方を中心に甚大な被害を受け
ました。また、平成24年の九州北部豪雨では、本市においても大きな被害を受け
ました。さらに平成28年4月の熊本・大分地震では、本市の被害は甚大ではなか
ったものの、熊本県南阿蘇村へのボランティア活動の拠点となる竹田ベースキャン
プを開設し、ボランティア拠点の運営についての経験を積む大きな機会となりました。
○竹田市では、災害発生時において、避難行動要支援者の避難支援を行えるよう、避
難行動要支援者避難支援全体計画の策定及び、避難行動要支援者の支援者の選定を
行い、個別計画の策定を行っています。
○また、避難支援に寄与するため、指定避難所を定め、総合防災訓練にて、避難経路
の確認等を実施しています。
○さらに、高齢者や障がい者に配慮した福祉避難所の指定を行い、高齢化社会におけ
る災害対策を進めています。
○また、平成25年に改正された災害対策基本法では、「平素からの防災への取組み
の強化」の項目で、平常時から減災活動に取組むことが明文化され、「防災等関係
者」に自治会組織で実施する「自主防災組織」が組み込まれました。
P40~41
P57
参照
- 34 -
4章
第
基本理念と基本目標
1 基本理念
竹田市地域福祉計画・地域福祉活動計画の基本理念
『住民一人ひとりが、その人らしく地域で安心して
いきいきと暮らし、共に支えあう住みよいまち・たけた』
住み慣れた地域で安心・安全に暮らすことは、多くの市民の願いです。
これまで、竹田市地域福祉計画、竹田市地域福祉活動計画において、
「住民一人ひ
とりが、その人らしく地域で安心していきいきと暮らし、共に支えあう住みよいま
ち・たけた」をめざして、各種施策を推進してきました。
新しい「第 2 次竹田市地域福祉計画・第 3 次竹田市地域福祉活動計画」において
も、引き続き「住民一人ひとりが、その人らしく地域で安心していきいきと暮らし、
共に支えあう住みよいまち・たけた」を基本理念とし、市と社会福祉協議会が連携
し、竹田市新生ビジョンで示すまちづくりの方向性に従い、関連計画と整合をはか
りながら、各種施策を進めていきます。
- 35 -
2 基本目標
基本理念に掲げる「住民一人ひとりが、その人らしく地域で安心していきいきと
暮らし、共に支えあう住みよいまち・たけた」の実現に向けて、以下の基本目標に
沿って計画を推進していきます。
(1)地域住民が主体的に支え合う、人づくり仕組みづくりをめざします
高齢化が進む地域において、住民が主体的に支え合う人づくり、仕組みづ
くりを地域と行政が協働し、進めていきます。
また、社会福祉協議会は、住民が主体的に行動するための機会の提案や支
援を地域と協働して進めていきます。
(2)誰もが安心して暮らせるサービスの提供をめざします
介護保険サービスや障がい福祉サービス、生活支援サービスのほか、地域
住民と行政、社会福祉協議会等が協働して、誰もが安心して暮らせるサービ
スの提供を進めていきます。
(3)誰もがいきいきと暮らせる生涯現役、元気な地域づくりをめざし
ます
それぞれの立場を理解し、生涯現役で元気に住み慣れた地域で過ごしてい
けるよう、住民と行政、社会福祉協議会が協働し、元気な地域づくりをめざ
します。
- 36 -
3 計画の体系
基本理念
住民一人ひとりが、その人らしく地域で安心していきいきと暮らし、共に支えあう住みよいまち・たけた
基本目標 1 地域住民が主体的に支え合う
人づくり仕組みづくりをめざします
基本方針1
小地域福祉活動の推進
基本方針2
住民による見守り活動の実施
基本方針3
ボランティアの支援体制づくり
基本方針4
福祉の啓発・学習の充実
基本目標2 誰もが安心して暮らせる
サービスの提供をめざします
基本方針1
包括的支援事業の推進
基本方針2
相談体制の充実
基本方針3
生活困窮者の自立支援の充実
基本方針4
在宅福祉サービス事業の推進
基本方針5
子育て支援事業の推進
基本目標3 誰もがいきいきと暮らせる生涯現役、
元気な地域づくりをめざします
基本方針1
生涯現役をめざした地域福祉の推進
基本方針2
民間との連携による地域福祉の推進
- 37 -
5章
第
計画の取組み
基本目標1 地域住民が主体的に支え合う、人づくり仕組みづ
くりをめざします
基本方針1 小地域福祉活動の推進
現状と課題
○地域福祉活動が充実するためには、人と人、人と地域、地域と地域のつながりが深
まるような取組みが必要です。そのために、地域住民一人ひとりの理解と協力を求
めながら、声かけや見守り等の活動を推進したり、地域における話しあいの場を設
ける等、地域組織活動の活性化に向けた取組みを進めていくことが重要です。
○竹田市では、福祉懇談会「よっちはなそう会」を開催し、地域の特性を活かした取
組みや課題の抽出を実施しています。
○また、※1)暮らしのサポートセンター事業について、地区内の方々で困りごとを
支え合う仕組みづくりを確立させ、推進していきます。
① 顔が見える地域づくり体制の構築・推進
(主体)
(主な取組み)
●民生委員・児童委員や福祉委員等が行っている地域
福祉活動の理解を深めます。
●小地域ネットワーク活動の意義を理解し、積極的に
参加するようにします。
自分や家族ができること
●回覧板を手渡しする等、直接顔の見える関係をつく
ります。
●*B地区社会福祉協議会や地区の活性化を目的とする
集まりに積極的に参加・協力します。
●生活課題や福祉課題の解決に向け、地域の担い手と
して協力します。
●地域行事や地域の助け合い活動に参加します。
●日々、出てくる課題に対して、新たな活動を生み出
す柔軟性と、実行に移す行動力を持ちます。
●地域の避難行動要支援者に対する見守り・訪問活動
やふれあい活動を推進します。
地域においてできること
●「よっちはなそう会」に協力し、地域の参加を促し
ます。
●生活課題や福祉課題について、情報共有するよう努
めるとともに、暮らしのサポートセンター等、活動に
ついて理解や協力を呼びかけます。
- 38 -
●民生委員・児童委員との連携により、見守り活動を
推進していきます。
●避難行動要支援者への見守りや訪問活動等につい
て、消防団や自主防災組織、地区社会福祉協議会等と
連携をとり、進めていきます。
●障がい者の地域におけるコミュニケーションの円滑
化を図ります。
行政が取組むこと
●多世代間の交流を促進する取組みや地域で子どもを
見る仕組みづくりを推進し、広い世代の交流を促進さ
せる取組みを行います。
●暮らしのサポートセンターの活動を推進します。
●社会福祉協議会の活動を支援します。
●*Cささえ愛フォーラムを開催します。
●各地区で行っている活動を支援します。
●「よっちはなそう会」等からでた地域課題について、
各課施策と連携をとり、横断的に推進します。
●県や民間との連携も視野に入れ、地域の活動の活発
化を図ります。
社会福祉協議会が取組むこ
と
●地域課題の発見、課題解決への仕組みづくりを話し
合う「よっちはなそう会」の取組み等、地区社協の活
動を支援します。
※1)暮らしのサポートセンターとは
地域で支え合う暮らしづくりを目指し、高齢者が地域で役割を担いながら、生きがいを創出で
きる場を提供し、地域福祉並びに地域経済の向上を目的とする団体です。市内7ヶ所に暮らし
のサポートセンターを設置しています。
*B(取組み事例)P63 参照
城原地区社協では、子どもから高齢者まで、地区内の住民が集まり交流する場として、平成 24
年度から「城原の子どもたちと交流をしよう!」を開催し、城原小学校の児童と地区住民が一
緒になって美化清掃活動を行う活動をしています。
*C ささえ愛フォーラム P64 参照
- 39 -
② 災害に備えた円滑な支援活動の推進
(主体)
(主な取組み)
●地域の避難場所の確認や避難情報について、市報等
で確認し、災害時の円滑な行動に結びつけます。
●避難訓練等に積極的に参加します。
自分や家族ができること
●防災に対する意識を常に持つようにします。
●非常用持出品の準備をしておきます。
●日頃の近所づきあいの中から災害時に協力し合い、
助け合うことができる関係づくりを進めます。
●一人では避難が困難な人がいて、市の避難行動要支
援者名簿に登録をされていない人については、自治会
長や民生・児童委員と協力し、名簿への登録を勧めま
す。
地域においてできること
●自主防災組織活動を活発化し、災害時に支援ができ
るよう、日頃から地域の中でコミュニケーションを図
り、避難行動要支援者を把握します。
●*D災害発生を想定し、公民館単位等で避難経路、避
難場所を確認します。
●災害発生時に、避難所等において、避難行動要支援
者の情報等を行政や関係機関につなぎます。
●地域の指定避難所、福祉避難所について、周知に努
め、住民の自主防災活動の支援を行います。
●市民の防災意識の啓発を進めます。
●災害時の避難準備情報や避難勧告等の情報伝達の仕
組みについて、地域への周知を行います。
行政が取組むこと
●災害時に住民が迅速な行動ができるよう、竹田市防
災訓練や地域防災会議にて、本市の避難の仕組みの周
知を実施します。
●災害発生に備え、市民への情報伝達の仕組みを確立
させ、市民に的確な避難体制づくりができるように努
めます。
●要配慮者を対象とした福祉避難所の拡充を行うとと
もに、計画的な災害救助物資の備蓄に努めます。
●竹田市地域防災計画の策定を行い、避難行動要支援
者の名簿作成をはじめ避難行動要支援者に対する避難
行動支援の取組みを進めます。
- 40 -
●有事に備えて、常日頃から災害に対する備えや災害
ボランティアセンターの運営及び活動体制に向けて強
化を図ります。
社会福祉協議会が取組むこ
と
●要援護者支援システムを活用するために、避難行動
要支援者への対応について関係機関と情報を共有しま
す。
●福祉避難所が設置された場合、その運営を支援しま
す。
*D(取組み事例)P64 参照
嫗岳地区社協では、平成 26 年度に吐合、井手ノ上自治会で地震想定の避難訓練、支え合いマ
ップを基にした住民の安否確認の連絡網の整備を行いました。
- 41 -
基本方針2
住民による見守り活動の実施
現状と課題
○著しい高齢化により、地域の担い手が不足しています。また、高齢化の進行ととも
に、地域での活動の幅が減り、閉じこもりがちな高齢者も多くなっており、顔の見
えるつきあいをするには、隣近所の方の声かけや見守りが必要です。
○防犯・防災の観点から、地域住民による見守りや自主防災組織による活動をさらに
充実させ、安心・安全な地域づくりを進めていく必要があります。
○行政や専門機関等と連携することで、効率的に課題解決に結びつけていく必要があ
ります。
① 地域住民による見守りの充実
(主体)
(主な取組み)
●生活課題を抱えたら、自分だけで解決しようとせず、
必要に応じて助けを求めるようにします。
自分や家族ができること
地域においてできること
●日頃から隣近所の方との顔の見えるつきあいを大切
にしていきます。
●地区の集まり等で見守りが必要な人等の情報を共有
できるようにし、行政や地区社会福祉協議会等につな
ぎます。
●福祉委員*B、愛育保健推進員、老人クラブ等の活動を
活発化させ、地域の安心・安全体制を作っていきます。
行政が取組むこと
社会福祉協議会が取組むこ
と
●地域住民による見守りや自主防災組織等による活動
を支援します。
●自治会長、民生委員児童委員、福祉委員、愛育保健
推進員、老人クラブ等と連携して、地区内における、
福祉の実態と福祉ニーズの把握に努めます。
*E(取組み事例 P64)参照
菅生地区社協では平成 26 年度より愛・福・民による訪問を実施し、月に3回見守りを必要と
する家庭を訪問
愛(愛育保健推進員)
1 日~10 日
福(福祉委員)
11 日~20 日
民(民生委員児童委員)
21 日~30 日
- 42 -
② 行政や専門委員等との連携による解決方策の推進
(主体)
(主な取組み)
自分や家族ができること
●生活課題を抱えている人に目を向け、福祉委員、民
生・児童委員、愛育保健推進委員等の活動者につなぐ
ようにします。
地域においてできること
●生活課題を抱えている人の状況を把握し、必要に応
じ、社会福祉協議会や地域包括支援センター(つるか
め)等の専門機関や行政との連携を図ります。
行政が取組むこと
●地域組織の活動が円滑にできるよう、公的相談機関
の情報や暮らしのサポートセンター等の有償サービス
の情報等を提供します。
●民生・児童委員、自治会の定例会等にて、地域での
課題解決のための事業等の情報提供を行い、具体的な
解決方策につなげます。
社会福祉協議会が取組むこ
と
●「よっちはなそう会」等で、地域が抱える課題を把
握し、その解決方策を住民とともに検討したり、行政
へつなぎます。
- 43 -
基本方針3
ボランティアの支援体制づくり
現状と課題
○住民がボランティア活動する機会を創設していくとともに、市民ニーズとボランテ
ィアを結びつける仕組みづくりをしていく必要があります。
○「よっちはなそう会」では、多世代の交流拠点や地域の方々が寄り合う場所づくり
等が今後必要との意見がでています。これらの運営を支援していただけるボランテ
ィアの方々の発掘やNPOをはじめとする各種団体、グループの活動の育成や支援
を実施していく必要があります。
○ ボランティアやNPOは、公的なサービスで補うことができないニーズに柔軟に
対応した活動を展開しています。今後、ますます多様化する市民の福祉課題に対し
て適切なサービスを提供するには、地域、ボランティア、NPOと行政との協働が
重要です。
○暮らしのサポートセンター等と連携し、人材の発掘、育成について実施していくこ
とが必要です。
地域住民による活動の支援
(主体)
自分や家族ができること
地域においてできること
(主な取組み)
●ボランティアやNPO等の活動に積極的に参加しま
す。
●世代間交流や子育て支援の仕組みづくりについて、
情報提供やマッチング等を支援し、住民や団体のボラ
ンティア活動に参加します。
●地域活動をする際に、ボランティアやNPOとの連
携をとります。
行政が取組むこと
●地域課題を解決及び支援できるよう、社会福祉協議
会等と連携をとり横断的に対応できるよう、調整をし
ていきます。
●暮らしのサポートセンター等有償ボランティアの仕
組みづくりを支援します。
社会福祉協議会が取組むこ
と
●安心してボランティア活動ができるように、ボラン
ティア活動保険加入の促進等の支援を行い、市内で活
動している各種ボランティア団体の充実を図ります。
- 44 -
基本方針4 福祉の啓発・学習の充実
現状と課題
○ 地域福祉を推進していくには、福祉に関心を持つ人を増やし、支え合い、助け合
いの気持ちを醸成することが大切です。幼少期からの福祉教育を実施するとともに、
福祉について学習する機会をより多くの人に提供することにより、高齢者や障がい
者等への理解を深めることが重要です。
○各地区の生活課題実態調査では、「困っている人の支援や手助け等のボランティア
活動に参加してみたい」と回答した人は、各地区とも約2割おり、ボランティア活
動に対する理解も以前より深まっています。これらの方々がボランティア活動に参
加できるような環境の整備が課題です。
福祉の啓発・学習の充実
(主体)
(主な取組み)
自分や家族ができること
●自ら福祉に関心を持ち、支え合い、助け合いの活動
に積極的に参加します。
地域においてできること
●地区での支え合い、助け合いの気持ちを深めるよう
努めていきます。
行政が取組むこと
●学校での福祉教育の機会を設け、幼少期からの福祉
教育を実施します。
●高齢者や障がい者等への理解を深めるための機会を
提供していきます。
社会福祉協議会が取組むこ
と
●市との共催による福祉大会を開催します。
●広報の充実に努めます。
●義務教育の時期から高齢者や障がい者等に対して理
解を深める機会を提供します。
- 45 -
基本目標2 誰もが安心して暮らせるサービスの提供をめざします
基本方針1 包括的支援事業の推進
現状と課題
○平成18年4月、高齢者の自立支援等介護予防を重視して介護保険法の改正が行わ
れ地域包括ケアの中核施設として地域包括支援センターが設置されました。地域包
括支援センターを竹田市社会福祉協議会に委託して、専門職3職種(保健師・社会
福祉士・主任介護支援専門員(ケアマネージャー)
)を配置し、保健や医療、介護
や福祉、地域が連携して中核施設としての役割が果たせるよう、長寿いきいきプラ
ン(竹田市老人福祉計画・介護保険事業計画)に基づいて包括的支援事業に努めて
きました。
○平成27年度から実施の第6期計画では、介護予防・日常生活支援総合事業が開始
され、さらに社会保障充実事業として4事業(地域ケア会議・認知症総合支援事業・
在宅医療介護連携推進事業・生活支援体制整備事業)を実施することになりました。
○団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて医療・介護・予防・住まい・生
活支援を充実し、
「地域包括ケアシステム」の構築が最重要課題となっており、地
域包括支援センター(つるかめ)の機能強化に加え、地域との協働による包括ケア
体制の充実も求められています。
資料:厚生労働省
- 46 -
(主体)
自分や家族ができること
地域においてできること
行政が取組むこと
社会福祉協議会が取組むこ
と
(主な取組み)
●自立した生活が送れるよう介護予防に努めます。
●近隣の声掛け見守りを行います。
●地域の支え合いの輪をひろげます。
●介護予防のため、住民の社会参加、地域行事の活性
化に努めます。
●地域包括ケアシステム構築に向けた事業計画を策定
し、事業実施に努めます。
●各関係機関と連携して新しい仕組みづくり・地域づ
くりに努めます。
●竹田市地域包括支援センター(つるかめ)を継続し
て受託し、機能強化を図り健全な運営に努めます。
- 47 -
基本方針2 相談体制の充実
現状と課題
○地域には、様々な生活課題を抱える方、また、人権に関する課題を抱える方が増え
ています。これらに対応するため、高齢者支援、障がい者支援、子育て支援、生活
困窮者支援等多様な相談支援事業が実施されています。
○住民の生活課題が複雑・多様化する中、課題の早期発見及び総合的な対応が求めら
れており、身近な相談窓口として個別アプローチを行い、相談支援体制の一層の充
実が図られる必要があります。
(1)各種相談支援の充実
関係機関や関係団体との連携強化を図り、地域で生活課題等を抱える住民に対する相
談支援体制の充実を図ります。
(主体)
(主な取組み)
【高齢者の総合的な相談支援】
●高齢者が住み慣れた地域で、安心してその人らしい
生活を継続できるよう支援する中核機関として設置さ
れている地域包括支援センター(つるかめ)において、
専門職である保健師、社会福祉士、主任介護支援専門
員(ケアマネジャー)等が連携し、高齢者の総合的な
支援を行います。
行政が取組むこと
【障がい者相談支援事業】
●障がい者またはその家族等からのさまざまな相談に
応じ、必要な情報の提供や助言を行います。また、関
係機関等との連絡調整や権利擁護のために必要な援助
を行います。
【自立支援協議会】
●障がい児者またはその家族等が抱えるさまざまなニ
ーズ及び地域の課題に対して、障がい者やその家族、
相談支援事業所、地域の障がい福祉に関する関係者、
関係機関等が課題の解決に向けた協議を行い、地域に
おける障がい児者等を支えるネットワークを構築し、
障がい児者等が安心して暮らせる地域社会づくりを推
進していきます。
- 48 -
【自立支援給付事業】
●障がい者等が、その有する能力及び適性に応じ、日
常生活または社会生活を営むことができるよう、必要な障
がい福祉サービスに係る給付その他支援を行います。
【ひとり親家庭相談事業】
●ひとり親家庭の福祉の増進を図るため、母子・父子
自立支援員を配置し、ひとり親家庭の父、母や寡婦の
相談に応じます。
【地域子育て支援拠点事業】
●地域子育て支援センター、つどいの広場等、身近な
地域で気軽に相談できる場を設け、子育てに関する不
安や悩みを持っている親子に対する相談、子育てへの
負担感の緩和等を実施するとともに、地域の子育て支
援関係団体との連携強化を図ります。
【生活困窮者自立支援】
●生活や仕事に不安を抱え、経済的に困窮している人
等に対し、相談支援員が一人ひとりの課題解決に向け
た「支援プラン」を作成し、関係機関と連携を図りな
がら、自立に向けた支援を行います。
行政が取組むこと
社会福祉協議会が取組むこ
と
【DV相談・対応事業】
●配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護を図る
ため、配偶者等からの暴力に悩んでいる人の相談に応
じます。また、配偶者暴力相談支援センターや関係機
関・団体と連携して被害者の保護や自立支援に向けた
対応を行います。
【健康相談】
●こころの健康や統合失調症、気分障がい、認知症、
アルコール依存症等について、保健師等が、本人や家
族等の相談に応じます。
【人権啓発事業】
●同和問題、女性に関する問題、子どもに対する問題、
高齢者に対する問題、障がい者に対する問題、外国人
に対する問題、HIV 感染者・ハンセン病等に関する問
題、様々な人権問題等人権に関しての相談に応じます。
●差別のない社会に向け、啓発を行います。
●子どもから高齢者まで、障がいのあるなしに関わら
ず相談機能の充実をはかるとともに、課題解決の為の
支援を迅速かつ丁寧に実施していきます。
●権利擁護に関する相談体制の整備を行います。
- 49 -
基本方針3 生活困窮者の自立支援の充実
現状と課題
○近年の社会情勢や雇用形態の変化に伴い、生活困窮に直面する人が増加しています。
○仕事につけないだけでなく、疾病や障がい、家庭環境などの複合的な問題を抱えて
いる人もおり、既存の福祉施策では対処が難しい状況となっています。
○生活困窮者が抱える複合的な問題に対処するには、一人ひとりの状況やニーズに応
じ、自立に向けた支援を、地域住民や関係機関等との連携により、実施することが
必要となります。
(主体)
自分や家族ができること
地域においてできること
行政が取組むこと
社会福祉協議会が取組むこ
と
(主な取組み)
●生活困窮に至る前に、各種機関に相談します。
●生活に困窮したら、手を挙げ地域や行政等に知らせ
ます。
●日頃の見守りや地域活動等を通じて生活困窮者の発
見に努め、行政や専門機関につなぎます。
●生活困窮者自立支援法が定める自立相談支援事業、
住居確保給付金の支給をはじめ、官民協働による地域
の支援体制を構築し、生活困窮者の自立の促進に関し、
包括的に支援します。
●生活困窮者の相談窓口を設置・運営します。
●生活困窮者の実態と課題の把握に努め、支援の充実
を図ります。
●住民や専門機関との連携による自立支援を行いま
す。
●自立相談支援事業を継続して受託し、関係機関等と
連携しながら、自立に向けた支援に努めます。
- 50 -
基本方針4 在宅福祉サービス事業の推進
現状と課題
○少子高齢化が進み、一人暮らし高齢者増加の一方で、子育て支援の必要性や後継者
の育成、支援する側の体制の強化等、抱える課題の複合化、必要な支援の複雑化が
進行しています。
○在宅でのサービスを必要とする高齢者・障がい者が、安心して生活できる仕組みづ
くりが求められています。
○平成 30 年度から始まる竹田市の在宅福祉施策に従い、適切なサービスの実施に努
めていきます。
(主体)
(主な取組み)
【福祉サービスを利用しやすい環境づくり】
●地域包括支援センター(つるかめ)がワンストップ
窓口となり、相談しやすい環境づくりに努めます。
また、福祉サービスを受けるための手続きの流れや対
象者等について、わかりやすい説明に努めます。
行政が取組むこと
【高齢者福祉施策の推進】
●竹田市老人福祉計画・介護保険事業計画に従い、在
宅福祉施策を推進していきます。
【障がい福祉施策の推進】
●竹田市障がい福祉計画に従い、障がい者施策を推進
していきます。
社会福祉協議会が取組むこ
と
●介護保険法や障害者総合支援法に基づきサービスの
提供を行います。
●介護保険サービス対象外の方へ、在宅での自立支援
や要介護状態への進行を防止するためのサービスを提
供します。
●住民の外出支援をするために、移動サービスについ
て関係機関と連携して取組みます
- 51 -
基本方針5 子育て支援事業の推進
現状と課題
○少子化、核家族化の進行や子育ての孤立化等、子どもや子育てに関する環境づくり
は、本市においても取組まなければならない重要課題のひとつです。
○高齢化が進み地域の子どもの人数が減少しているなかで、地域も一緒になって子育
てを行う仕組みづくりの確立を進めていく必要があります。
(主体)
(主な取組み)
自分や家族ができること
【地域で見守る子育ての推進】
●子育てをしている人がいたら、支援を積極的にし
ていきます。
地域においてできること
【地域における子育て支援の推進】
●地域交流等をまじえた、地域による子育ての仕組
みづくりを支援します。
●登下校時の地域防犯パトロール隊による見守り
活動を進めていきます。
【地域における子育て支援の推進】
●竹田市子育てサポートセンター「ゆめいかだ」の
活動を推進します。
●地域の子育てを支える子育てサポーター(ゆめパ
ートナー)の育成を図り、子育てによる困りごとを
地域全体で支える体制を構築していきます。
●子育て支援拠点事業を推進していきます。
行政が取組むこと
【児童館、放課後児童クラブの充実】
●児童館や放課後児童クラブの活動を充実させな
がら、広く竹田市民に知ってもらう広報活動も充実
させていきます。
【世代間交流の推進】
●世代間交流を図り、親子がともに地域文化を体験
し、先人の知恵を学び、感動を共有することができ
るよう、地域が協力し、特色ある世代間交流を推進
します。
社会福祉協議会が取組むこ
と
●保育コーディネーターの養成等、地域の子ども、
子育て支援に積極的に取組みます。
●病児保育事業「すずめの子たけた」の充実を図り
ます。
- 52 -
基本目標3 誰もがいきいきと暮らせる生涯現役、元気な地域
づくりの推進をめざします
基本方針1 生涯現役をめざした地域福祉の推進
現状と課題
○高齢化が進む中で、誰もが知識と経験と技術を活かし積極的に社会へ参画し、地域
社会の担い手の一員として役割を果たしていくことで生きがいの持てる社会をつ
くることが不可欠となっています。
○人生 100 年時代を見据え、意欲と能力を持つ高齢者を社会資源とみなし、積極的
に活用することで、高齢者の社会参画を推進していきます。
(主体)
(主な取組み)
自分や家族ができること
●社会参画や地域活動の支援に積極的に関わり、生涯
現役を目指します。
●高齢者の経験と知恵を活かし、地域独自の活動に積
極的に参加します。
地域においてできること
●地域住民の持つ知恵と行政等をつなぐ取組みを行い
ます。
●地元の人しか知らない地域資源のとりまとめを行い
ます。
行政が取組むこと
社会福祉協議会が取組むこ
と
●地域の良さを掘り起こし、地域住民の方に認識して
もらえる取組みを行います。
●様々な情報提供を行い、地域における活躍の可能性
を広げていきます。
●シルバー人材センターや暮らしのサポートセンター
等の充実を図っていきます。
●高齢者の知恵を活かした新しい農林業について、民
間等と連携しながら取組みを支援します。
●地域住民が相談しやすいワンストップ窓口として、
地区社会福祉協議会や行政と連携しながら、生涯現役
社会の支援を行います。
- 53 -
基本方針2 民間との連携による地域福祉の推進
現状と課題
○地域の高齢化、過疎化の進行により、今後、高齢化率は、5割程度になると予想さ
れます。そのような中、地域住民だけでの支え合いには限界があり、民間や外部団
体との連携も取り入れた新しい地域福祉のあり方を導入していくことが必要です。
(主体)
自分や家族ができること
地域においてできること
行政が取組むこと
社会福祉協議会が取組むこ
と
(主な取組み)
●自分でできる社会貢献に積極的に取組むとともに、
寄付制度についても理解を深め、可能な範囲で、NPO
や福祉団体への寄付を行います。
●社会福祉協議会への寄付や赤い羽根共同募金等の寄
付への協力を呼びかけます。
●民間と地域の課題解決のマッチングを実施し、行政
と民間と地域の協働による地域福祉を進めていきま
す。
●住民の寄付文化の醸成に努め、募金活動等の各種取
組みを支援します。
●民間との協働で地域福祉を行う受け皿となる体制づ
くりを行います。
●企業の※CSR の取組みの誘致を進めます。
●NPOや民間の活動を取りまとめ、事業の効果的な
実施を進めていきます。
●企業や民間からのボランティアを受け入れる、仕組
み作りの検討を行います。
※CSR
企業が社会に対して責任を果たし、社会とともに発展していくための活動をさします。CSR の
代表的なものとしては、納税や法令順守といったことから、人権の尊重、公正な事業活動の推進、
コーポレートガバナンスの向上、環境への取組み等がありますが、ボランティア休暇が法的に位
置づけられたことから、近年、企業が積極的にボランティアの派遣を実施する活動等も見受けら
れるようになってきています。
- 54 -
第
6章
1
計画の推進方針
計画の推進
地域福祉に関わる施策分野は、福祉・保健・医療のみならず、地域づくり、環境、
交通、防災、教育、就労等多岐にわたっているため、庁内関係各部門や社会福祉協
議会、竹田市経済活性化促進協議会等、多方面との連携を図りながら、計画を推進
します。
また、市内各地区における推進の担い手である、自治会、地区社会福祉協議会、
民生・児童委員協議会、老人クラブ、自主防災組織、ボランティア団体、NPO 等
も連携・協働しながら、地域福祉を推進します。
2
計画の進行管理
本計画は、竹田市地域福祉計画推進委員会において、情報の共有と連携を図りな
がら、総合的に推進します。
一方、竹田市社会福祉協議会では福祉活動部会において、事業の進捗を報告する
とともに、関係機関や多方面からの推進方策を検討します。
さらに、地区ごとに開催される「よっちはなそう会」においても、施策の実施状
況の評価をしながら、PDCA サイクルのもと、効果的な推進を図ります。
Plan
計 画
Act
改 善
PDCA サイクル
Chech
評 価
- 55 -
Do
実 行
竹田市社会福祉協議会が果たす役割
地域福祉活動計画を実践するために
平成 29 年度から平成 33 年度の 5 ヶ年間を対象とする、竹田市の第
2 次地域福祉計画及び竹田市社会福祉協議会が策定する第 3 次竹田市地
域福祉活動計画を合冊によりまとめました。
地域福祉を充実させるためには過去の計画に比して、より具体的に方
針や実践計画を盛り込み
①
②
③
④
自分や家族ができること
地域においてできること
行政が取組むこと
社会福祉協議会が取組むこと
などそれぞれの役割を明確に表しましたが、この活動計画では「竹田市
社会福祉協議会が取組むこと」をさらに具体的に基本目標、基本方針ご
とに示したものです。
今般の社会福祉法の改正では
①
②
③
④
⑤
経営組織のガバナンスの強化
事業運営の透明性の向上
財務規律の強化
地域における公益的な取組みを実施する責務
行政の関与のあり方
などについて改革が求められており、その対応について協議、検討を推
進しているところであります。
竹田市社会福祉協議会は上記に加え、法改正を機に多様化、複雑化す
る福祉ニーズに応えるため、組織の見直しを行うなど抜本的な改革を進
めると共に、この活動計画により、17地区社会福祉協議会や地域住民
との協働による地域福祉活動の実践を行います。
- 56 -
基本目標
基本方針1
1
地域住民が主体的に支え合う、人づくり仕組みづ
くりをめざします
(1)顔が見える地域づくり体制の構築・推進
小地域福祉活動の推進
①地区社協連絡協議会の開催を支援します。
②地区社協の運営並びに活動の支援を行います。
③竹田市地域福祉活動研修会の開催をします。
④福祉懇談会「よっちはなそう会」への企画、運営の支援を行います。
⑤地区社協活動の手引きを作成します。
⑥各支所の独自事業の見直しについて、福祉懇談会「よっちはなそう会」
等でニーズを把握し、地域の実情に応じた事業の検討を行います。
(2)災害に備えた円滑な支援活動の推進
①災害ボランティアセンターの研修会の参加及びマニュアルの検証
と模擬訓練の実施を行います。
②災害ボランティアセンター設置における組織体制の強化を行います。
③災害ボランティアネットワークにおける構成団体の拡大と強化を
行います。
④要援護者の情報をシステムに入力する作業を行います。
⑤入力された情報を基にシステムを活用して市の関係課等と情報共
有、連携を図ります。
基本方針2
(1)地域住民による見守りの充実
住民による見守り
活動の実施
①福祉委員研修会を開催します。
②久住地区福祉委員の確保・見直しを行います。
③福祉委員協議会設置に向けた取り組みを行います。
(2)行政や専門員等との連携による解決方法の推進
①課題ごとに行政を中心とする関係機関と協議し、連携して具体的な解
決に向けて取り組みます。
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基本方針3 (1)地域住民による活動の支援
ボランティアの
支援体制づくり
基本方針4
①ボランティア活動の組織拡大につながる情報発信など、広報活動に努
めます。
②ボランティア活動団体の把握・支援を行います。
③ボランティア活動保険の周知と加入促進を図ります。
(1)福祉の啓発・学習の充実
福祉の啓発
・学習の充実
①各種事業について、広報委員会または事業所ごとにホームページ、
SNS(ソーシャルネットワークサービス)
、ケーブルテレビ、社協だ
よりを通じて情報発信を行います。
②福祉大会を開催し、社会福祉事業の功労者を表彰し、その功績をたた
えます。
③ボランティア協力校の活動内容や夏のボランティア体験月間の事業
活動の紹介を行うとともに、地域住民と連携して、小学校などを対象
とした福祉教育に取り組みます。
④高齢者表敬訪問を実施します。
⑤チャリティーショーを開催します。
⑥竹田市共同募金委員会、竹田市民生委員児童委員協議会、竹田市ボラ
ンティア連絡協議会の活動の支援及び情報発信を行います。
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基本目標2 誰もが安心して暮らせるサービスの提供をめざします
基本方針1
包括的支援事業の推進
①竹田市地域包括支援センター(つるかめ)の健全な運営
ア)専門職3職種(保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員)の確
保に努めます。
イ)地域包括ケアの充実に努めます。
②第1号介護予防ケアマネジメント
ア)介護予防の普及啓発・事業対象者の把握に努めます。
イ)高齢者の自立支援の為に適切な介護予防ケアマネジメントを行い
ます。
③包括的・継続的ケアマネジメント
ア)介護支援専門員を支援しケアマネジメント力の向上に努めます。
イ)介護支援専門員はじめ関係機関、多職種等のネットワークづくり
に努めます。
④認知症総合支援事業
「認知症について正しい理解を持ち、予防活動を行い、認知症にな
っても尊厳が守られ安心して暮らせるまち」を目指します。
ア)認知症初期集中支援チームの運営に努めます
イ)認知症の予防活動や認知症の人と家族を支援する仕組みづくりを
行います
⑤地域ケア会議推進事業
ア)「地域ケア会議」を目的別段階別に開催して地域包括ケアシステ
ム構築に努めます。
⑥在宅医療・介護連携推進事業
ア)医療と介護の連携したサービスが在宅で受けられるよう仕組みづ
くりに努めます。
⑦生活支援体制整備事業
ア)生活支援コーディネーターと協力して地域の資源開発や新しい地
域づくりに努めます。
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基本方針2
相 談 体 制 の 充 実
①各種相談支援の充実
ア)役割の整理として地域包括支援センター(つるかめ)を中核的、
総合的な窓口として確認し、各窓口の役割を記載、整理した相談窓
口の体系図を作成します。
イ)高齢者相談支援センターの実態把握を強化し、特に相談に来れな
い方の課題確認や各窓口への橋渡しを行っていきます。
ウ)総合相談ネットワーク会議、竹田地域ケース会議等、各窓口、各
関係機関との定期的な情報共有、連携を続け、ネットワークを充実
させていきます。
エ)相談対応の充足、質の向上を図るため、全ての担当者が、定期的
な研修参加や意見交換等を通じた自己研鑚を行い、かつ協力しなが
ら対応していきます。
オ)広報誌や、地域推進事業、各サロンへの参加、各単位民生委員児
童委員協議会の定例会等にて、相談窓口の周知、啓発に努めます。
②権利擁護相談体制の整備
ア)地域包括支援センター(つるかめ)の権利擁護業務(高齢者虐待、
消費者被害、成年後見制度の活用促進、その他尊厳が保たれていな
い生活への支援)を高齢者の中核的な権利擁護の窓口として充実し
ていきます。
イ)竹田市と協力し、虐待対応のマニュアルを作成します。
ウ)生活困窮者自立支援制度において、高齢者に関わらず生活に困窮
した方の相談を広く受け付け、日常生活自立支援業務(あんしんサ
ポート)や、生活福祉資金貸付制度等を活用しながら、権利擁護相
談窓口の充実を図ります。
エ)竹田市や包括、弁護士や司法書士等の、権利擁護の専門機関との
連携の為に、権利擁護連絡協議会を立ち上げ、定期開催を行ってい
きます。
オ)竹田市に必要な社会資源として、市民後見人の養成と法人後見体
制の整備に向けて検討していきます。
カ)権利擁護と、権利擁護に関する窓口の普及 啓発活動を行ってい
きます。
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基本方針3
生活困窮者の
自立支援の充実
①社協内部の相談窓口を一本化し、相談しやすい体制を作ります。
②市社会福祉課、経済活性化促進協議会、おおいたくらしサポートとの
四者連携会議を定期的に開催し、一人ひとりに合った支援を進めてい
きます。
③関係機関と連携を図れるよう、各種会議に積極的に参加し情報交換を
行ないます。
④各単位民生委員児童委員協議会の定例会に定期的に出席し意見交換
を行ない、自らSOSを発することが難しい事業対象者を相談窓口に
繋げます。
在宅福祉施策
サービス事業の推進
基本方針4
①軽度生活援助事業の充実を図ります。
②障がい者福祉サービス事業の推進を図ります。
③福祉機器貸出事業の充実を図ります。
④サロン活動の充実を行っていきます。
⑤居宅介護支援事業の充実を図ります。
⑥通所介護(デイサービス)事業の充実を図ります。
⑦訪問介護(ホームヘルプ)事業の充実を図ります。
⑧介護予防・日常生活支援総合事業の充実を図ります。
⑨人材の育成及び有資格者の確保に努めます。
⑩あらゆる機会を利用して、移動サービスの研究、研修を行います。
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基本方針5
子育て支援事業の推進
①児童館・放課後児童クラブの充実
ア)保護者・地域・学校との連携を図り、子どもとの信頼関係に努め
ます。
イ)荻地域の小学校高学年の児童で構成するプチトマトプロジェクト
を通して、小学校卒業後も自ら児童館のボランティアスタッフと
して繋がりをもてる子どもの育成に努めます。
ウ)学校や地域等子どもが関わる環境が広がり、多様な他者とのかか
わりを経験できるように支援していきます。
②久住保育所・荻保育園事業の充実
ア)保育の量的拡大・確保、教育の質的改善のため保育の担い手確保
対策に努めます。
イ)病児保育事業への保育士、看護師の派遣に努めます。
ウ)保育コーディネーター養成研修受講に取り組んでいきます。
エ)子どもの発達の連続性を考え、小学校との連携を進めていきます。
オ)久住保育所の健全な運営に努めるとともに、荻保育園の認定こど
も園(幼保連携型)への移行、建設を地域住民及び関係者と連携し
て推進します。
③病児保育事業「すずめの子たけた」の充実
ア)児童の安全確保に努め、緊急時にも対応できる体制をつくりま
す。
イ)事業内容の周知、情報発信に努めます。
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基本目標3 誰もがいきいきと暮らせる生涯現役、
元気な地域づくりをめざします
生涯現役を目指した
地域福祉の推進
基本方針1
①福祉の視点で地域づくりに関わる個人やグループ団体等の活動を把
握し、住民に紹介するとともに、高齢者や障がい者の社会参加を促す
ために、機会を提供、支援を行います。
基本方針2
民間との連携による
地域福祉の推進
①ボランティアを始め、郵便局や生協等の民間企業が見守りや買い物
支援事業に取組んでいるが、有機的な連携により、地域のニーズに
あった、具体的な取組みを支援します。
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◆ 取組み事例 ◆
*A【南阿蘇支援ボランティア
竹田ベースキャンプ】
平成 28 年 5 月 1 日に荻町の旧役場跡地を拠点として開設し、平成 28 年 4 月 14 日に
発生した熊本地震で被災した南阿蘇村への支援活動を行いました。
社会福祉協議会の強みである「日頃から地域や関係者と顔の見える信頼関係」が災害時
においても “つながり”として十分に発揮でき、市内外から認識された成果となりました。
また、全国初となった県境を越えての後方支援は、閉所する 7 月 31 日まで48日稼働の
間、事故やケガ、トラブルも無く、全国40都道府県から延 1,991 人のボランティアを南
阿蘇村につなぎました。
*B【城原地区社協】
城原地区社協では、地域住民が顔を合わせる機会を通してお互いの関係を深め、日頃か
ら地域で支え合う仕組みづくりを目指すことを目的に、子どもから高齢者まで、地区内の
人が集まり楽しく交流する場として「城原の子ども達と交流しよう!!」を開催していま
す。城原小学校の PTA 親子美化作業に、城原地域の方も参加して共に汗を流しながら、清
掃活動を行っています。父兄からは、「地域の人とつながる事で、安全面・防犯面でとて
も心強い応援隊です」との声があります。
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*C【ささえ愛フォーラム】
竹田市では、いつまでも住み慣れた自宅で、安心して暮らせるような地域づくりを目指
しています。助け合いの輪が地域に広がり、誰もが安心して暮らせる地域を作るためには
何ができるか、何が必要かを公益財団法人さわやか福祉財団からの最新情報をもとに、自
治会関係の方、ボランティア団体、地区社協やよっちはなそう会の参加者、行政、事業所
などに声かけし、一緒に考えていく場です。
*D【嫗岳地区社協】
嫗岳地区社協では、平成 26 年度に吐合、井手ノ上自治会で地震想定の避難訓練、支え
合いマップを基に整備した連絡網を使い、住民の安否を確認する訓練を行いました。
自治会内の殆どの方に参加していただき、避難した方、ケガをしている方の情報伝達が、
自治会長に集約できる体制にも繋がりました。また、避難場所が、日頃使っている公民館
でしたが、訓練によりこの場所は危険と判断し、避難場所の変更を行うなど地域ぐるみで
話し合い、対応することができた訓練となりました。
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*E【竹田市災害ボランティアセンター】
平成 24 年 7 月 12 日、九州北部豪雨による災害が発生しました。竹田市社会福祉協議
会では平成 24 年 7 月 15 日(日)に災害ボランティアセンターを竹田市総合運動公園に
設置し、被災者支援活動を行いました。平成 24 年 7 月 28 日までの 14 日間、規模を縮
小して 7 月 30 日~8 月 9 日までの11日間、延べ 3,631 名のボランティアの受け入れ、
延べ 304 件の支援活動を行いました。
*F【菅生地区社協】
菅生地区社協では見守り・声かけ活動の仕組みとして、平成 26 年度より愛・福・民に
よる訪問を実施し、月に3回見守りを必要とする家庭への声かけを行っています。
愛(愛育保健推進員)
1 日~10 日
福(福祉委員)
11 日~20 日
民(民生委員児童委員)
21 日~30 日
福祉委員研修会
福祉委員研修会
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